A級順位戦の最終一斉対局が、明日2月29日(木)に静岡県静岡市の「浮月楼」にて行われます。
「将棋界の一番長い日」であります!
A級順位戦とは、将棋界のトップ棋士が集うリーグ戦であり、また藤井聡太名人への挑戦者を決める闘いであります。また同時に参加10名のうち下位2名がA級から陥落する仕組ですので、このA級残留を争う熾烈な闘いでもあります。
まず藤井聡太名人への挑戦者を決める争いは、6勝2敗の豊島将之九段と5勝3敗の永瀬拓矢九段、同じく5勝3敗の菅井竜也八段の3名に絞られていますが、本日の最終対局で、豊島九段と菅井八段の直接対決があります。これに豊島九段が勝てば名人挑戦者に決定。また菅井八段が勝ち、永瀬九段が中村太地八段に勝てば、日を改めて3名によるプレーオフへ突入することになります。
一方のA級残留争いについては、挑戦権争いと少しルールが異なっており、同じ成績で並んだ場合、リーグ戦開始時に予め決められた「順位」によって下位の方が陥落するルールになっています。そして予め決められた「順位」は、前期の成績によって決まります。
最終対局前の段階で、3勝6敗で並ぶ可能性がある棋士は、現在3勝5敗である広瀬章人九段(順位2位)、斎藤慎太郎八段(順位5位)、稲葉陽八段(順位7位)、佐々木勇気八段(順位9位)の4名。
また4勝5敗で並ぶ可能性がある棋士となると、現在4勝4敗の渡辺明九段(順位1位)、佐藤天彦九段(順位8位)、中村太地八段(順位10位)の3名と、現在3勝5敗の広瀬章人九段(順位2位)、斎藤慎太郎八段(順位5位)、稲葉陽八段(順位7位)、佐々木勇気八段(順位9位)の4名で、計7名。
今回の残留争いでは、①3勝6敗で3名が並ぶケース、②3勝6敗で2名が並ぶケース、③3勝6敗が1名で4勝5敗で数名が並ぶケース、の3パターンが考えられます。
①3勝6敗で3名が並ぶケースは、広瀬九段と稲葉八段、それから最終局で直接対決となる斎藤八段か佐々木八段のいずれか1名となりますので、この場合は、順位下位の稲葉八段と、斎藤八段あるいは佐々木八段の直接対決で敗れた方の2名が陥落となります。
②3勝6敗で2名が並ぶケースは、広瀬九段・斎藤八段・稲葉八段・佐々木八段のうち、最終局で負けた2名がそのまま陥落となります。
③3勝6敗が1名で4勝5敗で数名が並ぶケースでは、まずは斎藤八段は負ければ陥落が決定、そして佐々木八段は勝っても負けても陥落確定、そして順位10位の中村八段は最終局で敗れればそのまま陥落が決定、順位8位の佐藤天彦九段は稲葉八段に負ける前提になるので、中村八段が勝った時点で陥落が決定、となります。
これだけ、さまざまなケースが有り得る中での一斉対局となりますので、陥落者の可能性は、一手一手で目まぐるしく変化するはずです。恐らく大勢が決するのは、明後日の早朝2時くらい。
本当に「将棋界の一番長い日」であります。注目いたしましょう!