九州最期の日を10日の雑事に追われている。朝からバスで麓の町に下りて、地元唯一の銀行「肥後銀行」へいった。窓口嬢の爽やかな対応で事は順調に運び、6月に倒産した会社の労働争議委員長をやっている友人のIくんと、3333段の麓の、これまた同級生が経営している田舎料理屋で昼食を摂った。午後から争議に出かけると言うIくんと別れ、家に戻って荷物の整理をしている。今宵はS塚くん宅の晩餐会に招かれている。ギターに弦を張ったので、30年ぶりにミニライブをやることにした。東京では思い出したようにライブをやっているので、数曲なら何とかこなせるだろう。
で、今朝、話が横道にそれた「肩書き」についてだが、こういうことだ。肩書きにもいろいろあって、役職や職種だと事務的に当然である。問題なのは「あの何とかの誰々」という、名刺にはあまり見かけないが、紹介には欠かせないほうの肩書きである。と、いうのも、今の僕には「あの何々の」というキャッチがひとつもないからである。今回の営業で、本当に困った。大方の人間が知っている、例えば、100メートルを10秒5で走ったあの朝倉です、とか、トム・クルーズから恋文をもらった朝倉です、とか、初対面の相手が瞳を輝かせるワクワクキャッチがあれば、何の説明も要らず心を開いてもらえるのに。と、何度も思ったからだ。つまり、営業には肩書きが有効且つ又必要であると、痛感した経験による肩書き考である。
「腕立て伏せ30秒で60回の朝倉」とか、「毎日ブログ書いている朝倉」では、地味すぎるし、ふーん、で終わりそうな気もする。かと言って「逆立ちで通勤する朝倉」とか「毎日カツどん30杯食う朝倉」では気持ち悪がられるのが落ちであろう。ここは奮起して、「何々賞作家朝倉薫」をものにせねばなるまい。などと、つらい営業の合間に考えた。田舎料理屋の女将Sちゃんが、巨体を揺るがせて笑った。「経営難でこんなにやつれちゃったのよ!でもね、主人に言われたの、つらいからこそ努力するんだ。楽になったら努力しないよって。おーっほっほっほ!」
小学校、中学校の同級生は心なごむ。Sちゃん、Kちゃんで呼び合えば済む。大人になってからの肩書きなど、何の意味もない。「元気でね」別れの言葉も一言だ。
何処でも何時でも、Kちゃんで通用したら楽だろうなあ、いかん、いかん、楽だと努力を怠ってしまう。いや、楽が良い。この歳にして惑う僕である。
で、今朝、話が横道にそれた「肩書き」についてだが、こういうことだ。肩書きにもいろいろあって、役職や職種だと事務的に当然である。問題なのは「あの何とかの誰々」という、名刺にはあまり見かけないが、紹介には欠かせないほうの肩書きである。と、いうのも、今の僕には「あの何々の」というキャッチがひとつもないからである。今回の営業で、本当に困った。大方の人間が知っている、例えば、100メートルを10秒5で走ったあの朝倉です、とか、トム・クルーズから恋文をもらった朝倉です、とか、初対面の相手が瞳を輝かせるワクワクキャッチがあれば、何の説明も要らず心を開いてもらえるのに。と、何度も思ったからだ。つまり、営業には肩書きが有効且つ又必要であると、痛感した経験による肩書き考である。
「腕立て伏せ30秒で60回の朝倉」とか、「毎日ブログ書いている朝倉」では、地味すぎるし、ふーん、で終わりそうな気もする。かと言って「逆立ちで通勤する朝倉」とか「毎日カツどん30杯食う朝倉」では気持ち悪がられるのが落ちであろう。ここは奮起して、「何々賞作家朝倉薫」をものにせねばなるまい。などと、つらい営業の合間に考えた。田舎料理屋の女将Sちゃんが、巨体を揺るがせて笑った。「経営難でこんなにやつれちゃったのよ!でもね、主人に言われたの、つらいからこそ努力するんだ。楽になったら努力しないよって。おーっほっほっほ!」
小学校、中学校の同級生は心なごむ。Sちゃん、Kちゃんで呼び合えば済む。大人になってからの肩書きなど、何の意味もない。「元気でね」別れの言葉も一言だ。
何処でも何時でも、Kちゃんで通用したら楽だろうなあ、いかん、いかん、楽だと努力を怠ってしまう。いや、楽が良い。この歳にして惑う僕である。