路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:救急到着10分超 賢い119番利用広げたい

2024-03-05 07:56:50 | 【医療・病気・地域医療・オンライン診療・診療報酬・薬価・医療事故・医療過誤】

【社説①】:救急到着10分超 賢い119番利用広げたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:救急到着10分超 賢い119番利用広げたい

 「10分の壁」を超えた危機感を共有したい。総務省消防庁のまとめによると、119番通報を受けて、救急車が現場に到着するまでの全国平均時間が2022年、前年比1分近く延び、10・3分になった。救急搬送や医療現場の逼迫(ひっぱく)ぶりを反映している。

 救急車の到着時間はこの20年で4分も遅くなった。遅延化に歯止めがかからぬ原因は、高齢者の増加などに伴い、出動要請の右肩上がりが続くからだ。かねて問題視されているのは、搬送された人の半数弱が、実は軽症だったという事実。消防庁は不要不急の要請を控えるよう再三、啓発するが、その効果は限定的なようだ。
 
 急を要しない119番通報への対応に追われ、真に必要な患者に迅速に対処できない事態に現場は頭を痛めている。救急医療は時間との闘いだ。1分、2分の遅れが患者の命や後遺障害にも影響しかねない。専門家らでつくる日本搬送学会(代表・野口宏愛知医科大名誉教授)が「救急車の有料化」を含めた検討を求めるなど、緊急アピールを発したのは、現場の危機感を代弁していると言える。
 
 傷病者の負傷の程度や重症度に応じて治療の優先順位を決めることを「トリアージ」と呼ぶが、一般市民が自分で判断するのは難しく、危険でもある。救急車を呼ぶべきか、と迷った時の助けになるのが、消防庁が広める電話相談「#7119」だ。しかし、エリアはまだ首都圏などが中心で、中部地方の愛知や三重、静岡、滋賀の各県や北陸3県など広範囲で未実施だ。全国カバーを急ぎたい。
 
 民間の取り組みもある。看護師らが24時間、電話やラインで診療相談に応じる医療ベンチャー、ファストドクター(東京)はトリアージ的な機能を果たし、状況次第では有料で緊急往診やオンライン診療もするという。
 
 新たな試みを始めた自治体もある。津市は、救急対応も担う消防団員を事業所単位で任命する制度を始めた。近くで救急事案が発生した場合、消防本部からの出動指令を受け、救急車が到着するまでの応急手当てをする。第1弾として任命された地元郵便局員14人は講習などを重ねている。
 
 安易な救急車要請も、逆に、個人の判断で救急車を呼ばず、深刻な結果を招くのも問題だ。「賢い119番利用」を社会に浸透させる努力を続けたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月05日  07:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:日産の減額強要 下請けいじめの悪質さ

2024-03-05 07:56:40 | 【経済・産業・企業・IT・ベンチャー・起業・インバウンド(訪日外国人客)事業】

【社説②】:日産の減額強要 下請けいじめの悪質さ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:日産の減額強要 下請けいじめの悪質さ

 下請け業者への納入代金を一方的に減額したのは下請法違反に当たるとして、公正取引委員会(公取委)が近く日産自動車に再発防止を求める勧告を行う。日産には30社以上に減額を要求した疑いがあり、減額分は計約30億円と同法施行以来最高額に上る見通しだ。

 立場の弱い取引先に納入代金の減額を強要したとしたら、日産の経営姿勢は悪質だ。公取委は過去にさかのぼって関係する取引を徹底的に再調査し、法に基づく厳正な処分を行うべきである。
 
 日産は公取委から指摘を受けた事実を認め、「減額分を業者に返した」と説明しているが、返金しただけでは問題を根本的に解決したことにはならない。
 
 日産は、取引停止を恐れる下請け業者は理不尽な要求でも応じることを見越して減額強要を繰り返し、経費削減を図っていた可能性が高い。自動車産業の代表的なメーカーによる法令軽視には、あきれるほかない。
 
 不当な減額要求が数十年に及ぶ疑いも浮上している。下請けいじめが長期間発覚せず、続けられていたとしたら極めて深刻だ。
 
 公取委は近年、大企業が価格転嫁に応じているか、価格交渉の監視を強めているが、念のため自動車業界だけでなく全製造業種を対象に、日産と同様の例がないか調査すべきではないか。
 
 今春闘では、大企業の賃上げを取引先である中小に波及させることが大きな課題となっている。中小の賃上げ実現にはコスト上昇に見合う適正な価格転嫁が必要だ。日産の減額強要は中小の賃上げという社会的要請にも水を差す行為であり、到底許されない。
 
 日産は公取委の調査とは別に、有識者で構成する第三者機関を立ち上げ、全容解明を図ることで社会的責任を果たすべきだ。
 
 国内の製造業は大企業と下請け企業との緊密な協力関係で成り立つ。下請けによる支えがあってこその製造業だ。
 
 日産の経営陣がそうした基本構造を理解していなかったのなら、これを機に企業統治の体制を刷新し、出直すほか道はなかろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月05日  07:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:米国の地理学者で明治期に日本を訪問したエリザ・シドモアは相…

2024-03-05 07:56:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【筆洗】:米国の地理学者で明治期に日本を訪問したエリザ・シドモアは相…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:米国の地理学者で明治期に日本を訪問したエリザ・シドモアは相…

 米国の地理学者で明治期に日本を訪問したエリザ・シドモアは相当な買い物上手だったらしい。お得意の値引き方法について『シドモア日本紀行』に書いている。お店ではとにかく「高い」と日本語で訴えるのだそうだ

 ▼売り手が交渉に乗ってきたなら、なおも「たくさん高い」「オソロシ高い」「途方モナシ、高い」。この妙な日本語がコツで「大げさで古典的表現の日本語を使うと、商人はびっくり仰天し、往々にして値段が下がる効果があります」。ほほ笑ましいやりとりやユーモアが値引きに効果を上げたのだろう

 ▼ユーモアも人情のかけらもない悪質な値引きがあったものである。日産自動車。自動車部品を製造する下請け業者への代金を取り決めていた金額から一方的に引き下げて支払っていたそうだ。違法な減額は30社以上に対し計約30億円に上るという

 ▼コストを抑え込む狙いがあったらしいが、たまらないのは一方的に代金を値切られた下請け業者である。取引を打ち切られる可能性を思えば、こんな因業なやり方にも文句は言いにくかったはずだ

 ▼公正取引委員会が下請法違反(減額の禁止)にあたるとして再発防止を求める勧告を行う方針だそうだ

 ▼日産はうまく値切ったつもりだったかもしれないが、結局、減額分を支払うはめに。おまけに会社の評判や信頼の値も下げた。買い物上手とは縁のない話である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月05日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【視点】:適性評価制度の拡大法案 「地上げ屋」化する政府 論説委員兼編集委員・田原牧

2024-03-05 07:56:20 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【視点】:適性評価制度の拡大法案 「地上げ屋」化する政府 論説委員兼編集委員・田原牧

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点】:適性評価制度の拡大法案 「地上げ屋」化する政府 論説委員兼編集委員・田原牧

 まるで「地上げ屋」だ。

 昨今の政府の手法についてである。今国会で審議されるセキュリティー・クリアランス(適性評価)制度の拡大を含む重要経済安保情報保護・活用法案もその一つだ。
 
 土地取引は原則任意だが、地上げ屋は地権者が土地を手放さざるを得なくなるまで、あの手この手で追い込むブローカーだ。バブル崩壊でついえたと思っていたが、ここ数年、復活しているようだ。
 
 適性評価制度は10年前に施行させた特定秘密保護法で導入された。政府指定の機密情報を扱う有資格者を限定するために、政府機関が思想信条や犯罪歴、借金、精神疾患、飲酒の節度、家族や同居人の国籍などを身辺調査する。
 
 今回は機密情報の範囲を経済分野に拡大するため、従来の公務員主体から民間人に対象が広がる。プライバシー調査ゆえ強制はできず、適性評価を受けることは「任意」。断っても不利益はないという口上が添えられている。
 
 だが、この任意が曲者(くせもの)だ。雇用者と被雇用者の力関係は非対称だ。果たして会社からの要請を従業員が拒めるだろうか。「断るということは何か訳ありなのか」。暗黙の圧力がかかる。少なくとも従来の業務からは外されよう。
 
 似たケースがマイナ保険証だ。元となるマイナカードの取得は任意である。ところがご存じの通り、政府は現行の健康保険証の廃止によってマイナカード取得を事実上、義務化するという挙に出た。
 
 何の不自由もない現行の健康保険証を取り上げることで無理やりマイナカードを取得させようというのである。
 
 建前は任意なので、マイナカードの取得を拒む人には最長5年間有効な資格確認書を発行する。認知症などの人には暗証番号抜きのカードをあてがい、システム環境が整わない地域には「資格情報のお知らせ」という紙を配る。わざわざ面倒をつくるのだ。
 
 適性評価制度もマイナ保険証も、本人意思という任意原則は形式的に維持しつつ、現実には不利益を強いることで経済界におもねった政策を押し付ける。政府の地上げ屋化としか言いようがない。
 
 いわば詐術だが、いまに始まった話ではない。広義には兵器を「防衛装備品」と呼ぶこともその一端だろう。
 
 2004年に自衛隊のイラク派遣を巡り、当時の小泉純一郎首相は党首討論で「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域」とうそぶいた。思えば、あのころからこうした悪弊が加速した印象がある。
 
 あからさまな不誠実と非倫理性。それは社会をも汚染している。へ理屈とはぐらかしに染まっているネット空間での「論争」がその一例だ。
 
 言葉が信用を失えば、その先にあるのは暴力の喚起だ。安倍晋三元首相の殺害もそうした趨勢(すうせい)と無縁ではない。
 
 地上げされるのは私たちである。抗(あらが)い続ける中で言葉と人間同士の信頼を取り戻したい。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】  2024年03月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:子育て支援金 負担の実像 誠実に語れ

2024-03-05 07:55:50 | 【少子化問題(異次元の少子化対策・少母化・婚姻数の激減・長い目での子育て支援

【社説①】:子育て支援金 負担の実像 誠実に語れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:子育て支援金 負担の実像 誠実に語れ

 2023年の出生数が75万8631人(速報値、外国人を含む)と8年連続で過去最少となった。数年遅れて出生数に反映されることが多い婚姻数も90年ぶりに50万組を割った。

 出生数減少は政府予想より10年以上早く進む。加速する少子化を止める対策を実現するには、負担の在り方を含めて誠実に語り、国民の理解を得る必要がある。
 
 政府が国会に提出した少子化対策関連法案の主要な論点は、財源確保策として盛り込んだ「子ども・子育て支援金」。しかし、その実像は明らかだとは言い難い。
 
 支援金は公的医療保険料と併せて企業や個人から集める。26年度から段階的に徴収を始め、28年度には総額1兆円の確保を見込む。年間3兆6千億円を投じる少子化対策財源の一部に充てる。
 
 ただ、岸田文雄首相は「実質的な負担は生じない」と繰り返すため、議論が混乱している。
 
 医療・介護分野の歳出削減と賃上げの範囲内なら支援金の負担は相殺される、との理屈だが、にわかには理解しがたい。
 
 医療・介護分野の歳出増分にはこの分野で働く人の賃上げ分は含まれていない。産業界全体と同じく同分野でも賃上げは当然であり歳出増に含めないというのが政府の説明だが首相が固執する「実質負担ゼロ」のために、無理な理屈を重ねているのではないか。
 
 支援金の負担額もはっきりしない。首相は2月に「1人当たり月平均500円弱」との試算を示したが、加入する医療保険の種類や所得などで計算方法が異なり、個人によって差が出る。
 
 加藤鮎子こども政策担当相は月千円より高くなる事例もあり得ると認めたが、政府は具体的な試算モデルをいまだ示していない。不誠実さが目に余る。
 
 医療や介護、子育て支援など社会保障は、給付と合わせて、負担をどう分かち合うか具体的に示さなければ議論は深まらず、理解を広げることは難しい。
 
 少子化による人口減少は深刻な危機であり、一刻の猶予もない。「実質負担ゼロ」というその場しのぎではとても乗り切れない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月04日  07:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ミャンマー国軍 「徴兵制」即座に撤回を

2024-03-05 07:55:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

【社説②】:ミャンマー国軍 「徴兵制」即座に撤回を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ミャンマー国軍 「徴兵制」即座に撤回を 

 3年前のクーデターで政権を奪取したミャンマー国軍が、「徴兵制」を導入すると発表した。既に「市民に銃口など向けられない」と徴兵忌避の動きが広がり、国内は混乱している。民主政権を支持する国民が大半である以上、当然の拒否反応だろう。国軍は即座に徴兵制導入を撤回すべきだ。
 
 対象は18~35歳の男性と18~27歳の女性。2年間兵役に就く。専門職は最高45歳までで、兵役期間も長くなる。対象者は男女計約1400万人。拒否すると禁錮刑の罰則がある。地元メディアは「4月から、年間約5万人が徴兵される」と伝えている。
 
 唐突な強硬策の背景には、昨秋以来、国軍が、民主派と連携する少数民族との戦闘で劣勢に立っていることがある。国軍は、これまでに数百の拠点を失い、多数の部隊が少数民族側に降伏した。
 
 米国のシンクタンクは、35万人とされる国軍勢力が半減したと分析。士気も低下し、隣国タイやインドに逃亡する兵士も続出、国軍内ではミンアウンフライン総司令官ら幹部批判もささやかれているという。
 
 一方、徴兵制の発表直後から国外脱出を企図する人が急増。第2の都市マンダレーでは、パスポートを求める市民数千人が窓口に殺到、2人が圧死する痛ましい事故まで起きた。最大都市ヤンゴンのタイ大使館には、同国の観光ビザを求める市民が連日押しかける。
 
 本紙のオンライン取材に対し、若い世代は「自傷行為をしてでも徴兵を逃れる」(女子中学生)、「徴兵されたら殺し合いより降伏を選ぶ」(男子高校生)-など怒りと困惑の心中を明かしている。
 
 地元メディアは、特に国軍との戦闘の激しい国境地帯出身の若者は、自分の親族に銃を向けることになりかねない任務に激しい拒否反応があるとみる。徴兵制は、国軍の思惑とは逆に、反軍組織に加わる若者を増やす可能性もある。
 
 民主政権を武力で倒した国軍に政権を担う大義がないのは無論、徴兵制が奏功して勢力回復がなるとも思えない。ただちに休戦し、民主化へと戻るプロセスに入るべき時だ。今こそ、日本や東南アジア諸国連合(ASEAN)など国際社会も、国軍への説得を本格化させてもらいたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月04日  07:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「ファーストレディー」とは米国なら大統領夫人をいうが、19…

2024-03-05 07:55:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【筆洗】:「ファーストレディー」とは米国なら大統領夫人をいうが、19…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「ファーストレディー」とは米国なら大統領夫人をいうが、19…

 「ファーストレディー」とは米国なら大統領夫人をいうが、1930年代のある野球チームにも「ファーストレディー」と呼ばれた女性がいた

 ▼「ニューヨーク・ヤンキースのファーストレディー」。名選手ルー・ゲーリッグの妻エレノア・ゲーリッグさんのことを指す。ゲーリー・クーパー主演の『打撃王』を思い出す人もいるか

 ▼ファーストレディーの呼び名はゲーリッグが一塁手だったことを掛けたシャレだろうが、現役時代はもちろん、難病と闘うゲーリッグを懸命に支えた姿が、その「称号」にふさわしかったのだろう。「この世で一番幸せな男」。有名な引退スピーチで、ゲーリッグは妻を「tower of strength」(力の塔=困難なときに頼れる人)と呼んだ

 ▼ドジャースの大谷翔平選手が結婚を発表した。うろたえる女性ファンも多いと聞くが、お互いに支え合う「力の塔」を見つけた二刀流の今後に期待する▼別の結婚の話題になるが、こっちの方は笑えない。昨年の婚姻数(速報値)。90年ぶりに50万組を割り込んだそうだ。2022年に微増したが、つかの間のことだったか。婚姻数は今後の出生数に直結する。かくて少子化はまた加速する

 ▼結婚が幸福に直結するとは思わない。結婚を選ばぬ経済的な事情や時代の変化もあるのは分かっていても婚姻数減に「大谷効果」をつい期待したくなる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月04日  07:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 「えんじょもん」の勧め

2024-03-05 07:54:50 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・火山噴火・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説①】:週のはじめに考える 「えんじょもん」の勧め

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 「えんじょもん」の勧め

  昨年3月3日に亡くなった作家大江健三郎さんの名作にちなみ、今日は極めて「個人的な体験」をご報告します。今年の1月1日、金沢市で遭遇した出来事です。

 金沢には縁もゆかりもなくて、この地の方言でいう「遠所者(えんじょもん)」。つまりは「よそ者」なのですが、金沢が大好きで、近年は妻と2人ここで年を越すのが恒例です。
 
 元日は初詣の後、金沢駅に近い大きな商業ビルへ向かいました。初売りでにぎわう中、妻の好きな雑貨や服のお店を訪ねます。
 
 すると店員さんが「能登の方でさっき地震があったみたいです。震度5強ぐらいの」と言います。「気付かなかったよね」と答えた直後、ビルが揺れ出しました。
 
 能登半島地震の本震です。60年近い人生で初の強烈な揺れです。店内では、器など商品を壁一面に並べた大きな棚が揺れています。
 
 倒れないよう押さえたのですが震動はさらに強まり、あちこちで品物が落ち始めました。それでも自分の背丈より高い棚を押さえていると「もう棚から離れて!」と妻にしかられてしまいました。

 ◆「まだ大丈夫」の甘さ

 その時やっと、自分自身がこの状況をどこか楽観視していた、と気づきました。これこそが有名な「正常性バイアス」でしょうね。棚が倒れてけがをしたら、店にもご迷惑だったでしょう。
 
 正直に言うと、これまで災害の取材をしたことはありましたが、どこか「人ごと」でした。だから天災の折に、漁港や田んぼを見に行った人が遭難した記事を読むと「どうしてそんな時に、わざわざ行くのかな」と不思議でした。
 
 でも、あの地震を体験した後は考え方が変わりました。自然の猛威の前に「まだ大丈夫」と思いこむ気持ちや「まだ何かできるかも」といったやや甘い考えが浮かぶこともあると実感したのです。
 
 読者の皆さまには、どうかこの失敗をご参考にして、災害の折は何よりもまず、自分を守ることを優先してほしいと思います。
 
 さて、翌2日もまた金沢駅に行きました。地震のせいで電車やバスが運行を休止し、いつもなら大にぎわいの鼓門(つづみもん)の前にも人影がほとんどありません=写真。
 
 金沢の最大震度は5強で、能登地方に比べれば揺れは小さかったものの、民家4棟が全壊するなどあちこちで被害が出ました。
 
 駅の近くにある石川県立音楽堂では、ホールが一時利用停止に。ここを本拠地とする楽団「オーケストラ・アンサンブル金沢」は、1月に行う予定だった公演を延期する事態となりました。
 
 この楽団の創設に尽力し、長く音楽監督も務めた岩城宏之さんは「バケツ募金」という活動をしていたことがあります。1995年阪神淡路大震災の後でした。
 
 公演の休憩中にオーケストラの団員たちとバケツを持ち、会場の聴衆に寄付を呼びかけたのです。アンサンブル金沢以外の楽団との演奏会でも活動を続け、約半年の間に全国の公演で集まった浄財は1400万円を超えました。
 
 募金の前には聴衆に「日本人は忘れやすいけれど、この災害のことは忘れてはいけない」と訴えていた岩城さん。生前の取材では、こう話してくれました。

 ◆「自分の立場」で支援を

 「ぼくらは募金しながら『お金だけでいいのか』と思うことがある。神戸に駆け付けて何か手伝いたいとも思うが、日本中が駆け付けても大混乱する。それなら、自分の立場でできることをすべきでしょう」と。
 
 日本を代表する指揮者ながら、音楽の世界に閉じこもらず、常に社会との関わりを考えた人からの提言です。能登で大地震が起きた今、振り返ってみました。
 
 さて、岩城さんの言葉と、その折の真剣な口調を思い出しつつ、「自分の立場」で何ができるかと自問しました。そして石川県とは縁のない人に「えんじょもん」になるよう勧めることにしました。
 
 「私は石川県には縁がなくて、もともと遠所者だけれど」と思う方もいるでしょう。いえ、ここで言いたい「えんじょもん」とは、漢字なら「援助者」なのです。
 
 能登には駆け付けられなくてもできるかぎり現地の産品を買い、復興を応援する人。交通事情など状況が好転したら現地に出向き、観光業を助ける人。そして、この震災を決して忘れない人-。
 
 「わたしもなろう!」と思った方がひとりでもいたら、うれしいかぎりです。これからまだ時間がかかりそうな能登の復興に向け、ご自分でできる息の長い支援策をぜひお考えください。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月03日  07:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:卒業式で歌われた「オールド・ラング・サイン」が上出来だった…

2024-03-05 07:54:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・火山噴火・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【筆洗】:卒業式で歌われた「オールド・ラング・サイン」が上出来だった…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:卒業式で歌われた「オールド・ラング・サイン」が上出来だった…

 卒業式で歌われた「オールド・ラング・サイン」が上出来だった-。大森貝塚を発掘した米国の動物学者、エドワード・モースが1882(明治15)年7月、東京女子師範学校の卒業式に臨席した際の話を『日本その日その日』に書いている。当時の卒業式は7月だった

 ▼モースがほめている「オールド・ラング・サイン」とは無論、今も卒業式とは切っても切れない「蛍の光」。そんな時代から卒業式で歌われていたようだ

 ▼日本語訳は国学者の稲垣千穎(ちかい)だが、歌詞の雰囲気が元になったスコットランド民謡の世界とは大きく異なる。不思議である

 ▼「蛍の光」が学問にいそしんだ日々を振り返りつつ「別れ」を強調しているのに対し、原詞の方は旧友とかつての日々を懐かしみながら、酒をくみ交わすという内容である。別れよりも再会の喜びを歌っている

 ▼卒業シーズンとなった。今年も卒業生たちは「蛍の光」を歌い、別れを惜しむのだろう。とりわけ、能登半島地震の被災地の卒業生のことを思う。おだやかならぬ暮らしの中での友や恩師との別れ。地元を離れる卒業生もいる。歌詞の「けさはわかれゆく」が切なかろう

 ▼寂しい別れの歌よりも再会の歌の方を聞きたくなる。震災から立ち上がり、落ち着きを取り戻した地元で、今年の卒業生たちが再会し、手を取り合う。そんな日が早く来ないかと願う。卒業おめでとう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月03日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:安倍派裏金事件 連座制導入が不可欠だ

2024-03-05 07:53:50 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【社説①】:安倍派裏金事件 連座制導入が不可欠だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:安倍派裏金事件 連座制導入が不可欠だ

 自民党安倍派の幹部4人が衆院政治倫理審査会で弁明した。政治資金パーティー裏金事件への関与を否定したが、「知らなかった」との責任逃れは許されない。会計責任者に加えて議員本人も処罰する連座制の導入に向け、政治資金規正法の改正が不可欠だ。

 弁明したのは歴代事務総長の塩谷立座長、松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前国対委員長。
 
 西村氏は議員への資金還流について「歴代派閥会長と事務局長の間で長年、慣行的に扱ってきた」と説明し、派閥の政治資金収支報告書や通帳は「見たことがない」と語った。松野氏も経理に「一切関わっていない」と述べた。
 
 派閥の実務を取り仕切る事務総長が収支に関与しないとは、にわかに信じ難い。元会長で故人となった安倍晋三元首相や細田博之前衆院議長、議員ではない会計責任者の事務局長に責任を転嫁する姿勢は見苦しいというほかない。
 
 西村氏は2022年4月に一度は中止された資金還流が、同年7月の安倍氏の死後復活した経緯については「全く承知していない」と強調。当時、会長代理だった塩谷氏も還流の復活を誰が決めたのか明確にしなかった。
 
 これほど無責任な派閥が100人規模の「数の力」を背景に、政権人事や政策の決定に影響を及ぼしていたとは驚きを禁じ得ない。
 
 4氏は安倍派からの還流資金を自身の収支報告書に寄付として記載しなかったことも、秘書任せだったと主張した。議員の責任回避はこれ以上見過ごせない。
 
 自民党を除く与野党は連座制導入を含む政治資金規正法改正の具体案を示している。
 日本維新の会は資金管理団体や政治団体の会計責任者を政治家本人とすることを提案。公明党は議員が会計責任者の監督に相当の注意を怠った場合に罰金刑を科すとする案を唱えており、岸田文雄首相も公明党案を参考に罰則を強化する考えを示している。
 
 どのような場合に議員も罪に問うべきかが法改正の焦点だ。自民党も早期に案をまとめ、各党に協議を呼びかけるべきである。
 
 2日間の政倫審では裏金づくりの経緯や使途の解明には至らず、関係者のさらなる説明が必要だ。自民党は政倫審開催に応じたからといって、真相究明の幕引きを図ることがあってはならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月02日  07:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:ロッキード事件を機に国会議員に疑惑をただす政治倫理審査会(…

2024-03-05 07:53:40 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【筆洗】:ロッキード事件を機に国会議員に疑惑をただす政治倫理審査会(…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ロッキード事件を機に国会議員に疑惑をただす政治倫理審査会(…

 ロッキード事件を機に国会議員に疑惑をただす政治倫理審査会(政倫審)が国会に置かれたのは1985年。新聞の縮刷版を繰ると4月5日に設置決定の記事がある▼これと直接の因果はなかろうが、前日の紙面に自民党福田派に『同志の歌』ができた、とあった。福田赳夫元首相に頼まれた作家川内康範氏の作詞作曲

 ▼詞に「明日の日本に想(おも)いを走(は)せて、援(たす)け合いつつ結ばれた」とある。安倍派に連なる後継派閥を近年取材した同僚らは「聞いたことがない」と言い、長く歌い継がれた形跡は確認できないが、85年の記事で中堅議員は「派の結束の固さを表す」と誇った

 ▼自民党派閥の裏金問題を巡る昨日の政倫審に安倍派歴代幹部の4人が出た。派閥から議員に還流する金を収支報告書に記さず裏金にするしくみができた経緯など質問が核心に及ぶと知らぬ、存ぜぬ…

写真・図版
  2019年7月、森喜朗・元首相(右)と安倍晋三首相(当時)=東京都千代田区

 ▼知らぬなら、派に長く君臨した森喜朗元首相らに事前に聞けばいいのに「森元総理が関与したという話は聞いていない」(西村康稔氏)などとして、やっていないよう。裏金問題で解散を決めた派閥だが、歌詞のごとく助けあいつつ、嵐の通過を待っているようにも見える。明日の日本に思いはせ、悪習を詳(つまび)らかにする政治家はいないのか

 ▼詞に「悪(あ)しきをいましめ、浄(きよ)らな花をすべての人にちりばめる」ともある。その志を思い、切なさ増す39年後の春である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月02日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ぎろんの森】:国民に思い寄せてますか

2024-03-05 07:53:30 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【ぎろんの森】:国民に思い寄せてますか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ぎろんの森】:国民に思い寄せてますか

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、衆院政治倫理審査会が開かれました。開催決定に至るまで、出席者や公開の可否を巡り迷走を繰り返した上に、岸田文雄党総裁(首相)の弁明は聞き取り調査の範囲にとどまり、説明責任を果たしたとはとても言えません。

 きのうの政倫審では会計責任者が在宅起訴された安倍派の幹部が弁明しました。詳しくは上の社説をお読みいただきたいのですが、いずれも裏金づくりへの関与を否定、違法行為に至った経緯は明らかになりませんでした。
 
 事務総長が派閥の資金について何も知らされずに派閥運営に当たっていたとは無責任極まりない。「政治とカネ」の問題に対する国民の厳しい目など無関係と言わんばかりです。そうした議員集団が首相候補を決める党総裁選や政策決定に大きな影響力を行使していたのですから、恐ろしささえ感じます。
 
 折しも確定申告の真っ最中です。税務署などの申告会場には、収入・所得の申告や、税金の還付申告をする納税者が列をなしています。
 
 しかし、政治家の場合、収支報告書に記載しなかった資金を個人の所得として納税するかどうかは個人の判断だそうです。鈴木俊一財務相が国会で一度は答弁したのですから長年そうした扱いが続いているのでしょう。政治家だけ特別扱いとは、不公平感を覚えざるを得ません。
 
 政治活動の自由は最大限尊重されるべきですが、政治への信頼が大前提です。信頼できない政治家が政治活動の自由を振りかざして、使途を隠すことなど許されません。
 
 本社には読者から「首相が思いを寄せているのは国民ですか、自分ですか」「野党議員は裏金づくりの真相をしっかり追及し、マスコミは政倫審の模様を詳細に報じて国民の知る権利に応えてほしい」との意見が届きます。
 
 政倫審は裏金づくりの実態解明の第一歩に過ぎません。東京新聞は、政権が国民と向き合い、実態解明と再発防止に努めているか、政治への信頼を大切にしているか、権力監視を続けます。 (と)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【ぎろん森】  2024年03月02日  07:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:首相が政倫審に 裏金の解明には程遠い

2024-03-05 07:52:50 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【社説①】:首相が政倫審に 裏金の解明には程遠い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:首相が政倫審に 裏金の解明には程遠い 

 自民党派閥による政治資金パーティー裏金事件を受けて開かれた衆院政治倫理審査会。岸田文雄首相が党総裁として出席、弁明したが、内容は党役員による聞き取り調査結果の範囲にとどまった。説明責任を果たしたとは言えず、裏金の実態解明には程遠い。
 
 最も問われるべきは、裏金の使途や裏金づくりの仕組みをいつ誰が作ったのかだ。こうした点が不明のままでは政治責任を明確にできず、実効性のある再発防止策の法整備もできない。
 
 しかし、首相は裏金を「還付金等」と呼び「政治活動費以外に使用したり、違法な使途に使用した例も把握されていない」と強調した。政治資金収支報告書への不記載があった安倍、二階両派議員の言い分を繰り返すだけでは、裏金の実態に迫れるはずがない。
 
 安倍派による裏金づくりの経緯も「いつどのようにして始まったかは判然としないものの、遅くとも十数年前から行われていた可能性が高い」と、党の調査結果を引用しただけだった。
 
 長く同派会長を務めた森喜朗元首相の裏金への関与は、所属議員らへの聞き取りで「森氏が直接関わったという発言があったとの報告は受けていない」と述べた。なぜ本人から直接聴取せずに関与を否定できるのか。自民党が調査しないなら森氏を国会に呼び、事情を聴く必要がある。
 
 首相は2022年に7回開いた自身の政治資金パーティーについて首相就任前から続く「勉強会」であり、大臣規範が自粛を定めた「国民の疑念を招きかねない」大規模パーティーでないと強弁。
「私のパーティーは勉強会だ」⇒「もうしない」と岸田首相。政治資金パーティーを繰り返していた【政倫審】© ハフポスト日本版
 
 立憲民主党の野田佳彦元首相に繰り返し追及されてようやく、首相在任中は開催しないと明言したものの、反省の弁はなかった。
 
 岸田派のパーティー収入不記載も「事務処理上の疎漏」として意図的ではないと強調したが、追及を避けるために問題を矮小(わいしょう)化しようとしていないか。
 
 首相が政倫審での弁明を申し出たのは、公開の場での説明を渋る安倍派幹部らに国民への説明を促すためだったはずだが、首相自身が裏金の実態を解明する決意を示さないのなら、高まる国民の不信を払拭することはできない。
 
 1日には安倍派幹部4人が出席する政倫審が開かれる。実態解明の状況次第で、国会は参考人招致や証人喚問を躊躇(ちゅうちょ)すべきでない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月01日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:能登地震2カ月 復興の「芽」伸ばしたい

2024-03-05 07:52:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・火山噴火・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説②】:能登地震2カ月 復興の「芽」伸ばしたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:能登地震2カ月 復興の「芽」伸ばしたい

 能登半島地震から2カ月。懸命のインフラ復旧作業が続く。避難生活を強いられ、生活や生業の再建を見通せない人もまだ多い。一方で「地域のために」と営業を再開する商店などが増えてきた。頼もしい被災者の行動を復興の「芽」として伸ばしていきたい。

 地震の死者は241人。全壊家屋は判明分で石川、富山、新潟3県で約8千棟に達し、熊本地震に匹敵する。避難者は依然1万人以上で帰還時期のメドはたたない。
 
 こうした中、被害の大きかった石川県輪島市や珠洲市でも街中のコンビニ、パン屋、ピザ店や民宿が次々と営業を再開。仮店舗で食品作りに工夫を凝らしたり、クラウドファンディングで再建資金を募ったり、前向きな姿勢が被災地を勇気づける。
 
 穴水町の農家民宿は経営者が自力で修繕し「能登再生」の看板を掲げた=写真。全国から派遣されている自治体職員らに宿泊場所を提供している。
 
 七尾市の商店街は屋外ブースを並べた「復興マルシェ」を開催。東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町が発災翌月に開いたテント市場を参考にしたという。仮設商店街を設けた地域もある。復興を見据えて地域の結束を高める場としても有意義といえよう。
 
 大火災で焼け野原となった輪島朝市の組合員らは避難先の金沢市で出張朝市を開くことを決めた。いずれは輪島市で復活させるため「朝市の灯をともし続ける」という強い決意が、場所を提供する金沢港関係者らを動かした。
 
 能登杜氏(とうじ)で知られる奥能登の酒蔵も11蔵すべてが被災した。無事だった酒米やもろみを使って他地域の酒蔵が醸造を買って出たり、全国の酒蔵による共同醸造プロジェクトが立ち上がったり、酒造りに支援の輪が広がっている。
 
 能登の物産展も全国各地で開かれている。被災地に行かずとも応援消費できるこうした取り組みをもっと盛り上げたい。
 
 一方、漁港や農地の復旧など、第1次産業の再建は長い道のりとなりそうだ。担い手には高齢者も多い。行政、地域が一体で、希望の持てる将来像を模索したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月01日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

2024-03-05 07:52:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

 いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さんと北朝鮮で24年ぶりに再会した際、そう思ったという

 ▼息子は13歳の時、志賀町から叔父2人と漁に出て日本海で行方不明に。87年に叔父の1人から届いた手紙で生存が分かり実現した、平壌での面会である

 ▼記憶の中の息子はクリクリの丸刈りの中学生で、野球のバットが当たってできた傷が額にある。現れた中年男性に傷を見つけ確信し、涙を流してからまじまじと眺めて抱いた冒頭の感想。自著で「親が言うのはおかしいかもしれませんが」と断り、ほれぼれしたと明かしている。母親らしい感慨とも思える

 ▼友枝さんが92歳で亡くなった。訪朝は66回。武志さんの一時帰国も2002年に実現した。遭難し北朝鮮に助けられたと拉致を否定する息子を信じるとして拉致被害者の家族会を離れたが、葛藤はあった

 ▼訪朝時にこっそり真相を尋ねると黙りこむ息子。異国で一定の地位と家庭を得ている。連れ戻したいが、自分が「拉致だ。返せ」と言えばどうなるか。思いをのみこみ、通えば会える。監視がつき、全て本音で語りあえないとしても

 ▼家族会を離れる前、横田めぐみさんの母早紀江さんがこう言ったという。「友枝さんが決めていいんですよ。信じる道を。武志さんの母親は一人だけですから」。息子のために耐え、愛情を注いだ母。安らかにと祈る。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月01日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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