ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

ジンナー一家の変遷

2010年03月14日 | その他
 日本ではインドに関する本は山ほど出ているし、毎週どこかのテレビ局でインドの風景を見ているような気がします。でもインドのすぐ隣のネパール、ブータン、バングラデシュ、パキスタン、モルディヴ、チベットのことを知りたいと思っても、なかなかわかりません。市民図書館のレベルだと旅行案内くらいしかない。

 きょうはパキスタン建国の父、ジンナーについて知りたいと思い、ネットで検索しましたが、ウィキペディア以上のことはわかりませんでした。

 で、そのウィキペディアを読んでいたら、ムハンマド・アリ・ジンナーの母語はグジャラーティー語だと書いてあったので、ちょっと驚きました。マハートマ・ガーンディーの母語もグジャラーティー語だし、ダーダーバーイー・ナオロージーもパールスィーだから、母語はやっぱりグジャラーティー語だったんじゃないでしょうか。インドはいろいろな言語があるから、みんなの前で話す時には、ヒンディー語か英語だったと思いますが、この3人で話すときはグジャラーティー語だったりして。

 日本の明治維新の頃と、インドの独立運動は似ていると前から思っていましたが、薩長(薩摩・長州)みたいに、グジャラート閥(ガーンディー、ジンナー、ナオロージー、パテル)やベンガル閥(ラース・ビハーリー・ボース、スバース・チャンドラ・ボース、タゴール)などがあったのかも?

 それから、ジンナーの祖父はヒンドゥーのクシャトリヤ階層のひとつ、バーティヤー出身で、祖先はパンジャーブ地方に起源を持つラージプートだと推測される、というようなことが書いてありました。ということは、母語がグジャラーティー語だというのは、ジンナーの生まれる前数世代からで、その前はパンジャビー語が母語だったのか?ジンナーはスィンド州で生まれているから、その後そこに住み続けていたら、一家の母語はスィンディー語になったのでしょうか?

 さらに、英語版のウィキペディアには、「ジンナーは、Mahomedali Jinnahbhiとして生まれ…」と書いてありました。ジンナーのお父さんの名前は、Jinnahbhai Poonja、おじいさんの名前は Poonja Gokuldas Meghjiです。おじいさんの名前の中にあるGokuldas は、ひいおじいさんの名前だと思いますが、ヒンドゥー名。ひいおじいさんの時代までは、一家の名字はMeghji(もしかすると、jiは敬称で、Meghかも?)だったと思いますが、おじいさんのPoonjaさんは、ムスリムに改宗してからも改名しなかったようです。というか、お父さんの名前、Jinnabhaiも、ヒンドゥーの名前っぽい。ムスリムでは、固有名+父親の名前(女性の場合、結婚後は夫の名前)+(一族の名前)にするそうなので、ジンナーとジンナーのお父さんの名字が違うわけではありません。英語版ウィキによると、お父さんの固有名Jinnnabhaiが、ジンナーという名字になったのは、スィンド州の入出国管理の便宜上だとか。

 ジンナーの一家はホージャー派に属していたけれど、(モハメッド・アリ)ジンナーが、十二イマーム派に改宗しているそうです(どちらもシーア派)。

 最初結婚した奥さんとは早く死に別れ、後に結婚した女性はパールスィーからムスリムに改宗したそうです。その妻との間の一人娘はジンナーの反対したにもかかわらず、パールスィーと結婚し、その息子(ジンナーの孫)は、クリスチャンに改宗したけれど、後にまたパールスィーになったとか。わずか4~5世代の間に、一家の名字も宗教も国籍も全部変わったのですね。日本でも、豊臣秀吉とか、木戸孝允など、姓名が変わった人はいくらでもいますか。ジンナーという姓が採択されたのは、入出国管理の便宜上ということですが、日本に来ているインド人家族の中にも、パスポートの名字が、兄弟で違う(片方は、お父さんの固有名か何か)人もいます。


 それにしても、ジンナーのこと、よくわからなかった…。伝記か何か読んでみたいと思いますが、図書館にはないのよねー。
 

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2 コメント

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偏り (とーこ)
2010-03-16 10:27:33
笹団子さん

世界にはたくさんの国がありますが、日本でポピュラー(地名を知っている程度でも)なのは、アメリカ、西ヨーロッパ、ブラジル、東南アジア、インドくらいでしょうか。アフリカに至っては、「西アフリカの○○に来ています」と、国の前に地域をいちいち言うくらい、知られていません。

ジンナーについては、独立するとき、インドとパキスタンに分離させることになった…というような記述が日本では多くて、パキスタン側の言い分というのは、ほとんど読む機会がありません。バングラデシュについてもあまり情報がない。

我が国もインドにとっては知られていない国らしく、製品は市場にあふれているのに、日本のことを知る機会はほとんどないそうです。
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遠いようで近い (笹団子)
2010-03-15 22:07:02
パキスタンという国は距離は近くはないのですが、国内に中古自動車を商う人があちこちにいて決して縁がないというわけではないのですよね。

国内のあちこちにあるモスクにはパキスタンの人が多いみたいです。

それだけに、もっと彼らのことを知らなければならないのですが、あまり資料がないのが残念です。

もしかしたら日本・パキスタン協会に問い合わせればなにかわかるかもしれませんが。

http://www.nippa-kyokai.org/

あとは英語の文献でしょうね。
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