朝日新聞に、「名前だけで殺される」という記事がありました。イラクで、イスラム教のシーア派が、名前でスンニー派とわかる人を殺害するという事件が増えていて、スンニー派とわからないように改名する人が増えているという記事です。
「オマル」は、シーア派が正当性を認めない「カリフ(預言者ムハンマドの代理人)」の名前で、他にも、その子孫がシーア派の始祖を弾圧したとされる歴史上の人物と同じ「スフィヤン」や、「ヤジーディ」「マルワン」といった名前の人が狙われているとか。「オマル」って、きっと「オメール」だよね。知り合いにいるぞ、ドキドキ…と、身近に感じました。
日本人の我々も、顔だけだと中国人、韓国人、タイ人、チベット人、ネパール人、マニプリ人などアジア諸国の人と見分けがつかないと思いますが、名前を聞けばわかります。
カーストというか、コミュニティーが多種多様なインドでは、名前からかなりのことがわかってしまいます。たいていのインド人は、相手の名字を聞けば、元々の出身地(カシミールなど)、宗教、宗教のセクト(ヒンドゥーのヴィシュヌ派、クリシュナ信仰など)、カースト(小作農とか地主とか)がわかるようですし、ファーストネームから、所属している宗教の想像はつきます。
インドのメジャーな宗教は、ヒンドゥー教、イスラム教、ジャイナ教、キリスト教、スィク教、仏教、パールスィー(拝火教)などなどだと思うのですが、宗教によって挨拶も違うので、インドに行ったら、なんでもかんでも「なますて~」というわけにもいきません。スィク教徒など、外見からわかる場合は最初から、「サト・シュリ・アーカール」と挨拶しますが、わからない場合がほとんどなので、名前から推測することが多くなります。
ヒンドゥー教徒、ムスリムは、ファースト・ネームで見分けがつきます。ムスリムはクルーアン(コーラン)に出てくる名前(「イブラーヒーム」「アイシャ」「アリ」など)ですし、ヒンドゥーは、サンスクリット名。「モーハン・ダース」とか「チャンドラ・バーイー」のように、「ダース」や「バーイー」がついている名前はグジャラーティーに多いようです。キャリコ博物館で会ったアメリカ人は、お母さんがインド好きとかで、本名が「ゴービンド」というヒンドゥー名でした。クリシュナ神の別名です。
エリザベスとか、フェルナンデスといった名前の人は、キリスト教。ただしキリスト教徒、ジャイナ教徒、仏教徒は、サンスクリット名の場合も多いので、名前だけではわかりません。インドの俳優にジョン・アブラハムという人がいますが、ジョンは、新約聖書に出てくる「ヨハネ」なので、クリスチャンかもしれません。
パールスィーには、ターターとかラーラーとか、特有の名字もありますが、ヒンドゥーのグジャラーティーと同じ名字(「メータ」「ガーンディー」など)の人も多いようです。パールスィーのファースト・ネームは、「フィローズ」など、ペルシャ系の名前のようです。ムスリムにもペルシャ系のファースト・ネームの人がいますが、シーア派なのでしょうか?
…と、なんとなくわかってきたところで、アフメダバードで乗ったリキシャーの運転手の名前を聞くと、「フィローズ・バーイー」だったので、混乱しました。「フィローズ」はペルシャ系の名前なので、ムスリムかパールスィー。でも「バーイー」はグジャラーティーのヒンドゥーがよくつける名前です。名字を聞くのは、カーストを聞くのと同じなので、なんとなく聞きにくい。
ムスリムは一神教なので、他の宗教の寺や教会には入ろうとしませんが、運転手さんは、モスク、ジャイナ教寺院、ヒンドゥー教寺院を案内してくれました。どこに行っても特に祈ることもありません。
好奇心を抑えきれず、最後に「あなたの宗教は何ですか?」と聞いてみました。返事は「キリスト教だよ。父の代に改宗した」。ヒンドゥーから改宗したのかな~?拝火教徒のペルシャ人(パールスィー)はグジャラートにたどり着いたから、グジャラートにはペルシャ系の名前をつける人も多いのかな~?うーん、謎は深まるばかり。
「オマル」は、シーア派が正当性を認めない「カリフ(預言者ムハンマドの代理人)」の名前で、他にも、その子孫がシーア派の始祖を弾圧したとされる歴史上の人物と同じ「スフィヤン」や、「ヤジーディ」「マルワン」といった名前の人が狙われているとか。「オマル」って、きっと「オメール」だよね。知り合いにいるぞ、ドキドキ…と、身近に感じました。
日本人の我々も、顔だけだと中国人、韓国人、タイ人、チベット人、ネパール人、マニプリ人などアジア諸国の人と見分けがつかないと思いますが、名前を聞けばわかります。
カーストというか、コミュニティーが多種多様なインドでは、名前からかなりのことがわかってしまいます。たいていのインド人は、相手の名字を聞けば、元々の出身地(カシミールなど)、宗教、宗教のセクト(ヒンドゥーのヴィシュヌ派、クリシュナ信仰など)、カースト(小作農とか地主とか)がわかるようですし、ファーストネームから、所属している宗教の想像はつきます。
インドのメジャーな宗教は、ヒンドゥー教、イスラム教、ジャイナ教、キリスト教、スィク教、仏教、パールスィー(拝火教)などなどだと思うのですが、宗教によって挨拶も違うので、インドに行ったら、なんでもかんでも「なますて~」というわけにもいきません。スィク教徒など、外見からわかる場合は最初から、「サト・シュリ・アーカール」と挨拶しますが、わからない場合がほとんどなので、名前から推測することが多くなります。
ヒンドゥー教徒、ムスリムは、ファースト・ネームで見分けがつきます。ムスリムはクルーアン(コーラン)に出てくる名前(「イブラーヒーム」「アイシャ」「アリ」など)ですし、ヒンドゥーは、サンスクリット名。「モーハン・ダース」とか「チャンドラ・バーイー」のように、「ダース」や「バーイー」がついている名前はグジャラーティーに多いようです。キャリコ博物館で会ったアメリカ人は、お母さんがインド好きとかで、本名が「ゴービンド」というヒンドゥー名でした。クリシュナ神の別名です。
エリザベスとか、フェルナンデスといった名前の人は、キリスト教。ただしキリスト教徒、ジャイナ教徒、仏教徒は、サンスクリット名の場合も多いので、名前だけではわかりません。インドの俳優にジョン・アブラハムという人がいますが、ジョンは、新約聖書に出てくる「ヨハネ」なので、クリスチャンかもしれません。
パールスィーには、ターターとかラーラーとか、特有の名字もありますが、ヒンドゥーのグジャラーティーと同じ名字(「メータ」「ガーンディー」など)の人も多いようです。パールスィーのファースト・ネームは、「フィローズ」など、ペルシャ系の名前のようです。ムスリムにもペルシャ系のファースト・ネームの人がいますが、シーア派なのでしょうか?
…と、なんとなくわかってきたところで、アフメダバードで乗ったリキシャーの運転手の名前を聞くと、「フィローズ・バーイー」だったので、混乱しました。「フィローズ」はペルシャ系の名前なので、ムスリムかパールスィー。でも「バーイー」はグジャラーティーのヒンドゥーがよくつける名前です。名字を聞くのは、カーストを聞くのと同じなので、なんとなく聞きにくい。
ムスリムは一神教なので、他の宗教の寺や教会には入ろうとしませんが、運転手さんは、モスク、ジャイナ教寺院、ヒンドゥー教寺院を案内してくれました。どこに行っても特に祈ることもありません。
好奇心を抑えきれず、最後に「あなたの宗教は何ですか?」と聞いてみました。返事は「キリスト教だよ。父の代に改宗した」。ヒンドゥーから改宗したのかな~?拝火教徒のペルシャ人(パールスィー)はグジャラートにたどり着いたから、グジャラートにはペルシャ系の名前をつける人も多いのかな~?うーん、謎は深まるばかり。
長いですね~。わからないながらに想像してみると、
Al…アラビア語定冠詞
Haj…メッカ巡礼をした人
Maulvi…イスラム法の学者
Feroz…ペルシャ系の名前、勝者・成功者
ud-Din…宗教の、法の(尊称)
…と、えらそうな名前ですね。それに英語風にsonsをつけちゃった息子達っておちゃめかも。
私は「Aasman」(空)というペルシャ語の響きが好きなのですが、手持ちのイスラム名前辞典には載ってませんでした。男性名だから、どっちみちダメか…(笑)
けっこう変えた人に会います。小さい時、悪いことがあったりすると改名したり、結婚後に、旦那さんの好みで改名したりする人が多いみたいです。
私は「Aasman」(空)というペルシャ語の響きが好きなのですが、手持ちのイスラム名前辞典には載ってませんでした。男性名だから、どっちみちダメか…(笑)
アースマーニー(空色)という名前はどうでしょ?ペルシャ語の女性形かどうかはさだかではありませんが(^^;)。
あと、John Abrahamの本名はFarhanといって、カソリックだそうです。
名前にいろんなパーソナル情報が含まれているのって、やっぱりすごい(ある意味コワイ)ことですね。
Fardeenというのは、Farid-uddinでしょうかね?とすると、アラビア語でしょうから、お父さんの名前がペルシャ語だから、シーア派とも限らないのかな。
> あと、John Abrahamの本名はFarhanといって、カソリックだそうです。
Farhanというのは、姓でしょうか?名前でしょうか?
> 名前にいろんなパーソナル情報が含まれているのって、やっぱりすごい(ある意味コワイ)ことですね。
ゾマホンさんの本名は「ゾマホン・イドゥス・ルフィン」で、「イドゥス」という個人名は、「双子のすぐ下に生まれた男の子」という意味だとか。「人名の世界地図」という本には、いろいろな国の名前のエピソードが載っていておもしろかったです。
ついでながら、Johnは俳優業の前にスーパーモデルとして活躍していましたが、その前は広告代理店でメディアプランナーの仕事をしていたそうです。ちなみにベジタリアンでテコンドーの使い手(!)。なんだかJohnのデータにすっかり詳しくなっちゃいました~(笑)。ああいうルックスだけど、とても真面目で礼儀正しい青年だという記事を前に読んで、好印象を持っていたのですが、確かにボリウッド雑誌のパーティーの写真に、アビシェークやヴィヴェックはよく出ていて遊んでるな~って印象だけど、Johnって見た記憶ないかも。早寝早起きの健康生活してるんですねきっと。Nanaのことも「Nana sahab」と丁寧に呼んでいました。
Fandeenの名前については、う~んどうなんでしょうか? ウルドゥーの先生に今度聞いてみますね。Ferozはsuccessfulって意味の名前のようですが。
人に歴史あり、名前に理由あり。「人名の世界地図」って面白そうですね~。
インドにはシリアンカソリックもいるんですか!民族・言語・宗教が入り交じっていて、子供に両方の名前を付けるというのが、いかにもインドですね~。
というのは、「インドには拝火教徒もいるんですか!」というのと、同じくらい無知な発言でした。
いや、知らなかったんですけど。ホントに。
http://www.sojp.net/about_syriac.html
これで、Johnがヒンドゥーの嫁さんでももらった日にゃ、その子供はどういう立場になるんでしょうか?…と私が心配することもないけど~(笑)。