路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・05.26】:選挙の話題は夜開く…静岡県知事選が岸田政権の解散戦略にも影響?重鎮の夜会合で語られたこと

2024-06-10 07:45:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【中山知子の取材備忘録・05.26】:選挙の話題は夜開く…静岡県知事選が岸田政権の解散戦略にも影響?重鎮の夜会合で語られたこと

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・05.26】:選挙の話題は夜開く…静岡県知事選が岸田政権の解散戦略にも影響?重鎮の夜会合で語られたこと 

 日本の政治は「夜に動く」といわれてきた。かつて、政治記者にとっていちばん重要なのは「夜会合」の把握だと聞いたことがある。政治家の夜会合への意識やコロナ禍の影響による世の中の流れもあり、以前とは雰囲気はずいぶん変わったと聞くが、そんな夜会合の1つが5月14日、東京都内の老舗料亭で行われた。

小泉元首相らとの会食後、店を後にする山崎拓・元自民党副総裁。左は武部勤・元自民党幹事長(2024年5月14日撮影)
小泉元首相らとの会食後、店を後にする山崎拓・元自民党副総裁。左は武部勤・元自民党幹事長(2024年5月14日撮影)

 小泉純一郎元首相や山崎拓・元自民党副総裁などかつて日本政治を動かした面々が参加した小泉政権の同窓会。定期的に開催され、通常、必ず現職を招くといい、今回は常連メンバーの二階敏博元幹事長が入院していることなどから、今秋の自民党総裁選への出馬が取りざたされる石破茂元幹事長に声がかかり、初めてゲスト参加する形となった。

 元首相や、かつて永田町を牛耳ったベテラン元議員らの集った会合は、文字通りの「同窓会」。今の政治情勢に大きな影響を及ぼすものではないが、今後の展望に関していくつかのヒントが内蔵されていた。

 会合後のスポークスマン役を務める山崎氏の口からは、岸田文雄首相への前向きな評価はほとんど聞かれなかったが、秋の自民党総裁選など今後の政治の流れへの予測については語られた。今後の政治を読み解く上での鍵となるのは、きょう26日に投開票される静岡県知事選だと話しておられた。

 「静岡の県知事選で自民党が勝てば、必ず解散になるだろうと。負ければ解散できない。自民党総裁選にまっすぐ行っちゃう」。そんな認識が出席者の間で共有されたという。

 川勝平太氏の「失言」に端を発した辞職に伴う静岡県知事選には、6人が立候補。情勢に関しては、これまでさまざまな情報が永田町で飛び交ってきた。総じては、自民党と、立憲民主党&国民民主党がそれぞれ推薦する無所属新人の2候補が競り合っているというものだ。

 自民党裏金事件が起きてからというもの、自民党は今年2月の保守王国・群馬の県庁所在地、前橋市長選で推薦した現職が無所属新人に敗れたり、4月の衆院3補選でも保守王国・島根での大敗と2選挙区での不戦敗で3戦全敗。先週投開票された小田原市長選でも、自民党などが推薦した現職が前市長に敗れる波乱が起きた。自民党、ひいてはトップの岸田首相にはすっかり「選挙に勝てない」というイメージがついてしまった。静岡に関しては、静岡選出の自民党議員に裏金問題や女性問題などさまざまな話題が噴出。初の女性首相候補との声も出始めた上川陽子外相の「うむ」発言の撤回もあり、「鬼門」(自民党関係者)との声もあるようだ。

 国政選挙の結果が時の首相の進退に影響することは多いが、自治体の首長選挙など地方選挙の結果がそこに直結したケースも少なくない。2009年の東京都議選では麻生太郎首相(当時、現自民党副総裁)は、衆院選の直前に行われた東京都議選で、当時の民主党に敗北。その直後の衆院選で惨敗し、政権を失った。直近では、菅義偉前首相が2021年春の補選と再選挙で3戦全敗し、その後の地元・横浜市長選で支援した自民候補が大敗。結果的に総裁選出馬を断念し、退陣した。

 与野党対決の形になっている静岡県知事選についても注目される選挙だけに、岸田政権にとって「国政選挙ではない」と無視できるものではなく、結果が良ければ体力を増し、悪ければそぐきっかけになるとの見方は少なくない。

 今年7月には首都東京で都知事選が予定される。自民党は昨年秋以降、東京都内の選挙で連敗し、その後、小池百合子都知事とのコラボで乗り切った経緯がある。既定路線だった都知事選3選挙出馬へ小池氏はすでに動き始めているが、自民党関係者によると、都議会自民党で小池氏支援に異論を唱える向きはない。恒例になりつつある小池氏とのコラボ路線も踏まえ、他力にすがってでも「負けない選挙」を模索するなど、苦しい対応を余儀なくされている。

 一方で、永田町では夏の衆院選への臆測も飛び交う。真偽不明だが、「噂話」と題され「8月選挙」を予測した文書まで、少し前に関係者の間に流れた。こうした「うわさ」ではなく、多くの経験を踏まえて今の永田町を俯瞰(ふかん)するベテランたちが、夜会合で見立てた静岡県知事選の結果、そしてその先の政治は、どう動いていくのだろうか。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年05月26日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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