あたぴぃのらくがきちょう Online

わりと徒然なるあたぴぃの日記。細かい情報ブログは目指してません、ご了承くださいませ。

通信の最適化事案を細分化する

2015-07-17 21:19:26 | デジタルな生活
携帯電話大手 3 社が通信データを圧縮しているという話題。
ここ 1 週間くらい騒がしくなっているのですが、いまいち話がかみ合わない。
というのもこの件、いろいろな視点から問題視すべきか否かの議論が可能で
「論点があわない」という問題がやたら起きそうな話、なんですよ。

というわけでいくつか挙げてみましょう。網羅は…できてないかも。

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[1] データ変更による処理上の不都合

通信の最適化、が話題になったのは「あるアプリでアプリ内データの更新が失敗する」、
何度リトライしてもいっこうに成功しないという現象からでした。
これは「通信の最適化によってデータが変わっている」ことを把握しておらず
「送信データと受信データが同じモノかどうか確認する仕組み」が壊れたのが原因。
平たく言えば、「思ってたのと違う大きさのデータが来た」ので
「あれ?破損しちゃった?」と思って再送信を要求する仕組み、という具合です。

厳密にはサーバー側で「変更を拒否する」よう要請するデータは送れるのですが
要請レベルなので要請が通るのかどうかは現状誰にもわかりません。

[2] 画像等の画質比較に影響する可能性

通信の最適化は「何を最適化するか」の指定は現状できません。
また、最適化の要否も携帯電話会社が適宜判断しているようです。

となった場合に、「厳密な見た目の質」を要求する類いのデータ、
「圧縮控えめ」VS「圧縮強め」の画質比較をしようとするページなどでは
両者の圧縮度が勝手に変わってしまうと話の大前提が崩壊します。
いつ何を変えているかわからないと大変困る、という話。

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[3] 同意の取り方がいい加減、説明不十分の問題

通信の最適化は「利用者の同意」を取って行われているのですが、
実際には「そんな同意はしてない」という話で炎上している気配もあります。
同意のタイミングは機種変更などで発生しているようで、
そうなると「機種変更の際に説明がなかったか不十分だった」可能性大。

「説明を受けていれば同意しなかった」という主張に対しては
「説明しているはずです」では反論にならないよ、という話でもあり。

[4] 同意撤回が容易にできない問題

ここは会社単位で違うのですが、ソフトバンクでは最適化拒否ができません。
au は電話で要相談、ドコモはオンラインでさくっと撤回可能、と段取りが違う。
「データ変更を勝手に行う上に拒否できない」部分が問題となる可能性、
手続きが煩雑すぎることもまた問題となってくる可能性があります。

[5] 通信の秘密・プライバシーに関する問題

一般に、個別の通信を通信事業者がのぞき見することは許されません。
データ変更をするにはデータの内容を把握する必要があって、
ということは見てんじゃねーか!と言われても仕方ない状況です。
そこで同意を必須としている、はずなのですが、[3] の問題があり。

適切に同意を取っていないのに見ているなら通信の秘密を侵している。
通信の秘密は憲法にはっきり書かれていることもあり、大きな問題となります。

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大きく分けるだけでも「技術的な問題」「法律的な問題」の両面があり、
それぞれを細かくいくつかのポイントに切り分けられる感じです。

個人単位で「ここは許される」「ここはまずい」の判断は変わるはずですが、
どこかに「許されない」があると全体としては「許されない」になる一方で
許されないポイントが違う人が話をするとかみ合わなくなる、かも。

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自分のぶんはとりあえず不同意に変更して様子をみている感じです。
ドコモではネットワーク混雑時だけ運用しているなんて話もあり、
メリットが出る場合もなくはなさそうな気も、実際どうなんだろう。