路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・06.02】:水面下の神経戦…小池百合子知事が青い服に託した都知事選3選出馬への心境とは

2024-06-24 07:45:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・06.02】:水面下の神経戦…小池百合子知事が青い服に託した都知事選3選出馬への心境とは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・06.02】:水面下の神経戦…小池百合子知事が青い服に託した都知事選3選出馬への心境とは 

 今年の七夕に行われる一大政治決戦、東京都知事選(6月20日告示、7月7日)が一気に動き始めた。これまで都知事選のたびに名前が浮上しながら出なかった立憲民主党の蓮舫参院議員(56)の電撃出馬表明で、雰囲気が激変した。蓮舫氏が「非小池都政」と掲げ、現職の小池百合子都知事(71)との対決姿勢をこれでもかというくらいにみせ、蓮舫氏と小池氏の対立構図が、選挙戦のひとつの肝になろうとしている。

都議会本会議終了後、取材に応じる小池百合子都知事(2024年5月29日撮影)
都議会本会議終了後、取材に応じる小池百合子都知事(2024年5月29日撮影)

 その小池氏は、国政復帰の臆測もたびたび浮上したが、国政復帰への衆院選のタイミングは自力ではどうにもならず、政策の打ち出し方などを見ても、最近は3選出馬が既定路線とみられてきた。蓮舫氏にケンカを売られた格好の小池氏は、都議会開会日に何らか出馬について触れるとみられたが、触れなかった。蓮舫氏の動きが少なからず影響したとみる向きは多い。

 ただ、所信表明の演説を読むと、冒頭から「全身全霊で臨んだの8年間の都政」のタイトルを付けて自身の実績を強調し、その後も「今必要なのは、都政の動きを加速化していくこと」「為すべきは、東京をさらに磨き上げること」など、今後を見据えた思いがにじんだ内容になっていた。

 当日の小池氏は、水色の格子柄のジャケットを着ていた。この色をみて「出馬表明はない」と思った人は、多かった。小池氏の勝負カラーは、これまで緑だった。最初に都知事選に出馬した2016年の会見でも黄緑系のインナーを着ていたし、国会議員時代の選挙でも同様だった。

 一方、青を着た小池氏は「静寂な気持ち」を吐露したことがある。都知事となって初めて都庁に足を踏み入れた時は緑色ではなく、ジャケットの下は青のインナーだった。知事室で知事のいすに座った時、その理由を問うと「緑の服は戦闘服。戦いは終わった。ブルーオーシャンの静かな気持ちで、都政に臨みたい」と語った。

 経済用語で、競争相手がひしめく市場を「レッドオーシャン」というのに対し、競争相手が存在せず、開拓されていない市場のことを「ブルーオーシャン」という表現をする。小池氏は当時、そうしたたとえを引き合いに自身の立ち位置を説明した。5月29日の都議会での服装を見ながら、当時のことを思い出した。

就任当日、職員に訓示を行う小池百合子都知事(2016年8月2日撮影)
就任当日、職員に訓示を行う小池百合子都知事(2016年8月2日撮影) 

 都議会開会日の翌日はエメラルドグリーンの上着になり、その翌日の定例会見では黒系に。今は緑はおろか、青からもどんどん離れていっている。

 8年前、小池氏は2016年の出馬表明時、所属していた自民党に報告せず、ケンカを売るような形で都知事選に強行出馬した。当然自民党は激怒し対立候補をぶつけてくるわけだが、がけから飛び降りてでも自分で風を起こすという「本気度」が有権者に伝わり、選挙戦は小池劇場一色に。「挑戦する時は退路を断つのが、私の生きざまだ」と言い切っていた。

 当時の出馬表明会見で、小池氏は都知事選での公約を公表し「都議会の冒頭解散」「都政の利権追及チーム設立」など、自民党への対決姿勢むき出しの過激な内容を掲げた。「自民党は家族的で素晴らしい政党だが、都連は改革が必要。ブラックボックスのよう」と批判したが、この8年の間に、対立した当時の都連幹部も都議会を去り、激しい対立構図は徐々に消えた。派閥パーティーをめぐる裏金事件で候補者擁立が困難な自民党は、小池氏と歩調を合わせるしかなく、蓮舫氏から「自民返り」と指摘される原因に。小池氏の3選出馬の場合の自民党との距離感はこれまで以上に厳しく見られることになる。

 一方、小池氏はこれまで、節目節目でよくも悪くも相手を「出し抜く」ような対応をみせることで、状況の変化を生み出してきた。都知事選に3選出馬すればてごわいライバルの1人となると見込まれる蓮舫氏は、小池氏の出方をにらみながら選挙で打ち出す公約の精査を続けている。戦略といわれればそれまでだが、8年前の小池氏がみせた腹のすわり方に比べたら、少し物足りない気もする。

 その蓮舫氏は6月に入り、この週末に現場視察や街頭演説の日程を入れ、「空中戦」を意識したような活動も始めた。そして小池氏は今週、都議会本会議で各会派の議員から質問を受ける場に臨む。22人が立候補した前回を上回る立候補者が確実視される今回の都知事選。告示まですでに3週間を切ったが、水面下での神経戦のさなかにある。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年06月02日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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