黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

チャレンジリーグ入替戦予選3日目

2011-11-06 23:25:55 | 女子サッカー
2011 チャレンジリーグ入替戦予選

このチャレンジリーグ入替戦予選は毎年観にいくのだが、毎年傾向が違う感じがする。
今年はアルビレックス新潟レディースOGの田邊友恵監督率いるJAPANサッカーカレッジが世間から全く注目もマークもされず決勝戦に進出。
アルビテックス新潟レディースU-18とは新潟県予選ではずっと戦ってきた相手であるし、チャレンジリーグの先のなでしこリーグを狙っているので敵情視察。

〔決勝〕11月6日(日)11:00 裾野E2ピッチ
JAPANサッカーカレッジレディース 2-1(1-0、1-1) 愛媛FCレディース
【JSCL】8分 坂口友紀、69分 社納未樹
【愛媛】53分 小川明莉


朝方は雨も降っていて富士山の麓は寒かった。
この試合の感想は「霧が凄かった」の一言。高速道路なら即通行止めで降ろされてしまうだろうほど霧が濃かった。視界2~3mほどになる時もしばしば。
田口禎則マッチコミッショナーの判断は試合中断するには及ばず。
ベンチから指示をしようにも、GKやDFがコーチングをしようとも、前方で何が起きているのかわからない。
副審も賢明にオフサイドを見極めようとするも、困難極まりない。
さらに主審はよりによって竹下聖。この主審から視野を奪った上に、いつものようにちょっとした接触プレーでもプレーを切ってFKにしてしまうので、視界1mの両GKにとってはとてつもない苦行とも言うべき時間が流れた。
何か、急にゴール前にボールが飛んでくる感じ。DFもとにかく相手フィールドへ押し戻すのに必死。で、音がすると霧の中から人とボールが出てくる感じ。
カラーボールが欲しい時間帯が多かった。まあ、11月の上旬には用意していないだろうけど。


愛媛FCレディース(愛媛女子短大)はこんな感じ。

[愛媛FCレディース]

-------光平-------↓
-岩本--城間--小野山-小西-
-----山城--堀江-----
-中田----------小川-
-----春山--丸形-----

SUB:GK大迫、DF屋宜、MF光司、MF丸山、FW上里
監督:江後賢一



JAPANサッカーカレッジの布陣はこんな感じ。

[JAPANサッカーカレッジレディース]

-------田邊-------
-近藤-社納-坂口-鳥海-早川-
----------------
-林本-佐々木--高橋--品川-
-------深田-------↑

SUB:GK繁田、DF薄、DF遠藤、FW中山、FW後藤
監督:田邊友恵




JAPANサッカーカレッジはたぶんこれがベストメンバーだと思われる。
左SHに研究生でアルビレックス新潟レディースによく出稽古に来る近藤南美、中盤に16MF社納未樹(神村学園高等部)・20MF坂口友紀(京都精華女子高校)・10MF鳥海麻衣(FC駒沢女子)の年代別代表候補クラスを並べ、最終ラインはアルビレックス新潟レディースU-18OGの大型CBである19DF高橋さくら(福井工大附属福井高校)がコントロールする形。

試合はお互いにトラップが上手いこといかず、チャンスボールの渡し合い。チャレンジリーグ参入を決める試合とは言えいただけないが、まあ、チャレンジリーグの選手のレベルだとこんなもんなのかもしれない。
人工芝なんだけど、ボールが流れていってしまう。止まらない。これだと観客の心は掴めないんじゃなかろうか。
田邊友恵と中田麻衣子という両チームの大ベテランが一番走っているという構図はどうにかならないものかな、若手の諸君。20代前半の選手がばてていたらこれからのリーグ戦はお話にならないと思う。

JAPANサッカーカレッジは前半、チャンスと見た20MF坂口友紀(京都精華女子高校)が真ん中からミドルシュートを撃ってそのままゴールイン。
京都精華女子高校時代にはなでしこチャレンジプロジェクトに選ばれ、大谷未央監督から託された20MF坂口友紀が2試合連続弾。
そのまま、前半を終了。

後半、霧が濃くなってきて試合が難しくなる。JAPANサッカーカレッジは中盤の20MF坂口友紀(京都精華女子高校)と16MF社納未樹(神村学園高等部)が組み立てるもなかなか続かない。
そんなことしているうちに後半早々にGKのこぼれ球を押し込まれて同点。
切なくなるほど、霧で見えない中での重要な試合、どっちか1点取った方が勝ちだろうと誰もが思う中、田邊友恵監督が走るも足が動かなくなってくる。相手の中田麻衣子も精彩を欠くようになって、両チームのベンチからは「とくかく走れ」と選手に檄が。
でも、動きが悪い。そんな中、10MF鳥海麻衣(FC駒沢女子)が右サイドをボールを持って駆け抜けて、ゴール前へクロス。いつもはバテバテの印象のある7MF近藤南美がこの試合はよく頑張って最後まで動いていたのだが、このチャンスにゴール前に詰めてシュート。
決まらず。ポスト直撃。返ったところを16MF社納未樹(神村学園高等部)が叩き込んで勝負有り。学生さん達が自分達で勝利をもぎ取った。

最後はお互いにバテバテになってしまって、ヘトヘトになりながら試合終了。

まあ、両チームのGKとDF陣が頑張ったからこの試合を壊さなかったと思う。
19DF高橋さくら(福井工大附属福井高校)は身体張ってピンチを防いだり、対人の強さもそうだけど、持ち前のロングフィードで自陣からボールを蹴っ飛ばしたり、大車輪だったね。
上のレベルで通用するかどうかは、まだまだ未知数だけど。

試合内容的には昨年の吉備国際大などが出場したリーグ戦よりは緊張感があったし、一昨年の下位のチームの試合よりはレベルは高かったとは思う。でも、関東や関西の大学リーグの上位校と比べたらレベル的に物足りないのも事実。
チャレンジリーグ参入することでチーム力が上がれば、状況は変わるのだろうけど、現状は”まだまだ感”一杯の両チームだよね。

とにかく、これでJAPANサッカーカレッジレディースの来季のチャレンジリーグ参入と愛媛FCレディースの入替戦(対ノルディーア北海道戦)が決まった。

淡々と試合会場を片付ける田口禎則専務理事の背中が今年の記憶になりそうだな。思うようにはならないなって感じなんだろうな。

2011プレナスなでしこリーグ14戦目 対福岡戦「静寂」

2011-11-06 06:00:31 | アルビレディース
プレナスなでしこリーグ 第16節 2011年11月04日 13:00K.O
新潟県・胎内市総合グラウンド陸上競技場(941人)曇 風弱し 芝良 主審 金次雄之介

アルビレックス新潟レディース 7-1(3-1、4-0) 福岡J・アンクラス

20分 川村優理、33分 上尾野辺めぐみ、35分 阪口夢穂、42分 失点、65分 川村優理、80分 大石沙弥香、83分 上尾野辺めぐみ、90分 上尾野辺めぐみ


[福岡J・アンクラス]

-------田上-------↓
-藤本--花田--磯金--堂下-
-----清原--猶本-----
-谷原----葛間----渋谷-
-------佐藤-------

SUB:GK澤田、DF谷田貝、MF平田、FW田頭

監督:河島美絵

64分 葛間→平田
78分 渋谷→田頭


[アルビレックス新潟レディース]

-------菅澤-------
-上辻---上尾野辺---児玉-
-----川村--阪口-----
-中村楓-東山--北原--山崎-
-------大友-------↑

SUB:GK諏訪、DF平井、MF佐伯、FW大石、FW小山

監督:奥山達之

62分 菅澤→大石
67分 児玉→佐伯
76分 上辻→小山


毎年恒例のアルビレックス新潟最北のホーム戦、グルメスタジアム胎内がやってきた。
今回は「菅澤ちゃん家のカレー」。チョコレートが良い感じに辛さを抑えてくれてグッドだった。

さて、試合の方はポイントがいくつかある。

①高卒新人19MF児玉桂子選手のなでしこリーグ初出場初スタメン
この選手はてっきりシーズン初めから出場するものと思っていたのだが、ようやく満を持して秘密のベールを脱ぎ去る。
個人的なイメージだと、男子で例えると浦和レッズの山田直輝みたいな流動的な動きのできる選手。
球の出所であるのに、自分自身も動くというプレースタイルで、はまると実にビッグプレーになる。
阪口夢穂選手ともうちょっと絡めるともっと空間を面白く使ってくれるんじゃないかと期待する。
最初10分くらいはプレーが合わなかったのだけど、徐々に合ってきた。が、後半は残念ながら消えていた。
奥山監督の基準からするとまだ公式戦には早い感じなんだろうか?
中学校まで男子と一緒にやってきたから(高円宮杯出場)、身体は小さいけれど当たりは強いんだよな。かわせるし。
今年のなでしこリーグ新人賞はINACのチ・ソヨンでほぼ決まりだろうが(次点は日テレ・ベレーザの堅守を支える村松智子かな)、もし児玉桂子選手が前半戦から出場していたら新人賞レースに加われたんじゃないかとは思っている。残念。

②左SBに入った23DF中村楓選手の動き
この選手の足下の上手さは天下一品である。岩手では中村さん家のお嬢さんで通用するほど、サッカーの英才教育を幼い頃から受けてきてサッカー脳も実に優れている。
守備は上手いよ、本当に。個人的なイメージだと、男子で例えるとFC東京の今野泰幸。本来ならCBをやってほしいんだけどな。
ただ、攻撃がちょっとまだ今一つ。凄いスルーパスを出せる選手なんだけど、このところそういう「アッ」と驚かせるやつが出ていない。
今のままだとクロスを上げられる分だけ山本選手の方がアドバンテージがあるので、もっともっと攻撃に絡んでほしいんだよな。せっかく左SHが上辻選手なんだから。いろんなことができるだろうに。
パスは本当に凄いものがあるのにな。

③トップに入った9FW菅澤優衣香のポストプレー
やっぱこの人が入ると前線でキープできるから前向いてなんぼの人達が活きるよね。
注文をつけるとしたら、GKとの1対1をもうちょっと工夫してほしいんだけど。まあ、あそこまでチャンスを作れるのが才能なんだけどね。
仮にINACの高瀬みたいなガタイの良い長身の選手がアルビにいたら、ツウィンタワーでもっと面白いことができるとは思うけど。そんな人はなかなかおりませんな。
とにかく試合に戻ってくれてよかった。

④8FW大石沙弥香選手の復活弾
この日、大怪我から復帰した8FW大石沙弥香選手と22FW小山真央選手が後半途中出場した。
これで今シーズン、全選手試合出場したことになる。
アルビの選手は皆で8FW大石沙弥香選手と22FW小山真央選手にゴールを取らせようとラストパスを送っていたのがわかった。
まあ、福岡にもバレバレで思いっきりブロックされたが、それでも8FW大石沙弥香選手が決めてくれた。よかったよかった。
22FW小山真央選手は久々の試合で試合勘が今一つだし、フィジカルもまだまだみたいだったが、調整次第ではいけるんじゃないだろうか。
まあ、無理は禁物だが。

⑤やっぱり均衡状態の時は頼りになる5MF川村優理選手
たぶん、前節狭山戦も前半に決めるところを決めてさえおけば福岡戦と同じような結果になったんだと思う。
で、この試合も最初に点が入るまでは嫌~な雰囲気が漂っていたんだけど、やはりこういう凪っている試合には爆発力のある5MF川村優理選手が決めてくれる。昔からそう。
1点取ってしまえば、本来の攻撃力が蘇るから問題なくシュートが枠に行き始めた。
やっぱり難しいことを考え過ぎずシンプルにボールをゴールに入れることだけを考えている5MF川村優理選手は凄いよな。

⑥TASAKI勢
この胎内はTASAKIが新潟との最後の対戦をした場所である。
後半、アルビは24MF佐伯彩選手が交代出場し、福岡は14FW田頭陽子が交代出場したのでピッチ上には
8FW大石沙弥香・20MF阪口夢穂・24MF佐伯彩(以上アルビ)4MF清原万里江・14FW田頭陽子の双方計5人全員が出揃うことになった。
あの日、あの悲しい日、遠いようで実はまだそんなに経っていないだよなと思い返した。

⑦川村真里と内堀律子が不在で、佐藤楓が支えるアンクラス
久しぶりにHOYOの25FW佐藤楓を見たが、フットサル選手特有の変則モーションで最初のうちはアルビの選手が守りづらそうだったが直に慣れた。
この選手は自陣に戻って献身的な守備をするのが特徴なんだけど、逆に下がってくれるのでカウンター要員にはならなくてよかった。
川村真里と内堀律子のチームの軸となる選手が怪我で長期離脱となると、まあ、守備はユルユルになるわね。高校生の8MF猶本光ははっきり言って消えていた。
もし4MF清原万里江がいなかったらもっと点差が開いていた。

※個人的に思っていること。
福岡J・アンクラスにやってもらいたくないことは、愛媛FCレディース方式を取られること。
もともとクラブチーム化するために今のチーム形態にしたのだが、時代は変わって、昔ほどクラブに拘らなくてもよくなった。
昔のように福岡女学院大学女子サッカー部が存在して、それが強化部であったなら、Jリーグから監督を借りてくればたぶん今の九州ならインカレ出場は可能だろう。
で、2重登録で福岡J・アンクラスにも所属してなでしこリーグに出場すればたぶん強くはなると思う。
ついでに高校サッカーに出場している福岡女学院SSも再度下部登録できれば完璧。
まあ、そうなると他のチームは困るからやってほしくはないのだけど。是非、今の標準的なクラブチームの形態でしばらく進めてもらいたい。

⑧お約束の時間
前後半ラスト10分頃になると失点してしまう新潟病。これがなければもうちょっと勝てたんだけどね。
今回もやらかしてしまった。マークがはずれちゃった。残念。

⑨初めて見た、漫画みたいなシーン
たぶん上尾野辺めぐみ選手の2点目のゴールはスーパーゴールだと思う。
超ブレブレ球だし。あんなのGKは取れない。
不発に終ったけど、阪口夢穂選手のオーバーヘッドキックが左右もうちょっとずれて決まっていれば今年のベストゴールになったかもしれない。
でも、今回7点も取ったんだけど、何たって上尾野辺めぐみ選手の3点目のゴールの印象が凄すぎて全ての記憶をリセットしそうになる。
小山真央選手にボールを集めていたので、福岡の守備はそのボールにみんな集中してしまって、上尾野辺選手の前のコースががら空き。
だったら撃つわ、って感じで放った地を這うシュートがゴールマウスの下の金具に直接当たってカキーンという音を残してそのまま凄い勢いでボールがピッチに跳ね返ってきた。
当然相手の選手もGKも一歩も動けず。というか、1000人近くいた会場の人も何事が起こったか理解できず「シ~ン」と無音になること約5秒。
ようやくゴールだと理解できた人がぱらぱらと拍手。そのあとなだれのような大拍手でスタンディングオベーション。
こういうのってTVドラマや映画とか漫画の中だけかと思っていたけど、まさか現実の中で起きうるとは思わなかった。
たぶん、人生で初めての経験だ。胎内でこのスーパーゴールを見れた人は本当に幸せだと思う。


久々の勝利だった。やはり勝つと嬉しい。だって球技だから。
まだ、ちぐはずなところはあるけど、怪我人の影響を最少限に抑えながらやりくりをしてほしいな。
まあ、本日も26平井咲奈選手がDF登録というところが苦しさを表しているのだが。