おくのほそ道

漫画「ジパング」にハマったが故に興味は海上自衛隊へ!護衛艦を見るための旅行、漫画やサッカーなど、趣味をメインに語ります

ジパング 航跡396

2009-03-20 | ジパング
漫画なので声は聞こえないんだけど…
角松の言葉に我が耳を疑ってしまった今週号。

本音か?建て前か?!

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積荷に右足を押しつぶされた角松。
痛みを感じている間は正気を保てる、と自らに言い聞かせたものの、草加の問いかけに思わず「限界かもしれん」と本音を漏らす。
そして急に、草加に対し、この世界へ来てからの心情を吐露し始めた。
自分たちの時代へ帰れないと分かった時、草加と草加が作った原爆を生きる目的にしたこと。
自分は英雄を気取っていたいだけの自意識肥大な人間で、今は残してきた家族のことばかり考え、万が一そこへ戻れるなら、原爆や戦争、この世界の日本がどうなろうと知ったことではない、と。
草加に奪われた通信機を通じて、その言葉はみらいへ筒抜けとなり、角松についてくるしかなかった隊員たちの反感を買う。
が、角松は更に「このまま生きていても何もない。ひと思いに楽にしてくれ」と草加に要求、銃口が角松に向けられるが…。
カーネルもまた、ミッチャーの許可の下、原爆奪取作戦を発令していた。

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巻中カラー24Pの冒頭、“膝と足首の粉骨骨折”というセリフを見て、ちょっと頭がくらくらしました。
わかっちゃいたけど、この時代じゃ助かったとしても手術のしようがないし、膝上で切断だろ…と現実的なこと考えてみたら吐きそうになった。

それでも気丈な態度を見せてた角松がいきなり豹変し、つらつらと草加に弱気な心情を語り始め、中学時代の美談まで持ち出したり、この世界でやってきたことを全否定するかのような話を始めたことには、正直「何言ってんの?あんた本気?」って思いましたよ。

角松が「家族のもとへ帰りたい」だなんて、頭やられたんじゃないの?って。
…まぁ、それは冗談だけど、延々と続く台詞に感化され、最初は私もそれら全ての言葉を鵜呑みにしてしまいました。

とは言え…
233ページの左下、最後のコマ。
角松の横顔のアップを見た時に、“このコマが意味するものは…?”って、何かしらの転換を示唆するものだということは解ったし、最後のページを見た時には、さすがに勘の鈍い私も角松の意図していることがわかりましたよ。

正直「そこまでして…」って思った。

自分はもうここから脱出することも、時限起爆装置を止めることもできない。
自分が生きていることで、みらいから大和に向けてミサイルを発射することに躊躇が生じている。

ならば…

草加に自分を殺させ、みらい乗員に躊躇なくミサイルを発射させて、大和を原爆と共に海に沈めよう。
草加が角松を生かす選択をした場合も、みらい乗員の中に角松に対する悪意を植え付けることで、事前の打ち合わせどおり、ミサイル発射が滞ることのないように仕向けよう。

角松一世一代の名演技ってわけです。

角松にそそのかされて拳銃を向ける草加は、本気で角松を撃ち殺すわけがない。
角松の生存こそが、みらいからの砲撃を避ける唯一の方法だとわかっているわけだし。
ただ、角松がみらい乗員に対して発した“暗号”を、草加が理解しているのかどうかが今のところは不明です。

が…
“暗号”を理解していようがいまいが、草加は角松の覚悟を今度こそ真剣に受け止めている風に見えますね。
「ミッドウェーでの貸しを返せ!」(俺を助けろ=お前の手で楽にさせろ)
という、歪んだ真意を含んだ言葉に対して、草加は本来の真っ直ぐな意味で答えるんじゃないだろうか。

…そう考えなきゃ読んでられないよ。

米軍の砲弾が、今度は大和の逆側に当たれば、あの大きな積荷も逆方向にズレて、角松は脱出できるはず。
来週は、きっとそんなミラクルも起こるはずです!

みらい乗員が抱く誤解も、麻生さんがなんとかしてくれることを願うのみ。

確かに時間は刻々と過ぎ、とうとうカーネルの駆逐隊も大和に向かうことになったけど、どのタイミングで誰と誰が鉢合わせすることになるのかにも注目しなければなりませんね。
ま、こちらは数週後のことになるでしょうけど。

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