観自在

身辺雑感を気ままに書き込んでいます。日記ではなく、随筆風にと心がけています。気になったら是非メールください!

正雪大吟醸無量寿

2014-05-31 22:10:41 | 
 職場の最寄りの駅近くにある酒屋に初めて行きました。明鏡止水の限定酒とどちらにするか迷ったのですが、最終的に正雪を購入しました。静岡の酒ですから、間違いはないだろうという信頼もありました。ラベルによると、酒母米、麹米が山田錦、掛米が吟ぎんがのようです。精米歩合は前者が35%、後者が50%となっています。
 この酒は、まず香りに驚かされました。洋梨のフルーティーな香りは日本酒とは思えないほどでした。ワインの香りも楽しいものですが、日本酒でこれだけの香りが立つというのは珍しいと思います。
 味の方でも、洋梨の味がまず口に広がります。味わいになるとメロンの方が近いでしょうか。全体的な印象としては重厚ではなく、さわやかな味わいを感じる一方で、まろやかで芳醇な味わいも感じられます。このバランスが、この酒の旨さを決めているのかもしれません。のど越しの最後には酸味が立ってきて、フルーティーな印象を強調する感じがします。そして、苦みが喉の奥に広がってやがて消えていきます。
 かなり無理をして書いているのは、先ごろ、田崎真也氏の番組を見たからです。やはり、彼の勉強ぶりは大したものでした。多少でもそれにあやかろうとわかったようなことを書いているわけです。しかし、この味を言葉にすることはとても難しいですね~。
 ともあれ、この酒、オススメです。1升瓶が税込3000円ちょっとですよ。
 ついでながら、肴はメジナの刺身とトビウオの焼き魚でした。メジナはタイに似た体形で、全身が黒っぽく、身が引き締まった魚です。私はタイより美味だと思います。ヒラメの刺身とも同額だったので悩みましたが、メジナで正解だったと思います。トビウオは焼きすぎたため、身が固くなってしまいました。全身筋肉質?な魚ですので、焼きすぎはよくないようです。

昨日の雲

2014-05-28 21:46:10 | コラム


 昨日の夕日が美しかったのをご存知でしたか? 雲が垂れ込めていましたので、晴れ渡った空に美しい夕日が映えるという感じではありませんでしたが、幾層にも重なった雲のかなたが赤く染まる様子は、見ていて美しいものでした。
 帰宅してベランダから急いで撮影した写真です。東京都下から見える景色だといっても、ちょっと信じられないくらいの自然ではなかったかと思います。
 今年の夏は、またどのような景色が見えるのか楽しみにしています。

埼玉散歩

2014-05-28 21:40:27 | 旅行


 熊谷にある妻沼聖天山歓喜院に行ってまいりました。この寺院の背面は柴又帝釈天を思わせる見事な彫刻で覆われており、修復されてきらびやかなもので、2012年、国宝に指定されました。七福神や子供たちが遊んでいる浮彫に加え、龍や鳳凰などの彫刻も混じり、予想以上のものでした。ボランティアの方が説明してくださり、興味深く拝観することができました。
 その後、深谷は渋沢栄一誕生の地ということで、ゆかりの地を訪ねました。中でも小山川のほとりに移築された誠之堂と清風亭には感動しました。こちらも市の職員の方が案内してくださり、わかりやすく見学できました。
 どちらの建物も大正時代のもので、もとは世田谷にあったものを切断して移築し、再建したものでした。どっしりとして重厚な外観は、新興国日本ではハイカラなものだったでしょう。
 誠之堂は渋沢栄一の喜寿を祝って建てられたもので、重要文化財の指定を受けています。設計者は田辺淳吉で、深谷の煉瓦工場で作られた煉瓦が使われていることがわかっています。イギリス風の建物で、内装では美しいステンドグラスが印象的でした。一方、清風亭はスペイン風の建物で、アーチ式の柱が並ぶ側面が美しい陰影を作っていました。
 今回の旅は日帰りでしたが、実に有意義でした。埼玉にもよい場所があるものです。ひょんなことから、世界遺産で注目を集めている富岡製糸場の初代工場長が渋沢栄一の従兄であることを知りました。これから、富岡製糸場同様、近代遺産として脚光を浴びていくかもしれません。期待しています。


これがおわかりの方は・・・・・・

2014-05-25 09:07:12 | コラム

 この写真がウルトラセブンの科学特捜隊(でいいですか?)に出ていたポインターという車両であることをご存知の方は相当古いですね。説明書きによれば、全長は5.3メートル、全幅1.9メートル、重量が1.8トン、最大速度365キロとなっています。最大速度は刻まれていますが、水前寺清子の「365歩のマーチ」から想定されたものだったりして……。定員は6名で、レーザー砲、3連装対地ミサイル、対空ニードルレーザー砲で武装されています。
 昔はプラモデルなどが出ていたと思いますが、私は今回、これをブックオフで見つけて即購入しました。500円でした。プラスティック製ながら、あまりちゃっちい感じはしません。結構大きいし、しっかりしてます。屋根の部分が取れて、中にはクリップが入っていました。一応実用的です。
 幼いころ買えなかったものが、今は購入できます。私はアストンマーチンのラジオコントロール車がほしくてたまりませんでした。当時、デパートで6500円でした。とてもおもちゃの価格ではありませんでした。デパートの食堂でお昼を食べるのが楽しみでしたが、いつもメニューの価格を見て注文を決めていました。親が裕福でないことを知っていたので子供心に遠慮していたのでした。そうしたみみっちい配慮はくせになるものですね。今も、外食するときには、食べたいものよりコストパフォーマンスを最優先している自分がいます。なるほど出世できなかったはずです。
 トイザラスなどにたまに行くのですが、ラジコンカーが2,000円足らずで買えるご時勢です。時代は変わったと思います。今では、小さい子供でも、ラジコンカーよりゲームの方がよいらしい。それもご時世ということでしょう。
 実はラジコンカーがほしいと思っています。ラジオコントロールで動かすよりは飾っておきたいです。大きくて迫力があるし、作りも安っぽくないんですよ。お金がなくて買えなかったものが今なら買える、そういう私のような図式に注目すると、これからの中高年をターゲットにした商業戦略も工夫の余地がありそうです。キーワードはリバイバルでしょうか。

遂に本当のパステル

2014-05-24 21:31:31 | パステル画

 以前のパステル画は100円ショップで買ってきたパステルを使ったものや、水彩鉛筆で描いたものをパステル画と偽って載せていたのですが、今回は画材展から買ってきた正真正銘のパステルを使って描いた絵です。最近お気に入りのゴーチェを描きました。
 夕方、買い物に行って、またしても刺身などを購入。日本酒を飲んで、今日も終わりかなと思っていたのですが、こんな酒浸りの日々ではいけないと自らを励まし、パステルを発掘してきて描きはじめました。記憶が定かではありませんが、9時過ぎから描きはじめて、気づいたら今になっていました。絵を描いている時だけは時間を忘れます。それだけ熱中できるということは、やはり好きなのでしょう。
 水彩鉛筆で誤魔化すのと違って、色が力強く、美しいです。本当はいろいろな技法があるのでしょうが、今日は自己流で描いてみました。ゴーチェの目力は表現できたかなと思います。酒だけで終わらないでよかった。些細なことでも、充実感があります。少しずつ、生活を立て直していけたらなあと思っています。
 明日は埼玉県に国宝を見に行く予定です。明日は暑そうですね。よい週末になることをお祈りします。

夏の夕方に合う発泡酒

2014-05-24 18:50:05 | 

 行きつけの酒屋で、2本のビールを薦められ、店主の口車に乗って購入してしまいました。どちらも神奈川県厚木市にあるサンクトガーレン有限会社が発売している発泡酒です。
 まず、右が湘南ゴールドという名称で、英語で「SWEET ORANGE ALE」とあります。湘南ゴールドとは神奈川県オリジナルのみかんで、ゴールデンオレンジと遠州みかんを掛け合わせて作ったものだそうです。お味の方は独特のクセが感じられ、私には向いていないようでした。
 中央は、今日飲んでみたのですが、PINEAPPLE ALEです。こちらはパイナップルの濃厚な香りがビールとよくマッチしていて美味でした。どちらもアルコール度数は5%です。値段は聞かずに買いました。話のネタに一度飲んでみるとよいでしょう。パイナップルエールはオススメします。
 さて、写真に写した左側の缶ビールは地ビールの草分けエチゴビールが1年だけ限定で発売したWEISS(ヴァイス)という発泡酒です。私はこれが気に入ってとにかく飲みました。10年以上前のことだと思います。原材料を見ると、コリアンダー、オレンジピール、ジンジャーが入っていることがわかります。それらが絶妙なバラスでブレンドされており、いやなクセがなく、爽やかな味わいでした。
 夏の夕方、堤防で小鯵を釣った後、一気に飲む味がたまりませんでした。以後、再販を楽しみにしていますが、いまだに復活しないのは残念でなりません。似たようなビールがあると買ってみるのですが、ヴァイスには遠く及びません。エチゴビールのブルーパブにも以前はよく行きましたが、今はそれほど魅力を感じなくなりました。ヴァイスなら起死回生と行けると思います。またヴァイスが飲みたい!! 心からの叫びです。夏の夕方に飲むものとして、あれ以上の発泡酒やビールにはお目にかかったことがありません。空き缶を捨てられないのはそのためです。

ゼロ戦を見る

2014-05-24 18:40:49 | メカ(機械)

 時間つぶしに書店に入って見つけました。新刊書を買ったのは何年ぶりでしょうか。私にはついぞないことです。それだけインパクトがあったのです。
 小学生から中学生のころまで、私の愛読書は『ゼロ戦と戦艦大和』という本でした。イラストが多い、子供向けの本だったと思います。友達に貸して帰ってこなくなるまで、暗記するほど毎日読んでいました。
 ジブリの映画『風立ちぬ』でゼロ戦の設計者故堀越二郎氏にスポットが当たったようです(映画を見ていないのでよく知りません)。堀越氏は天才的なデザイナーで、のちには国産初の旅客機YS11の開発にもかかわっています(でもYS11のエンジンはロールスロイス社のものでした)。去年か一昨年の夏に、所沢の航空公園にある航空博物館で、現存するゼロ戦が展示されていた時期がありました。エンジンをかけるイベントもあったようです。どうしても行けず、大変残念だったのですが、この本を読んで、現存するゼロ戦が複数国内にもあることを知りました。
 著者によると、国内のオススメナンバーワンのゼロ戦は、河口湖自動車博物館飛行機館にある零戦21型であるということです。ほとんどオリジナルの機材で復元された世界でも屈指の復元忠実度だそうで、下部に燃料タンクと小型爆弾を装着している点も見どころだそうです。これは見ずばなるまいと思います。見学できるのは8月だけということ。この8月は絶対に行きます。
 ゼロ戦は「ゼロファイター」と呼ばれて恐れられていました。それほど高性能だったのです。航続距離の長さ、旋回性能、強力な機銃など、群を抜いていました。私が面白いと思うのは、ゼロ戦と日本車の比較です。ゼロ戦は徹底した軽量化によって性能を引き出したため、米軍機のように座席周りにパイロットを守る鋼鉄が入っていません。現在の日本の自動車は安全でしょうが、初期の日本車は、ゼロ戦のように安全性に問題があったように覚えています。燃費や性能を向上させるために、軽く薄く作られていました。この国は、高性能化のためには人間を犠牲にするという伝統があるようです。
 私は靖国神社でも知覧の特攻平和会館でも、特攻隊員の手記を読んで泣きましたが、ゼロ戦を見た記憶がありません。私が訪ねた当時はなかったのか、不覚にも見逃していたのか。とにかく、靖国神社遊就館の52型は、河口湖の前に見てくるつもりです。

 

これが石田屋一式です!

2014-05-24 16:09:39 | 

 黒龍は福井県永平寺町にある蔵元で作られています。フツーの黒龍でも十分おいしいですが、トップレベルの酒、つまり超高級品というべきお酒が数種類あります。
 数年前に、食事にお招きいただいたお宅で、黒龍の石田屋というお酒に初めて出会いました。そのお宅でもいただいたもので、なんでも正月に封を切ってお屠蘇代わりに飲んだ後、酒が好きな人も家族にいなかったので、私が来るまで冷蔵庫で保管してくださったとのこと。私がいただいたのは2月の中旬くらいだったと思いますので、2か月近く冷蔵庫で眠っていたわけです。お酒好きな方はおわかりの通り、いくら冷蔵庫に保管しても、酒の味は必ず落ちます。どんな銘酒でも、栓を抜いてから1日たっただけで、へたった感じの、平板な味になってしまいます。酒好きでもない先方では、そんなこともわからずにとっておいてくれたわけですが、そのご厚意はありがたいと思いました。しかし、味の方は期待はしていませんでした。
 濃いブルーの4合瓶に入った酒を飲んだとき、私が飲んだ酒の中でもトップレベルの酒の一つだとすぐ思いました。飲み口は、濃厚な酒ではありませんが、適度に芳醇な感じもあり、何より芯が太い印象を受けました。ぐっと迫ってくるような旨味があったと思います。ほとんど減っていなかった石田屋を私は一人で飲み干してしまいました。
 しばらくしても忘れられず、ネットで調べてみたところ、期間限定・数量限定の発売でほとんど入手が困難、オークションでは3万円の高値で取引されていることを知りました。開栓後2か月もたって、あれだけ旨かったのだから、開けてすぐに飲んだら……そう考えるのは酒飲みの業と言うべきものでしょう。
 諦めかけていたとき、飲み仲間から朗報が入りました。茨城県のある町に、石田屋を17,000円で出している居酒屋があるというのです。費用を折半する約束を取り付け、私は飲み仲間とともに駆けつけました。そこで、出していただいたのが、写真の石田屋です。右にある箱が外箱、中央に黒く見えるのが木製の立派な内箱、そして、左にあるのが空き瓶です。東京から飲みに来たと告げると、店長は空き箱を含めてすべて紙袋に入れて渡してくれました。それで一式が私の手元に残ったわけです。
 意外にも味に対する感動はありませんでした。飲み仲間も、「そんなにいいか?」といった顔をしていました。ひょっとしたら貯蔵したり、開けてしばらくしてから飲んだ方が旨い酒だったのでしょうか。最初に飲んだ時のような感動がなかったのはなぜなのか、今も謎のままです。
 

トキのパッケージ

2014-05-24 10:51:02 | コラム

 これはお菓子のパッケージです。かなり以前に食べたので、どのようなお菓子だったのか覚えていません。和菓子だったろうと思います。
 おそらくお菓子本体の方にシールでも貼ってあったのだろうと思います。パッケージの方には「朱鷺のはつ恋第二章 はばたき」とあり、「一枚一枚丁寧に香ばしく焼き上げ」たと書かれており、「袋の餡を最中種にのせてお召し上がりください」という口上があります。食べる前に自分で作るような最中だったのかもしれません。残念ながら、発売元は表示がありません。
 よくできたパッケージだったので、これだけ保存していました。これもインダストリアルデザインというのでしょうか。くちばしを上にあげると、中のお菓子が取り出せるようになっていたのでしょう。面白いアイデアだと思います。
 自然界に放鳥されたペアにヒナが生まれ、初めて巣立ったというようなニュースがあったと思います。トキを普通の空に見ることができる日が来るのでしょうか。期待したいですね。

朝の顔

2014-05-24 08:08:23 | コラム
 最近は朝が早くなり、早いときは朝の4時過ぎに起きてテレビを見ていることがあります。
 見る局はNHKが多く、当然、毎朝見る朝の顔も決まってきます。
 この3月までは、「おはよう日本」で上條倫子アナウンサーを見るのを楽しみにしていたところがありました。最初はそれほどでもなかったのですが、見慣れてきたというか、ちょっときつそうな印象がありながら、意外と茶目っ気もあって可愛らしい側面があり、仕事はもちろんしっかりとなさっている姿に、こちらも頑張らないとななどと触発されていました。4月からは夜7時のニュースに異動されて、栄転なのでしょうし、朝早い仕事よりは楽になったのだろうと思いますが、朝の顔が見られなくなり寂しい思いです。夜のニュースでは出演時間が少なく、あまりお姿を見れないのも残念です。
 上條アナウンサーまではまだいきませんが、4月から「おはよう日本」(お休みの日担当?)にご登場の和久田麻由子アナウンサーは、早くも紅白の司会という噂が上がるほど、人気のようです。才色兼備の女性というものはいるのだなという見本のような方ですね。これからどんどん人気が出てくるでしょう。他局に引き抜かれないようにNHKには気をつけてほしいと思います。私も上條アナウンサーの次に応援したいと思っています。昨年度からの継続で言えば、鈴木奈穂子アナウンサー、気象予報の渡辺蘭さんも頑張ってくださいね~!

 仏教には顔の施し「顔施」(がんせ)というのがあるそうですが、朝、顔を見ただけですがすがしくなったり、元気をもらえるような女子アナたちは、まさに顔施を実践していらっしゃることになります。子供たちが憧れるのもわかります。おそらく見ているよりずっとハードな仕事に違いありませんが、どうか健康に気をつけて頑張ってください。
 

古い人間だと実感

2014-05-23 03:01:32 | コラム
 銀座にできたステーキ店の話題をNHKのニュースでもやっていました。行ったことがないので場所はわかりませんが、贅沢で美味しいものが、スピーディーに安価で食べられるという点がウケているようです。
 なぜ、その店が流行っているかというと、立ち食いだからです。立ち食いといえば、そば程度しかなかったと思いますが、それをステーキでやったところが斬新です。店にしてみれば、客が座らないために回転が速く、多くの客をさばけます。客は軽い気持ちでステーキが食べられるわけですし、安価なのは大歓迎でしょう。
 ニュースではお客さんのインタビューがありました。立ち食いに抵抗はない、短時間で帰れるので好都合だという声が聞かれました。時代にマッチした店だと言えるでしょう。私のように、立ち食いに抵抗のある人は来ないでしょうし、時間をかけてじっくりと味わいたい人は行かなければよいだけの話です。
 私は一人でふらりと行くならよいですが、だれかと入る気にはなれません。食事の作法をうるさく言われた時代に育ったので、立ち食いには抵抗があります。子供が見ていて、立って食事してもいいんだなと思うようなシュチエーションは避けたいというのが本音です。立って食事する姿を知人に見られたくありません。また、せっかく人と会うのに、最初から短時間ですまそうといった合意の上で食事をとることにも抵抗があります。誤解を生まないように、あるいは相互に深く理解するために、長く一緒にいることは無駄ではないと思うのです。
 先に書いたように、私のような考えの人は行かなければよいだけのことです。ニーズがあるのだから、それはそれで貴重なのでしょう。私は、お手軽でスマートなことばかりではどうなのかなと感じているだけです。同僚とお酒を飲みに行くことも全くなくなった現在、昔は毎日仕事帰りに飲んでいて楽しかったという郷愁に浸っています。古い人間ですねえ、私は。

圧倒的な雲

2014-05-22 18:46:08 | コラム
 今日は上空に寒気が入っているということで、朝の天気予報から「雷雨などがある不安定な天候」という予報が出ていました。
 その予報通り、朝はさわやかに晴れていましたが、午前中に何度か、午後からも数度、激しい雷雨がありました。窓の外を見ていて、雹が降るのではないかと思う場面もありました。
 私の今度の職場は高台にあり、帰宅するのに駅の方を見ると、巨大な雲が高い山並みのように聳えているのが目に入りました。オーストラリアで見た雲と同じような「日本離れ」した雲だと思いました。構築されたような、造形的な雲に圧倒されました。
 急いで帰宅して写真を撮りました。私の住むマンションからは遠くまで空が見渡せて、最初は雲の回廊のように見えたのを覚えています。昨日、今日もそんな感じでした。
 こんな雲は見たことがないように感じます。これも温暖化の影響なのでしょうか。関東では、これから雨雲がまだまだ発達してくるようです。これから帰宅なさる方は気をつけてください。

 

格安航空会社の事情から見た日本の未来

2014-05-19 20:53:49 | コラム
 格安航空会社がパイロット不足から、便数を減らさざるを得ないというニュースが流れました。ピーチエアーやバニラエアーが報道されていたと思いますが、薄利多売的に商売をしなければ儲からない企業なのだろうと思いますので、打撃は計り知れないものでしょう。
この先、パイロット不足を解決するためには、養成や確保について抜本的な見直しが必要とのことでしたが、バスやタクシーの運転手を養成するのとはわけが違います。安全を考えれば、それほど簡単に解決できるものではないでしょう。
少し前に、クルマの整備士も不足していくことが報道されていました。日本の人口が減っているのですから当然のことです。さまざまな分野で人手が足りなくなるわけですが、その前に消費者や利用者が減っていき、産業自体がどんどん縮小していくことは確実です。少子高齢化が進むにつれ、日本はどうなっていくのでしょうか。
確かなことは、現在のようなやり方で現在のような産業構造や規模は維持できないということです。移民を受け入れて人口を増やすなど、国の根幹を変えていかなければ、国力を伸ばすことはできないでしょう。何より、意識の上で、生活の向上=経済発展、幸せ=富といった図式を根本的に変えることが求められていると思います。アベノミクスなどがいかに小手先のことに過ぎないかは明白です。もっと長期的にとらえて、未来の日本の姿をどのように描くのかが求められているのです。
私たちの将来には、高度経済成長期のような活力はありません。ソフトランディングをめざし、中の中程度の国を目指して、落ちぶれる度合いを最小限にとどめていく、国が小さくなっていく中で、私たちが目指すべき国家像は、そのようなものであると思います。素人にもわかることなのに、政争に明け暮れ、自分たちの既得権だけを守ろうとしているような人々には、そういうことがわかっていないようです。先送りして取り返しのつかないことになっても、そのときには、自分たちはもういないからいいやという無責任な態度しか感じられません。
このあたりで手を打っておかないと、絶対に手遅れになってしまうと思うのですが……。



ヒステリックな反応はどんなものでしょうか?

2014-05-18 22:13:46 | コラム
 漫画「美味しんぼ」が話題になっています。何でも主人公が福島を訪れて鼻血を出したのが大問題になっているとか。原作者自身はそれほど意識していなかったような話を聞いています。
 アニメは日本の文化として世界に誇りうるものです。これまで手塚先生をはじめ、素晴らしいアーティストを輩出して来ました。私は姉の影響で、幼少のころは女性誌を読んでいたので、西谷祥子氏や水野英子氏の作品を耽読していました。少し背伸びした夢や希望を与えてもらいました。私の根幹に近い部分は、当時読んだ少女アニメが影響大であると思っています。人生観や世界観の入り口は、あそこにあったと自覚しています。
 しかし、劇画と言おうが、アニメと言おうが、漫画と呼ぼうとも、それはフィクションです。個人的にも社会的にも大きな影響力があることは認めますが、大人の社会ではフィクションはフィクションとして受容すべきです。福島の問題にしても、「美味しんぼ」の原作者が取材したような見方もある、それでいいのではないでしょうか。STAP細胞などの話とは根本的に違うはずです。風評被害などを恐れて批判があるのはもっともかもしれません。余所者に何がわかるかと問われれば、現地を知らない人間には何も言えません。しかし、原子力の被害に警鐘を鳴らす意味では、メディアの力を利用すべきだという考えもあってよいと思います。仮にそれが極論であるとしても、大人の漫画なのですからフィクションとして読む度量があってよいはずです。それが大きな議論になったり、漫画の一時休載になるのは、あまりにも大人げない気がしてなりません。
 アニメを文化としている国だからこそ、シリアスで微妙な問題ではありますが、表現の寛容性を認めることが大切であると思います。社会風刺や体制への批判がサブカルチャーの立脚点であるはずです。原作者の生の声を差し置いて、謝罪したり休載したりするのは、やはり表現の自由を侵害するものだと私は考えます。
 昨日は、池澤夏樹氏の著作を読んで、東日本大震災に言及しました。その舌の根も乾かないうちに、こんなことを書くのは矛盾だと指摘されるかもしれませんが、私は全くそうは思いません。人間、去る者は日々に疎しといいます。震災や原発被害の記憶も徐々に薄れていく中で、それを思い出させてくれただけでも意味があると思います。ある意味、アニメの役割はそういったところにあると開き直ってもよいくらいではないでしょうか。不遜な言い方になりますが、忘れ去られ、消し去られるよりずっとましです。
 アニメや劇画、漫画といったものの役割と地位を、私たちはもう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。
 

もう一度語りたい 本田美奈子さん

2014-05-17 23:15:13 | オーディオ・音楽
 本田美奈子さんについては、何度か書かせてもらいました。しかし、今日は寝る前にもう一度、どうしても一言書いておきたくなりました。まったくわがままな話です。
 確かに、本田美奈子さんと私には時代的な接点があります。けれど、生前はそれほど意識したことはなかったのです。歌を聞いた記憶もありません。
 今日、繰り返し彼女のDVD画像を見ました。「アヴェマリア」「家路」「つばさ」の3曲が映像とともに収録されたものです。これまでは、一番若いころに撮られた「つばさ」ばかり聴いてきたのですが、今日、しみじみと「アヴェマリア」とドボルザークの「新世界より」に彼女が詩を付けた「家路」を聴いていて、いろいろなことを感じました。
 なぜ彼女の歌声が私に届いてやまないのか。それは、彼女の想いが、すべての現実を超越しているからだと気づきました。歌手といえども職業ですから、売れることを意識して歌っていることは当然です。聴いている人を癒したいとか、自分の思いを伝えたいとか、当然ポリシーをもって歌っているでしょう。それはプロとして当然ですし、そういう思いがなくては、人の心に届く歌は歌えないと思います。
 けれども、私が感じる限りで言えば、本田美奈子さんはそういう次元を超越しています。彼女が早い死を予見していたのかどうかは定かではありませんが、自分の利益を超えた公共の福祉?、まるで天使のような視点から歌っているのが彼女の歌であると思います。彼女が歌っているのは二人の愛ではありません。もっと大きな人類愛?というか、神の愛?のような次元であると感じます。「二人の愛」がない私のような人間には、そういう大きな普遍的な愛が心に届くのです。
 舞台で活躍された方ですから、私とは正反対に大げさな演出を感じる方もいるかもしれません。彼女と言えども霞を食べていたわけではないし、実力派として認められたいという野心もあったかもしれません。彼女について何も知らないくせに横柄な言い方かもしれません。しかし、本当に純粋で無垢な精神、大きな愛を感じてしまうのは私だけでしょうか。
 彼女が今も生きていて、今も歌い続けていたとしたらどうだったのか、私は越路吹雪さんや美空ひばりさんのような国民的な実力派歌手として活躍していたに違いないと思います。
 私は彼女の歌が聴けてよかったと思います。これからも折に触れて聴いていくでしょう。