【政界地獄耳・03.18】:石破降ろしは旧安倍派の復権につながる いまだ整理されていない「政治とカネ」
『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・03.18】:石破降ろしは旧安倍派の復権につながる いまだ整理されていない「政治とカネ」
★シグナルは十分発信されていたはずだ。3日、自民党の山田賢司は衆院予算委員会で、高校授業料無償化について「『無償化』という言葉を使うが、正しくは『税負担化』というべきだと思っている。従来、保護者が払っていた授業料を納税者の負担に切り替えていくだけのことだ」と無償化は国民全体の利益どころか国民負担になると指摘した。党内では少数与党としての譲歩が繰り返されるが、党の政策としての議論が足りず、生煮えのまま政局化してることへの不満がある。
★9日の自民党大会では元経済安保相・小林鷹之が「『楽しい日本』をつくるための具体的な道筋があまり感じられなかった」「政策の意思決定が二転三転している」と党内議論と国民への説明が不足していると記者団に語っている。返せば幹事長・森山裕に任せっぱなしでいいのか、安全運転ばかりで石破自身の政策は何かがわからないという党内の不満を代弁した形だ。保守派2人の指摘は極めてまっとうだが、24年の1年間で党員が6万人あまり減ったのは「政治とカネ」がいまだ整理されていない不満が党員や国民の中に根強くあるという証しでもある。
★12日の自民党参院議員総会で参院議員・西田昌司は「(7月に)参院選があるが今の体制では戦えない。党総裁選ができる体制を作ってもらいたい」と石破降ろしの口火を切り、14日には「予算を通したら、もう使命を果たしたのだから、退陣されるのが正解だ」と首相の10万円配布問題で畳みかけたが、立憲民主党代表・野田佳彦が「徹底して説明を求める。内閣不信任決議案提出や退陣を求める声があるが、私は簡単に求めない」としたことで沈静化の方向だ。ただこの10万円問題に自民党が敏感に反応したことが興味深い。西田がそこまで政治とカネの浄化に熱心とは思わなかった。「裏ガネ議員が10万円は許さんというのだから、自民党はこれから西田さんを見習えば良い。それでも参院選に勝てないというならあなたが引退すればいい」とは党内若手の声だ。石破降ろしは旧安倍派の復権につながると思うと、ちゅうちょする気持ちもわかる。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2025年03月18日 07:48:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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