夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

川村カ子トアイヌ記念館

2023-08-09 07:49:52 | 日記

北海道に住んでから先住民族アイヌについて知りたいと、美瑛町の郷土博物館が主催した上川アイヌの勉強会に参加したり、旭岳の山開きに行われた「ヌプリコロカムイノミ」の儀式を見に出かけたりして来ましたが、その儀式について語る故・川村謙一さん(後述する川村カ子トの長男)の話をyoutubeで見てから旭川にある「川村カ子トアイヌ記念館」を訪れてみたいと思っていて、先日出かけて来ました。

川村カ子ト(カネトと発音する)は、1893年(明治26年)代々続く上川アイヌの長の家に生まれました。アイヌの長としての立場を持ちながら、若い頃から鉄道に興味を持ち国鉄に入社し、測量技師として活躍した人でもありました。現在のJR東海飯田線は天竜峡を通る険しい路線で悲願の鉄道建設のための測量は困難を極めたそうですが、これを行ったのがカ子ト率いるアイヌ測量隊でした。土人と差別され囚人上がりの作業員達に生き埋めにされたこともあったそうですが、「人間に上下関係はない」と諭して一命をとりとめたというエピソードも残しています。

その彼が1916年に父が残した民具などを元に私財を投じて設立したのが「アイヌ記念館」でした。旭川に陸軍第7師団が駐留するようになってから良くも悪くも先住民族アイヌへの関心が高まり興味の目で見られるようになったことから、正しくアイヌ文化を理解して欲しいとの思いで始めたそうです。

それから100年以上の歴史を持つ記念館は、想像以上に立派な建物で人の訪れも多く、失礼ながら民営の寂れた施設を想像して出かけた私達の認識をくつがえしてくれました。この日も子供たちがワークショップを行っていたりして賑やかでした。私達は1階、2階に所狭しと並べられたアイヌ文化の象徴としての家具、狩猟器具、産業として栄えた木彫り製品などの展示を見て廻りました。

良く豊かな文化と言いますが、そういう目で見ても漆器具などは豊かさを感じるものでしたし、この人達は和人が来るまでは北海道と言う自然豊かな地で楽園のような生活をしていたのではないだろうかと想像させるに十分なものでした。

8月17日にすずらん大学の夏の研修旅行でウポポイ(国立アイヌ博物館)を訪れるのですが、更に理解を深めたいと思っています。

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