ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

インドごはん(家庭編)

2006年04月24日 | たべもの

 インド料理の神髄は家庭料理にあり。
 今回は、ドゥルグ、ダリー・ラージャラー、バルガル、ヴィシャカパトナム、プネー、ムンバイ、と6軒のお宅に泊めて頂き、家庭料理をごちそうになりました。6軒といっても、親戚なので、どの家庭のご飯も厳格な菜食主義のグジャラーティー料理。

 だいたい朝食は「テプラ」と呼ばれるグジャラートのパンかスナック、スープやお茶、インドのつけものなど、簡単で軽いもの。昼食がメインで、野菜カレー2~3種類、チャパティー、ご飯、ダール(豆のカレースープ)、スナック、つけもの、サラダ。夜は昼食より軽くて、野菜カレー2種類、チャパティー、ごはん、ダールなど。

 スナックというのは、豆の粉や米の粉でできた「パーパル(パパド)」というせんべいや、カラカラに干したさやつきの豆を揚げたもの、自家製ポテトチップスの他、平べったくした米(チューラー)や豆を揚げたもの、「ドークラー」という、米と豆の粉で作ったスポンジケーキなどで、塩味。朝は甘いお菓子もよく出てきました。

 ときどき、「絶食の日」があります。各自、それぞれ週に1回程度、自分の神様の日を選んで、絶食の日を設けているようです。滞在中、シヴァ神の誕生日があったのですが、その日は全員絶食でした。絶食といっても、何も食べないのではなく、「絶食日の食事」を取ります。(…「絶食」という私の訳がヘンなのかな?)その日は、ローティー(チャパティー、プーリー、テプラなど、主に小麦粉から作られるパン)とご飯は食べないで、他のもの…サプダナ(タピオカ)や果物などを食べます。 

 伝統的なグジャラーティー料理は、油を多用し、味付けはマイルドですが、最近の若い人は、もっとスパイシーな味付けが好きだそうです。お年寄りがいるお宅では、伝統的な味、若い主婦の家庭では、自分たちの好みの味付けをしているようでした。ムンバイの叔母さん宅では、お姑さんがギー好きで、チャパティーにはかなりの量のギーをつけていました。ドゥルグでは、跡取り息子が玉葱とカリフラワーが嫌いなので、インド料理ではポピュラーなこの食材が、めったに出てきませんでした。

「テプラ」チャパティーと同じ生地に、唐辛子とターメリック、塩、油を入れて、油を差しながら焼く。時間が経ってもパサパサにならないので、お弁当にも向いている。

        

絶食日のランチ。スプーンで食べかけのはジャガイモのスナック。手前右はサプダナ(タピオカをチャーハン状にしたもの)

 

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1…朝ご飯。右手後方にある小さなターリーは、神様に供えた食事を下げたもの(プラサード)。家族で少しずつ食べる。左後方にある入れ物は、アチャール(漬け物)入れ。

2…簡単な朝ご飯。核家族の若い主婦が作ったカレーは、グジャラーティー風の穏やかな味ではなく、スパイスの利いた豆カレーだった。

3…健康に気を付けてローカロリーにしている家族の昼ご飯。ここのお宅では、油っぽいテプラやパラータより、油を使わないで焼くチャパティーをよく食べる。右の皿は、軽い蒸しご飯のようなもの。大量のコリアンダーは、香菜好きの私のため。

4…同、ローカロリーの昼ご飯。ターリーの中は、手前から時計回りに、チャパティー、キュウリのヨーグルトサラダ、ほうれん草入りダール、カリフラワーのカレー、米のパーパル(パパド)。右奥にチラッと見えるのは白飯。チャパティーを食べた後、ダールとヨーグルトをかけて食べるのが(この一家では)一般的。

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5…各種アチャール(インド漬け物)の貯蔵。この他、手作りスナックや穀物の貯蔵棚もある。

6…ある家の台所。水瓶の中は飲料水

 ローティー(インドパン)は、チャパティーやプーリー、テプラ、パラータの他に、そば粉で作るものや、フェヌグリークの葉を入れて作るもの、ジャガイモやカリフラワーを具にしたホットサンドのようなもの…など、様々なバリエーションがありました。
 泊めて頂いた家庭ではプラウ(炊き込みご飯)は出ませんでしたが、白飯は毎日出たし、「キチュリ」という、おかゆのような柔らかいご飯もしょっちゅう出ました。

 一度焼いたチャパティーを、細かくちぎって、油で炒め、トマトやヨーグルトで煮込んだ、「南部せんべいの煮物」のようなものも出てきました。パコーラ(てんぷら)をソースで煮込んだものなど、ベチャっとした食感も好きなようです。

 この一家のお宅におじゃまするのは5回目ですが、毎回、初めて食べるものが出てきます。他のコミュニティーではどんなものを食べているのかな~?



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2 コメント

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コレコレ! (akberlin)
2006-04-24 21:19:24
普通の旅行ではめったに食べられないであろう、

家庭料理!うーしゃーじーが「インドで美味しいのは超高級レストランよりも家庭料理」と言っていたので、レストランではない「ご親戚」の家の「うちごはん」が気になっていました~。



うーん、パパドは知ってるけど、あとは知らないものが多いです。でも美味しそう~。



キチュリ・・・イギリス料理のケジャリっていうものはそこから来たに違いない。タラとか卵とか入ったミルクがゆ?らしいのだけど。(私は残念ながら食べたことがない。)ミルクティーを飲む習慣もインドからだそうだし、イギリスにはインド由来のもの、やっぱり多いですね。(ロンドンの百貨店、リバティーのペイズリー柄もインド更紗からと聞くしね。)
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さまざまな味 (とーこ)
2006-04-25 08:54:25
それぞれの家庭で、それぞれの作り方を見たり、話を聞くのがとても楽しかったです。インド料理の本も7冊持って帰ってきましたが、うち5冊はヒンディー語なので…徐々に解読してきたいと思っています。



> ミルクティーを飲む習慣もインドからだそうだし



そうなんですか?逆かと思っていた…。ニルヴァーナーとか、バンガローとか、バンダナとか、英語になっているヒンディー語も多いですね。
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