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MA7900の導入

2017-01-28 09:11:29 | オーデオ
予告?通り、年が明けてすぐにマッキンのMA7900を決断的に購入し、予想外に早く届いたことでもうそろそろ導入から1ヶ月になろうとしています。
なお、これまで使用していたパイオニアのA-30は下取りに。



まずこのアンプは設置するまでが大変です。巨大な外箱を開けると四方を緩衝材に固定された中箱が入っているのですが、これを取り出すのにまず一苦労。そして中箱からアンプ本体を出すわけですが、なんと土台になっている板とアンプの底面がネジ止めされています。このネジを外すことでようやくアンプが自由に。MA7900は約34kgですが、上位のMA8000はこれより10kgくらい重いわけで、まったく末恐ろしい……この重量の大半は間違いなく本体前方に屹立するトランスが占めているはずです(何しろ出力トランスを装備しないMA5200とは、その他の部分もやや異なるとはいえ重量が2倍くらいになっている)。

苦労を乗り越えてようやくラックへの収納が完了。やはりブルーのメーターにグリーンのイルミネーション、そして赤のランプに黒いガラスというマッキンのデザインは圧倒的です。特に照明を落とした時の何とも言えない雰囲気は、官能的とすら思えるほど。なお、メーターの内部にいきなりホコリのようなものが入っていましたが、近くに寄らなければ見えない程度なので気にしないことにします……

機器の構成に関しては、アンプ以外は特に変わらずN1AからD-06uへUSB接続、D-06uからMA7900へはアナログXLR接続。MA7900のバランス入力は2番HOT固定なのでD-06u側でインバートしています。その他、DA-200からもアナログRCAで接続していますが、こちらはPCからのUSB入力でWebの動画等視聴がメインなので。スピーカーはTS1000。

ちなみに電源投入時、スピーカーから派手にポップノイズが出ます。パワーガードなどの保護機能を大きくアッピールしているのに、と思うところですが、ポップノイズ程度では壊れやしないということなのでしょうか。


肝心なMA7900の音。数週間使用しての感想ですが、クリアでなめらかな音色、というところに尽きると思います。やや中低域に振った音ですが実体感に満ちており、率直に音楽を楽しめる心地よさがあります。やや丸みを帯びたというか、全体的に薄膜でコーティングされたようなところがあるので、解像度や音の分離を追求する向きには合わないかもしれません。スピーカーの制動も若干緩いように思えますが、ルーズというわけではなくむしろ余裕といった感じで、この辺が音のなめらかさにも繋がっているのではないかと。

感心したのは小音量時の性能。音量を落としても音が痩せる感じはなく、ディティールもはっきりとしていてむしろ要素が凝縮されているようにも思います。寝オーデオにも良いです(無信号状態30分でのオートスタンバイもあり。ついでに言うと仰々しいヒートシンクが本体後部にむき出しで立ち並んでいますが、このアンプはほとんど熱くなりません)。

パフォーマンスの安定性が高いのも良いところです。πのA-30は電源状況等による機嫌の良し悪しがあるのかこの辺が不安定なことも多かったのですが、MA7900は電源投入直後でも十分と思える性能を安定して発揮してくれます。仮に充実したトランス群の存在が功を奏しているのだとしたら、この酷い重量も伊達や酔狂でやっているわけではないということか。

5バンドのイコライザについては、通常は特に使う必要を感じないですが、再生した時にバランスが悪く感じる場合――各帯域の量感バランスが良くない、ボーカルが大きすぎ、小さすぎ等々――に威力を発揮します。こういった場合には、イコライザを通すことによる劣化よりはより好ましいバランスにするメリットの方が大きいわけで。

DAC部分についてはD-06uが優秀であるし、使ってみた感想もまあ悪くはないけど、という具合だったので割愛。使い物にならないことはなさそうですし、PCM1795という選択もインテグレーテッドアンプの一機能という立ち位置を考えれば妥当なところではないかと。

悪いところをあげればちょっと重過ぎるとかボリュームの感触が良くないとか、主に造作や勝手の面で色々出てくるわけですが、実際に出てくる音を聴くとまあ仕方がないかと思わされてしまうというか、正直全てがどうでもよくなってしまいます。これが惚れた弱みというものなのか。

ちなみに殺人的にでかいリモコンが付いてくるかと思ったのですが、スリムな新型リモコンに変わっており(エレクトリのサイトだと、C52などの紹介ページに載っています)。それでもNexus9の長辺よりも長いです。

ヘッドホン出力もHD650で少々使用してみましたが、スピード感や鋭さはないですが解像度はまあ十分な感じ、やや重めな聴き疲れのしない音です。空間はやや狭めでしょうか。より発売の新しい製品のヘッドホン出力には、スピーカーのような前方定位を実現すると謳うHXDなるテクノロジーが使われているようですが、それだとまた違ってくるのかも。プリメインにも次期モデルが出れば搭載されるのだろうか。あと、当然のことながらイコライザはヘッドホン出力に対しても適用されます。

余談ですが何とも言えない感銘を受けたのが説明書。英文の物と日本語訳版の二冊が付いているのですが、イントロダクションに「至高の機器」だの何だのと自信に満ち溢れた文句が並んでおり、流石はアメリカンだと思った次第。


最後に今後の展望。ひとまず地震対策として、ラック下用にarteのSEISIS-Cを導入予定です。作業が大変過ぎるので、本当はMA7900を入れる前にやりたかったのですが。ちょっと時間がかかり、3月頃の納品予定。機器自体については最後の仕上げとして、いよいよもってクリーン電源を入れたいなあと。マッキンアンプに合わせるならMPC1500になるのでしょうが、基本的にはアキュのPS-1230狙い。あとはN1Aの今後として、Lumin U1のようなネットワークトランスポートを挟むか、N1A自体を後継機にグレードアップするか。クリーン電源以降の部分は例によって皮算用のレベルですが、まったくもって沼の深みにはまるばかりです。
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