年金ふわふわ

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106万円の壁?

2014年05月01日 | 新聞連載記事
政府税制調査会で、配偶者控除の見直しが議論されるとのことです。

例えばパートで働く妻の年収が103万円以内だと、妻は税金がかからず、夫の収入から「配偶者控除」が引けます。
妻のパート収入が103万円を超えると、妻に税金がかかり、夫の収入から引ける「配偶者特別控除」は次第に少なくなります。妻の収入が141万円以上だと、控除はありません。
これが、いわゆる「103万円の壁」、「141万円の壁」です。

社会保険には「130万円の壁」があります。
パートで働く妻の勤務時間と勤務日数のどちらかが、あるいはその両方が、正社員と比べて4分の3未満の場合、妻は健康保険、厚生年金の加入者とされません。この場合、妻の収入は関係ありません。

その上で、この妻の年収が130万円未満だと、夫の健康保険の被扶養者とされ、国民年金の3号加入者とされます。この場合、妻に保険料負担はなく、これによって夫の保険料が高いわけでもありません。

妻の年収が130万円以上だと、妻は国民健康保険の加入者とされ、国民年金の1号加入者とされます。健康保険も年金も、保険料を負担する立場になるのです。

ところで、最近「106万円の壁」ということが言われ始めました。2016年(平成28年)10月、パートに対する社会保険の適用が強化されます。勤務時間と勤務日数の「4分の3基準」を下回る者のうち、次の4つの条件のどれにも当てはまらない者は、健康保険・厚生年金の加入者とされるのです。

①1週間の勤務時間が20時間未満
②1年以上雇用される見込みがない
③報酬月額が88,000円未満
④学生

4つの条件のうち、報酬月額88,000円を年額にして約106万円の壁というわけです。「○○の壁」は、女性の就労拡大を抑制していると言われますが、就労しやすい環境を整えることも重要ではないでしょうか。

★中日(東京)新聞生活面掲載「みんなで年金」から
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