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私らしく、楽しい日々を・・・

自分の気持ちに素直に、毎日を楽しく過ごしたい

空間の芸術 イサムノグチ

2006-08-22 20:59:54 | 美術館・博物館めぐり
先週、足を伸ばしてQueensにある「イサムノグチ庭園美術館」に行ってみた。

駅からも歩いて20分程かかる、工場と住宅に囲まれたところにあり、
こんなところに美術館?と思ってしまった。
それもそのはず、ここはかつて彼がアトリエとして使っていたそうで、
ロフトのような建物の中がそのまま展示室になっていて、
中庭やテラスにも作品が展示してある、一風変わった美術館。


1Fと中庭には、石の彫刻が点々と置かれていた。
ぱっと見は、「これ何?」と思ってしまうような作品たち。

タイトルを見ると光や川、太陽、人など、身近なものを題材にしていて、
言われてみればわかならいでもないけれど、初めは正直「うーーん・・・理解
できない」と思ってしまった

でも見ていると、次第に不思議とその雰囲気に飲み込まれていった。
それは、彫刻という立体であることと、それぞれがかなり大きい(1~2m)
ことで迫力があるだけでなく、それ自体が醸し出す雰囲気に圧倒された
からのような気がする。


ある美術ガイドを読んでいたときに著者が、彫刻の見方について、
「見る者が彫刻の周りにどれだけ深々とした空間を感ずることができるか。
作品が支配する空気の層が分厚ければ分厚いほどその作品はよくできている。」
と書いていた。
本当にその通りだと納得した。

そして、石の彫刻という意味では、その素材、彫り方、磨き方、石と石との
組み合わせが多種多様で、さらに深みを与えていた。


2Fには、彼が手がけた建築物の写真と模型が展示してあり、
世界中様々な都市の有名な建物を手がけていたことがわかり、才能の幅に驚いた。
そして、建築はただでさえたくさんの制限があるというのに、
それを全く感じさせない、2次元の絵画よりも自由な表現とも思えるような
造形を造り出していて、さらに驚いた


今回ここを訪れて、
私の“イサムノグチ”のバラバラだったイメージ
建築家?彫刻家?照明アーティスト???・・・
が、やっとまとまった気がした。
と同時に、才能溢れるアーティストだったことを再認識できた


(カメラを忘れて携帯写真デス。残念。)

Museum Mileの旅 Part.1

2006-08-19 23:09:03 | 美術館・博物館めぐり
5th AvenueのUpper EAST部分は、別名Museum Mileと呼ばれていて、
文字通り、たくさんの美術館や博物館が立ち並んでいる。
メトロポリタン、グッゲンハイムもこの通り沿いにある。

CentralParkに隣接しているので、歩いているだけで気持ち良く、
ふらっと美術館に立ち寄ってみるのに最高の通り。

この日は、2つ巡ってみた。


■■■National Academy Museum■■■

普通のアパートメントかと思うような佇まいで、見過ごしてしまいそうな程。
どうやら、アメリカ人のアーティストの作品を展示する美術館のようで、
今は一部改装中のため、残りのフロアを半額で見学できた。

この時やっていた展示は、「ITALIA!」と銘打ってあって、
要は「アメリカ人アーティストによるイタリア展」で、アメリカ人アーティストが
イタリアの風景を描いたり、イタリアで生まれたアメリカ人アーティストの作品
なんかを展示していた。
かなりニッチ

作品自体は、特筆すべきものはあまりなかったけど、美術館の雰囲気が気に入った。
見かけの通り、個人宅のような造りで、外の世界と隔絶された別空間を演出して
いてとても落ち着く。
こんなところで、ぼーーっと考えごとしながらゆっくりするのはとても贅沢


面白い作品も結構あった。





■■■Museum of The City of New York ■■■

ずっと北上して、普段は行かない103th Streetまで行くと、
ニューヨーク市立博物館がある。
外は大層な造りで、こんなところにこんなものがという感じ。


ここは、ニューヨーク市の歴史に関する様々な展示をしていて、
常設展では、消防の歴史を消防服や貯水池の歴史と共に紹介するなんていうのもあった。

今は、特別展として「Dorothy Draper」をやっていて、非常に興味深かった。
この人は、1930~50年代にNYで活躍したインテリアコーディネーターで、
有名なアパートメントやホテルのインテリア、
レストランやショップのパンフレットなどをデザインした人。

ヨーロッパ風のバロック調がベースになっているものの、
大胆にも大柄のストライプやバラを取り入れて、当時の人の度肝を抜いたらしい。


展示は、その手掛けたインテリアの写真(時代が古くてモノクロだったのが残念)や
家具のリメイク展示などがあり、立体的に楽しめた。



一番驚いたのは、ある航空会社からの依頼でデザインしたという飛行機内のインテリア。
50年も前にデザインしたとは思えないほど、
今見ても、なんとモダンで近未来的と感心してしまった。



►彼女の手がけた作品が見られる、彼女の会社のHP「Dorothy Draper&Company,Inc.

その道を極めた人の作品は、どんな時代の人にも刺激を与える存在なんだなぁ


MOMAのすごさ

2006-08-16 23:47:40 | 美術館・博物館めぐり
土曜の午後、満を持してMOMAへ行った。
(毎週金曜の午後4時以降、入館料がなんとタダ!になるので、
この前の週の金曜に行ったら長蛇の列で諦めていた。。。)

実は、この前日に驚愕の事実が発覚。
なんと、旦那サマの会社が多額の寄付をしている関係で、
社員証を見せると本人とパートナー1人がいつでも入館料タダになるとのこと
しかも、メトロポリタンなど他の美術館でも同様らしい。

それを知らなかった私たちは、これまでせっせと二重寄付をしていた


気を取り直して、2004年に改装オープンした新生MOMAへ。
前回NYに来た時は改装中だったので、初MOMA
この改装を手がけたのは、日本人谷口吉生氏。

メトロポリタン美術館もすごいけど、やっぱり近代絵画の収集力は脱帽もの。
20世紀のアメリカの勢いを反映するかのように、
世界中の有名な絵画が集まっている。

絵画のタイトルのプレートを見ると、寄贈したファンドや会社、個人の名前
が書かれているけど、アメリカでも屈指のお金持ちばかり。
たくさん分かれている部屋それぞれに、寄付している人の名前がついていたりもする。

寄贈する税が軽減される+名前が売れる+文化的貢献によりイメージUP
さらにお金が儲かる

という図式のよう。
これまたうまくできた、ビジネスモデルの一部という感じ。


●ゴッホ
微妙な色の組み合わせと曲線をうまく使った筆使いがすごい。


●マティス
さりげなく、人気の少ない階段の踊場に飾られていて、びっくり。


●モネ
ここにもありました「睡蓮」。ものすごい迫力。


●アンディ・ウォーフォール
言わずと知れた、キャンベルスープの絵。すべて違うテイストの缶詰だと初めて知った。

解禁!美術館巡り

2006-08-02 05:31:16 | 美術館・博物館めぐり
学校もひと段落したので、行きたくてうずうずしていた
美術館巡りをついに解禁!

最初はやっぱりここでしょうと、
メトロポリタン美術館へ。

美術館というより博物館という訳が正しいと思うほど、
絵画彫刻のみならず、紀元前にさかのぼって土器や宝飾品まで
膨大な数が展示されている。

今回は3回目だけど、過去2回は消化不良。
しかも、世界史選択のくせに、既に記憶が散り散りバラバラになっているため、
いつの時代にどこでどんな経緯で作られたものかがわからず悔しかった。

そこで、その反省から今回は、大学受験時に愛用していた、血と汗と涙の染み付いた
「山川出版の世界史図説」を持参。
しかし、もろくも全世界の数千年の歴史の前に敗れ去った・・・

それにしても、みんなが知っているような有名な作品が何事もなかったように、
さらっと展示してあるのには驚く。



いるだけで、時間も距離も超えたタイムトリップができるこの空間が好きだなぁ。