山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

杉並区立中央図書館改修を契機に未来志向の図書館づくりを!

2016-02-14 | 議会報告

皆さまは、杉並区のJR荻窪駅の南側に杉並区立中央図書館をご存知でしょうか。

(中央図書館→https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/)

 

建物の設計は黒川紀章さん。ガラスを多用し西に開かれた建物に光を取り込んでいます。

荻窪の閑静な住宅街にありながらも圧迫感を感じない建て方には、街並みを守る姿勢を感じます。

 

築30年以上を経過し、杉並区では区立施設再編計画の中で、平成29年度に設計、翌年に改修工事の予定としています。

(区立施設再編整備計画→http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/seisaku/gyousei/bumon1/1013498.html)

 

昨年の夏、「ちょっと夫の図書館の話を聞きに来ませんか?」との奥様からの呼びかけで、自称ライブリアンと称する区民の方の図書館にかける思いを聞く機会に恵まれました。

杉並区で図書館協議会の前会長を務められ、杉並区のこれからの図書のあり方をまとめた「図書館サービス基本方針」の取りまとめにご尽力をいただいた方です。最初は気軽に伺わせていただいたのですが、この方のお話を伺う内に、すっかり図書館改革の必要性、将来性に目覚めて行きました。

(図書館サービス基本方針→https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/outline/index.html)

その方のご経歴を簡単にご紹介させていただきますと、

「1960年代の初めに都内私立大学で図書館学を学び、卒業後同大学図書館に勤務。その後ハワイ大学に留学、大学院図書館学研究科を修了した。図書館コンピューター化の初源的実験的研究の洗礼を受けて、未来の図書館のカルチャーショックに悩みながら帰国。34年間プロフェッショナル・ライブラリアンとして今では当たり前になった図書館システムの方向を探りながら、日々人びとのために書物を集めて、まとめて、しまっておいて、提供することに努めてきた。

1996年同大学環境情報学部教授に移籍。主に図書館やインターネット空間における知識情報環境整備について研究を進め、日本の古典資料(奈良絵本・絵巻)のデジタルアーカイブの実証実験を行ってきた。

ライブラリアンとして常に新しい図書館創成に腐心すると同時に、同大学の図書館3箇所の建設に企画立案から携わる経験を持つ。絵本に夢中になっていて親戚が営んでいる本屋の平積みの本の上で粗相をしたという3才の時から60余年、書物は人類の知の連鎖を織ってきたという信念を持つ。」

というもので、

お話の中で私が最も興味を持ったのが「常に新しい図書館創成に腐心」という部分でした。とにかくお話が尽きない。初めは緊張していましたが、私にとっては「図書館を創る」という未知の世界に大いに魅力を感じるきっかけとなりました。


一方で、長年住宅の設計に携わってきた経験から、中央図書館の建物の活かし方自体に興味を持ち、区内設計士の仲間と視察と議論を重ね、この建物をもう一度新たな図書館へと創りかえることが十分可能であるという結論に達しました。


「杉並区立中央図書館改修を契機に未来志向の図書館づくりを!」との思いにたち、議会では平成27年第3定例会の一般質問で「中央図書館の改修について」というテーマで質疑を行いました。

(一般質問の様子→

http://suginami.gijiroku.com/voices/CGI/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=1&SORT=0&KTYP=1,2,3&FBMODE1=SYNONYM&FBMODE2=SYNONYM&KGTP=1,2,3&FYY=2015&FMM=9&FDD=11&TYY=2015&TMM=9&TDD=11&TITL=%95%BD%90%AC%82Q%82V%94N%91%E6%82R%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF&NAME=%8ER%96%7B%82%A0%82%AF%82%DD&TITL_SUBT=%95%BD%90%AC%82Q%82V%94N%91%E6%82R%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C09%8C%8E11%93%FA-16%8D%86&KGNO=1119&FINO=1612&HUID=259536&UNID=K_H270911001664

(区政報告vol.18→http://www.geooctopus.com/ay_pdf/report_2016vol18.pdf)


杉並区の動きを調べていくと、この改修は空調や電気などの老朽化した施設の改修のみの営繕工事を予定していることが分かって来ましたが、せっかくの改修工事を好機と捉え、今後30年にわたって区民が有意義に使って行ける図書館を目指してほしいとの視点に立ちました。


しかしながら、当時は杉並区でその必要性を感じていない状態でした。先ずはどういう図書館を目指すのかといった議論の場を作り、必要な項目を絞っていくといったプロセスへ進めていくのは容易な事ではありません。

第3定例会での一般質問に続き、第4定例会でも議論の場を作ることを要望し、決算特別委員会でも触れ、そして次年度予算に会派要望に重点項目として盛り込み、区庁舎内で数度にわたり要望をして参りました。

私は民主党所属議員を中心とした区民フォーラムみらいという会派に属しています。単独の一個人としての意見に留まらず、会派として要望をする事により、より大きな推進力を持つことが出来ます。今回も当会派の増田裕一幹事長に大いに尽力してていただきました。

 

そして、この期間中には他自治体の図書館に関する先進事例調査を、また、今年度文教委員会副委員長として委員と共に行政視察にも市民意見を反映した図書館事例を視察してきました。また、図書館に興味を持ちご活動をされている団体や個人、地元の住民の方へのヒアリング、建築士との議論を重ねてきました。


これらの活動をまとめ、区に提案するため「杉並ライブラリーの提案~杉並区立中央図書館改修イメージ~」としてイメージコラージュとしてまとめ、副区長宛に区民の方とともに提出をし、区と区民との直接の意見交換の場を作って参りました。

 

これらの活動が功を奏し、来年度(平成28年度)の事業計画の中に、

「中央図書館の改修検討」

教育委員会の付属機関である図書館協議会のほか、区民参加による意見交換会を開催するなど、幅広い区民等の意見を聴きながら、改修設計に向けた検討を進めます。

と載ってきました。区民参画に幅を広げたという点では、大変大きな一歩となりました。 


個人的には既存の公共建築物の省エネ化に大変興味を持っており、中央図書館改修においても、現行のエネルギー消費量の実測値をとりながら、省エネ改修によってどれ位効果が出たのか予測値と実測値を比べるなどにも取り組み、省エネ改修の成功例を作っていってもらいたいと考えています。

これに関しては中央図書館だけに限らず、区内の公共建築物全般に関わることなので、専門家のヒアリングなどを通して今後とも研究していきたい分野です。


来年度にどういった形で区民意見交換会が実施されていくのかはこれからとなりますが、杉並区民の共有の財産である中央図書館が、建て替えではなく改修という制約がありながらも、気軽に本を読みながらお茶を飲めるカフェスペースや立地を活かした展示スペースの活用、読書の森との連続性、そして生涯学習や市民活動、青少年活動の活発な場となり、「新しい図書館創成」を標榜できる素晴らしい改修となるよう、今後も提言を続けて行く予定です。


 


 

 

 


「大人の発達障害者の理解と地域生活」講演会のお知らせ

2016-02-12 | 活動日誌

初当選以来、取り組みを進めてきた政策のひとつに「成人期を含む発達障がい者の支援体制の充実」があります。

杉並区では未就学児の発達障がいを早期に発見し療育に繋げていこうという取り組みや小中学校の学童期に関しては発達の状況に応じた支援のあり方を考えるなど、発達障がい児の支援の取り組みを手厚く進めてきました。


しかしながら、発達障がいは学童期を過ぎれば治るというものではなく、高校生や大学生、専門学校生などの学生生活を終え、社会人となって初めて自分の中の発達障がいに気づき思い悩む方もいらっしゃるのが現状だと考えています。

中には幻覚や幻聴に悩まされ、精神科を受診し統合失調症と診断されたものの、どうやら違うといった事で始めて発達障がいに思い至るケースもあると聞きます。

就職をしても上司の指示や指導の意図がつかめず、やり取りが上手くいかないなどが重なり、居づらくなって会社を辞め、再就職をしても同様に繰り返してしまう。次第に自信が無くなり、就労することが難しくなってしまう。区内にもそういった悩みを持たれる方がいらっしゃることと思います。こういった方々がどれ位いらっしゃるのかがつかみ辛い事で、行政の支援体制が遅れる原因になっていると感じています。


 平成23年に精神障害のひとつとして国により位置づけられ、今後は自治体が主体となった支援体制強化が望まれる中、成人期においても相談窓口の一元化を図り、継続的な支援体制を構築するように提言を続けてまいりました。


その様な中、杉並保健所で「大人の発達障害者の理解と地域生活」講演会が開催されるとの事、当事者はもちろん、もしかしたらご家族にその心配があるかもといった悩みを抱える方に是非ご参加いただきたいと考えています。http://www.city.suginami.tokyo.jp/event/hokenfukushi/shogaishaseikatsushien/1019316.html


講師の山崎晃資先生のお話を一度伺う機会がありましたが、実績に基づいたお話で成人期の支援の必要性を訴えていらっしゃいました。

(山崎晃資(やまざき こうすけ )先生:日本の医学者、精神科医。医学博士。専門は児童青年精神医学、特に自閉症問題。日本児童青年精神医学会理事長


 これを契機に成人期の発達障がいに悩む方々の相談の窓口を広く区民に周知し、杉並区においても当事者や家族の会などが出来、そういった区民の方々のご活動を通じて、どういった支援が必要かなどのご意見を頂き、今後の杉並区への提言につなげて参ります。


以下、杉並区ホームページから転載


 

講演会「大人の発達障害者の理解と地域生活」(杉並保健所)

 

ページ番号1019316  更新日 平成28年2月11日 印刷 イベントカテゴリ: 講演・講座

 

開催日   平成28年3月9日(水曜日)
開催時間  午後2時 から 午後4時 まで
対象     一般
        杉並区在住の発達障害者当事者の方、ご家族の方、関係者の方
開催場所

杉並保健所 地下講堂
杉並区荻窪5丁目20番1号 電話:03-3391-1355 
杉並保健所

申し込み 必要

電話またはファクスで、障害者生活支援課就労支援担当(電話:03-3312-2111 ファクス:03-5307-0772)へお申し込みください。
ファクスの場合は、「講座名、郵便番号・住所、氏名(フリガナ)、電話番号(ファクス番号)、参加人数、当事者、ご家族、関係者など」を明記のうえ、お申し込みください。

講師  医療法人弘徳会(こうとくかい)愛光病院(あいこうびょういん) 顧問
児童精神科医師 山崎 晃資(やまざき こうすけ)
定員  40名程度(申込順)
費用  無料


 


高井戸公園NEWS vol.2を発行しました。「玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくり」オープンハウス開催!

2016-02-09 | 都市計画高井戸公園のこと

 

先日、高井戸公園NEWS vol.2を発行し、近隣にポスティングと駅頭などで配布をさせていただいています。


高井戸公園とは杉並区の南西部、世田谷区との区界に近いところに計画中の東京都立公園の事です。

計画地の広さは約17ヘクタール、全てが開園すると日比谷公園と同じくらいの広さとなります。

都市計画決定されてから半世紀以上が経過しましたが、東日本大震災の被災状況を教訓に、

東京都を防災機能強化の観点から、平成23年に整備が決定されました。

 

この高井戸公園の周辺には東京都と杉並区による事業があり、

同時期に進行しています。杉並区の中でも、今後最も変化をしていく地域だと考えます。


特に、「玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくり」では、計画決定の最終局面となっています。

杉並区では区民意見聴取としてオープンハウスを開催します。

是非皆様方の貴重なご意見をお聞かせ下さい。

平成28年2月14日(日)14時~17時、

       15日(月)16時~20時、

       16日(火)9時~12時、

場所は久我山会館1階ホールです。


この事業のこれまでの経緯は以下のとおりです。

平成22年7月、地域住民主体の「玉川上水・放5周辺(久我山地区)まちづくり協議会」から杉並区に対して放射5号線周辺の「まちづくり構想」が提案された。

区では、道路完成後の住環境の変化等に鑑み、「まちづくり構想」や「まちづくり意見交換会」、「オープンハウス」等での意見を踏まえ、玉川上水・放射5号線周辺まちづくり計画(中間まとめ)及び都市計画素案を策定し、平成28年1月に開催した意見交換会で地域住民に説明を行い、意見を伺った。

今後、2月14日~16日に久我山会館で開催するオープンハウスを経て、地区計画等の策定を進めるとしており、まちづくり計画への区民意見聴取の最終段階を迎えている。

 

そして、今回のニュースでは高井戸公園周辺の東京都と杉並区による事業の概要を裏面に掲載しました。

詳しくは下記のそれぞれのホームページでご確認ください。


東京都と杉並区の主管という別々でありながら、一つの地域を作り直すというどれも重要な事業です。

全体を俯瞰して大きくまちを見つめ、より良い方向性を目指す、といった視点がもっとあっても良いのではないか、

と考え、これまでも杉並区に提言を続けてまいりましたが、今後とも継続して取り組んでいく予定です。
(これまでの一般質問の様子は、このブログの「議会・一般質問のご報告」、

平成26年第三定例会 一般質問のご報告「都市計画高井戸公園周辺のまちづくりについて」をご参照くださいませ。)



 

<東京都主管の事業>

放射第5号線 大型幹線道路

http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/sanken/doro_hosya5.html

都市計画高井戸公園

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/seisaku/kaitei_koen_ryokuti/

http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/shingikai/siryou1_takaido.pdf

玉川上水緑地(第6号玉川上水緑地)

http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/shitei_koubo/28shiryou/musashino/45_tamagawajyousui.pdf


<杉並区主管の事業>

玉川上水・放射5号線周辺地区まちづくり

http://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/toshiseibi/machi/1013923.html

富士見丘小中一貫校(富士見丘地域における教育環境懇談会)

http://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/757/matome.pdf

岩崎橋架け替え

http://www.city.suginami.tokyo.jp/news/h2711/1014775.html