山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

杉並家族会 精神医療の現場を知る、氏家憲章氏勉強会に参加をして

2022-04-27 | 活動日誌

昨日は杉並家族会の総会の後の勉強会に参加をしました。テーマは「私たちの抱えるたくさんの問題~日本の精神医療の歴史から考える~」、講師は氏家憲章氏でした。

 

杉並家族会は、杉並区内の精神疾患や精神障害をもち日常生活、社会生活に辛さがある家族を抱える人々が集まり昭和43年(1968年)5月に結成され、お互いに支え合いながら、当事者とそのご家族が、地域の中でより良い明日を迎えることが出来ることを願って活動を続けていらっしゃいます。https://aoba-welfare.com/kazokukai/

 

勉強会や相談会の開催や関連してグループホームの運営など、本当に熱心に取り組まれていて、いつも頭が下がる思いでご活動を拝見しています。

講師の氏家憲章氏は、精神科病院で45年間看護職として勤務をされ、世界最大の「精神病床大国」日本が何故出来上がってきたのか、長く差別的な処遇におかれた精神障害のある人たちを考え、当事者・家族の思いに応えられていない精神医療の現状に無力感を抱き、地域で活動しながら「今こそ精神医療改革が必要」とご講演活動をされています。

 

本年1月にまとめられた「精神医療は変わるし 変えられる その道筋と改革の展望」では、日本の深刻化する心の健康危機や戦前からの精神医療制度の変遷、日本の人口は世界の人口の2%弱であるにもかかわらず、世界の精神科病床の約20%があるという現状。

海外では地域で支えられながら自分らしく生活をしている精神疾患をお持ちの方が当たり前となっている中、日本では未だ入院中心で隔離政策が行われ、人生を入院生活、場合によっては拘束を受けながら過ごしている方がいる現実を伺いました。

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今回参加をして、杉並家族会の方からもお声をいただき、大変危機感を感じたのは、若者が精神疾患で悩んでいるという事や、講師の方からは、若者の死亡原因の一位は自殺であり、精神疾患が関係しているのではと考えられているという事。

 

40年ぶりに高校では「精神疾患教育」が始まりましたが、発症ピークは10歳代半ば以前という事から考えると遅いとも言え、そのしわ寄せが若い患者さんやご家族を苦しめているのではと思います。

 

私も、杉並区が「第5期杉並区障がい福祉計画」と「第1期杉並区障害児福祉計画」を一体的に策定したのに合わせ、令和元年第4定例会で以下の提言を行い、対応を求めています。

(抜粋)

「計画の実効性を高めるためには、実態把握が十分なされているかが重要です。本計画の「杉並区の障害者を取り巻く現状」を確認しますと、障害種別の手帳所持者数の推移が掲載され、例えば、精神障害者が平成25年度から4年後には34%の高い伸び率となっていますが、内訳が示されていないため、詳細を知ることができません。


 精神障害は、主に思春期、青年期に発症することが多く、統合失調症のように経過が長期にわたり支援が必要となる場合や、鬱などの投薬により症状が抑えられる場合など、障害者が抱える大変さは一人一人違うため、より詳しく実態の把握が必要となります。


 鬱病等の気分障害と自殺との関連性に関しては広く知られてきたところですが、一体杉並区ではどれくらいの人がどういう障害を抱えているのかを細かく把握することは、自殺予防などの関連した施策の充実にもつながると考え、取り組みを要望いたします。」

 

また、地方から上京し、単身で杉並区にお住まいの精神障害者の方々は、家族による見守りなどがないため、支援につながることできずに孤立し、長期入院などのままとなるケースが考えられるため、特段の手厚い対応を求めました。

動画→http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_Video_View.asp?SrchID=6186

会議録→http://suginami.gijiroku.com/voices/voices/cgi/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=0&SORT=0&KTYP=0,1,2,3&KGTP=1&FYY=2019&TYY=2019&TITL_SUBT=%97%DF%98a%81@%8C%B3%94N%91%E6%82S%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C11%8C%8E20%93%FA-24%8D%86&KGNO=1457&FINO=2155&UNID=K_R01112000241

 

精神疾患や障害は家族だけで抱えがちですが、それには限界がある。

社会が支える仕組みを再構築し、一人一人が自分らしく生きて行ける社会の実現に向けて、多くの方と課題を共有し、私も道筋を描いていく為の一助となればと、深く考えさせられた勉強会でした。