本日、快晴。

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心が叫びたがってるんだ。【映画】

2015年10月25日 | 【映画】


@ユナイテッドシネマとしまえん

そこそこ話題になった「あの花」スタッフ製作のアニメですが、
私個人としてはノイタミナ「あの花」は全然響かなかったので、
正直あまり期待はしていませんでした。
が、Yahooレビューはずーっと高いままなので、
そこそこの興味での鑑賞。

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活発な少女だったものの、
ある事を話したことで家族がバラバラになった上に、
玉子の妖精にしゃべることを封印された成瀬順。
そのトラウマが心に突き刺さり、隠れるようにして生きていく。
ある日、通っている高校の地域ふれあい交流会の実行委員会のメンバーになり、
さらにそこで上演されるミュージカルの主役を務めることに。
困惑する順だったが、
メンバーの坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月と行動を共にするうち、
自分の中の変化に気付きだす。
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しゃべりが身を滅ぼす、なんて、
なんつー、"明日は我が身"的なテーマだよ!!と。
劇中お母さんが『貴方は本当に、口から生まれてきたのね~。』と言うんだけど、
完全に、私が人生で一番人から言われる言葉です。いまだにね。

・・・まあ、私は三十路過ぎても、順のようにトラウマ的な反省もできてないんだけどね・・・。

そんな話はさておき。

主人公・順のトラウマとなった出来事には同情しますが、
"口は災いの元"、と身に染みて理解している私にとっても、
あまり共感できる映画ではなかったです。

原因はいくつかあるんだけれど。

高校生が上演するミュージカル、て、そんなに熱くなるもんじゃなくない?という
ものすごいフィクション感により、
リアリティをもって心に訴えかける作品のはずが、
終始、ファンタジーのような、フワフワした雰囲気を払拭することが出来ず。

加えて、人間的な成長を、無理やり恋愛と絡めてしまったことにより、
またその恋愛を必要以上に群像劇化させてしまったことにより、
テーマとなる主軸がぶれてしまった印象。


心情の描き方は悪くないんだけど、
「え?」「は?」みたいに、ちょっと目につく点が多くて、
何だかとても勿体無く感じました。


あと、相方が言っていた点でなるほどと思ったのは、
せっかく歌・音楽を題材にしているのに、
ミュージカルのラストを、2曲重ねてしまうことによって、
どっちの音も聴こえず、何言ってるのか分かんない、と。
私は、何だか盛り上がらないなあ、程度にしか思っていませんでしたが、
確かに、この手法によって、せっかく練り上げた歌詞も聴こえず、
ここもものすごく勿体無い。


あと、人物像。

基本的には、群像劇なので登場人物の誰かしらに感情移入出来ると思うんだけど、
人物の魅力が伝わりにくい。

主役の順については、気持ちは分かるんだけど、後半の行動が伴ってないし、
拓実については、感情が読めないから仕方ないのかもしれないけど、はあああ!?て感じだし、
田崎は、最後の役割的な部分で、便利に使われただけの印象で、
菜月はもう、どうでも良いくらい薄い。
あとひどいのは、順の母。境遇に同情はするけど、大人気なさ過ぎでしょう。

登場人物には、それぞれに役割があり、立ち位置があり、それ自体は理解できるんだけど、
これがとても中途半端で、且つ一貫性を感じないが故に、魅力半減でとても残念。
強いて言うなら、クラスの女子生徒とかの方がよほど魅力的に見えてしまって、
これも何だかなああ・・・と思ってしまいました。


前述していますが、「あの花」(映画未見)が余り響かなかった私には、
まあ、こんなもんか、という程度の感想です。
号泣必至!!!みたいに宣伝されており、
すごく響く人もいるのは何となく理解できますが、個人的には普通かな。

ちなみに、「あの花」の映画を、とても良かったと評価していた相方は、
私以上にダメだったようなので、「あの花」が好きな人に必ず響くというわけでも無さそう。
その上で、興味がある人は、どうぞ。

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