山本あけみ「緑ゆたかな環境を子どもたちへ」

建築士や生活者として、都市計画・公共施設マネジメント・地球温暖化対策・SDGsなど、独自の視点で日々発信

杉並区議会議員 山本あけみメールニュース vol.19

2019-12-26 |  山本あけみメールニュース

◆はじめに  

公職に就く責任の重さ

年末に向けて、皆様お忙しい時期をお過ごしの事と存じます。

季節外れの”桜”が話題となった先の国会閉幕後も、政権腐敗のニュースが続いています。公職選挙法に抵触の恐れがあり大臣を辞任した国会議員が説明責任を果たさないまま、年末を迎え釈然としない気持ちをお持ちの方も多いのでは無いでしょうか。

そして、またもや現職国会議員が カジノに関して収賄の疑いで東京地検に逮捕されました。

国益と言いながら利権構造を作っていく。原発、辺野古、大学入試制度にも通じる問題があります。そして重要な来年度予算が将来負担の議論無く決定されつつある。大変な危機感を感じています。 

野党が頑張らなければならないのはもちろんですが、現在の政権を実質的に支える事になっている、投票に行かない人々と、役割を果たさないマスコミの問題も大きいと感じます。

当たり前の事ですが、国会議員は公職に就く重さを認識し、国民のために尽力して欲しいと考えています。

ともあれ、皆様、体調にお気を付けて良いお年をお迎えくださいませ。

 

◆トピックス

本年を振り返り、3期目の杉並区議会議員としての責務の大きさに改めて身の引き締まる思いです。

初当選の頃は、行政の動きが掴めず、自分の目指す方向性をどうやったら実現できるのか、もやもやした気持ちで一杯でした。2期目の頃は、他の議員の動きも見つつ、ある時には連携をしながら、また調査を踏まえて力のある提言に繋げていく為に試行もして来ました。

そして、3期目をスタートし、多くの皆様から頂いたご信託に応えられるよう、選挙公報でお約束した政策を進めるために議会活動に取り組んでいます。

皆様からのご意見&ご要望をお待ちしております。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

※選挙公報

 

◆木曜茶話会のお知らせ

毎月第4木曜に、「木曜茶話会・区民意見交換会」を日頃の疑問や質問、また貴重なご提言など、自由な意見交換の場として開催し、今年で8年目を迎えました。

 

第66回 テーマ「世界幸福度リポートについて」
1月23日(木)15:00~17:00

日本では人々が長生きできても、自由や寛容さで劣るため低位にとどまっていますが、その原因は何かを探ります。

 

第67回 テーマ「都市計画高井戸公園について」
 2月27日(木)15:00~17:00

杉並区久我山で整備が進む公園について、現状と今後の動き、課題などをお話します。

 

 

 

第68回 テーマ「令和2年度予算編成について」
 3月26日(木)15:00~17:00

来年度予算に盛り込まれた新規事業や、これまで提言を続けてきた政策についてお話します。

場所:アクロス(京王井の頭線 久我山駅改札前 本屋隣り)

 

山本あけみがこれまでの活動を通して提言してきた内容をご紹介しながら、前半はテーマに沿って、後半は自由な意見交換の場として、参加者からのご意見を伺いたいと思います。

皆様のご参加をお待ちしております。

参加:無料、予約:不要。

※公職選挙法順守の為、総選挙実施などがあれば、止む無く中止をする場合があります。

 

以上


阿佐ケ谷駅北東地区地区計画の決定案の審議が行われます

2019-12-18 | 議会報告

区政の中でも都市計画分野は、大変分かりづらいと思っています。

東京都や杉並区による道路や公園、まちづくりなどの計画決定までの段階はいくつもあり、何時どうやって、どの様な議論があり決まっていくのか、また行ったのかを知るのは本当に難しいです。計画を知った時には、既に決定後で変更は出来ないと言う事が多くあると考えています。納税者にとっては大変なジレンマです。

 

私の地元久我山でも、大型幹線道路沿いに相応しいまちづくりを進めるための地区計画策定が行われました。生活の環境を大きく変える道路計画や地区計画を知る為に、市民活動をしていた頃は都や区の会議の議事録などを時系列で読み勉強会もしました。

また、区議となってからは内容に関し機を捉えて提言を続けてきました。今では建て替えが進み、地区計画に則った、大変良いまちなみに生まれ変わりつつあります。(もちろん、もっとこうして欲しかったという部分はありますが。)

参考⇒玉川上水・放射5号線周辺地区地区計画 https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/948/hougo_pnf201903.pdf

 

 

JR阿佐ヶ谷駅の北東地区では、小学校と病院の移転を含む地区計画の議論が進み、平成29年から行われてきた計画策定の最終段階となって来ました。これまでも様々な議論が議会でも行われて来たことから、ご関心をお持ちの区民の方も多くいらっしゃる事と思います。

 

地区計画とは、地区の課題や特徴を踏まえ、住民と区市町村とが連携しながら、地区の目指すべき将来像を設定し、その実現に向けて都市計画に位置づけて「まちづくり」を進めていく手法で、具体的にはその土地にどれ位の大きさや高さ、用途の建築物を建てることが出来るかなどを決定して行きます。

参考⇒地区計画(東京都都市整備局)http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/chiku/chiku_1.htm

 

私は、住民を交えて、まちの課題解決を図る事が出来る地区計画の取組を推進しています。道路は道路だけ、公園は公園だけ、防災は防災だけを考えていても解決は難しく、また、住民の意見を集約して成案まで結びつけるためには、決まった制度に則って進めて行く事が必須と考えているからです。

 

区議へ転身をする以前は、住宅の設計に20年間携わって来ました。私がプランをしたモデルハウスがまだ幾つかあるようです。出来上がりを想定しながら平面での計画をし、最終的には立体を作り出します。その大変さを実感してきました。設計を進めるに当たって、クリアしなければならない条件は無数にあり、あらゆる項目をできる限り実現を目指しながら全体最適を探り、最終決定をして行きます。杉並区で行われている地区計画を含むまちづくりも同様だと考えています。ただ、まちづくりは影響を受ける人が多い分、住宅設計よりも遥かに大変です。

 

東京都の地区計画決定状況を確認すると、お隣の世田谷区は70か所、中野区は10か所、練馬区は38か所に比べて、杉並区は8か所でとても少なく、私はもっと住民の発意に基づく地区計画制度を活用して、住みやすいまちづくりを目指すべきと提言しています。

参考:杉並区の地区計画決定状況 https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/ie/1004948.html

   世田谷区の地区計画決定状況 https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/sumai/003/004/d00150524.html

   東京都の地区計画決定状況 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/chiku/chiku_5.htm

 

特に世田谷区の「区役所周辺地区地区計画」では、計画区域内で十分な安全性を備えた広域避難所と災害に強い市街地を目指し、また、日常の暮らしやすさや利便性の確保や非常時に助け合えるコミュニティづくりを目指してかなり広範囲に取り組みを進めており、大変参考になります。  

参考:世田谷区役所周辺地区地区計画 https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/sumai/003/002/001/d00123698.html

 

これまで阿佐ヶ谷駅北東地区では、下記の課題などがあると考えてきました。

・老朽化による小学校の改築、これを機により良い環境づくり。

・河北病院は災害時に緊急医療救護所が開設される為、受け入れ態勢の充実。

 https://www.city.suginami.tokyo.jp/shisetsu/bousai/kyugo/index.html

・平常時にも多くの救急患者が運ばれてくるため、病院への救急車両の円滑な運行。

・商店街など周辺の道路幅を広げ、歩行者や買い物客が安心して通行できる環境づくり。

・杉一馬橋公園通りの拡幅により木造密集地帯への避難路の早期確保。

・街路樹増設など、緑被率向上が望まれる。

・駅前周辺全体を踏まえた土地利用や街並みの検討。

 

この計画の最終審議が行われる第190回都市計画審議会が下記の通り行われます。私も委員として審議に加わる予定です。この審議が終わるとその結果は区長へと答申され、最終決定となります。

◆開催日:令和1年12月23日(月曜日)

◆開催時間:10:00~12:00(予定)

◆開催場所:杉並区役所 第3・4委員会室(中棟5階)杉並区阿佐谷1-15-1 杉並区役所

◆内容:

  • 東京都市計画地区計画阿佐ケ谷駅北東地区地区計画の案(杉並区決定)(予定)
  • 東京都市計画高度地区の変更案(杉並区決定)(予定)
  • 東京都市計画防火地域及び準防火地域の変更案(杉並区決定)(予定)
  • 東京都市計画用途地域の変更案〔東京都決定〕(予定)

◆審議会委員:https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/005/056/iinnmeibo0924.pdf

◆これまでの経緯:https://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/toshiseibi/machi/1037301.html

 

都計審とは都市計画を定めるときに、都市計画法に基づき都市計画案を調査審議する機関です。都市計画は都市の将来の姿を決定するものであり、住民の生活に大きな影響を及ぼします。このため、都市計画を定めるときは、行政機関だけで判断するのではなく、学識経験者や議会の議員、関係する機関などから構成される審議会の調査審議を経て決定することとなっています。

 

本計画には様々なご心配のお声を聞きます。いわゆるけやき屋敷の既存木を守るために、区では敷地内に保存緑地と歴史的景観緑地を定めた上で最低の緑被率を25%(制度上の上限)と定め、できる限りの保存に努めています。希少生物の保護にもしっかりと対応を求めて行きます。

また、区が作成する資料は行政資料の域を出ず、一般には理解するのが大変だと思います。文字と図面だけでは全て読み込んだとしても、一向に計画の全体像がつかめないのが現状では無いでしょうか。

民間は利益追求の為にマンション販売などではイメージ優先の資料を作るため、行政が作成する資料と差があり過ぎます。

住民のご理解を得るためには、資料作成などの工夫がもっと出来るだろうと考え、区に求めています。

個人的には病院建築の工夫をして、まちを行き交う人や病院に行かれる方々の憩いの場となる様、25%に留まらず、もっと多くの緑を残し、また増やして貰いたいと考えています。

本地区計画では、多くの沿道緑化が盛り込まれている為、現在よりも目に入る緑は確実に増えると考えています。

また、新しく植える街路樹にはまちとしての統一感を持たせ、歩道の舗装や段差にも気を配ってほしいと考えています。

 

緑を残して欲しいというお考えをお持ちの方の中には、区で土地を購入して公園として開放をして欲しいという方がいらっしゃいますが、私有地ですので所有者のお考えが最優先であろうと思います。

 

ご質問などがございましたら、出来るだけお答えして行きたいと考えておりますので、是非お寄せください。よろしくお願い申し上げます。

 

 山本あけみメールアドレス:yamamoto.akemi1965@gmail.com

 

 

 

 

 

 


第2回AI・スマート住宅EXPOに行ってきました

2019-12-13 | 活動日誌

昨日、青海展示棟で行われている、第2回AI・スマート住宅EXPOに行ってきました。

展示場では、住宅・ビル・施設に関連する商材が並び、AI(人工知能)・IoTを使ったスマート住宅技術、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)関連設備やまちづくりを含めた実際の取組などが一堂に出展していて、相互に理解を深め横断的な取り組みが期待出来る展示会でした。

こんなにも規模が大きく、また成長している分野なのだと実感。来場者は住宅メーカーや工務店、ゼネコン、マンション、設計事務所、リフォーム会社などの関係者が対象となっていました。

参考:https://www.aihome-expo.jp/ja-jp.html


以前住宅の設計をしていた頃に行っていた展示会の商材と言えば住宅設計用の輸入建材や設備が目立ちましたが、今回の「第2回AI・スマート住宅EXPO」ではその名の通り、AIやIotを使っていかに効率よくスマートな建物を作っていくかが主眼に置かれ、アドバイザーリー委員には建築・工務店・不動産・ゼネコン・設計・住宅メーカー・家電・住設の経営者が名を連ねるなど、業界横断的な取り組みのすごさに驚きました。


同時開催のセミナーもスマートウェルネス、ZEH、スマートビル、スマートシティなど時代の最先端を走る方々のセミナーはどれも魅力的なものが用意されていました。


区議が畑違いの展示会場に足を運んでいる、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

私は地元久我山のまちづくりに関心を持ったことがきっかけで区議となり、議会が開かれていない時期には区政を中心に幅広く調査活動をしています。今回はその一環として行ってきました。


現在、区の重要課題の一つは区立施設の再編整備と、それを契機にした公共施設マネジメントだと考えています。

参考:杉並区区立施設再編整備計画 https://www.city.suginami.tokyo.jp/kusei/seisaku/gyousei/bumon1/1013498.html

   公共施設マネジメント http://management.furusato-ppp.jp/?dest=guide


区内に凡そ600か所ある区立施設は老朽化や役割の変化から再編が必要となっていますが、改修・改築のみに止まらず、これまでの単純な「管理」の対象であった公共施設を、より効率よく「運営」するための公共施設マネジメントも併せて重要な課題と考えています。また財政面でも単年度収支に止まらず、将来負担を見据えた再編計画として行かなくてはなりません。これは杉並のみならず、全国の自治体が抱える、とても大きな課題です。


公共施設マネジメントを考えていくときには、どうやったら最先端の技術を無理なく取り込むことが出来るのかを、もっと自治体側が欲張りに情報を集め、積極的に議論し、取捨選択しながら進めていく必要があると考えています。

こんなにも多くの民間の技術力がありながら、旧態依然とした建築物の作り方を繰り返していては、「公共施設=時代に取り残された建築物」となってしまうのではないか、という危機感もあります。

 

これまで、公共施設マネジメントの積極的な取り組みを区に提言してきました。具体的には、

・中央図書館改修時に省エネ建築物に作り直し、改修前と後のエネルギー効率を比較し、費用対効果を測り次へと繋げる

・環境配慮型公共施設整備指針の策定(例:さいたま市https://www.city.saitama.jp/001/009/015/001/p035738.html

・設計者選定をプロポーザルで実施し、最先端の技術を公共施設に取り込む工夫をする

 ⇒中央図書館改修と富士見丘小・中学校改築で実現しました。

などです。


いったん公共施設の計画が始まると、熟議をもって事を進める事が本当に難しく、ましてや事後報告を貰う区議の立場からすると本当に歯がゆい思いを抱えています。


私は公有地の活用は地区計画を含めて広い範囲で行い、公共建築物の計画は土地活用から建築物の省エネルギー性能の最大限の追及や初期コストとランニングコストを抑えていく設計とし、その分の予算を教育・福祉に回して行って貰いたいと考えています。言葉にするのは簡単なのですが、これを区役所側に同じ思いを持ってもらい、実現へと繋げていく事が本当に難しい。


力の無さを感じつつ、こういった提言の積み重ねが区民生活が少しでも良くなり、引いては地球温暖化抑制に少しでも貢献できる様願い、提言力を磨きます。


日々流れてくるグレタ トゥンベリーさんの想いに応えていく為には、私たち大人はもっと頑張らなくてはと想いを新たにしています。

CNNのご紹介:https://www.cnn.co.jp/showbiz/35146757.html


頑張るぞ!