愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

原発即時ゼロ・日米軍事同盟廃棄派を多数派にしないマスコミと政治家の「現実」論は国民をどこに誘うか?

2012-11-28 | 日記

 滋賀県知事が「日本の未来党」なる政党を結成しました。第三極の二分化として報道するマスコミによって、世間は、この話で持ちきりの感を呈しています。そういうなかで、今朝の「みのもんたの朝ズバッ!」の政党討論会(TPP・原発・消費税について)は、時間と運営方法に課題をのこしたものの、試みとしてはタイムリーで、大変良かったと思います。

 そこで気づいたことがあります。それは「原発ゼロは無責任」発言でした。思わず「これだな」と思いました。これについては、以下の記事と発言がありましたが、改めて思ったことは、原発も日米軍事同盟も消費税も、推進派は同じ論法だなと思いました。

 「原発ゼロは無責任」自民と経団連が一致 2012.10.9 22:53

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121009/stt12100922540012-n1.htm

 まして「原発即時ゼロは非現実的で、日本経済を考えたら、無責任だ」というもので、この論法に国民の「原発への不安・心配は揺らいでしまう」のです。ここでも、「米軍基地は問題だが、中国や北朝鮮の脅威を考えると仕方ない。まして日米軍事同盟廃棄などという主張は現実的ではない。沖縄県民の負担を少しでも軽減することの方が現実的だし、日米地位協定の改定ができれば負担は軽減できる」という論理と同じように、さらに「財政赤字1000兆円があるので、消費税増税はどの政党が政権を担当してもやらざるを得ない。高齢化社会に突入し、社会保障費を捻出するためには消費税は仕方ない。国民に負担をお願い、課すのだから、ムダをなして、議員・議員歳費削減をしてエリを正して」との論理に国民は悩んでしまうのです。

 共産党の小池氏も語っていたように、現在大飯原発2基しか稼動していなくても日本は大丈夫だった。現在原発ゼロでも日本はやっていけることを証明してしまった、しかも地震列島でもある。さらに言えば、放射能廃棄物の処理はトイレのないマンションと同じで、原発を2030年代まで稼動した時に、その膨大な放射性物質の処理管理はどうするのか。あまりに無責任と言えるのではないでしょうか?どっちが非現実的か、という議論はもっと行われるべきでした。

 このように「原発即時ゼロ」論は「現実的ではない」論の壁にぶつかっています。それが「脱原発」論という曖昧な「論」によって、現実的には原発容認、日米軍事同盟容認となり、その被害者は、国民という構図が浮かび上がってくることにならないでしょうか?

 このことは「原則」論が「現実」論とぶつかり、「原則」論を覆い隠すか、無視するか、という「現実」が横行するのです。しかし、こうした「事実」が政治の政界で度重なってはいるものの、一貫して「原則」を具体化するというベクトルは働かない、働かせないベクトルがあることを強調しなければなりません。

 「突き詰めれば命か経済か。何を大切にする社会を次の世代に手渡すか分岐点」(愛媛)であるから「乱立する政党や候補者たちが、どのような原発政策を構想し、その実現に向けどう道筋を示すか、主権者として見極めたい。それは、今も福島原発事故の放射能災害に苦しんでいる人たち、そして次の世代に対する責任だ。  決して、時計の針を戻してはならない」(愛媛)。と述べていますが、原発即時ゼロか、脱原発か、卒原発か、その立場は、この文章からは見えてきません。有権者に委ねているのでしょう。

 その点で言えば、「景気や雇用、地球環境、核不拡散など多角的な視点」「外交・安全保障の観点」(読売)を優先する視点と「脱原発路線は国力の衰退に直結し、ひいては有権者も欺く」(産経)から、「有権者には、千年に1度の大津波で被災した福島第1原子力発電所の事故と、国の将来を左右するエネルギー政策を切り分けて冷静に判断してもらいたい」(産経)という願いは原発推進派の危機感と福島県民、ひいては国民の命を安全、暮らしをどのように考えているか、象徴していないでしょうか?

 東電、米国の9倍で購入吉井議員 LNG価格を指摘2012年7月28日(土)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-07-28/2012072804_03_1.html

[社会]「原発ゼロと衆院選 現実見ぬ選択では国滅ぶ」(産経社説)に反論する~世界的特異点である日本列島に原発を立地する経済的合理性も科学的合理性もない

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20121120/1353391589

 地震国ニッポン、巨大地震がいつ起こるか判らないニッポン。原発は「安全」「経済的」とウソをついて、ゴマカシ、批判者を孤立させ、或いは黙殺してはじめて成り立った「原発安全神話」論によって建設された、いわば豆腐の上の原発が、東日本大震災で、瞬く間にウソをバレてしまったにもかかわらず、未だウソをつき、ゴマカスのです。

 実際に多くの国民が、とりわけ福島県民とホットスポット地域の住民や「風評被害」に遭遇させられたか、それらの国民の被害などは黙殺し、さらに放射能汚染問題は、国際問題でもあるにもかかわらず、これらの「現実」を覆い隠し、経済優先主義で、原発ゼロは「無責任」と非難し、「脅す」のです。石原「日本維新の会」代表などは「小異」として「中央集権体制打破」の方が大きいとウソブクのです。

 以上の視点でみると、「原発即時ゼロ」「脱原発」「卒原発」論のどれが、「現実」を踏まえた「原則」論か、明瞭ではないでしょうか?「脱原発」論では一致するものの、2039年までは原発を稼動していくという、「脱原発」論から10年後にゼロを目指すという政党から、10年後に結論を出すという政党まで様々です。

http://coalitionagainstnukes.jp/?page_id=1855

 これらが、どのような「原則」と「現実」を踏まえて出されたか、マスコミは検証して、国民に資料を提供すべきです。またマスコミ各社の社説も、上から目線を排して、「各党」の「論」を具体的に論じるようにしていただきたいものです。

 今日の段階で、選挙戦にかかわって、社説がいくつか書かれていますので、一覧しておきます。

 読売エネルギー政策 「脱原発」の大衆迎合を排せ (11月25日付)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121124-OYT1T01136.htm

日経 二者択一を超えた原発論議深めよ 2012/11/24

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO48765690U2A121C1PE8000/

産経 「卒原発」新党 国の未来に責任持てるか 2012.11.28 03:16

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121128/stt12112803170006-n1.htm

東京・中日 脱原発」新党 民意のよき受け皿に 2012年11月28日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012112802000128.html

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012112802000103.html

信濃毎日 嘉田新党 脱原発の基軸となるか  11月28日(水)

http://www.shinmai.co.jp/news/20121128/KT121127ETI090005000.php

福井 「脱原発」嘉田新党 スローガン選挙はご免だ (2012年11月28日午前7時03分)

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/38262.html

京都 嘉田新党  原発論争の活性化期待 [2012年11月28日掲載]

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html

神戸 「脱原発」勢力/新たな軸を生み出せるか 2012/11/27

http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201211/0005557333.shtml

中国 '12衆院選・未来の党結成へ 「卒原発」道筋どう示す '12/11/28

愛媛 脱原発へ 時計の針を戻してはならない 2012年11月20日(火)

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201211204578.html

高知 【エネルギー・12衆院選】「脱原発」への道筋を示せ2012年11月27日08時23分

http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=296010&nwIW=1&nwVt=knd

琉球新報 嘉田新党結成へ 脱原発の受け皿は必要だ2012年11月28日 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-199722-storytopic-11.html

南日本 [脱原発結集] 生き残り策にはするな( 11/28 付 )

http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201211&storyid=44742

 

次に日米軍事同盟について、最近の社説を一覧しておきます。

 ここで最大の問題は、「裏返せば、再発防止策を外出禁止令に頼らざるを得ない、日米両政府の限界を露呈しているとも言える…夜間外出禁止令が発動される沖縄の現状は、非常事態が常態化しているというほかなく、極めて異常というしかない。 日本の安全を守るはずの米軍が、県民の生命と安全を脅かしている。本末転倒も極まれるとはこのこと」(琉球新報

と言いながら、また

「県民の生命・財産が日常的に脅かされている現状を放置することは、許されない…従来のような再発防止策ではもはや事件を防ぐことができないと言うべき」(沖縄タイムス)と米軍基地の限界を述べながら、「過重な基地負担を解消し、米軍や米兵の特権を保障する日米地位協定を抜本的に見直すことが、米兵犯罪を抑止する最大の再発防止策となる。 日米両政府は「非常事態」から目をそらすのではなく、米軍、米兵の「特権」扱いにこそメスを入れるべき」(琉球新報

と言ってしまっているのです。これこそ、「その場しのぎのパフォーマンスであり、本質的な問題解決には遠く及ばないと指摘せざるを得ない」(琉球新報)と言わなければならないのではないでしょうか?

 何故沖縄が、「その場しのぎのパフォーマンス」に陥っているか、それは「経済的に強固な関係を築くことは、安全保障につながる。石原氏が主張する旧来型の軍事的抑止力に過度に依存した安全保障観では、軍拡競争にはまり、地域秩序を不安定にするだけだ」(沖縄タイムス)との指摘に端的にみることができます。「軍事的抑止力に過渡に依存」という視点こそ、自縄自縛に陥った沖縄の、日本の世論を代表しているのではないでしょうか?

 このことは「在日米軍の存在が、実質的に抑止力の担保になり、アジア太平洋地域の安定に寄与しているとの意見もある。だが米兵による事件や事故が基地周辺で相次げば、地域世論の悪化を招き、基地運用自体にも影響を与える可能性がある。駐留の足場となっている基地と地域の関係のあり方についても、選挙戦を通じてもっと議論されていいのではないか」(神奈川)などと第三者的評論家的社説に端的に示されているのではないでしょうか?国家主権・国民主権、日本国憲法を何と考えているか、疑わざるを得ません。

 以上のような第三者的態度は、以下のような「上から目線」となってしまうのです。

「日本の東アジア外交は危機的である。同地域の緊張は、沖縄に米軍基地を集中させる政府の口実になっており、沖縄とも密接に関係する。 次期政権は東アジア外交の立て直しが急務だ。相手があり、簡単にはいかないだろうが、衆院選に臨む各党は、その処方箋を公約で示してもらいたい」(沖縄タイムス

 「日本政府が一貫して負うべき課題である。失政の追及で論議を終わらせず、2国間を取り巻く課題をどう解決していくか、選挙戦では前向きな主張を掲げて競ってほしい…神奈川県民は外交安全保障政策の足場を地元で引き受ける当事者だ。基地運用の透明化、地域社会との円滑な関係構築についての処方箋を示すのが、責任ある政党の姿だろう」(神奈川)。

 このような「上から目線」は、日米軍事同盟容認論が根底にあります。これを前提にすると、以下のような「脅し」的発想で、日米軍事同盟廃棄派が多数になることを防ごうとするする意見になってしまうのです。

 「繰り返される事件事故に沖縄では、日米地位協定の改定を求める声が高まっている。那覇市議会は『沖縄は米軍の占領下だという意識が根底にあり、地位協定に守られている特権意識とともに、事件を誘発している』と批判する決議を出した。 決議はさらに沖縄県民の怒りは沸点に達しているとし、反基地感情が『島ぐるみの闘争に発展しかねない』と警告した」(南日本)のようになってしまうのです。

 こうした「現実」論では、この間の「事件」「事故」発生という「現実」が示すように沖縄県民、日本国民の負担、命と財産、暮らしは守れないことは明らかではないでしょうか?

 「原則」に即して、「現実」を直視し、如何にして国民の生命・財産を守り、安全を保障し、安心を提供していくか、これは国民の幸福追求権の具体化と言えます。これこそが「原則」と言えるのではないでしょうか?この「原則」の具体化のためにどう対応するか。それを、あれこれの「現実」論によって、「原則」論を後景に追いやってしまうことが、どのような「現実」をつくりだしているか、今後もこのことを追及していきたいと思います。

 

以下社説を掲載しておきます。

 デーリー東北新聞 米兵夜間外出禁止令 地道に信頼を得る努力を(2012/11/25)

http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/jiten/jihyo/weekjihy.htm

神奈川 米軍基地問題 2012年11月28日

http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1211280001/

南日本新聞 [また米軍人事件] 危機感の欠如は深刻だ (11/22 付)

http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201211&storyid=44600

琉球新報 米軍民間地巡回 「特権」解消に踏み出せ 2012年11月23日

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-199536-storytopic-11.html

沖縄タイムス [東アジア外交]どうしたいか構想示せ 2012年11月22日 09時26分http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-22_41832

沖縄タイムス [東アジア外交]どうしたいか構想示せ 2012年11月22日 09時26分http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-22_41832

沖縄タイムス [埋め立て申請先送り]「辺野古の呪縛」を解け 20121125 1000

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-25_41981

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。