《産経抄・03.31》:百害あって一利ない「戦後80年」メッセージ 政治家の思い出作りを英霊喜ばず
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《産経抄・03.31》:百害あって一利ない「戦後80年」メッセージ 政治家の思い出作りを英霊喜ばず
鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)とは、このことか。バスがその山の頂上付近に着くや否や、澄み切っていた青空が一天にわかに搔(か)き曇った。強風が容赦なく降り立った人々の顔をたたいたが、祈りをささげると、風はぴたりとやんだ。
天山慰霊碑前で行われた硫黄島戦没者慰霊追悼顕彰式で献水する石破茂首相=29日午後1時32分、東京都小笠原村(代表撮影)
▼20年ほど前、硫黄島を訪ねた。上陸した米海兵隊員が、両軍あわせ途方もない死傷者を出した末に星条旗を立てた摺鉢(すりばち)山の光景は、一生忘れまい。自衛官に案内され、日本軍が立てこもった壕(ごう)のほんの入り口に足を踏み入れたが、サウナ風呂のような暑さだった。眼鏡はすぐ曇り、3分といられなかった。
▼クリント・イーストウッドが、メガホンをとった「硫黄島からの手紙」は、なかなかの佳品だったが、壕内の「暑さ」は伝わってこなかった。劣悪という表現では、とても書き尽くせない環境下で戦った英霊たちには、頭(こうべ)を垂れるしかない。
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元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】 2025年03月31日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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