路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説②】:クーデター3年 民主ミャンマーに戻せ

2024-01-31 07:25:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

【社説②】:クーデター3年 民主ミャンマーに戻せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:クーデター3年 民主ミャンマーに戻せ

 ミャンマー国軍によるクーデターから2月1日で3年。国軍は非常事態宣言をさらに半年間延長するとみられるが、少数民族などとの内戦では劣勢だ。犠牲者は増加し、国土荒廃が進む。即時停戦して民主派に政権を返すべきだ。

 国軍が苦境に陥ったのは昨年10月末。中国と国境を接する北東部で少数民族武装勢力が蜂起し、400以上の国軍拠点を占拠した。戦闘は各地に拡大。中国が仲介して一時休戦で合意した後も、戦闘は続く。3年間で4500人近い市民が国軍に殺害され、避難民は約230万人に上る。
 
 国民生活は窮乏の一方だ。ミャンマーの消費者物価は、1年間で3割上昇。日本製軽自動車の中古車が500万円するという。ガソリンは1リットル約190円で過去最高水準。1人当たり国内総生産(GDP)が約16万円という同国経済の混乱は極限に達している。
 
 
 政変前の政権トップだった民主派指導者アウンサンスーチー氏=写真=は、懲役27年の判決を受けて拘束中。同氏が率い、与党だった国民民主連盟(NLD)は昨年、解散させられた。
 
 ただ国軍も疲弊している。多数の兵士が死傷し、少数民族側に投降した部隊も。35万人とされた国軍勢力は「半減した」との分析もある。人的損失の大きい地上戦より空爆が多用されていることから部隊の士気低下もうかがえる。
 
 国軍のミンアウンフライン総司令官は年内に国勢調査を実施した後、総選挙で選ばれた政府に職務を引き渡す-とし、「民政移管」の体裁を望む。だが、現状では公正な選挙は望めそうにない。
 
 中国が休戦交渉に前向きなのはインド洋への要衝としてミャンマーを重視しているからだ。一方、反国軍の民主派組織・挙国一致政府(NUG)も台湾は中国の一部という「一つの中国」の原則を支持して中国接近を試みており、地域での中国の重みが増している。
 
 日本は昨年、議長を務めた広島での先進7カ国(G7)首脳会議や、東南アジア諸国連合(ASEAN)との交流50年を記念して東京で開いた日ASEAN特別首脳会議でミャンマー問題に踏み込まなかった。アジアの民主主義国家として、日本の存在感の希薄化が進んでいることを懸念する。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月31日  07:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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