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観自在

身辺雑感を気ままに書き込んでいます。日記ではなく、随筆風にと心がけています。気になったら是非メールください!

白鳥を見ました

2014-01-17 09:19:43 | 旅行
 先日、館林美術館の記事を書きましたが、美術館のすぐ脇に多々良沼という大きな沼があり、白鳥の越冬地であるということで立ち寄ってみました。この沼はヘラブナやバス釣りができるほか、藤や桜でも人気のスポットのようです。
 私が訪れた年末の日曜日は大変風が強く、湖面が波立っていました。カモに交じって白鳥が2羽だけ泳いでいました。寒い中で見ていましたが、湖畔には観察小屋があることを帰りに知りました。そこに入って見れば、少しは快適だったでしょう。
 日本全国に白鳥飛来地はどのくらいあるのでしょうか。私の故郷にも毎年たくさんの白鳥が渡ってくる湖があり、冬に帰省するとよく出かけたものです。間近に見ると、白鳥はけっこう大きくて、獰猛とまでは言いませんが、優美なだけではないと感じられます。カモを蹴散らしてエサをあさる姿は、ちょっと幻滅という感じですが、それは人間が勝手なイメージで眺めるからで、自然界に生きるものとしては当然の行動でしょう。人間のイメージを押し付けられたのでは白鳥もたまりません。
 白鳥で思い出すのはスポコン漫画の一場面。『巨人の星』の中で、確か父一徹が飛雄馬に諭すのではなかったでしょうか。白鳥が優雅に泳いでいるように見えるのは、見えない水面下で、強靭な足を使って必死に水をかいているからだ、見えない努力があってこそ悠然と余裕をもって勝負ができるのだ。こんな教えではなかったでしょうか。少年だった私は、なるほどなあと感動したものです。現代なら、ギャグ以外の何物でもないのかもしれません。今思うと、書いているだけで面はゆいというか、気恥ずかしくなってしまいます。中村草田男の俳句をもじって言えば「降る雪や昭和は遠くなりにけり」というところでしょうか。
 そういえば、明日は雪の予報ですね。先日のように空振りだとよいのですが。

 




クルミおはぎを求めて

2013-09-23 10:04:18 | 旅行
 長野県上田市にある前山寺に行ってきました。
 精巧に作られた三重塔で有名ですが、茅葺の本堂も美しく大変風情があります。その横から、庫裡というより客殿といった感じの建物に入ると、名物のクルミおはぎをいただくことができます。もち米をついたお餅にクルミのたれにつけて食べるのですが、素朴というより優雅といいますか、何とも言えない味わいでした。座敷から見える風景も、庭を隔てて信州の山々を望む絶景で、これもご馳走といった感じでした。
 短い時間しかとれませんでしたが、近くの無言館にも足を運びました。これは信濃デッサン館の一部ですが、ずっと行きたいと思いながら訪ねる機会がありませんでした。十字架をかたどった館内をざっと巡る時間しかありませんでしたが、戦争の不条理に憤りを新たにしました。敬老の日の翌日の平日にも関わらず、大勢の人が来ていました。今度、ゆっくりと行きたいと思いました。


やっぱりニッコウキスゲをご紹介します

2013-07-28 22:59:39 | 旅行
 前回、尾瀬でニッコウキスゲを見てきたと書いたのですが、やっぱりその写真がないのはオカシイですよね。そこで、やっぱり掲載しようと思います。何とも言えない黄色を味わってください。

 本当のことを言うと、尾瀬で私が一番好きな花は、下のヒツジグザです。小さなスイレンのような花です。名前の由来は、午後2時、すなわちひつじの刻に花を開くからだそうです。眠り姫のような、お寝坊な可憐な花です。

 今日は久しぶりに軽井沢へドライブに行ってきました。気温は23度。夏であることを忘れるような日でした。それほどの渋滞もなく、快適でした。緑の高原を走るのも何とも言えない爽快な気分でした。走り通しでしたので写真も撮っていません。降りて食事もしていません。ただ行っただけという、何とも贅沢な旅でした。

尾瀬山行

2013-07-26 17:37:06 | 旅行
 恒例の尾瀬に今年も行きました。2泊3日で一昨日帰ってきたところです。
 今年は例年より少しだけ早めに行きましたので、ニッコウキスゲもたくさん見ることができました。これから行く方のために言えば、満開は少し過ぎた感じです。大江湿原では笑いそうになりました。今まで、あれだけのニッコウキスゲを見たことはありません。あの温かみのある独特の黄色で湿原が埋まったさまは笑うほかないほど見事でした。
 今年は75リットルのザックに、キャンプ用具などを入れて歩きました。大雨注意報が出ていて毎日雨でしたので、至仏山にも燧ヶ岳にも登れず、尾瀬沼や湿原を徘徊するのみでした。三條の滝は木道が破損して通行止めになっていました。でも、そういうハイキングもよかったと思います。時間に追われることなく、小さな植物の写真を専ら撮っていました。
 写真を2枚だけ掲載します。1つはランの1種でしょうか。小さい花ですが、大空を飛ぶ鳥のような優雅な姿です。もう1枚は沼尻から見た尾瀬沼です。朽ちた船着き場が印象的でした。
 私の夏はこれで終わり。また仕事の日々が始まります。
 今年も尾瀬に行けてよかった。一緒に行った山男たちも、よい人ばかりで、癒されました。来年も行きたいと思います。


上野の桜最新情報です

2010-03-31 23:11:05 | 旅行
今年度も終わりですが、冬のような寒さが戻って、調子が狂っています。
 日曜日、草津から帰った足で上野へ繰り出し、花見をしました。寒いのは草津だけだったのだろうという思いこみでした。でも、東京も寒かったのですね。午後4時だというのに、ありったけの服を着込み、途中は傘までさしての花見でした。まさに酔狂です。
 ところが、大学生と思われる若者を中心に、花見客はかなりいました。桜の花も寒さのせいで5分咲きといった感じだったでしょうか。今年は、遅いなあということが実感されました。
 若さを羨ましいと思いました。皆、世俗の憂いもなく見えたからです。私にも、あんな頃はあった。真剣に悩んでいるようでしたが、その内容は今にして思えば取るに足りないものでした。
 花見で冷えた体を、アメ横の居酒屋で温め、帰路につきました。
 今日は、定年退職される方と、窓から桜を眺めつつ、お別れをしました。私だって、そう遠くない将来、同じ立場になるのです。そのとき、最後の日を自分はどのような気持ちで迎えるのだろうかと思うと、辛い気がしました。誰にも送られず、職場を後にする自分が見えるようでした。
 桜というのも、だんだんと辛い花になっていくようです。どういうふうに言ったとしても、歳を重ねるとは、そう言うことなのですね。

草津旅情

2010-03-30 20:38:06 | 旅行
 3月28日~29日、知人と草津へ行ってきました。行き先は温泉があればどこでもよかったのですが、知人が草津に行ったことがないということで、リクエストに応える形になりました。しかし、それが間違いでした・・・。どうも天気が悪いらしいということはわかっていたので、真冬にも耐えられるような服装で行ったつもりでした。しかし、現実はそれを超えてしまいました。
 草津は10数年ぶりでした。以前、どうやって行ったのかも覚えていません。今回は、JR長野原草津口からバスで入るルートをとりました。高崎でイワナ寿司を買い、ビールの飲み始め。千円の価値は十分ありました。1時間半ほどかけて鈍行で長野原草津口まで行きました。途中、今話題の八ッ場ダムの現場とおぼしき場所を通過。壮大な橋梁が天をまたぐ姿を見れば、ここでやめることはもうできないだろうと思われました。
 そこからバスで30分ほど行くと、草津バスターミナルです。長野原草津口に着いた頃、少し降り始めたかと思う程度だった雪が、草津に着くと吹雪に近い天候になっていました。雪の湯畑を見て、西の河原(写真)を歩き、送迎バスでかんぽの宿へ直行。もちろん、途中で地酒を仕入れたことは言うまでもありません。
 かんぽの宿は素晴らしかった。7500円でお釣りが来る値段で2食付きです。食事の内容も、夜は会席で温かい皿がしっかりサービスされましたし、朝のバイキングは種類も豊富で美味でした。はっきり言って倍の値段でもよいと思えるほどでした。雪を見ながら入った温泉も、掛け流しで快適なものでした。お部屋も綺麗で、広いです。このお宿、安い、うまい、お得で申し分ありません。
 翌日はほぼ直行で帰ってきましたが、バスから野生のニホンカモシカが見えました。その後、JR長野原草津口にくっついた丼モノを出すお店で、舞茸弁当を買って電車に乗りました。何と500円ですが、これもうまい!オススメです。高崎に着くまで4合の日本酒を飲みました。
 車窓から見る景色は、梅の花がなければ冬でした。寒かったけど、のんびりくつろげる楽しい旅でした。ちなみに知人は野郎です。

郷愁を感じる景色

2009-12-30 15:32:37 | 旅行
年末年始はテレビを見まくると堅く心に誓っています。普段は見られないので、これもまた普段飲めないお酒を飲みながら、思い切りゴロゴロしようというのが抱負です。ばかばかしいと怒られるかもしれませんが、とにかく思い切りゆっくりしたいのです。ただ、年明けには相当体重が増えているのではないかと不安ですが。
 さて、昨日、今日とテレビを見まくっていますが、今日の午前中のBS放送の中で、山陽道をひたすら歩くという番組がありました。私も旅では歩き倒します。それは、歩いていなければ気づかないものがあるからです。ちょっとした遺跡だったり生活感だったり、なかなかうまく言い表すことはできませんが、歩いていると妙に楽しい。だから、遠くへ行く旅でなくてもよいのです。近所であっても、入ったことのない路地に入り込むだけでも、何かを感じられるような気がするのです。
 写真は、先日、演劇を見に行った帰りに、道路から見た光景です。重厚な蔵が西日を受けて静かに建っていました。初めて歩いた町の光景の一部です。少し歩くと、駅の近くでもこのような風景が残っているのです。日本人としての郷愁を感じる風景だなあと思ってシャッターを切りました。
 それにしても、昨日、今日とテレビを見ていて、旅行番組、それも海外に取材した番組が多いことに気づきました。もっとも私が旅行好きだから、そういう番組を選んでみているということがあるのかもしれません。海外は海外で素晴らしいし、見ていていろいろなことを感じますが、やはりテレビでは疑似体験にすぎません。どんなに近くでもよいから実際に行って楽しむ方がよいに決まっています。これからもできるだけ歩いて、いろいろな所へいけたらよいと思います。

ねこグッズ その2

2009-12-29 13:28:12 | 旅行
 この猫は、横浜元町の骨董屋で手に入れたものです。10年近くたつでしょうか。両親が上京してきて、霧笛楼で食事をした覚えがあります。母がキタムラでバックを買ったのも、あのときだったでしょう。
 その骨董店は間口も狭く、薄暗くて目立たない店でした。店内に入ると、商品もあまりなかったと思います。その中で光っていたのが、この猫でした。2000円くらいの価格でした。これが海外旅行なら、そこで値切ったりするのかもしれませんが、もとがこれだけ安くては値切るのも気の毒だと思えました。そもそも値切り交渉をするような性格ではないので、値札通りの値段で購入しました。
 いわれや由緒を聞くほどのものでもありません。東南アジアあたりで作られたものだろうと思います。まったりしているというよりは、獲物を狙っているような緊張感が感じられるところがよいと思いました。まったり系の猫だったら、あまり面白くなかったと思います。長年、猫を飼っているので、猫の仕草や性質は知っているつもりです。この猫は、そうした猫の一瞬の姿をよくとらえていると感じました。かといって、「緊張感」というのは大げさで、全体にはとぼけた印象が漂うのが、またよいですね。ちょっと矛盾するようなコメントになりますけど、バランスがとれているというところでしょうか。
 そういえば、このブログは横浜から始めたのでした。最初の記事は横浜です。元町にまた行ってみたくなりました。あの骨董店はもうないような気がします。

新井アマゾン昆虫資料館へ行ってきました

2009-12-06 21:13:05 | 旅行
 新井アマゾン昆虫資料館へ初めて行ってきました。今日は日曜日でしたが、10時頃にお電話をすると、12時に開館するとのこと。早速、その時刻目指して出かけました。場所は、池袋のゴミ焼却工場のすぐ裏手になります。ただし、JRの線路を越えるのに陸橋を昇ったり降りたり、住宅街の中でなかなか見つけにくい場所でした。
 ようやく発見してインターホンを押し、鍵を開けてもらって入ったのは、研究所という趣の部屋。壁にかけられた標本の数々が目に入ってきました。所狭しと積み上げられた標本箱が圧巻です。そこをすり抜けて、棚に引き出しのような形で収納された標本を拝見し、30分ほどお話を伺いました。いろいろな資料も所狭しと並んでおり、一般に公開する施設ではないということを知りました。ネットの紹介記事からは、ちょっとした博物館のようなものを想像していただけに、かなり違った印象でした。
 館長さんは、親切に標本を見せてくださいましたし、いろいろとお話が伺えて有意義でした。80歳を超えた方とはまったく見えず、気さくに話してくださいました。最近、行ってきたというアマゾンの写真を拝見しても、80過ぎとは信じがたいお若さでした。熱中できることがあると若さは保持できるのかもしれません。
 それにしても、虫の種類と形状の多様さには改めて驚きました。写真は、資料館の一角に無造作に置いてあった、ケースに納める前の標本ですが、小さな虫たちの入った宝石箱のよう。幼い頃の興奮を思い出しました。造化の妙という言葉を思い出すほど、いろいろな虫がいるものだなあと思いました。進化の不思議というべきでしょうか。
 とにかく、また言ってみたいと思わせるミステリアスな場所でした。

哀愁のボンネットバス

2009-11-10 23:30:49 | 旅行
男っていつまでたっても乗り物が好きですね。このブログにも、先日は航空祭に行ったことを書きましたし、過去には、鉄道博物館や梅小路蒸気機関車資料館のことを書きました。
 日曜日は、小金井公園の江戸東京たてもの園を再訪しました。今回は紅葉を見ようと思ったのですが、少し早すぎたようです。そこで、園内をぶらぶらしていたのですが、いろいろなシニアボランティアさんが活躍されていることに気づきました。
 まず、入口にいらっしゃる園内の案内ボランティアの方。次に交番にいたお巡りさん。寄席などの催し物の案内役の方。折り紙などを教えてくれる方。友禅染の実演などなど。皆さん、本当に楽しそうにもてなしてくださいました。
 私は、偶然、ボンネットバスに乗ることができました。よくわかりませんが、整備や運転もボランティアさんなのでしょうか。整理券を配ったり、切符を切ったり、大勢の方々が協力して運営されている感じでした。
 私の乗ったバスは数分ですが、園内を走ってくれました。木でできた床を歩いて、固いシートに座り、揺れに身を任せていたら、昔のことを思い出しました。私の従兄弟が郊外に引っ越し、ときどき遊びに行くときに、ボンネットバスに乗りました。当時は、大きながま口のようなバックを持った女性が、車掌として乗っていました。婦人の職場進出の第1号だと聞いたことがあります。私は車に乗ると酔う質(たち)で、気分が悪くなるのをこらえるのに必死でした。だから、バスに乗るのは好きではありませんでした。でも、従兄弟と会いたい一心で、嫌なバスに我慢して乗りました。あの頃、あれだけ会いたかった従兄弟なのに、もう何年も会っていません。人に対する思いというものが、ずいぶん変質してしまったようです。大人になることは、そういうことだと思います。そうはわかっていても、やはり、少し淋しくなりました。
 今では、自分で車も運転します。車酔いはなくなりました。ボンネットバスに乗れたおかげで、昔の記憶が甦りました。ボンネットバスは私にとってタイムマシンのようでした。これからも大勢のボランティアさんたちに見守られ走り続けてほしいと思いました。

英国テーマパーク?

2009-10-30 22:11:55 | 旅行
 新幹線を使えば、東北新幹線の新白河駅から車で山の中に入った場所に、今回、行ってきました。大手の語学専門学校が設立した施設で、英国の街並みが再現してあります。外見だけでなく、入ってみると内部も安っぽくない造作だとわかります。中心となる建物には、食堂やプールなどのほか、英国女王の部屋もあり、20数万円で宿泊も可能なようでした。「ようでした」と書いたのは、私の語学力が不足しているためです。館内を案内してもらうツアーがあるのですが、頼めば外国人講師が英語だけで説明してくれます。無謀にも、それをお願いしたので、話は3分の1くらいしか理解できませんでした。
 この施設は、私のように一般の人間も普通に泊まれますが、メインになるのは中高生の語学研修です。その研修は、来場者全員に課せられるようなもので、食堂のスタッフも外人で、英語しか話しません。徹底しています。パブへ行っても土産物を扱っている売店へ行ってもスタッフは英語です。
 私は英語は苦手ですし、外国人に進んで話しかけるような積極的な人間でもありません。今回、事情があって出かけましたが、1日くらいいると慣れてくるから不思議です。耳が慣れてくるというのか、拒否反応が少しずつ薄らいでいく気がしました。
 東京に戻ってから、書店に飛び込んで英会話の入門書を買いました。語学力のなさに情けなくなったこともありますが、会話だけなら、多少勉強していけば何とか楽しめると思ったからです。私のような受験勉強世代は、英語といえばグラマーが基本などと思ってしまいますが、実は、基本的なことさえ多少知っていれば、十分通じると実感できました。中高年でもよいと思います。少し、英語の会話を勉強していくと、国際交流ができる面白い施設だと思います。語学のテーマパークだと思ってもよいでしょう。刺激を求めている方には特にオススメします。

行ってみたいよ!銀山温泉

2009-10-21 21:12:58 | 旅行
 日本では、欧米の方に対して、よく「青い目の」という冠詞が付けられます。単一民族に近い私たちは、島国根性によって、青い目でなくても「青い目の」と呼んで、差別と好奇の目を向けてしまうのでしょう。
藤ジニーさんは山形県銀山温泉で「青い目の女将」として有名な方で、アメリカ出身のようです。彼女が地元の中学生の体験学習を引き受けた際、部屋に飾る花を活けてもらおうとすると、中学生は習ったことがないというので、ジニーさんが教えたという話を読みました。ジニーさんは、アメリカは移民の国だから人種も文化もいろいろで、学校で伝統文化を教えることはできないが、日本ではもっと伝統的な文化や芸術を教えたらよいと話していました。考えてみると、書道は小学校で少し習いますが、珠算は学校で習わなくなりました。剣道や柔道は女子はやらない。ましてや、華道、茶道、香道、琴などになると、ごく特殊な部活動です。
 国際化社会というと、英語を習って外国人と交流しなければならないと考えがちです。すると、小学生から英語を習わなければならいという発想になります。しかし、本当にそうでしょうか。英語を話せるようになって外国に行き、外国人から日本のことを尋ねられたとき、私たちはきちんと答えることができるでしょうか。相互理解のためには、互いの考え方や感じ方の違いを理解しなければならないと言われますが、私たちは、日本や日本人について、どれだけ正確に知っているでしょうか。私には自信がない。外国の方から、神道や浮世絵のことを尋ねられても、「よくわからない」と答えることしかできないと思います。これでは、文化の異なる人々との相互理解など不可能です。
「己を知り、他を知れば百戦危うからず」という言葉を聞いたことがあります。相手の国を知ることはもちろん重要ですが、それとともに、自国のことを知らなければならない。外国の方に自国の伝統文化を習っているようでは、国際化はおぼつきません。

ドラマ「冬構え」

2009-09-26 12:46:18 | 旅行
 普段、テレビはほとんど見ないのですが、今日はNHKアーカイブスで、1985年の「冬構え」というドラマを見ました。山田太一氏の作品は温かくて好きだし、笠智衆をはじめ、沢村貞子、小沢栄太郎、藤原鎌足と豪華な配役も魅力でした。
 このドラマは、遺書を持った老人が東北を旅して死に場所を探すというストーリー。そこに若いカップルや美しい婦人、旧友などがかかわってきます。これは人の一生を象徴的に表現していて秀逸でした。人生って、いろいろな人と交錯して別れる繰り返しです。そして、青春から晩年、死へと向かっていくのです。人生は旅なんだと改めて思いました。
 一時、東北に凝って再三旅しましたので、懐かしい風景もたくさん出て来ました。ちょうど紅葉の頃の撮影できれいでした。鳴子温泉や平泉は特に懐かしく見ました。映像もきれいでしたが、音楽も古いシャンソンが効果的に使われていました。
 老いと孤独を描いた作品ですが、だんだんと自分の問題として、のめり込んで見てしまいます。ラストシーンは、若者の祖父に紹介され、一人暮らしの祖父から、そこで生活することを提案されるシーンで終わります。少し唐突で違和感を覚えましたが、最後に山田太一氏のインタビューがあり、「ひとりでしまつをつける限界」「思いがけない他者によって新しい世界が開ける」といった言葉が示され、思わず納得してしまいました。
 山田太一氏は、ご自身も70代となり、老いを次のように言葉で語っていました。「こんなあたりまえのことに気づかなかった」「あの人がああ言ったのは別の意味があったんだ」・・・こんな気づきがあって、それが味わいになる。老人はいろいろな輝きを感じやすくなっていくのではないか、と。
 私も他者によって新しい世界を開きたいのですが、それは他力本願なんでしょうか。
 最後に山田作品には笠智衆、水谷八重子主演で「今朝の秋」という傑作があります。私は文庫本で脚本を持っていますし、再放送も何度か見ています。これは山田作品の最高傑作ではないでしょうか。見ていない方はアーカイブスでやるといいですね。

会津土産はこれ!

2009-09-21 19:25:18 | 旅行
 会津に行って帰宅後、まだ土産で旅を楽しんでいます。
 まず、郡山に本社のある「かんのや」さんのゆべしです。私は、ゆべしがそれほど好きではないのですが、このかんのやさんだけは別です。厳選されたお米で作ったというモチモチの生地に、あんが包まれているのが、家伝ゆべし。素朴なゆべしももちろんよいのですが、このゆべしは野趣溢れる中にも気品が感じられ、普通のゆべしとは別物です。ヒシの実をかたどったような独特の形状といい、福島を代表する菓子として推奨できます。
 次に、かんのやさんのゆべしは、たいていの場所で入手可能ですが、会津葵は、会津若松の3店舗でしか入手できません。会津葵は、社名でもあり商品名でもあります。一言で言ってしまえば、餡入りのカステラ饅頭です。和洋折衷という感じですが、キリシタン大名であった蒲生氏郷の治世を思えば、そうした文化享受があったことも想像に難くないところです。奥行きのあるデリケートな味わいが確かにあり、日持ちがするところも土産としてはうってつけです。
 会津土産は他にもいろいろあるでしょうが、私はこの二つのお菓子を自信を持って推奨します。
 写真は、鶴ヶ城に隣接した会津葵本店です。蔵作りの素晴らしい店舗です。

シルバーウィークは

2009-09-17 01:38:26 | 旅行
 シルバーウィークというのは、昔は文化の日あたりの11月初旬をさす言葉だったと思います。それが休日を定めた法律の変更によって、ハッピーマンデーやら、祝日に挟まれた日が国民の休日になるやらで、この9月に移動したという感じではないでしょうか。定かにはわかりませんが。
 さて、今回のシルバーウィーク、遠出をせずに楽しもうという方が多いとか。不景気ですから、よくわかります。私は、仕事の都合で、今週に入って休みがとれたので、老父母を連れて、福島県の会津に旅行して来ました。天候にも恵まれ、仕事や家庭からも逃れて、すこしのんびりできました。
 会津には数え切れないほど行っていますので、観光地は一通りというか、何度も見ています。行く所はないほどですが、今回、長床の熊野神社という場所が気になって見たいと思いました。今までも行ったことがなく、今回初めて訪ねました。
 喜多方に近い場所ですが、どうしてこんな観光スポットを見逃していたのか、早く訪れなかったことを後悔しました。木造の巨大な拝殿、小高い場所に建つ熊野三山の神殿、宝物館に納められた文殊菩薩像、いずれも雰囲気があり、素晴らしいものでした。銀杏のご神木は立派で、黄葉のシーズンにはライトアップされるそうです。
 喜多方の蔵見世という店で、田楽と蕎麦を食べ、宿の、中の沢温泉に行きました。会津では東山温泉が有名ですが、あえて外し、今回初めて行ってみました。宿の名は万葉亭。評判がよいようなので手配しました。渓流沿いに建つ和風の建物は、閑静な場所にゆったりとした印象でした。けっして豪華とは言えませんが、部屋は清潔で、大浴場はすべて木製。やはり掃除が行き届いて清潔でした。温泉は泉質が素晴らしく、お肌ツルツルという感じ。源泉掛け流しなのに温度も適温に調整されていました。料理も地のモノにこだわり、工夫されていました。文句なく、また行きたい宿です。自信をもってオススメします。
 翌日は、徳一ゆかりの慧日寺に詣で、会津若松の銘菓、会津葵を買い込み、鶴井筒で昼食後、帰途につきました。初秋の一日、いい旅ができました。今回出会った地酒は稲川酒造の「七重郎」でした。純米大吟醸の原酒で、旨い酒でした。
 一足早く旅に出て、お金がなくなったので、シルバーウィークは自宅でごろ寝してます。