監督 ジュリアン・ジャロルド
出演 ジョエル・エドガートン(チャーリー)
キウェテル・イジョフォー(ローラ)
サラ=ジェーン・ポッツ(ローレン)
ジェミマ・ルーパー(ニコラ)
2005年、アメリカ・イギリス
>>父親の突然の死により、倒産寸前の靴工場を相続した優柔不断な青年チャーリー(ジョエル・エドガートン)。工場の起死回生に頭を悩ませる彼は、偶然出会ったドラッグクイーンのローラ(キウェテル・イジョフォー)からインスピレーションを得て、ドラッグクイーン用のセクシーなブーツを新商品として開発しようと思いつく。
笑えてホロリときて、最後には心がポッと暖かくなる。
こういう映画はやはり楽しくていい。
服装倒錯者=ドラッグクイーイン(ローラ)が登場したりと、『プルートで朝食を』と同じような流れですが、『キンキーブーツ』はぐっと明るく華やかで楽しいです。
『フルモンティ』といいいイギリス映画もどっこい元気です。
だいたい、この英題だと、内容がサッパリ想像つかなくて、劇場で見なかったことに後悔。
神戸では公開されたのかな。
こういう華やかなショー場面の多い映画は劇場で見なくちゃね。
KINKYとは”変態の、性的に倒錯した”という意味だそうです。
この映画、実話なんですね。
もっとも、ほんとのところは傾いた靴工場の若社長に「男がはける女性用のセクシーなブーツを作ってほしい」という一本の電話がかかった。
社長はそれをヒントに、新しい市場に進出したということだったようです。
イギリスにもドラッグクイーンって多いのでしょうか。
肌の黒い子供が桟橋で、赤い靴をはいて、楽しげに踊っている場面から始まるのもいい絵です。
ノーサンプトンの片田舎の100年続いた続いた靴工場が、伝統と歴史の国イギリス~って風情でいいですね。
イギリスの田舎・・緑が濃くて・・
行ったことないけど、どこにでもありそうな公園の景色もイギリスってこうなんだろうなという美しさです。
かたや、ロンドンはSOHOのドラッグクイーン、歌姫ローラ。
別世界です。
楽屋のポスター。これがあのマレーネ・ディートリッヒの名作、『嘆きの天使』(リンク)なんですね。笑
そうか、天使の彼女の役名がローラだったっけ。
キウェテル・イジョフォー演じるボクサー並みの体格のローラは、ショーでは堂々として凄い迫力。
歌も立派だし、やり過ぎてなくて品があります。
彼女?がだんだんほんとうに可愛く見えてくる。笑
唇の形がハートでキュート★
老舗の靴工場の跡取りだけど、仕事にも自信のないパッとしないチャーリー。
父親に勘当され、この道を選んだけど、男と女のはざまで悩むローラ。
ローラの台詞が強烈です。
「RED、RED、セックスは赤なのよ。
あんたが作るのはふたつの筒状のSEXなのよ!」
女性って靴が好きじゃないですか?
カラフルなブーツは見ているだけでも楽しい。目の保養♪
工場で働く人々が活き活き描かれて、こんな人いるだろうなという感じで面白い。
田舎ではローラは好奇と偏見の的。
ローラは靴クズを置いてある場所が好き。
落ち着くのよ。ここ。
はみ出しものにはね。(胸キュン)
(この世の全てが完璧じゃないもの。
クズにも魂だって個性だってあるってことかな。)
でも、ローラの率直さと優しさに、人々の偏見も少しづつ解けて。。
チャーリーも俄然やる気のある男にかわっていく。
偏見を捨てて。。
※私事ですが、私の母親は何事にも偏見を持たない人でした。
母の口から「あの人は~~だから遊んではダメ、付き合ってはダメ」なんて言葉を聞いた覚えがありません。
偏見や差別は大人が子供に教えこんでるんじゃないかな。
ここから結末に触れています。
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ドン:「なぜ、力を抜いたんだ?」
ローラ:「あんたが侮辱されるから」
惨めな思いを味わったものだけが相手の痛みを想像できる。
偏見を捨てて。。
この場面が一番好きです。
ローラはチャーリーが好きだったのね。
だからあんなにおしゃれして。可哀相。
でも、チャーリーは言い過ぎよね。
男か女か、どっちかに決めろなんて。
ローラは父親との思い出の桟橋に戻って、心を決めたのでしょうね。
あたしは、あたし。
これからもあたしらしく背筋を伸ばして生きていこうって。
ローラを真ん中にチーャーリーと彼の新しい恋人ニック。
ノーサンプトンに咲いた可憐で華麗な友情の花。
END