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DVD三昧Ⅰ リトル・ミス・サンシャイン

2008-01-06 19:08:03 | アメリカ映画 (40)

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監督:ジョナサン・デイトン 、ヴァレリー・ファリス 
出演:グレッグ・キニア(リチャード・フーヴァー)
    トニ・コレット(シェリル・フーヴァー)
    スティーヴ・カレル(フランク)
    アラン・アーキン(グランパ)
    ポール・ダノ(ドウェーン・フーヴァー)
    アビゲイル・ブレスリン(オリーヴ・フーヴァー)
2006年、アメリカ


>>アリゾナに住むフーヴァー一家は、“リトル・ミス・サンシャイン”コンテストに繰り上げ参加することとなった娘オリーヴを連れてカリフォルニアに向けて出発。独自の成功論を振りかざす父親リチャードとバラバラな家族を必死でまとめようとする母シェリル、家族を嫌って沈黙を続ける長男ドウェーン、ヘロイン常用者で言いたい放題の祖父、失恋が原因で自殺をはかったシェリルの兄のフランク、そしてビューティー・クィーンを夢見るオリーヴが乗ったミニバスには一触即発の空気が漂う。ハリウッドの人気ジャンルであるファミリー・ドラマとロード・ムービーをミックスさせて、風刺的であると同時に深い人間性を備えた本作が描くのは、機能不全に陥った家族の再生だ。美少女コンテストへ向かう旅路でさまざまなハプニングに遭遇するうち、互いに理解しえないと思い込んでいた家族の心が徐々にほぐれていく。そして、思わぬ出来事に一家は団結する。成功し勝者となることが絶対とされる現代社会において、敗北することによって得られる何かがあると伝えてくれる。


オリーブの父親は人は勝ち馬と負け犬とに分けられるとう考えを持っている。


そういう一家が実は問題をかかえた立派な負け犬組なのだ。笑
アメリカ映画が得意とするジャンル。
確かにそういうのがあって、こういうホ-ムドラマがそのうちのひとつだと思う。


評判が高かったのに、見逃した。
でも、一度見ると何度でも見たくなる爽快な映画だ。青い空、真っ直ぐにどこまでも続くハイウェイ。
ジェットコースターに乗って、あれよ、あれよと楽しんでいる間に、すっかり映画のなかにはまり込んでしまう感じ。


フーヴァー家の両親はいつもお金のことでもめて騒がしい。
長男ドウェーンは9ヶ月も口をきいていない。
ヘロイン常用者で、ホームから追い出されたぶっとんだ祖父。
シェリルの兄はゲイ恋人に失恋して自殺未遂。
行くところもないので一家が引き取った。


一家の太陽、可愛いオリーブの夢だから“リトル・ミス・サンシャイン”コンテストに参加させようと、シェリルママの”家族は一緒に”の考えのもと、節約のために一家はオンボロバスに乗り込む。


おじいさんは文句ばっかり。
老いてなお盛んで、しかも口は悪い。
「黙らんぞ。大戦ではナチと戦った」
でも、このおじいさんは孫、孫娘を心から愛してる。


価値観、人種の全く違う、父親リチャードと、シェリルの兄フランクは険悪なムード。


こういう一見バラバラの彼らだけど、実は人一倍心は温かく善良なのだ。
ドウェーンは特に優しい。
「ママをハグしろ」のメモには胸を不意打ちされます。


めがねちゃんで、お腹ぽっこりの幼児体型の子供らしいオリーブが可愛い。
バラバラ家族がかろうじて、ひまわりのようなオリーブの存在でつながっている。


助演男優賞獲得が納得の演技が心に残る、おじいちゃんの言葉は重く、真実がこもっている。


コンテストの前夜、父親のおかしな教育で、負けることを恐れるオリーブに。
負け犬というのはね・・負けるのが怖くて挑戦しない人のことだよ。


仕事に失敗した息子に。
結果はどうであれ、お前は精一杯やった。
誇りに思うよ。


インテリで物静かなゲイの伯父さんもオリーブのためなら一生懸命、なりふりかまわないところが素敵です。
この伯父さん、優しいのはもちろんで、よく見るとハンサムなんですよね。笑


大笑いさせる場面も多いのだけど、人間の心理を深く繊細に描いていて我知らず感動してしまいます。


何度見ても、オンボロバスを押して飛び乗るところはひやひやもので興奮する。可笑しい。


疲れた一家が泊まるハイウェイ脇の黄昏のなかのモーテル・・・
こんな景色に、たまらなくアメリカを感じて、オレンジ色の綺麗な空になぜか涙がこぼれそうになる。


以下、結末にふれています。


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私が好きな場面は、色弱とわかって動揺するドウェーンにオリーブがただ黙って寄り添うところ。
慰めに言葉はいらないんだなと納得できる美しい場面です。


ドウェーンと、フランクの桟橋での場面も爽やかです。


あの世からもおじいちゃんはエロ本で一家を救います。笑
おじいちゃんはタフそうだったのに、疲れた体にヘロインがこたえたのかな。


子供は素直です。
オリーブ「天国はあると思うわ」
フランク「僕も行けるかい?」
オリーブ「行けるわよ」


何があっても私たちは家族よ。
大事なのは互いに愛し合うこと・・


ラストにアッという仕掛けがあります。


オリーブは結局、優勝なんてしませんが、家族はもっと大切なものを得ます。


少女たちに点数をつけるなんてバカげてる。
ならば、オリーブのダンスのどこが悪い?


アッパレおじいちゃん!!!