路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・06.16】:石丸伸二氏が「座右の銘」に込めた意味 渋谷の街頭演説で聴衆と一体化した姿に重なったのは…

2024-06-24 07:45:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・06.16】:石丸伸二氏が「座右の銘」に込めた意味 渋谷の街頭演説で聴衆と一体化した姿に重なったのは…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・06.16】:石丸伸二氏が「座右の銘」に込めた意味 渋谷の街頭演説で聴衆と一体化した姿に重なったのは… 

 東京都知事選(7月7日投開票)の告示が6月20日に迫った。前回の22人から倍増以上となる約50人が、これまでに立候補を表明している。3選を目指し出馬する現職小池百合子知事(71)の、2期8年にわたる小池都政に対する「信任投票」という側面が1つのテーマとなる中、小池氏が6月12日に3選出馬を表明して以降、告示に向けた「序章」の活動が本格化してきた。

 5月末の表明から3週間近くになる蓮舫参院議員(56)は週末の街頭演説や視察を繰り返し、14日には日本外国特派員協会で会見し、欧米、アジアのメディアからも質問が飛んだ。事業仕分けの「必殺仕分け人」と呼ばれたが、現都政の予算に含まれる補助金の流れが不透明として「ブラックボックスをあけたい」と意欲を示し、「小池都政のリセット」を掲げた出馬会見以降、小池氏に攻め込もうとする姿が強くにじむ。

 その小池氏は、蓮舫氏の挑発も正面からは受け止めず、わが道を行く作戦のように感じる。選挙期間中の街頭演説も予定するが、現職として公務を優先するため、自身の2期8年の取り組みは生成AIを使った「AIゆりこ」で訴えるとし、朝夜2回のX(旧ツイッター)への投稿を開始。学歴詐称疑惑などネガティブな話題への追及を避けたいのではと、うがった見方もあるが、「現職の強みを知り尽くしている」(永田町関係者)小池氏を軸にした戦いになるのは確かだ。

東京都知事選出馬表明後、初の街頭演説を渋谷スクランブル交差点付近で行った前安芸高田市長の石丸伸二氏(2024年6月15日撮影)
東京都知事選出馬表明後、初の街頭演説を渋谷スクランブル交差点付近で行った前安芸高田市長の石丸伸二氏(2024年6月15日撮影)

 そんな中、6月15日、話題の候補が出馬表明後、初めて東京の有権者の前に登場した。歯に衣(きぬ)着せぬ発言も含めて注目された広島県安芸高田市の市長を1期で退任した石丸伸二氏(41)。初街頭に選んだのは、渋谷のスクランブル交差点前だった。

 取材に出向くと、開始時間前から大勢の聴衆に囲まれ写真撮影に応じている石丸氏がいた。演説が始まるとその数はどんどん増え、道行く人も足を止めて携帯電話のカメラを向けていた。この日のために、東京以外の地域から駆けつけたという人もかなり多かった。

 石丸氏は、選挙カーの上から交差点の全方位に体を向けながら訴えを続けた。肌感覚では、最終的に集まったのは1000人近かったのではないか。渋谷での大聴衆の選挙演説といえば、2001年自民党総裁選に立候補した小泉純一郎氏と応援団の田中真紀子氏の登場に数千人が集まったことがあるが、聴衆の数は及ばなくても、あの時と同じような「熱気」だった。

 100年に1度の大規模開発が進む渋谷を自ら初街頭の場に選んだ理由は、「東京の再建」を掲げたことで納得した。「人生で大事なことはだいたい漫画から学んだ」という石丸氏は、座右の銘を問われ、アニメや映画にもなった漫画「攻殻機動隊」に出てくる「世の中に不満があるなら自分を変えろ」を挙げ、さらに「思いの共有」を呼びかけた。「私たちは変えられると信じ、みんなでやっていこう」とも呼びかけた。

2016年7月、東京都知事選 選挙カー前に集まった聴衆の握手攻めに応える小池百合子氏
2016年7月、東京都知事選 選挙カー前に集まった聴衆の握手攻めに応える小池百合子氏

 言葉を重ね、聴衆を巻き込んでいく石丸氏。れいわ新選組の山本太郎代表のスタイルにも通じるが、他にもどこかで見た覚えがある。8年前、小池氏が最初に都知事選に出馬した時の姿だ。小池氏は当時、勝負カラーの緑のグッズを持参するよう聴衆に呼びかけ、タオルやキュウリなどの野菜も手にした聴衆を巻き込んだ選挙戦を展開した。当初は不利とみられたが、聴衆の「共感」を得ることで小池氏は圧勝で初当選した。

 その小池氏は「大義と共感」というフレーズをよく口にする。大義がなければ政策にならず、そこに共感がなければ政策は浸透しないという意味だが、約1時間に及んだ石丸氏の訴えを取材して感じたのは、演説を聴く人に、自身の思いを共有してほしいと訴える姿。選挙戦になれば具体的な政策を語ることになるが、「みなさんには『責任』を求めたい」とも呼びかけていた。

 選挙では一方的に自分の政策を訴え支持を呼びかけることが多いが、そこでどう共感を得ていけるかが、大きな鍵となる。訴えの内容や立場こそ違っても、聴衆の「共感」を呼び込もうとする石丸氏の訴えには、「小池劇場」と呼ばれた8年前のスタイルと似た部分を感じる。その小池都政について石丸氏に問うと「2期8年の間に東京が動いていたのかなという問題提起を、『東京を動かそう』というキャッチフレーズに込めた」と話していた。

 SNSを通じて全国的に話題になった石丸氏だが、今後はリアルの街頭演説も本格化するようだ。陣営関係者によるとボランティアを希望する人が相次いでいて、渋谷街頭後に開いたボランティア説明会には1000人近くが集まったといい、「台風の目」になりそうな様相だ。石丸氏を含めた候補者がスタートを切る都知事選の告示は、もうまもなくだ。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年06月16日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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