野分日記  ~Mint★Drop!のブログ~

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文楽界の一喜一憂…

2015年07月21日 | 野分日記

歌舞伎界に続いて文楽の世界にも新たな人間国宝が生まれました。
今や現役最高齢大夫の豊竹嶋大夫(83)です。

文楽において義太夫節を語るのが「大夫」です。この大夫の最高峰が「切場語り」と呼ばれる人で、要するにクライマックス=切場を語る資格にある大夫です。

いま切場語りはこの豊竹嶋大夫と豊竹咲大夫の2人しかいません。

文楽界には人間国宝が6人います。
大夫では竹本住大夫、竹本源大夫。人形遣いの吉田文雀、吉田蓑助。文楽三味線の鶴澤寛治、鶴澤清冶の6名です。

文楽の名跡と言うのは、大夫は竹本と豊竹、人形遣いは吉田と桐竹と豊松(1名だけ)、三味線は鶴澤、竹澤、野澤と決まっていますよ。

大夫の人間国宝・住大夫と源大夫はすでに引退していて、今回新たに現役の人間国宝が加わった形です。

嶋大夫は格調高いと言うよりも「熱演タイプ」の大夫で、なかなかのオーバー・アクション大夫でもあります。まぁ順当な人選と言うところですね。


豊竹嶋大夫。




それから3日して今度は訃報が届きました。
人間国宝の1人、竹本源大夫が心不全で亡くなったとの報道でした。
源大夫は実父が三味線の名人と呼ばれた鶴澤藤蔵で、実の息子さんが二代目藤蔵を襲名しました。
つまり切場語りの源大夫とその相方として、実の息子が三味線を務めるという関係だったのです。

実はこの藤蔵さんの奥様と私は大変仲が良くて… ツーショットの写真もありますが、ここでの公開は控えておきましょう。
本当にいい奥様で、いつも着物を着て御贔屓衆に挨拶をされています。

藤蔵さん大丈夫かな… 


竹本源大夫







綱大夫⇒源大夫、清二郎⇒藤蔵の親子同時襲名の時の写真です。


一つの時代が終わりましたね。これからの文楽界は大変厳しい時を迎えるでしょうね。
藤蔵さんも「切場語り」の相三味線から、いまはもっぱら「端場」を弾いています。
辛抱の時ですね。