【金融】困ったもんだのBrexit① 彷徨う大英帝国

　世界中の金融業界あるいは資産運用業界に身を置く人々から、「もういい加減にしてくれ！」という声が聞こえてくるのがBrexit問題。

　メイ首相の退任が決まり、保守党の中で次の党首選挙が行われており、ボリス・ジョンソン氏の当選が確実視されています。そして、そのジョンソン氏は「10月には予定どおりEUから離脱する」と宣言しており、このままでいけば所謂「Hard Brexit」ということになります。

　アイルランドと北アイルランドの国境問題とか、一番大きな問題を差し置いて、ロンドンのシティの混乱を述べるのは気が引けますが、ロンドンがなぜ金融の中心としての地位を保っているかと言えば、この街には銀行・証券・保険の営業関係者のほか、金融業にかかる法務・税務・会計のプロはもちろんのこと、資産運用のフロント・ミドル・バックの世界有数のプロ達が、欧州大陸・北米・アジアオセアニアの世界各地から集結していることが挙げられます。特に欧州大陸からの人材は数多く、しかも彼らはEU内を自由に動ける現状の仕組みをフルに活用してロンドンで職を得ています。

　これがHard Brexitとなると、どうなるか？　金融業・資産運用業・法律事務所・会計事務所のスタッフの3割から4割が、ある日突然ロンドンから消えることになります。今のステイタスではロンドンでの就労が不可となるからです。まぁ、金融街としてのシティは、その機能が一度スタックすることになるでしょう。しかし、保守党のジョンソン氏も、イングランドの世論も、金融街のことなど全く関心がありません。

　むしろ、「今まで不当な高給を得ていやがって、いい気味！」くらいの気分なのでしょう。(続く)

【将棋】渡辺棋王・王将が三冠達成 豊島名人の天下取りに待った！

　激闘となった昨日の棋聖戦第4局、渡辺棋王・王将が豊島棋聖・名人・王位を破り、最強対決を制して三冠を達成しました。

　このコラムで「豊島名人の全国制覇宣言は？」ということをよく書いていますが、まさに名人位を獲得した豊島さんは、京都まで上った織田信長のようなものでしたが、これに待ったをかけたのが渡辺三冠。さしずめ、信長をトップから引きずり下ろそうと動き始めた武田信玄みたいですよね。

　こうなると、豊島名人だけでなく渡辺三冠も、もし竜王位復帰となれば、晴れて「全国制覇宣言」となりますので、それを阻止しようと、上杉謙信、浅井・朝倉、摂津・河内衆などが、すなわち藤井七段、木村一基九段、斎藤王座あたりが躍動する訳でありまして、各棋戦の今後の状況は見逃せません。

　現在行われている王位戦(豊島王位 対 木村九段)のほか、王座戦挑戦者決定トーナメントの準決勝では、豊島名人と羽生永世七冠が激突しますし、何と言っても竜王戦挑戦者決定トーナメントでは、次が豊島名人 対 藤井七段、そしてその勝者と渡辺三冠が闘うという世紀の一局が待ち構えています。

　将棋界の熱い夏が続きます。

【競馬】武藤雅騎手お見事 ベルモントオークス招待で4着！

　日曜日にニューヨークのベルモント競馬場で行われた、ベルモントオークス招待(GⅠ)で、日本から参戦したジョディーが4着。これはよく走ったと思います。

　このジョディー、もともとスピードは長けたものがありますが、結構気難しい牝馬で、気分良く走らせないと走るのをやめてしまう傾向があります。ところが、この馬に武藤雅騎手が乗ると素直に頑張るのです。実は、逃げ馬なので、武藤雅騎手が馬の気持ちに逆らわずに乗ると、最後まで頑張り続けるということなのですが、1勝目も2勝目も武藤雅騎手とのコンビでしたし、重賞で3着が2回(しかも相手はGⅠ組)あったのも武藤雅騎手とのコンビでした。

　今回は本場アメリカでのGⅠの舞台ですから、人気も後ろから数えた方が早く、単勝倍率も30倍を超えていました。しかし、スタートから先頭に立って、マイペースでレースを引っ張り、直線半ばまで勝った馬と競い合っての4着ですから、内容は濃いものでした。ジョディーの評価も一変しましたが、これを演出した武藤雅騎手の手腕はあらためて賞賛されて然るべきと思います。

　すでに関東オークスで重賞を勝っており、33期の騎手の中では頭一つリードする立場ではありますが、特に「逃げ馬に乗った時の武藤雅は要注意」ですので、覚えておいて下さい。

【ゴルフ】遼君おめでとう！ ゴルフ中継はLIVEに限ります。

　遼君、凄かったですね。10代の頃とは違うけど、粘り強く勝利を引き寄せました。おめでとうございます、そしてありがとうございます、感動しました！

　ところで、ゴルフをテーマにするのは2回目。前回はタイガーがマスターズに勝った時でした。ちなみに、前回と今回の共通点、それは最終日のプレーをTVで、しかもLIVEで観れたこと。

　ゴルフ中継を地上波で見せる難しさは良くわかっているつもりですが、編集した後の画像では本当の感動は伝わってきません。4月のマスターズでは、天候の問題でスタート時間が早まり、最終組のスタートも前倒しとなったため、最終組のスタートが朝2時頃、最後のホールアウトが5過ぎと、予定外に地上波で全部放送してもらえました。でもそのおかげで、タイガーの奇跡の復活劇を多くの日本人がLIVEで観ることができました。

　昨日の日本プロ選手権も、天候のため木曜日が中止となり、最終日が36ホールとなったので、最後の18ホールはBS⇒地上波⇒BSで、ほぼ全てLIVE放送となりました。このおかげで、遼君の奇跡の大逆転劇をLIVEで堪能することができました。

　まぁ、「感動とは、奇跡的に偶然の重なり合ったところでしか味わえないもの」ということかもしれませんね。

【雑感】親との思い出のシーン 次もやっぱり食べ物だなぁ・・②

　昨日の続きです。

　私の母親は現在92歳で、介護付きの病院に入っております。直近体調を崩しており、肺炎との診断。抗生物質を投与しながら、体力が持つか持たないかで、いつ急変してもおかしくない状況です。

　こういう状況になると、母親との思い出のシーンがいろいろ頭の中を巡ってくるのですが、やはり一番出てくる風景は、母親が作ってくれたお弁当を食べてる自分と、カラになった弁当箱をみて嬉しそうにしている母親の顔です。5歳上の兄と自分が食べ盛りの頃は、「５㎏の米袋が五日と持たない！」と言って嘆いていましたが、とにかくたくさん食べさせないとすぐに「腹減った！」と騒ぐ兄弟を満足させようと、母は毎日必死だったと思います。

　ところで、運動会だとか遠足だとかの時、母の定番弁当は「いなり寿司」でした。このいなり寿司はとにかく大きくて、巨大な油揚げに、これでもかと寿司飯を詰め込んだシロモノで、しかも全部で6個という超大盛り。汗をかいたあとに食べることを前提に、結構濃い味に仕上げてくれていたので、これが抜群に美味かったのです。

　もう一度、食べたいなぁ‥と思ったら、不覚にも泣けてきました。涙がどうにも止まりません。

　母の愛は偉大で不滅です。今さらながら、思い知らされました。