goo blog サービス終了のお知らせ 

Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

茅ヶ崎~箱根 旅ラン

2018-01-15 00:07:14 | ランニング


9:30 快晴 気温5度 出発。

まずは国道134に出て湘南大橋から西に向かう。
丹沢山系、富士山がすっきり!
目指すは箱根湯本。


(湘南大橋から臨む富士山と丹沢山系)


温泉&ビール!
温泉&ビール!
温泉&ビール!

箱根駅伝4区中継所で北上し、1国に出る。
華やかな3区から、地味な4区へ。
地味なんだけど、、、なかなか趣があります。
大磯~二宮~国府津、東海道の宿場町。
沿道には松が多く、高層な建物がない。
昭和の高級住宅があちこちにあり、とてもノスタルジック。
走りながらタイムスリップしたみたいになる。
前に進んでいるのに時間は逆行している。
妙な気分になる。
それが大磯。
湘南発祥の地である。

(湘南は江ノ島でも茅ヶ崎でもありませんのだ。大磯ね。)

信号が少ないので足留めをくらうことなく、順調にラン。

車で走っていても気づかなかったことが多いことを知る。
自分の足で走りながら見る景色は車窓からとは全く違うのだ。
走っても走っても湘南平のテレビ塔と展望台が視界から消えない。
その右には大山が聳える。
同じ時間にトレイルの友人はそこをアタックしている。


途中コンビニに立ち寄る。
コンビニはディスタンスランナーには最高のエイドステーション。

コーラを飲むか、オニギリを食べるか、甘いものにするか、、、
走りながらウキウキする。
こういうことは車移動ではあり得ない。
ささやかな幸せなのだ。
ほんの少しの小銭だが、それでランが繋がる。
コーラは本当に美味い。
明らかにドーピング効果があるような気がする。

コンビニ店内のカウンターでカップ麺を食べてる男二人組みのランナーがいた。
話をしたらやはり箱根に行くという。
お互いの健闘を祈りつつ再スタート。
こういうのもいい。
トレイルでよくある。
ウルトラでもよくある。
とどののつまり、走る旅は、究極の旅なのだ。

(酒匂川から臨む丹沢山系)

小田原の市街地に入る。
焼肉屋、天ぷら屋、寿司屋、空腹中枢を刺激する店ばかりだ。
街並みや空気が歴史を感じさせる。
小田原宿は東海道五十三次の九番目の宿場街。
当時ここは車はない。
馬か、歩くか、走るかだ。あと籠か。
だから当時にならって自分の足で進む。
当時と違うのは、オレの格好である。
クッション性に富んだ最新エンジニアリングのシューズと、
寒風でも外気をシャットアウトし、かつ湿気を放出するウエアだ。
だから止まらず走り続けることができる。

小田原郊外から少しづつ勾配がつく。
いよいよ箱根路へ入っていくのだ。

右手に箱根登山鉄道。
左手に箱根地ビール。
この道は、宮ノ下へ続くワインディングロード~。
中央フリーウエイならぬ、東海ハコネージィ。
旅館、ホテル群が見えてきた。
そして湯本駅到着!

(最終目指すは駅裏の山。箱根湯寮の山っす。)

フィニッシュとともに、湯本バス停でバスから降りてきた一般客とゴチャゴチャ!
お客さんたくさんいます。さすが一等観光地。
しかも格好がオジサン浮いとります。
短パンだし、ペラペラのウインドブレーカーだし。
だらだら汗かいてるし。

不思議そうな顔をした若いカップルが話しかけてきたよ。
「あの~、もしかして走ってきたんですか?」
「そうだよ!」
「どちらから?」
「茅ヶ崎」
「ええええええええええ!!!!!!!!」

なんで、ええええ!なのかわからん。
そこまで驚かなくていいのに。

さて。湯本駅は実はフィニッシュではない。
フィニッシュは箱根湯寮である。
湯本駅の高架をくぐり、コース最大の難関である激坂を走る。

山道最速王決定戦というのが去年ターンパイクで行われた。
平均斜度7%で本当にきつくて、ゲストランナーの、神野大地、鏑木毅もキツイと言っていた。
それで7%。
箱根湯寮へ向かう激坂はなんと「21%」。
車で登ると空しか見えない。道路が見えない。普通に怖いのである。
そこを走りきった。距離で500mくらいかな。

(写真で見るとあまりきつくないな、、、でも21%。 10%で激坂。

20%だとバイクのプロが蛇行、もしくは押して上がるレベル。だからほとんどトレイル(^o^))


だって目の前には温泉&ビールが待っている。

無事フィニッシュ。
行程31キロ。

箱根湯寮は本当に良い温泉。
施設もお湯もスタッフもよい。
入浴後は、箱根駅伝ラベルのビールで。
そりゃサッポロでしょ。



旅ラン楽しいっす。
帰りは電車つかったけど、行きの交通費はタダっすよ。

(お疲れっした!)

 


激闘、湘南国際マラソン。痛恨のミスレース。

2017-12-05 00:54:45 | ランニング



12/3(日) 第12回湘南国際マラソン
オレにとっての1年最大のイベントである。

これに照準を合わせてトレーニングしてきた。
ウルトラ100も、トレイルも湘南国際のため。

マラソン後半の辛さを克服するため山を登った。

しっかり走り込んだ。体重を更に落とした。カーボローディングも終了!

そして迎えた当日。
念入りに膝周りに迷彩色のテーピング。
ファイテンネックレスはダブル!
カフカバーをして、ビーチクにはワセリン!すれて血だらけになるからね。
OnのパフォーマンスTに、同じくOnのショーツ。
ブラックサンバイザーにオークリーグラス。

完璧だ。まさにロードを走るトレイルランナーなスタイル!

Onウエザージャケットを羽織る。
羽織る、がまさにピッタリのジャケット。羽のように軽い。

そしてシューズはOnクラウドフラッシュ。
フルマラソンでは初使用である。
これをバッグに入れ、ワラーチを履く。

足を締めずスタートまで解放してあげるため、ワラーチを履いたわけね。

6時に家を出て7時過ぎには会場へ。
続々と選手が会場へやってくる。
熱気はムンムン、気温7度、快晴無風。
日中は14度くらいまで上がるだろう。
絶好のマラソン日和。誰しもが好タイムを期待できる。


目指すは3時間20分。世界のマラソンランナーの7%しか達成できない。


スタート1時間前、フラッシュに履き替え荷物を預ける。

「ん?」
足の指の感覚がない。

かなり足を冷やしてしまったようだ。
ダイレクトストレッチをし、身体を温める。
が、なかなか温まらない。
整列が始まり移動する。
スタートまでかるーくジョグするがそれでも温まらない。

まあ、走ってれば否が応でも暑くなるしな、温存ということで。

カウントダウンが始まる。
10,9,、、、、3、2、1!

9:00ジャスト スタート。
スタートラインまでは3分。
オレがスタートを切るとき、トップはすでに1キロ先。
始まった!この高揚感、アドレナリン全開。
1万9千人のランナーがそれぞれの思いをかけて走り始める。

予定ではキロ4’45”で茅ヶ崎まで行く。
茅ヶ崎から大磯までは4’40”
大磯~フィニッシュは4’50”

いつもの速度だ。
この速度に身体を目を慣らしてきた。

スタートから数キロはなだらかな下り。
余分な力は使わず、ジャストスピードに乗せることだけ考える。
そうすれば茅ヶ崎までは惰性で走れる。

その通り走った。速度も足の運びも好調。ミッドフットで走れている。
しかしだ。
足の冷たさがなかなか取れない。
冷たいまま、左足フクラハギに違和感が出てきた。
初めての感覚だ。なんだ、これ?

2キロ過ぎて足にやっと血が回ってきた。
やっと血流が回復したようだ。指の感覚が戻った。
少しスピードを上げる。

回復した指とは正反対に、フクラハギの違和感が徐々に強くなってきた。

その時は何がなんだかわからなかったが、
今思えばフクラハギの血流が滞っていたわけだ。

第2の心臓であるフクラハギに血が回っていない。
致命的だった。
潤滑されず酸素が届いてない筋肉はプツプツを音を立てながら切れていった。
周囲のシューズがアスファルトを叩く音に、筋断裂の音はかき消された。

茅ヶ崎を抜けたところで違和感は突然激痛に変わり、
そのままヨロヨロとガードレールにしがみつく始末となった。
ガードレールにつかまらないと転倒するほどの痛みだった。

肉離れだ。

止まった時、「続ける」という選択肢しかなかったな。
続けるか棄権するかの2択は思いつかなかった。

とても愚かだけど、実際思いつかないのだ。
きっと棄権するのにはもの凄い勇気がいるからだ。
そのときオレには棄権するほど勇敢ではなかった。
そういうことだ。

痛みが小康状態になったので再スタート。
あまり飛ばせない。たぶん飛ばすとまた激痛が襲ってくるだろう。
ナーバスになり大会雰囲気を楽しめる余裕がなくなった。

江ノ島を折り返す。
さきほど激痛ではないにしろ鈍痛はずっと続いた。
鵠沼でフラチームが応援フラを踊ってる。
嬉しいことなのだが、邪魔だった。
忍耐ランのリズムとフラのリズムが喧嘩する。イライラする。

エイド給水で立ち止まる。

ほんの2,3秒止まっただけで、走り出しは足を引き摺る始末。
もう前半の快調さは一切ない。精彩を欠くという言葉がピッタリ。
エイドで抜かされた選手に食らいつくのも苦しい。
運良くその選手が速度を落とせば抜き去る。

抜き去ることで「競争中」の意識を持つようにした。
ランをしている動機はもはやそこにしかない。
前にいる選手を置い続ければフィニッシュできるかもしれない。
そう思ったのだ。
しかし平塚あたりからのエイドで止まると、
そこで先に行った選手に追いつくことはもうできなくなった。

さらには涼しい顔をした女子に颯爽と抜かれる。
女子は男子より強いといつも思う。
最後に颯爽と走るのは決まって女子だ。
スタートからイーブンなのか、あるいは前半は温存して後半から速度を上げるのか、
とにかくかっこいい。余分な脂肪は一切ない。

やっと大磯高校まで来た。そこから西湘BPに入る。
去年はとても急坂に思えたけど、今回は斜度がなく感じる。
トレイルのおかげだ。大磯入りはオレにとっては坂道ではない。
西湘の入り口、さあ、ここからがレース!
入り口まではウオームアップ。ここから本番!

そう思う予定だったよ。。。

でも限界はそこまで来てた。「限界」の漢字が宙に浮いて来た。
多くの選手が立ち止まり、足をさすり、天を仰いでいる。
30キロから始まった魔の区間。
悪魔が一人ひとりに降りてきて、もう走らなくていいんだぞ、と囁く。
35キロでは立ち止まり、歩く選手が更に増える。

マラソンはテクニックでも体力でもない。
ここまでくると本当に強靭な精神力しか無い。
自分に負けるか勝つか、それだけ。
結局はその気持を持つためにみんな努力してるのだ。

根性、努力、気合、金を出してもそれが欲しい。


(茅ヶ崎パーク 一中交差点 ウインドサーフィンでしか通らなかった道を走る。)


フクラハギはもう感覚がない。

ランはフクラハギ、アキレス腱の反発があるから前に進む。
エンジンで言えばピストンであり、コンロッドであり、クランクシャフトである。
そこが破壊されてる。
エンジン2気筒のうち、1気筒が死んでる。
左足は接地するだけ、右足だけで地面を蹴る。

体軸が歪み、腰も正常な右足も、もうわけの分からない痛みに襲われてきた。

35キロ超え、あと7.195キロ。
二宮の折り返しの風船が遥か彼方に見える。

走っても走っても風船は離れていくように感じる。

頭がぼーっとしてくる。
痛みを消すために脳内モルヒネが大量生産されて、脳が疲れたんだろうな。
眠くなってきて夢を見ているような感じだったよ。
40キロポストを超え、あと2.195キロ、長かったなあ。
世界一長い2.195キロだった。
西湘BPを抜け、「WELCOME BACK!!」の大きな看板が見える。
湘南国際名物、激坂を巻く。
あとすこし、あとすこし。
フィニッシュゲートが観音様のようにも見えた。

完全にこのつらさから解き放されるまで、

50m、40m、30m、、、、FINISH。

3時間33分54秒。


国道134号線と多くのボランティアの方々、
そして叫ぶように応援してくれた地元の友人たち、
ラインを切って振り返り、深々頭を下げた。
オレは走らせてもらったんだなあと思ったよ。

フィニッシュエリアを出て、大の字で寝る。

目を閉じると目がグルグル回った。
太陽が眩しかったので目を閉じたら、
達成感と悔しさと感謝と感動がマーブル模様のように渦巻いた。

でも達成感が勝っていたかな。

でも本当に疲れたよ。


インスリンショック

2017-11-30 00:03:01 | ランニング

前回の湘南国際マラソン、35キロ地点で魔物が待っていて、
スロー→完全ストップ→ReStart→二宮折り返しで足もつれて大転倒
こんな醜態をさらしてしまい、ゴール後は感動どころじゃなく悔しさでいっぱいになった。

それでも前半の貯金のおかげで3時間29分59秒(自分の時計でね)
あと1秒とはなんとまあギリギリっす。

過去、100キロマラソンでも、トレイルレースでもびったり止まるってことはなかった。
なんで、湘南国際で止まっちゃったのか。。。

これ、原因は明確っす。
最近、いろいろ調べてわかった。 

原因は、インスリンショック。
スタート間際直前まで、チョコ食ったり、バナナ食ったり、
オニギリ頬張ったり、ついでにエナジードリンク飲んだり、
これで血糖値がMAXになったのだ。
血糖値がこうやって急激に慢性的に上がった状態では、
血糖値を下げるべくインスリンが大量分泌する。

この低血糖症状はスタートから延々に続き、
10キロの茅ヶ崎公園で疲れを感じ、
20キロの江ノ島折り返しでペースダウン、
そこから35キロ大磯までレロレロヘロヘロ。
そして戦意喪失、止まる、天を仰ぐ、転ぶ、最後の最後は力を振り絞り、、、

どうもこれがインスリンショックのいかにも的な例のようだ。

だからせっかく3日前からカーボローディングしたというのに、
活躍すべきグリコーゲンがインスリンのせいでぜーんぶパーになったのだ。

もうこうなるとエナジージェル摂っても無理。
棄権して完全に休息モードにしない限り復活しない。

これ、オレだけじゃないね。
こういうエネルギー摂取に関しては情報が錯綜している。
直前はバナナ食え!みたいな。
スポドリがっつり飲んどけ!なんてね。

だからみんな、30キロ、35キロでバタバタ倒れ始めるのだ。
ガードレールにしがみつき微動だしない選手。
体育座りしてる選手。
大の字で天を仰ぐ選手。
放心状態で立ちすくむ選手。
痙攣してピクピクしてる選手。
ストレッチャーやAEDまで出動。
意外と修羅場になってるのね~。

とにかくだ。
レース前は少なくとも3時間前に食事終了。
米、ウドン、餅ね。
玉子かけご飯はNG。玉子って消化悪いのだ。
スタート2時間前からは何も食ってはいけません。
でも水分は摂る。クエン酸入れたやつね。
Shotzエレクトロライトパウダ-とかね。

単糖類、多糖類いずれもダメ。
アミノバイタル パーフェクトエネルギーのようなドリンクもダメ。
思い切り血糖値が上がる。
スタート30分前にBCAAをぶち込んで、スタート号砲を待つ。

で、走り始めたらインスリンは分泌されなくなるのでジェルや甘いものを摂取してもOK。

今回は10キロまではノー摂取。
10キロからマルトデキストリンのみ摂取。
最後の最後にエナジージェルですな。

湘南国際では海鮮しらすユッケ丼、湘南海鮮クリームコロッケ、湘南バターどらやきなどなど
美味いものがエイドに仰山並んでおる。

そんなの食ってる時間はない!
ゴール後のビールまで我慢!!


エイジ グレード

2017-11-27 00:00:20 | ランニング

エイジグレード (Age Grade)という考え方がある。

これ何かというと、55歳のオレの場合、フルマラソンの記録が3時間25分だとする。
(今週末、せめてこのタイムは叩き出したい)

タイムは、一般的には、どんどん下降線を下る。
それはすごく寂しい。

でだ。
オレがもし40歳だったら、、、3時間0分42秒
全盛期30歳だったら、、、2時間55分43秒
さらには15年後70歳のになったときのタイムは、、、3時間57分18秒

これ、エイジグレード計算ツールからである。

WMA(世界マスターズ陸上競技連盟)が開発・作成した「年齢別テーブル(WMA Age-graded Table)」から引っ張ってこれるようにしてる。

男性の場合ピークは30歳で計算されている。
40歳のときと5分しか変わらないが、練習をちゃんとして体重増減なしであれば、10年たっても5分しか落ちない、ということだ。
しかし、40歳超えると急降下衰退していく。
40歳のときはほぼサブ3でも、50歳で3時間16分5秒となる。

グラフでは30歳を最下点として加齢とともに放物線状にタイムが増加していくのだろう。

これは恐ろしくも悲しくも現実である。
だからこそ、それなりの年齢でタイム更新していくというのは物凄いことなのだ。

とにかくオレは30歳で、サブ3 2時間55分だった。
それは、とくに何もせず、55歳の今と同じようなライフスタイルで、トレーニングスタイルで出したタイム。
ということは、もっと走り込み、筋トレして、努力を重ねれば2時間30分も夢ではない。
そういう資質を持っていたのだ。

そんな風に勝手に思い込む。

30歳の時、湘南国際マラソンでは優勝候補にいた。

それから25年、雲上人となりオレはまだ走っている。

まあIFの世界だけど、そう考えるとラン経験の少ないオレではあるけれど、
ポテンシャルとしてはレジェンドランナーっつうことだ!

なかなか夢がある、楽しいツールだよ。


Krishna cloudflash

2017-11-22 19:22:04 | ランニング

 

5時50分。
目覚めるも部屋の中が冷え切っていて起きれない。
布団の中でFBチェック。
ラン友がすでに朝陽を浴びて走っている。
先を越された気分になる。

起きてまずお湯を沸かす。
お湯にマルトデキストリン溶かして、それだけ胃に入れる。
全く味がない。甘さも感じない。ただのお湯飲んでるみたい。

(あとで分かったけど、多糖類でも直前摂取はダメ)

ジャージを履くが考え直して脱いで、短パンに履き替える。

長袖、短パン、クラウドフラッシュ。
レース10日前。
ワラーチからシューズに変える。
レース当日に向けて、こいつに血を流し込むのだ。

外に出る。気温4度。ピリッとした空気に目が覚める。
外気が余分な脂肪を削ぎ落としてるのではと思うほどシャープに冷え込んでいる。


iPodを再生する。
iPod shuffleなので走り出しに何がかかるのか、
再生ボタンを押すのは毎回のランのささやかな楽しみだ。
今朝はヴァン・ヘイレンのJUMPから始まった。

あのイントロで一気に気持ちに心臓に脳に腕に脚に血が勢い良く流れる。

海の方から陽が上る空はグレナデンシロップが底に沈んだカクテルみたいだ。
1日の希望などもはや何もないし、望まなくもなったが、
こういう朝の天気にJUMPのイントロで、生活や人生は捨てたものではないと思う。
それは錯覚でも思い過ごしであっても、そう思うこと自体がとても重要だし、
実際に、朝は、音楽は、ランはそうしてくれる。
そして本当のところ、捨てたものではない。

家を出てしばらくすると海に出る。

ビーチ沿いのサイクリングロード、エンジンが温まる。

ここでフォームや着地をチェックする。内向して身体の動きを感じ取る。

シューズを履いても無意識でミッドフットになってきた。
クラウドフラッシュはワラーチより、どの他のシューズよりケイデンスが伸びる。
スピードボードの反発なんだろうな。
それにとても軽い。アッパー素材が圧迫せずにホールドしてくれる。
ホールド感がありながらの開放感は何も履いていないようだ。

朝のラウンドコース8キロが終わりに近づく。
バス停で並ぶひとたち。
自転車を漕ぐ人たち。
通勤、通学する人でロードが活気づいてくる。

その人たちに逆行して走る。
オレは彼らより多少なりとも素晴らしい朝を迎えたはずだ。
眩しい朝陽を浴びてバンバン身体を動かしてJUMPを聴く素晴らしさってラン以外には思い付かない。
それが徳で、それを得ることは心にとってのBCAAでLグルタミンになっているということだ。

52歳からランを始め3年。
でも、今日まで、満足行くまで走り込めただろうか。
何かと理由をつけてサボったりしたなあ。
食事管理などした試しもない。
オレはストイックな性格なので追い込みは出来るのだが、
気持ちと年齢が相反していて怪我に悩んだ。
たった3年だけどこれだけは言える。
何かを始めるのに遅いことはない。
熱い情熱さえあれば誰でもできる。

走りながらいつもこういうことを思う。まだ走れると。

とは言いながら不安もよぎる。いつまで走れるのかと。

そんなことわからないので走れるときに走る。走れるところは走る。


サブ4  30%
サブ3.5  12%
サブ3  3%

フルマラソン完走者の統計データである。
サブ4である4時間切りがいかに大変なことか。。
サブ3はもはや超エリートである。

3時間20分が10日後の湘南国際マラソンの目標。
3時間20分で走りきろうと思わない。
3時間20分の間、耐え続ける。
山を忍耐で登り続けてきた。
3時間20分の耐久レースに臨むのだ。
3時間20分、静かにその場で足踏みをする。
景色は勝手に流れる。
心を無にして身体そのものがマントラを唱える。

ハレークリシュナ ハレークリシュナ
クリシュナ クリシュナ ハレー ハレー
ハレーラーマ ハレーラーマ

忍耐強く、堅忍不抜の精神で、本当に謙虚な気持ちで唱える時、
純粋な神への感謝の気持ちが目覚め、法悦感の渦に浸れると言われている。

都度のレースが人生の集大成。
いつもそう思ってる。
しかもまだ終わらない。