ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

Ashes to Ashes デヴィッド・ボウイー

2016年01月16日 | 覚え書き

 10日にデビッド・ボウイーが亡くなりました。

 前作の『The Next Day』 からわずか3年で新作『★』(ブラック・スター)が出たので、完全復活か?と驚き喜んでいたのに。

 癌で闘病中だったなんて知らなかったから、突然の訃報に驚いたけど、誤報だとは思えませんでした。ここ数年、家族や友人を何人もなくし、人は死ぬものだということに納得するようになりました。

 

 ボウイーのアルバムでは、ベルリン三部作、中でも『LOW』が一番好きでした。曲としては、1972年くらいから10年間くらいの作品が好きで、「Rock'N'Roll Suicide」、「Rebel Rebel」、「Golden Years」、「Heroes」、「Look back in Anger」、「Fashion」なんかは、鼻歌に出るほど。ミック・ジャガーとのデュエット曲、「Dancing in the Street」は、今でも気分を盛り上げたい、ここぞという時に聞く曲だし、フレディー・マーキュリーとの「Under Pressure」も好き。一番好きな曲は、「TVC15」かも。

 一番売れたアルバム、『Let's Dance』でちょっと違和感を覚え、『tin machine』以降は『The Next Day』まで全く聞きませんでした。

 ボウイーはスペース・オペラやグラム・ロック、アメリカ時代、ベルリン時代、それからレッツ・ダンスやティーン・マシンと、出す度にイメージを変え、いつも新しい…とよく言われていたような気がしますが、やっぱり一貫したボウイーらしさがあり、3年前に出た『The Next Day』を聞いた時も、その「らしさ」が健在だったので嬉しく思ったものでした。

 どこか神秘的で人間ばなれして見える中にも、世俗的な攻撃性も秘めていて、シニカルなユーモアがある…というのが、私にとってのボウイーのイメージ。歌手としては声量がない方かもしれませんが、それゆえ既存の歌い方ではない、新しいタイプのロック歌手となりえたのかも。私の好きなレロレロ路線の先駆けはボウイーのような気がします。『ピーターと狼』のナレーションもすてきでしたし、映画、『ハンガー』や『ジャスト・ア・ジゴロ』、『線上のメリー・クリスマス』なども、演技力を超えたボウイーらしい存在感が魅力的でした。

 

 ボウイーが死んだからといって、彼の作品が聞けなくなるわけじゃない。『tin machine』以降、25年間も新しいアルバムは聴かず、繰り返し過去の作品を聴き続けていたわけだし。

 でもボウイーがいないという喪失感はどうにも埋めようがないのです。好きな人たちがどんどんいなくなってしまうという恐怖と、ボウイーをよく聞いていた頃の、無邪気で強気の自分には戻れないというあきらめが気持ちを支配してしまって。これが年を取るというということなのね。

 でも変化しつつもボウイーがずっとボウイーでいたように、私もずっと私でいると思います。半ばしかたなく、そしてある程度維持することを意識して努力しつつ。土は土に、灰は灰に。「Ashes to Ashes」MTVの初期に飽きずに見たビデオのひとつです。

 


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2 コメント

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Unknown (とーこ)
2016-01-22 05:16:53
ゆきこさん

24年組の中でも、大島弓子の作品には特にボウイーっぽい人がよく登場しましたね。その中でも、私は、「オーガスティン」が出てくる『海にいるのは…』という作品が好きでした。

兄が亡くなってから3年になろうとしていますが、あれからこんなことやあんなことがあったよ…と教えたいことが増えました。でも、ボウイーのことは教えなくても、むこうでキャーキャー言っているかな?
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Unknown (ゆきこ)
2016-01-21 13:00:50
洋楽はよくわからなかったのですが、ボウイーは昔、少女まんがで知りました。24年組に多大な影響を与えたのは間違いないと思います。
とーこさんのお兄さんが亡くなる前にボウイーの新曲を聞いていたというのを思い出して不思議な暗合を感じました。
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