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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【片渕須直監督】:若い世代に「疑問持ち答え見つけにいって」戦後80年「この世界の片隅に」9年ぶり上映

2025-08-13 06:01:00 | 【第二次世界大戦・軍部の功罪・戦後80年・靖国神社・東京大空襲他の犠牲者への補償

【片渕須直監督】:若い世代に「疑問持ち答え見つけにいって」戦後80年「この世界の片隅に」9年ぶり上映

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【片渕須直監督】:若い世代に「疑問持ち答え見つけにいって」戦後80年「この世界の片隅に」9年ぶり上映 

 戦後80年を迎え戦争体験者が減っていく中、戦争の事実や悲惨さを次世代にどう伝えていけばいいかという課題に直面している。そんな中、戦時中の日常を描いて大ヒットした2016年(平28)公開のアニメ映画「この世界の片隅に」が9年ぶりに全国でリバイバル上映されている。片渕須直監督(64)が日刊スポーツの取材に応じ、今は戦争を知らない若い世代が「疑問を持って自分で答えを見つけにいく時代」だと訴えた。【取材・構成=村上幸将】

映画「この世界の片隅に」のリバイバル上映に合わせ、インタビューに応じる片渕須直監督(撮影・野上伸悟)
映画「この世界の片隅に」のリバイバル上映に合わせ、インタビューに応じる片渕須直監督(撮影・野上伸悟)
終戦80年を迎え、8月1日から全国で期間限定での再上映がスタートした「この世界の片隅に」(C)2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会
終戦80年を迎え、8月1日から全国で期間限定での再上映がスタートした「この世界の片隅に」(C)2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会
終戦80年を迎え、8月1日から全国で期間限定での再上映がスタートした「この世界の片隅に」(C)2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会
終戦80年を迎え、8月1日から全国で期間限定での再上映がスタートした「この世界の片隅に」(C)2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会

           ◇   ◇   ◇

 2日に都内で行われた映画の舞台あいさつで、片渕監督は主演の、のん(32)に投げかけるつもりだった「幸せとは何か?」という質問を「今は聞く時期じゃない」と外した。16年に封切られた際は、戦時中が舞台ながら、かけがえのない日常と小さな幸せを描いたことが感動を呼び、興業収入27億円と大ヒットした。物語のラストで20歳だった主人公すずも、終戦80年を迎えた今年は100歳。「リアルに語る世代が遠のいている危機感」がある中でのリバイバル上映は望んでいたことだったが、片渕監督は世の中の変容を感じていた。

 「すずさんは絶対に明るい未来を迎えているだろうと公開時は皆、思ったんですよ。今は、そう思えない。自分たちが明るい未来を迎えられると思っていないから。お米は高くなるし…」 

 片渕監督自身、戦争を知らない世代だが公開当時、90代の女性から「今まで見た映画やドラマの中で一番、当時の空気感があった。生きていた自分たちの存在証明」と言われた。

 「映画を作り始めたのは10年で物語を完成させたのは12年…。ここまで再現できたのは、理解する根拠を得られたから。きちんとした土台を現実から拾い、考える基礎を作るための1つの方法を示す術が、この映画。戦後生まれの我々が、どうやって作ったか。その方法論を皆さんが考え、自分のものにして欲しい」

 戦争体験者がいなくなっていくことへの危機感がささやかれている中、やるべきことがあると指し示す。

 「語り部の方が今まで、たくさん語ってくださったことは消えてしまったのか? 何らかの形で記録されているなら読めばいいじゃないか。そうすれば、戦争中の時代は理解できないほど遠いものにならない」

 劇中に「海の向こうから来たお米、大豆…そんなんでできとるんじゃろうなあ、うちは」というセリフがある。海外の植民地から食料を輸入していたことを知り、戦争の被害者でありながら加害者でもあったことを、すずが自認する。このセリフを含め「作品で説明されていないことを、あれは何か? と疑問を持って、自分で答えを見つけにいっていただきたい」と呼びかける。

 その裏には、SNS社会が進み、大量の情報が押し寄せる中、戦争についても事実よりイメージが先行することへの危機感がある。

 「答えを見つける前に自分の中でイメージを抱いて、勝手に都合のいい答えを作ることができてしまう。まず、そこに謎があり、皆さんが自分で、きちんとした根拠を探して回答として発見して欲しい」 

 ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ自治区ガザへの攻撃など世界各地で紛争が絶えない。片渕監督は「今の戦争は、イメージに流されるかどうかで出発点を作ってしまっているところがあるのではないか?」とも指摘する。

 「すずさんも、政府が配給できないことをごまかすために作った節米法のプロパガンダに乗って楠公飯(なんこうめし)を炊き、家族にマズいと言われた。それが今、世界のいろいろなところで戦争を支えてしまっているのではないか?」

 1つの希望は、若い世代がリバイバル上映に多く足を運んでいることだ。「高校生やお子さんが、どれくらいいるか数えています。それが、自分たちの救いだからです」。片渕監督の瞳の奥が、ひときわ輝いた。

 ◆片渕須直(かたぶち・すなお)

 1960年(昭35)8月10日、大阪府枚方市生まれ。日大芸術学部映画学科在学中から84年のテレビ朝日系アニメ「名探偵ホームズ」に脚本家として参加。スタジオジブリの89年「魔女の宅急便」では演出補。監督・脚本の09年「マイマイ新子と千年の魔法」が話題に。「枕草子」をベースに原作・監督・脚本を手がける映画「つるばみ色のなぎ子たち」を製作中。

 ◆アニメ映画「この世界の片隅に」 

 18歳の浦野すず(声=のん)に縁談が持ち上がり、見知らぬ土地・呉で海軍勤務の文官・北條周作の妻となった。配給が減っていく中、すずは工夫を凝らして毎日、生活していく。45年3月の空襲で大切なものを失うも、前を向いて生きていく。16年11月の公開初日から19年12月まで1133日連続でロングラン上映され、中断日のない連続上映としては日本映画史上最長。興行収入27億円を記録した。19年12月20日には新規場面を追加した「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」も公開された。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・戦後80年・戦時中の日常を描いて大ヒットした2016年(平28)公開のアニメ映画「この世界の片隅に」が9年ぶりに全国でリバイバル上映されている】  2025年08月12日 06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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