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NHK 関電会見 「社長就任祝い 菓子の下に金貨」 2019年10月2日 17時24分 関西電力問題
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191002/k10012109131000.html?utm_int=error_contents_news-main_001
関西電力の経営幹部らによる3億円を超える金品受領問題で関西電力の岩根茂樹社長は午後2時から記者会見を開いています。幹部らは現金や商品券のほか小判型の金貨や金杯、アメリカ・ドルなどを受け取っており、常務と元副社長の2人は受領額がそれぞれ1億円を超えていたことが分かりました。
「情報開示の観点から深く反省」
岩根社長は「先日、説明したが個人情報に配慮した内容になり、なぜこのような事態になったのかしっかり伝えられず、疑念や不安を与えることになり情報開示の観点から深く反省している。今回は可能なかぎり、詳細に説明する」と述べました。
「元助役との関係悪化避けたかった」
森山元助役との関係について「東日本大震災以降も大規模な安全対策工事が進む中地元の有力者である森山氏との関係悪化を避けて、極力、原子力発電所を安定的に運営したいという思いがありました」と説明しました。
「担当者は地元活動の阻害を恐れた」
さらに、「森山氏から『わしが原子力に反対したらどうなるのかわからんのか』と言われ、担当者は地元の理解活動が阻害されることを恐れた」と説明しました。
「長年、各人が我慢を重ねて対応」
森山元助役からの金品の受領について「前任者や同僚から、長年にわたって、各人が我慢を重ねて対応してきたものであり各人でなんとか対応していくしかない旨の引き継ぎ助言を受けておりました」と説明しました。
「菓子の下に金貨」
金貨を受け取った状況について、「社長就任の祝いをいただいたので、お菓子と思っていたら、その下に金貨が入っていて非常にびっくりした」と述べました。
また、「原子力事業の担当者に聞くと、『返すのに苦労していて返せるタイミングで一緒に返す』ということだったのでお願いした。金貨は会社の金庫に保管していた。そのときはそういう人が数人いるのかと思っていたが、そのときに全貌を把握できなかったことは申し訳なく思っている」と述べました。
また、「原子力事業の担当者に聞くと、『返すのに苦労していて返せるタイミングで一緒に返す』ということだったのでお願いした。金貨は会社の金庫に保管していた。そのときはそういう人が数人いるのかと思っていたが、そのときに全貌を把握できなかったことは申し訳なく思っている」と述べました。
「返却しなかった背景に叱責や罵倒」
また、金品を返却しなかった背景として「森山氏からのさまざまな叱責や罵倒に加えて、家族を含めて危険を感じるような話が伝えられていることが背景にあった」と述べました。
そして、「また受領した金品をお返ししようとしても、なかなか受け取っていただけない状況の中で返せる機会をうかがいながら努力を続けた者もいる。返却した数日後に再度、高額な金品が送られてくるといった特異な状況もあった」としたうえで、「現時点では大部分を返却するとともに国税当局からの指摘を踏まえ、修正申告を行っているとはいえ多額の金品を受領し保管していたことは、コンプライアンス上、不適切だったと考えている」と述べました。
そして、「また受領した金品をお返ししようとしても、なかなか受け取っていただけない状況の中で返せる機会をうかがいながら努力を続けた者もいる。返却した数日後に再度、高額な金品が送られてくるといった特異な状況もあった」としたうえで、「現時点では大部分を返却するとともに国税当局からの指摘を踏まえ、修正申告を行っているとはいえ多額の金品を受領し保管していたことは、コンプライアンス上、不適切だったと考えている」と述べました。
「森山氏独自の権威誇示」
さらに、森山元助役について、「多額の金品を相手に渡すことで自分を大きく見せようとする森山氏独特の権威誇示や自分を中心とした人的ネットワークの維持といった自己顕示欲の表れと考えていました」と述べました。
「無礼者、軽く見るな」と激高され…
また、金品の返却を申し出た際の森山元助役とのやりとりについて「金品を渡された者は、受け取る理由はないと考え返却を申し出たものの、森山氏から『なぜ、わしの志であるギフト券を返却しようとするのか、無礼者、わしを軽く見るなよ』などと激高され、返却を諦めざるをえなかった」と説明しました。
「恫喝恐れて…」
森山元助役との関係について岩根社長は「非常に恫喝をする方で担当者への厳しい恫喝が7年前から続いていた。そうした中で、森山氏を特別扱いをする必要があると考えてきた。原子力事業をするときに森山氏に反対されるとうまくいかないといったことを恐れて、深い関係になってきたのではないかと思う。それからは引き継ぎという形で続いてきた」と述べました。
「森山氏を具体的に知らず」
岩根社長は今回の問題について社内で指摘が上がらなかったのかと問われたのに対し、「この手の話につきまして前後についてまったく知りません。森山さんの名前は聞いていたが、具体的にされていることは存じ上げていませんでした」と述べました。
「会ったことが間違い」
そして、「森山氏のこのような状況を全く知らないとは申しませんが、このような状況を知らずに森山氏と会ってしまったこと、それに、その後の対応が間違ってしまったと反省しています」と述べました。
「影におびえ 警察に通報できず」
会見の中で岩根社長は、警察などへ相談しなかったのかと問われたのに対し、「森山案件は会社の中で特別だという意識が担当者の間で以前から続き、前例、伝承も含めて森山氏の影が強かった。警察に通報するなり、会社として対応するなりしていればと。森山氏という影におびえてしまったというところがあると思う」と述べました。
入札前に発注工事の概算額など伝える
岩根社長は森山元助役が顧問を務める吉田開発に発注する工事の概算額などを入札を行う前に伝えていたことを明らかにしました。
この中で「そもそも概算額は粗く非常に精度の低いもので、実際の契約額とは差が相当大きいものもある。どのぐらいの規模かを示すためのものだった。このぐらいの規模でこのぐらいのお金が出てくる、地元の方はぜひ頑張ってくださいという形でお示している例はある。他社や地元の有力者からも聞かれれば、お答えをしている例はあるが、中でも吉田開発は非常に多いと認識している。事前に開示をする事がよかったのかどうかについてはさらに検証していきたい」と述べました。
この中で「そもそも概算額は粗く非常に精度の低いもので、実際の契約額とは差が相当大きいものもある。どのぐらいの規模かを示すためのものだった。このぐらいの規模でこのぐらいのお金が出てくる、地元の方はぜひ頑張ってくださいという形でお示している例はある。他社や地元の有力者からも聞かれれば、お答えをしている例はあるが、中でも吉田開発は非常に多いと認識している。事前に開示をする事がよかったのかどうかについてはさらに検証していきたい」と述べました。
「関電への資金還流、わからない」
いわゆる「原発マネー」が還流したという認識があるかと問われたのに対し、「地元への発注を増やすことを心がけた中で、吉田開発の受注が増えたことは事実だが、吉田開発から森山氏に資金が流れたかはわからない」と述べ関電側に資金が還流したかどうかはわからないという認識を示しました。
また、八木誠会長は「森山氏の金銭の出どころがわからない」と述べ、同様の認識を示しました。
また、八木誠会長は「森山氏の金銭の出どころがわからない」と述べ、同様の認識を示しました。
「呪縛から逃れられず」
森山元助役との関係が深まり抜け出せない状況を作ったのは関西電力側ではないかとの質問に対し、岩根社長は「関西電力から近づいたということはない。私が聞いている範囲では、なんとか森山氏の呪縛から逃れようとしていたが、なかなか逃れられなかったと認識している」と述べました。
約3億2000万円の内訳を説明
前回の会見では明らかにしなかった金品の内訳について岩根社長は、「現金1億4501万円、商品券6322万円分、米ドルが1705万円分で合わせておよそ2億2000万円になります」と述べました。
また、その他の物品については、金貨が368枚、金杯が8セット、金が500グラム、スーツが75着だったことを明らかにしました。
そのうえで、受け取った金品の総額はおよそ3億2000万円に上ると説明しました。
また、その他の物品については、金貨が368枚、金杯が8セット、金が500グラム、スーツが75着だったことを明らかにしました。
そのうえで、受け取った金品の総額はおよそ3億2000万円に上ると説明しました。
「返却する努力を尽くす」
また、金品の返却状況について「現金170万円と商品券297万円をあわせたおよそ470万円についてご遺族と面談できていない状況にあり、お返しできておりません」と述べました。そのうえで、「返却できていない現金、商品券とスーツ61着分については引き続き返却する努力を尽くしてまいります」と話しました。
「スーツは儀礼の範囲超える」
スーツについては、「スーツは中元・歳暮などと同様に儀礼の範囲内のものと整理していたが、相応の金額であることから、今回改めて良識の範囲を超えるものと整理し直したい」という認識を示しました。
「原子力事業以外も接点」
そのうえで、原子力事業以外を担当する部署と森山元助役との接点について、「送配電カンパニーの電力技術センターで、3人の社員がおよそ250万円の商品券を受領していた。そのうち210万円はすでに返却している。また、1人がスーツを受領したが、こちらもすでに返却している。前回の説明にこの件は含まれていない」と述べました。
「取得の意図はなかった」
受け取った金品について岩根社長は、「ヒアリングをしたかぎり渡されたものは必ず返したいというのが全員の気持ちであったが、恫喝されて返せない状況だった。貸金庫や自宅で保管し、返す努力をしていて20人のうちほとんどの人間は自主的に返す行為をしていた。自ら取得する意図はなかった」と述べました。
「国税査察入る話聞き 小判など返却」
また、受け取った金品の一部を返却した時期について「国税局の査察が入る前に金額換算して1億2450万円を返却した。吉田開発に査察が入るという話を聞き、森山氏のところに行って受け取っていただけるということで、その際に相当まとめてお返ししている。小判などは持参して返した」と説明しました。
税務調査前に36回接触
森山元助役に拒まれ続けてきた金品の返却について、平成30年2月の税務調査がきっかけになったのか問われ、「継続的に接触している中で、吉田開発への税務調査の噂を聞き、今なら弱気になっているので受け取ってもらえるのではないかということで返却に行ったのであって、税務調査と無関係ではない」としたうえで、「税務調査が入るまで何もやらなかったというわけではなく、ずっと返す努力をしてきた。税務調査の前に36回接触し、その都度、返却を打診してきた」と述べました。
「違法性ないと判断」
社内調査の内容を取締役会に報告していなかったことについて「不適切なところは多々あったが、違法性はないということで報告しない判断をした。それが妥当だったかについては、第三者委員会で検証する必要があると思っている」と述べました。
「公表しないという判断した」
岩根社長は多額の金品を受け取っていた事実を報道がでるまでは明らかにしていなかったことについて問われると、「公表しないという判断をしたことは事実だ。そのことの是非も含め、第三者委員会で判断してもらいたい」と述べました。
元副社長らの認識は不明
社内調査の結果、1億円を超える金品を受け取ったことが判明している豊松秀己元副社長と鈴木聡常務の2人が金品の出どころについて、どのような認識だったかついて問われると、「申し訳ないがその点についてはヒアリングを行っておらず、答えられない」と説明しました。
八木会長 「是正思い至らず、大いに反省」
八木誠会長は「森山氏から金品をお預かりしたが、社長になってから現在まで一度もお会いしていない。金品の受け渡しがエスカレートしているとは認識していなかった。会社として是正していくべきと思いが至らなかったことは大いに反省している」と述べました。
「震災以降エスカレートか」
また、八木会長は森山元助役との接点について、「原子力事業本部の役員を務めた2006年から2010年の間に接点ができて、年に数回会った。原子力事業本部を離れて社長になって以降は、一度も会わなかった」と述べました。
また、自身が社長になって以降に森山元助役から幹部らへの金品の授与がエスカレートした印象があるとしたうえで、「東日本大震災以降の原発の再稼働に向けて国の規制による安全対策工事が多くなったことが背景にあると思っている。私よりもさらにさかのぼって過去のことは、新しい調査委員会の調査で確認したい」と述べました。
また、自身が社長になって以降に森山元助役から幹部らへの金品の授与がエスカレートした印象があるとしたうえで、「東日本大震災以降の原発の再稼働に向けて国の規制による安全対策工事が多くなったことが背景にあると思っている。私よりもさらにさかのぼって過去のことは、新しい調査委員会の調査で確認したい」と述べました。
「工事が多くなったことが背景か」
さらに、八木会長は森山元助役との接触について、自身が2010年に社長に就任してからは元助役と会うことは一度もなかったと述べたうえで「この間、経営幹部への接触は少しエスカレートしているような感じはある。おそらく、東日本大震災以降、原発の再稼働に向けて国の規制による安全対策の工事が多くなった。工事全体が多くなったことが背景にあるのかと思っている」と述べました。
「会社で対応すべきだった」
そのうえで、「金品を受け取った本人は原子力事業に大きな影響のある地元の有力者の機嫌を損ねてはいけないという思いの中で、個人が悩みながらいったんお預かりしてお返しするチャンスをうかがっていた。本来、個人の問題とすべきでなく、会社がリスクを負って対応すべき仕組みを作っておくべきだった。対応した社員に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。思い至らず反省している」と述べました。
社長 会長 辞任を否定
岩根社長は「原因究明と再発防止、信頼が少しでもあがるよう先頭に立ってしっかりやっていきたい」と述べ、辞任する考えを改めて否定しました。
八木会長も「全ての膿を出し切るため、徹底的な調査、原因究明、再発防止対策を確立し、これを実施することが私の務めだ。そうしたことで経営責任果たしていきたい」と述べて会長職の辞任を否定しました。
八木会長も「全ての膿を出し切るため、徹底的な調査、原因究明、再発防止対策を確立し、これを実施することが私の務めだ。そうしたことで経営責任果たしていきたい」と述べて会長職の辞任を否定しました。
第三者委員会を設立へ
また、岩根社長は会見の中で、「株主に対する説明責任をしっかりと果たすため、中立的な社外の専門家のみを委員とする第三者委員会を新たに設立し、調査したいと考えている」と述べました。