黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

第8節 対浦和レッズレディース戦 「レベルアップの実感」

2008-06-22 07:58:34 | アルビレディース
2008プレナスなでしこリーグ 第8節 2008年6月21日(土)18:00K.O 新潟市陸上競技場 千葉恵美主審

アルビレックス新潟レディース 1-1(1-0、1-0) 浦和レッズレディース

得点者 44分上尾野辺、62分失点




久しぶりのなでしこリーグホーム戦。
そしてリーグ事務局主導と思われるなでしこリーグのナイトゲームの開催。

新潟市陸は良いね。芝も丈夫だし。ここ何日か連戦だったんで心配だったけど問題無し。屋根が無い分、根付きは抜群。ちょっとはげているように見えるところも実は遠目で見る程痛んでいない。

相手は首位の浦和レッズレディース。開幕戦に完敗しているだけにこのゲームで先週に戦いがフロッグではないことを証明したいアルビレディース。

で、今回もまず気になったのは、主審。千葉氏だ。
筋金入りのお嬢様審判。おそらくこの対戦カードだと両チーム心置きなくガツンガツン行くと思われ、この度にプレーが切られるのが予想される。
前回が国際審判員である吉澤主審だっただけに差が大きくなるのは致し方ないし、これが今女子サッカー界の置かれた状況だと理解しているがやるせない。
ゲームの攻防が審判のサッカーに対する感覚や感性、考え方に左右されるのは男女プロアマ問わずそういうものだと思うが、プロもいて日本代表もいるチームとレクレーションでやっているチームとでは接触プレーの判断基準を分けたらいかがかと思うぞ。
Div.1のなでしこリーグの選手はそんなにやわではないし、このままでは世界と戦えない。

レッズは前節とスタメン・サブ全く変わらず。
前節に引き続き今節も日本代表GKとの対戦である。
矢野・百武の神大コンビを中央からぶち抜くのは至難の業。
そして土橋・柳田の右サイド。これに安藤が加わってのサイド攻撃は強烈。これを抑えないと開幕戦の二の舞になる。
主審が主審だけにゴール前で高橋にFKを撃たれることは覚悟しなければならない。
個人的には左サイドにテクニック系の堂園が入るよりスピード系の松田が入られた方が嫌な気がした。


浦和レッズレディース

      山郷
土橋 百武 矢野 岩倉
    高橋 森本
柳田   安藤  堂園
      北本

SUB:小金丸、木原、保坂、若林、松田
監督:村松浩

交代
80分 北本 → 若林


アルビは今節も光安亜里沙選手が右のSBでスタメン出場。自慢の剛力・脚力でレッズの左サイド堂園・岩倉を押さえ込みたい。
スタメンFWには特別指定選手の菅澤優衣香選手(JFAアカデミー福島)。
日体大の有吉佐織が怪我から回復しても関東リーグに出場する為に福島へ合流できないでいるのを見ると、この福島から来ている女子高生の有効なこと。
特別指定選手って、日体大や早大みたいな大学チームだと自分のチームの活動が優先なんで運用が難しいと思っていたけど、チーム活動をしないJFAアカデミー福島だと週末の時間が取れるので今の形が可能になったんだな。
しっかりとなでしこリーグ、いや、日本代表(相手のね)に揉まれて大きく育っていってくれ。
普段は学業に勤しんで、週末になったらなでしこリーグのチームに合流して試合に出場するという形はたぶん理想的な特別指定選手の在り方だと思う。
控えGKの橋本は日テレ戦以来のベンチ入り。実力はあるので、虎視眈々とチャンスを窺っている。


アルビレックス新潟レディース

   牧野  菅澤   
    上尾野辺
口木         與山
     川村
山本 田中 東山 光安
      大友

SUB:橋本、深田、大堀、中村、中島
監督:奥山達之


交代
60分 與山 → 大堀
73分 口木 → 中島
89分 菅澤 → 中村

ナイトゲームとは言え、1年で一番日中の時間が長い日。まだ空は青空である。

ちなみに本日のご挨拶は特別指定選手の菅澤選手。ディベート等のエリート教育を受けているからか、しゃべりにそつが無い。しっかりした女子高生である。

浦和レッズとアルビレックス新潟、愛さずにはいられないのメロディーに乗って入場。
メインスタンドからは男子トップチームの選手が観戦し、ゴール裏には男子ユースチームと女子ユースチーム(U-18)が応援に加勢していわばアルビ総力戦の様相を呈した中、定刻にK.O。




この新潟市陸上競技場はすぐそこが日本海でさらに信濃川沿いにあるので、実は風の影響が大きい。
夏の昼間は暑さしか感じないが、ちょうど日没くらいになると涼しげな風を感じる。
旗が大きくアルビ側からレッズ側へはためいている。
アルビはこの風上の前半に何としも先制点をあげたい。
GK大友のキック力を活かせば陣地は稼げる。逆に山郷のキック力ではハーフウエーまで届かせるので精一杯。

開始早々、浦和ペース。
INACとは違って、縦に速いのではなく、右なら柳田、左なら堂園に安藤・高橋・森本あたりが絡んでサイドから侵入してくる。
口木・山本両選手が踏ん張って、土橋の攻撃参加を食い止め、柳田を内側へ侵入させないように外へ外へ押し出して行く。
たぶん現在の浦和レッズは柳田を押さえてしまうことが最重要ポイント。
逆サイドの堂園に対しては光安・與山両選手がねちっこく密着マークをして自由に動かせないようにする。
中にボールを返して、高橋や安藤が切り替えそうとするところを川村選手がチェックに行ってそのまま相手の裏へ。
駆けっこだったら、アルビの方が分がある。一気にレッズサイドへ持ち込むものの、矢野と百武にカットされる。
レッズサイドからするとアルビは引き篭もりサッカーのように見えるかもしれないが、全体的にラインはそんなに低くは無いと思う。
レッズの選手は、近くで見ると横にデカイ選手達が多いのだが、その点、アルビの選手はスレンダーでモデル体型。
毎日特別なトレーニングを積んだ選手達が、肉弾戦を挑んでいるわけだが、今日の主審は千葉さん。ことごとくプレーを止める。
アルビサイドも不満が多いが、レッズサイドもカウンターを戻されたりして、お互いフラストレーションが溜まる。
ボールに行く角度の問題なのか、アルビの3選手へ早々黄紙。
高橋のFKがその都度ゴール前に飛んでくるが、GK大友、落ち着いてキャッチ。
危ないシュートも撃たれる時もあったが、GK大友、指1本で触って超ファインプレーでゴールを防ぐ。
カッコいい。どっちが代表GKだか分からないくらいの落ち着きだ。

そんな撃って撃たれての攻防をした前半終了間際、GK大友選手から放たれた大きなキックが前線の菅澤選手に綺麗に入る。
上手く落として、ボランチの川村選手がすぐさま相手の裏へ。
レッズの左SB岩倉がオフサイドを取り損ねたか、そのまま残っていた為に第2列の上尾野辺選手は余裕でボールを受けて、GK山郷と1対1。
前目に出てくると見るや、すかさずビューティフルループシュートでインゴール。
アルビレディース、今季8試合目で初の先制点である。そのまま前半終了。



後半両チーム共に選手交代無し。
今度は風下のアルビ。いきなりピンチの連続。
やはり女子サッカーにとって風は最大の味方であり敵だ。
どんどん前に押し進めてくるレッズに対して、アルビの推進力がやや低下。
サイドやコーナーへ逃げることが多くなる。
それでも何回かはピンチを凌いだものの後半17分に、ゴール前の混戦を安藤に押し込まれる。
ついてない。が、このエリアへ入ってくれば、それなりに嗅覚はあるのが日本代表に選ばれている理由。

その後、アルビもレッズも選手交代を。
中島選手が入り、推進力を再び得たアルビはレッズディフェンスラインの突破を図り、シュートを撃つが枠を捉えず。

ゴール前の混戦になり、GK山郷がまさかのハンドリングミス。
落としたボールをペナルティエリア内でシュート、が、妨害?。。。。PK????
というように見えたのだが、何事も無かったかのようにGKキック。
う~ん、PKじゃないのかぁ。はっきりしてたと思うのだけど、PKで勝負が決まる可能性がある判定を下すのは難しいんだろうな。
不満は感じても判定に関しては、どうしようもないことなので諦める。
ただ今後アルビもビデオを撮る等して自己防衛はすべきだし、リーグへ質問状を提出する場合もあるんじゃないだろうか?

ロスタイム、アルビの見事なカウンター。
レッズサイドは負けを、アルビサイドも勝ちを確信した上尾野辺選手とGK山郷の1対1。
上尾野辺選手の右足から放たれたシュートは枠の外へ。

そして試合終了。



う~ん、惜しかった。非常に惜しかった。勝ちたかった。

パスミスも随所に見られたけど、内容的には第1クールと比べて格段に良くなったこの試合。
先週勝ち点を取ったことで選手に自信が蘇った。人間がやっている勝負事なんてそんなもんなんだろうな。
柳田を押さえ込んだことが試合の流れを持っていかれなかった要因だろう。

最後に出てきた中村早樹選手にレッズの選手が誰も追いつけなかったのは圧巻だった。
アルビはまだまだ修行が必要なチームなんだけど、脚の速さはリーグでも上位なんじゃなかろうか?

GK大友のキックは有効だし、特に風下に立った後半の低空キックはビシッという感じで速かったな。
あとは前線の方々が如何にそのボールをキープできるかに掛かっている。

勝利の女神を呼び込むには、もうちょっとのところの精度を上げるしかないんだろうな。





試合終了後のファンサービスも充実のアルビ。光安選手のこの表情が次節への期待を抱かせてくれる



今回は、大勢の人たちを心を一つにして精一杯応援できたんで、楽しかった。
声がガラガラになったし、試合が終わったらヘロヘロになったけど、本当に幸せな時間だった。
勝てなかったのは残念だけど、皆でアルビレックス新潟というクラブを支えて行こうという感じを体験できて良かった。


北信越プリンスリーグ現在7戦全勝の男子アルビユース。星稜に勝って高円宮杯に進出が期待される。今年は2種登録選手も出た。将来の男子アルビを支えるクラブの財産である。


既に全日本ユース(U-15)選手権出場を決めているアルビレディースU-18。北信越リーグも現在2位。全日本女子&全日本ユース(U-18)の北信越4冠は射程圏内。今後の舞台は北信越から全国へ。小林優加選手が2重登録選手として女子トップチームに加わった。



女子トップチームは次節初勝利を、男子トップチームは再開J1で勝利を、ユースは高円宮杯出場を、女子ユースは全日本ユースと全女を、
それぞれの大会で勝ってこのクラブを盛り上げようじゃないの!
みんなにオレンジの血が流れていることを実感した土曜日の夜だった。