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観自在

身辺雑感を気ままに書き込んでいます。日記ではなく、随筆風にと心がけています。気になったら是非メールください!

東北へ

2014-08-24 22:52:24 | 旅行
 8月の最終週、休暇をとって東北へ出かけることにしました。宿泊地は気仙沼と石巻。気仙沼ではホテルに近い復興商店街で飲み、石巻では震災のあとをしっかりと目に焼き付けて来ようと思います。
 遅きに失した感はありますが、仕事の関係上、震災直後に駆けつけることはできませんでした。被災地のこれからのことを考えたとき、何が一番必要かと言えば、被災地の方々が被災地で生活を立てていくことです。仕事にお戻りの皆様に、できる範囲で貢献し、商売の利益を上げていただくというのが一番よいと考えました。復興がどの程度まで進み、現地の皆様がどのようにお考えなのか。車で出かけて、自分の目で確かめようと思います。
 できれば、現地の民宿を頼みたかったのですが、観光協会に問い合わせると、もう空はないとのこと。よかったと思います。私以外にも、現地を訪ね、現地の皆様からお話を聞こうという方々がいらっしゃるわけですから。私などは一人ですが、ご家族で訪問してお話を伺い、お金を落としていただければ、そのほうが素晴らしいでしょう。
 明日は仕事。深夜に車で出発するつもりですが、気仙沼までたどり着けるか、ちょっと不安です。若い頃は、600キロを夜通し、ほとんどノンストップで走れたものですが、今では到底無理でしょう。事故を起こして、かえって被災地の皆様に迷惑をかけないようにしたいと思います。
 2泊3日の予定で行ってまいります。おそらく9月になってからご報告と言うことになるでしょう。何が見られるのか、今から感慨深いものがあります。明日は更新できないでしょう。行ってまいります!

宇宙博へ行く

2014-08-14 15:06:18 | 旅行
 写真がなくてすいません。8月13日(水)、お盆の帰省ラッシュピークという日をねらって幕張メッセで開催中の宇宙博に行ってきました。
 JRで行ったのですが、舞浜を通ったときにディズニーリゾートはすいているのではないかと感じ、宇宙博もこの日を選んで正解だったなと思いました。
 会場にたどりついたのが午前11時。入口はロープが迷路のように張られていて、混雑時はそこで入場が制限されることがわかりました。しかし、この日はほとんどそこを歩いただけで、入口近くまでは立ち止まることはありませんでした。気をつけていただきたいのは当日券の販売です。こちらのほうは、かなりの人が並んでいました。購入までには20分くらいかかるのではないかと感じました。
 人気の目玉は、スペースシャトルアトランティスと国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の内部見学だったでしょう。両方とも約40分の待ち時間でした。また、ハイビジョンシアターは20分待ちでした。いつもの日に比べて混んでいたのかすいていたのかは不明ですが、すべて待って見学しても、時間は十分足りることでしょう。待ったからといって会場を回りきれなくなるという感じではありませんでした。
 スペースショップは意外に狭く、特別な商品はありませんでした。海洋堂さんのガチャポンのフィギアセットのようなものを買っていた方が多かったようです。買い物をするにも長い列に並び、10分以上かかりました。カードが使えました。
 アポロ月面車、火星探査車キュリオシティ、アポロ17号司令船、はやぶさの模型など、見物はいろいろありました。、でも全体的な印象は、物足りない感じを否めません。まあ、お子様ならどうかわかりませんが。写真がたくさん撮れたのはよかったです。
 以上、テキトーな情報提供でした。

尾瀬の空

2014-07-26 04:54:57 | 旅行
 7月20日から3泊4日で尾瀬に行きました。初日こそ、雨が降ったり止んだりの天候でしたが、あとは概ね晴れの天気で、助かりました。雨の日は、道がぬかるむことに加えて、木道が滑りやすくなります。私は初日、3回、木道で尻餅をついてしまいました。
 見晴の弥四郎小屋の前は、弥四郎清水が湧きだし、清らかな小川が流れています。夜になると、懐中電灯を手にした人たちが集まってきて、ホタル狩りを始めました。
 私も出かけて湿原に入るあたりの暗闇に立ち尽くしていました。遥か正面には至仏山がそびえているはずですが、もちろん漆黒の闇の底です。あたりには夥しい生命が息をひそめてうごめいているようで、落ち着きません。すると、視界の隅を細い糸のようなものがかすめた気がしました。慌てて振り向いた時には影もなく、錯覚だったのかと思いましたが、やがて、叢の下の方に、かすかに点滅する光を発見。目を凝らしていると、それはふらふらと空に上り、明滅しながらすっと消えてしまいました。さきほど、視野をよぎった光と同様な、か細く淡い光でした。
 ホタルを見たのは何年ぶりでしょう。こんなに青白くてかすかな光だったかなと目を疑うばかりでした。
 その後、たくさんの光を目にして、何とも幻想的な気持ちになりました。尾瀬では初めて見たホタルは、生のはかなさと悲しみを嘆いているように見えました。日本の美意識の源を感じたように思いました。


あんなところに!

2014-07-19 20:04:38 | 旅行
 明日から毎年恒例の尾瀬山行に出かけます。今年は体力の低下が心配されるため、先週末に近所を歩き回りました。ただ歩いているだけではおもしろくないので、カメラを持ってでかけ、景色などを撮影していました。
 道に沿って家並みがちらほらというあたりに、自動車の整備工場のような家があり、ちらっと覗いて見ると、家の横に棚が吊ってあり、そこから犬がこちらを見下ろしていました。猫ならば驚かないところでしょうが、犬? どうやって上ったのだろうと訝しく思いながら近づいてみると、なんとそれは作り物でした。質感から見ると金属製のような、プラスチックかもしれませんが、なかなかリアルにできています。しばらく見ているうちに思わず笑ってしまいました。


 この日は3時間近く歩きましたが、近所にもいろいろ面白いカットがあるものだと思いました。みなさんも、ご近所探訪してみたらいかがでしょうか。

群馬県上野村はいかが?

2014-07-19 19:49:20 | 旅行
 
 群馬県の上野村に行って来ました。山奥の里という感じで、緑豊かで川も美しく、夏は涼しいところでした。途中、国道わきの大きなお店には、特産の木を使った工芸品やお土産などがあり、いろいろ買ってしまいました。
 上野村といえば、私などには日航ジャンボ機墜落事件が思い出されます。途中、「御巣鷹の尾根」や「慰霊の園」といった標識が見られ、あのニュースを思い出しました。
 さて、上野村を目指したのは、不二洞という鍾乳洞を見るためでした。山の中腹から、かなり広い鍾乳洞があり、観光用に整えられています。洞内はあの世に見立てられており、地獄や極楽になぞらえられた鍾乳石などがライトアップされて幻想的でした。もちろん、夏は涼しく、一度は見てもよいと思いました。
 不二洞の前にスカイブリッジという大きな吊り橋がかかっています。往復の通行料100円を支払って徒歩で渡ります。下は渓谷で、かなりの高さがあり、少し揺れるので、けっこうスリルがあります。時間になるとシャボン玉が出てくる演出は素敵でした。それが写真です。かなり長い時間、連続して多くの場所から吹き出し、谷を漂っていく様はメルヘンチックで最高でした。

田舎者、お台場へ行く

2014-06-29 13:07:11 | 旅行

 初めて東京ビッグサイトに行って来ました。大崎からりんかい線で国際展示場駅から歩きました。圧倒的な造形にびっくり。庭園を取り入れ、多層建築体のような建物でした。周囲にもユニークなビルが多く、歩き回ってしまいました。楽しかったです。特別な催し物があったわけではないですが、一度見に行く価値はあると思います。
 来週は第21回東京国際ブックフェアが開かれます。また行ってみようかな。
 外の階段から屋上の展望台(といってもものすごく広い!)にも行ってください。広々と開けた視界が気持ちいいです

オススメの美術館

2014-06-29 12:46:40 | 旅行
 先週なんですけど、群馬県渋川市のハラミュージアムアークに行って来ました。
 現代美術を展示する美術館ということで、ちょっと敷居が高いと考える方も多いと思います。現代美術というと、訳がわからない!と敬遠する方がほとんどでしょう。ハラミュージアムアークは、そういう先入観を払拭してくれると思います。
 まず、木造で不思議な建物。磯崎新氏の傑作です。周囲の広々とした緑と調和しており、隣接するグリーン牧場で羊が遊ぶ姿も間近に見えます。
 展示室はGalleryA~C、観海庵、屋外の彫刻等、多彩。作品数は多くはないですが、建物と環境も芸術的だと思ってしまいます。
 文句なく面白いのが、GalleryBの「真夜中の海」。暗い部屋に入ると、不思議な渚が広がり、プロジェクターから投影された不思議な波が寄せては引いていきます。どうも傾斜した空間と鏡を巧みに組み合わせたトリッキーな仕掛けがあるようです。何とも幻想的で、郷愁を誘うような、実に不思議な世界を作っていました。
 また、GalleryCのミラールーム。水玉模様で有名な草間弥生氏の作品です。黄色に濃紺の水玉という不思議な世界。中央には無限に広がるかぼちゃ畑?が……。うーん、不思議すぎる!! ここでも鏡がポイントでした。
 SUNSPACE FOR SIBUKAWA2009は、広場の中に立つアルミの建物。ドアがあり、トイレかと思いますが、中は真っ白な局面でできており、太陽光プリズムレンズが並んでいます。これがドーム内部に虹を作り出すとのこと。約2週間ごとに完全な円形の虹ができるそうです。そんな壮大な仕掛けがあることを、今、ブログを書いていて知りました。
 小さい子供さんでもきっと面白がって見入ることでしょう。グリーン牧場と共通入場券がオトクなようです。大人はもちろん楽しめます。ミュージアムショップも質が高く、お土産選びも楽しいでしょう。これからの季節、特にオススメです。
 入口で、車を降りて入場券を買い、また車で駐車場へ行く感じが、面倒くさいけどユニークでした。


三鷹で太宰文学に親しむ

2014-06-22 22:42:48 | 旅行

 土曜日の午後から三鷹に出かけ、太宰治ゆかりの場所を訪ねました。JR三鷹駅南口下車後、まずは市の観光案内所へ。よくできた観光案内をもらい、それにしたがって歩き出しました。
 作品を執筆した家、愛人宅など、家はなくなっていました。玉川上水の入水場所、遺体があがった場所などは、往時の面影を残しているのでしょうか。最後は、禅林寺へ。桜桃忌の翌々日ということもあってか、墓前には写真のように花や供物がたくさん残っていました。ウイスキーやビール、たばこはゴールデンバットが置いてありました。太宰の人気を改めて感じました。
 帰りは5時過ぎになったので、太宰を偲んで酒を飲まなければならないと思い、2軒はしごしてしまいました。三鷹で飲んだは初めてだと思います。楽しくおいしい酒でした。しかし、今朝起きてみると、右目の上が腫れ、眼鏡がひしゃげていました。夕べ何があったのか、全く覚えていません。

埼玉散歩

2014-05-28 21:40:27 | 旅行


 熊谷にある妻沼聖天山歓喜院に行ってまいりました。この寺院の背面は柴又帝釈天を思わせる見事な彫刻で覆われており、修復されてきらびやかなもので、2012年、国宝に指定されました。七福神や子供たちが遊んでいる浮彫に加え、龍や鳳凰などの彫刻も混じり、予想以上のものでした。ボランティアの方が説明してくださり、興味深く拝観することができました。
 その後、深谷は渋沢栄一誕生の地ということで、ゆかりの地を訪ねました。中でも小山川のほとりに移築された誠之堂と清風亭には感動しました。こちらも市の職員の方が案内してくださり、わかりやすく見学できました。
 どちらの建物も大正時代のもので、もとは世田谷にあったものを切断して移築し、再建したものでした。どっしりとして重厚な外観は、新興国日本ではハイカラなものだったでしょう。
 誠之堂は渋沢栄一の喜寿を祝って建てられたもので、重要文化財の指定を受けています。設計者は田辺淳吉で、深谷の煉瓦工場で作られた煉瓦が使われていることがわかっています。イギリス風の建物で、内装では美しいステンドグラスが印象的でした。一方、清風亭はスペイン風の建物で、アーチ式の柱が並ぶ側面が美しい陰影を作っていました。
 今回の旅は日帰りでしたが、実に有意義でした。埼玉にもよい場所があるものです。ひょんなことから、世界遺産で注目を集めている富岡製糸場の初代工場長が渋沢栄一の従兄であることを知りました。これから、富岡製糸場同様、近代遺産として脚光を浴びていくかもしれません。期待しています。


ワンダーランド発見!

2014-04-29 10:38:26 | 旅行
GWいかがお過ごしですか。4月27日の日曜日、榛名山にドライブに行きました。桜が終わり新緑が始まって、すがすがしい日でした。
 ハルナグラスというガラス工房に行って、グラスでも買うかと思っていました。そこへ行くまでの道は、もちろん舗装道路なのですが、林間を走る快適な道で、軽井沢のような気分でした。
 ハルナグラスは想像以上に大きな施設で、体験や見学ができる建物とギャラリー棟(土産用完成品販売センターと言うべきか)がありました。土産物は大変充実しており、いろいろ買ってしまいました。
 道を挟んだ向かい側に、しゃれた喫茶店と土産物屋があったような気がして、軽い気持ちで立ち寄りました。すると、そこは思いもしなかったワンダーランドでした。天井の高い店内に入ると、何と天井から滝のような吊るし雛が! そして、下には、吊るし雛の材料となる飾りが処狭しと並んでいました。そのどれもが可愛く安価!! 思わず大量に買い込むことに。さらにさらに、可愛い飾り物などが骨董店のように並んでいるというより積み上げられていました。奥の方には古着や着物なども販売しているようでした。短時間ではとても見きれず。再訪を固く心に誓って、後ろ髪を引かれつつ帰路につきました。
 隣にあったしゃれた喫茶店は、パン工房とわかりました。買い物をした分の金券でパンを土産に求めました。
 写真はそこで買った猫です。古い切れを使って丁寧に作られています。

お土産

2014-04-13 07:20:06 | 旅行


 ケアンズから帰国して2週間が過ぎようとしています。東京の桜も終わり、時間の速さを実感しています。ケアンズも思い出になってしまいました。
 帰国する際、ケアンズの空港で1時間以上の時間がありました。そこで、空港内のお店を見て回りました。免税店ではワインやウイスキー、装飾品などを売っていました。オーストラリアならではのお土産ということで、オーストラリアオパールを見ていると、心強いことに日本人のスタッフが説明してくれました。比較的安価でしたので、写真のペンダントを買いました。オパールが2つ縦に並んでいますが、大きさは米粒より二回りくらい小さいです。ネックレスは銀、価格は88ドルですから、9000円弱でした。コアラやカンガルーをあしらったものが人気のようでした。
 雑貨店では、ブーメランのキーホルダーとカモノハシをあしらったタペストリーを買いました。アポジニリグッズといった感じです。
 目を閉じると、日曜日に1日中徘徊した海辺の様子が目に浮かびます。滞在中は仕事のこともあり、コミュニケーションもとれず、ブルーな日々でしたが、今度は英語力をつけてリベンジしたいと思います。



連帯と孤独

2014-04-05 12:57:19 | 旅行

 ケアンズの街角です。一人の老人が、くつろいでいました。ケアンズで気づいたのは、老人が皆明るい顔をしていたこと。市場で店員さんと話していたり、カフェで談笑している姿をいたるところで見ましたが、ほとんど例外なく、皆穏やかで明るい顔をなさっていました。老人が幸福に暮らせる国と言うのは何とも素晴らしいと思いました。
 オーストラリアというと、私の学生時代は白豪主義が有名で、有色人種は差別されると教えられました。しかし、第二次大戦後、オーストラリアは移民を広く受け入れて、多人種国家への脱皮を図ったということです。その中でも、ケアンズという町は、有色人種を差別しない気風があるということを聞きました。人と人との絆を大切にする町なのではないでしょうか。
 言葉さえ何とかできれば、ケアンズで老後を送るのも悪くないなと思いました。何かを生み出せるような予感がありました。

 私などは、気づけば2枚目の写真のようなものばかり撮っていました。マリーナにたたずんでいると、天涯孤独な自分を強く自覚しました。もし、そこで事故にでも巻き込まれて死んだとしても、誰も私のことを知りません。仕事先から捜索願が出て、身元はわかるのでしょうが、癒しようのない強い孤独感でいっぱいでした。明るい南国にいても、そんなことばかり感じている私は、やはりビョーキなのだと思います。

 

空の色

2014-04-03 22:50:57 | 旅行

 5日間の海外旅行から帰国しました。行ったのはオーストラリアの東海岸ケインズです。仕事は現地の方々にお任せし、トラブルに備えるという感じでしたので気楽でした。
 交通機関やホテルの手配はしてもらったものの、食事などは個人で何とかしなければならず大変でした。英語が苦手なため、自由時間はただただ町を歩き回っていました。ケアンズは観光が主産業ということで、スーパー以外、店に入って買い物をしても、いろいろ話しかけてくれるのですが、すぐに理解できず、理解できても口に出せずといった塩梅で、何とも情けない限りでした。助かったのは日本人の店員さんが多くいたこと。地獄に仏というくらい有難かったです。
 写真は夕方の町のスナップです。上はマリーナ、下はラグーンというプールです。ケアンズの海は遠浅で、潮が引いているときには広大な干潟になります。そこで泳ぐことはできないため、海岸に巨大なプールが作られています。ビキニのお姉さんがたくさんくつろいでいました。開放的で南国の雰囲気が漂っていました。今は夏で、暑かったものの、蒸し暑いという感じではありませんでした。雨季といっても、湿っぽい感じはなく、ときどきスコールのような雨が降っていました。
 日の光と空の色はまぶしく、写真も日本と違い、とてもクリアなのに驚きました。今後、しばらく、写真をご紹介します。
 

桐生へ行く

2014-03-24 00:00:23 | 旅行
 
 今日は車で桐生へ行って来ました。
 まず訪ねたのは明治館。当初は明治時代に医学校として建てられたようですが、現在も保存され、中に入ることができました。洋館の風情がよく保たれていたと思います。今日は、某氏のレコードコレクションが展示されており、往年のアイドルのドーナツ盤が所狭しと並んでおり、私などは懐かしく拝見してきました。
 次は富士山を訪ねようと思いました。何と桐生に富士山があったのですね。外国人も本当の富士山と間違えてやって来たりするそうです。ただし、富士山下の駅はあるものの、富士山の所在はよくわからず、パス。車のナビで出た近くの名所、高津戸峡というところへ。多くを期待してはいませんでしたが、渡良瀬川の渓谷を歩く遊歩道が完備され、川沿いの奇岩などを楽しめるよいスポットでした、コバルトブルーの水が印象的で、深山幽谷の趣を手軽に感じることのできる場所でした。小さなお子さんでも楽しめる場所ですので、おすすめいたします。

塙保己一生家を訪ねて

2014-01-25 08:00:36 | 旅行
 埼玉県本庄市にある塙保己一の生家へ行って来ました。塙保己一は「はなわほきいち」と読みます。江戸時代の国学者ということになります。彼は7歳で失明しますが、驚くべき記憶力と情熱を持ち、雨富検校に認められてさまざまな教育を受け、才能を開花させました。よき師との運命的な出会いがあったということでしょう。彼の最大の功績は、手紙や記録などの文献を蒐集してまとめあげた『群書類従』の編纂でしょう。歴史や文学のみならず、多くの専門家に活用されている膨大な書物です。とうてい盲人の手によって編纂されたとは思われません。まさに奇跡です。この事業は東京大学史料編纂所に引き継がれ、今も続いているのです。
 訳あって月に2回程度、北関東に行っています。先日、本庄で時間があったので、かねてから気になっていた塙保己一の生家という所を訪ねてみました。近づくまで案内板も何もなく、観光名所でないことは分かっていましたが、行ってみて驚きました。大きな茅葺屋根の民家でした。生家には子孫の方々なのか、今も普通に人が住んでいらっしゃいました。裏が牛舎か豚舎になっていて、すごい匂いでした。夏はむせるようでしょう。家の前の柵の中にはヤギが2頭飼われていました。要するに、田舎のフツーの家だったのです。私は「こんにちは。ここが塙保己一の生家ですか」と言うこともできず、それどころか、お宅に近づくこともできずに帰ってきました。
 資料館があると聞いたことがありましたが、それは渋谷になるようで、生家はただの生家のようでした。つまり、何もなかったということです。
 ヘレン・ケラーは幼いころから両親に塙保己一を目標にするように言われて育ったといいます。1937年、来日したとき、彼女は資料館を訪ねて、塙保己一の像に触れ、『群書類従』の版木に触れたようです。文字通り「触れた」のでしょう。ヘレン・ケラーは保己一の手垢の染みた机や頭を垂れた謙虚な像に触れて、心からの尊敬を覚えたと感想を述べたそうです。そして、保己一の名前が流れる水のように永遠に伝わるだろうとコメントしたといいます。来日前、サリバン先生は、ヘレン・ケラーに、あなたを育ててきたのは盲人啓発の目標もあるのだから、そのためにも渡日しなさいと諭したようです。すごい絆を感じます。塙保己一と雨冨検校もそういう間柄だったでしょうか。
 半年ほど前、ある劇団の公演でヘレン・ケラーの演劇を見ました。昔は「奇跡の人」としてヘレン・ケラーが主人公でしたが、その演劇ではサリバン先生が主演という気がしました。ヘレン・ケラーの頑なな心を開かせていくサリバン先生とのコミュニケーションが主題でした。そのコミュニケーションの基盤は、やはり情熱でしょう。この子を何とか幸福にしたいという情熱です。
 塙保己一も情熱の人でしょう。情熱がなければ、盲人というハンデを超えてあれだけの大著を編纂できるはずがありません。今度は渋谷の資料館を訪ねてみようと思います。それから、ゆっくりと生家の様子を思い浮かべたいと思いました。