すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

脱力系の指導者。

2014-12-16 12:16:01 | 育児・母稼業
4歳の息子は、今年の春からスイミングに通っています。かれこれ8か月たったところ。

どちらかというと全般的に運動は苦手で、スイミングもまあ、めきめき上達するような感じではありません。

ひたすら、のらりくらりですが、ただ、なぜか進級テストは今のところ一回も落ちないで来ています。

プールが嫌いでないこと(まあ、好き)、テストの時にプレッシャーをほぼ感じないことが、たぶんマイペースに上達している理由かな、って思っています。

そんな息子、今月からビードバンでけのびをするクラスに進級したのですが、なんだかここに来てやたらヤル気になっているんです。

「早くスイミングに行きたいよ~」と毎日のように言うので、理由を聞くと、購入したばかりのゴーグルを使ってみたら水に顔をつけるのがすごく楽になったから、なんだとか。

まあ、これは彼が説明できる理由なんですが、私はもう一つ別の理由があると踏んでるんです。

今のクラスのHコーチ。この人の存在が大きい。これまで指導してもらったコーチすべてを息子は「好き」と言いますが、Hコーチに代わったとたん、息子の話にこのコーチの登場する回数が非常に増えました。顔の特徴や、どんな風に声をかけてもらっているのか、Hコーチの話になるとやたら口が軽くなる。

ガラス越しの保護者席で見ていると、そのコーチの良さがすぐにわかります。

「ちょっと、このコーチ教え方上手くない?」と、私の後ろに座っていたパパ&ママが驚きの声を上げるんですが、本当にその通り。コーチが子供の耳元に何かを囁くと、どの子もどの子もやるたびに上達する様がはっきりとわかるのです。

教え方が上手いというのももちろんなのでしょうが、このコーチの良さはまさに「リラックス」「脱力」しているところ。見るところ、心に一本筋が通っていて、あとはなんでもこじゃれ、のゆるい感じ。30歳前後とおぼしき男性ですが、お顔もまさに心が安定している人特有の印象です。

褒めすぎないし、しつこく注意もしない。自然な笑顔で、短く大切なことを子供に一声かけるだけ。出来た時には軽くハイタッチ。出来なくても過剰なホローはしない。結果をさほど重視せず、子供に余分な期待をかけない感じがうかがえます。

なんといっても、プールサイドの子供たちがリラックスしているのがわかります。笑顔が多い。そして「失敗したらどうしよう」とか「コーチの期待に応えなくちゃ」という力みがない。だから、コーチのアドバイスが素直に耳に入って、なんとなくできてしまう。そんな感じです。

これに気付いたのは、私自身がリラックスしているから。熱血タイプのコーチにあたると、保護者席の私の両手にも力が入る。「失敗しないように」「コーチの期待に添うように」と、親の私までもがきっと力んでしまうんです(親バカ?バカ親?)。人の空気に影響を受けやすい私。そんな自分を察知すると、意図的に席を外したりしましたけどね。

少し前に、心屋さんのブログでこんな記事↓が紹介されていたのを思い出しました。
はじめて逆上がりが出来た女の子:成功後の一言が指導者を撃ち抜く


指導者のリラックスも脱力も、子供への信頼からしか生まれない。そんな、信頼なんて大げさなものでもないか。どっちでもいいんだよ、どうせ君たちは伸びたい、成長したい生き物だろっ、知ってるよーって感じかな。

子供たちがその力が発揮できるのは、誰かの重すぎる期待を感じることなく、失敗してもいい環境に置かれたときなんですよね。やっぱり。

期待って、本当に難しい。昔は「少しくらいはあってもいい」とも思ったけれど、最近は思います。「ないならないだけいい」と。


ちなみに、息子が次のクラスに進級したら違うコーチになってしまうので、しばらくは曜日変えてでもこのコーチのおっかけをしようと思っています。(これも親バカ?バカ親?)


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