ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

「インド櫻子ひとり旅」

2009年08月06日 | 

阿部櫻子著 木犀者刊


 バイト先でインタビューを聞いた阿部櫻子さんの本が出たというので、購入してみました。


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 日本の社会に順応できなかった著書が、偶然入った吉祥寺のカレー屋をきっかけに、インドに興味を持つようになり、ヒンディー語を習い、ミティーラ画の研究をしに留学する予定で行ったインドで、先住民の入れ墨に出会う…

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 封建的な村社会のミティーラに住んだり、先住民の刺青の施術を見たりするというのは、日本人だけでなく、インド人にとっても珍しい経験だと思い ます。シャンティーニケタンでルームシェアをしたラクシュミーのエピソードなど、なんだか、現実ばなれしていて、夢を見ているような気にもなります。山田 和の「インドミニアチュール幻想」を読んだ時にも、同じような感覚を覚えましたが、インドって…インドの村には、今でもそういう日本の現実とは全く違う生活が残っているのでしょう。

 あれよあれよという展開で驚きました。インタビューを聞いたときも、その行動力と肝の据わった話し方に感心しましたが、本を読んでみると、そんな印象とは裏腹に、非常に繊細な神経の持ち主だという気がします。その繊細さがインドという強烈な環境で激しく反応して強靱な精神を作り上げたのか?


 著者はインド関係のコーディネートの仕事を経て、インド番組の製作ディレクターとして働いているそうですが、そのきっかけとなったのは、1995年に千駄ヶ谷のフジタヴァンテで開かれた「原インド・いのちの鼓動展」という展示会だったそうです。うーん、これ、私も行ったような気がする…。先住民の入れ墨の写真も展示されていましたが、伝統的な意匠の他に、腕時計のデザインの入れ墨があったのがおもしろかったです。


 インドに行くたびに泊めてもらう家のおばあちゃんは、70代ですが、胸と腕に入れ墨があります。おばあちゃんはグジャラーティーのブラーフマン(バラモ ン)なのですが、同じ家でも、おばさん世代の人には入れ墨がありません。入れ墨は装飾の他に、「ムスリムと見分けがつくように」「イギリス人は入れ墨が嫌 いなので、イギリス人から身を守るために」という意味もあったそうなので、おばあちゃん世代では珍しくなかったのかな?入れ墨についてもう少し詳しく知りたいので、次の本が出るのを楽しみにしています。

 



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2 コメント

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つくづく・・・ (笹団子)
2009-08-07 01:13:34
>インド人にとっても珍しい経験
つくづくインドの広さを感じます。
てっきりインパールとかナガランドあたりの話と思ったらビハール州のに含まれる地域なんて・・・。
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多様な社会 (とーこ)
2009-08-08 09:34:50
笹団子さん

先住民といわれている人達は、マッディヤ・プラデーシュやチャッティスガル、西ベンガル州などにもたくさん住んでいるそうですね。先住民は独特の文化を持っているようですが、ミティーラのような村社会は都会とは全然生活が違うし、インド人でも、宗教やコミュニティーが違う人達の生活はよくわからないようです。
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