路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説②》:部活動指導者の暴力 教育どころか人権侵害だ

2022-05-14 02:03:40 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・家庭での虐待・いじめによる自殺・児相】

《社説②》:部活動指導者の暴力 教育どころか人権侵害だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:部活動指導者の暴力 教育どころか人権侵害だ

 もはや教育ではなく、人権侵害と言わざるを得ない。熊本県の私立秀岳館高校サッカー部で起きた指導者の暴力問題だ。

 30代の男性コーチが部員を殴ったり、蹴ったりしている動画がネット交流サービス(SNS)に投稿され、瞬く間に拡散した。別の部員がひそかに撮影したものだ。 

 学校が全校生徒に行ったアンケート調査によると、このコーチによる暴力は24件確認された。

 さらに深刻なのは問題発覚後の対応だ。監督がミーティングで動画を投稿した部員を名指しして「加害者」と呼び、「完全な被害者は俺」と発言した。その音声がネット上に流出した。

 ミーティングの後には、部員11人が並んで「迷惑をかけてしまい、申し訳ありません」などと謝罪する動画が、サッカー部の公式SNSで公開された。撮影には監督が関わっていた。

 動画はすぐに削除されたが、これでは監督が部員を使ってコーチの暴力をもみ消そうとしたとみられても仕方がない。指導者としてあるまじき振る舞いだ。

 背景には部活動を取り巻く封建的な体質がある。同校サッカー部は2014年に全国選手権出場を果たすなど、県内屈指の強豪だ。約200人の部員がおり、寮生活を送る生徒も多い。外部の目が届きにくい環境の中で、激しいレギュラー争いが行われている。

 約20年にわたって部を率いる監督は大きな力を持ち、「校長補佐」の肩書で教頭と同格の立場にある。部員に対する高圧的な態度は、傲慢さの表れではないか。

 部員たちは校内で助けを求めるすべがなく、SNSで被害を訴えるしかないほど追い込まれていたのだろう。暴力のまん延を防げず、生徒を守れなかった学校の責任は極めて重い。 

 暴力や体罰は同校だけの問題ではない。勝利至上主義やスポーツ偏重の傾向が、部活動をゆがめている。

 スポーツ指導の鉄則は信頼関係を築くことにある。選手の目標や考えを尊重しながら、丁寧に助言していく姿勢が重要だ。

 部活動の全国的な改革が検討され、指導者のあり方も問われている。学校現場には「生徒本位」を徹底する努力を改めて求めたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年05月12日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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