8月10日（水）に行われた将棋のＡ級順位戦第2回戦で、藤井聡太五冠が、菅井竜也八段の振り飛車戦法に敗れる事態となりました。
このブログでも申し上げたことがありますが、藤井聡太五冠は、まず自ら振り飛車戦法を採用することがありません。ほぼ100％、居飛車戦法であり、その中でも、相掛かりか、角換わりを採用するケースが多いのが現状。これは、プロ棋士たちが研究用に使用している将棋ソフトが、序盤戦における形勢判断で、振り飛車を高く評価することが少ないことが理由だと言われています。
そのため、序盤戦での評価値が高い、相掛かりや角換わりを中心に、手順の研究が進んでいるのだと思います。しかし、逆の言い方をすれば、振り飛車については、将棋ＡＩによる深い研究があまり進んでいないということ。天下無双の藤井聡太五冠に対する時、むしろ、研究手順がバレ辛い振り飛車の方が、勝負になる可能性が高いと言えるのかもしれません。
今回、菅井竜也八段が敢えて「振り飛車」を採用したのは、そうした考えが背景にあったのかもしれません。
いずれにしても、菅井八段は殊勲の勝利を挙げた訳でありまして、現在進行している『王位戦七番勝負』の行方や、秋から始まる『竜王戦七番勝負』の動向にも、大きな影響を与える可能性があります。
これを機に、「振り飛車」の研究が見直されることを切に希望しております‼
