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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:岡山女児虐待死 悲劇根絶へ体制整えよ

2022-03-07 06:49:20 | 【学校等の陰惨ないじめ・暴力・体罰・自死・家庭での虐待・不登校・児相】

【社説】:岡山女児虐待死 悲劇根絶へ体制整えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:岡山女児虐待死 悲劇根絶へ体制整えよ 

 虐待が見過ごされ、幼い命がまたも犠牲になってしまった。岡山市で昨年9月、当時5歳の西田真愛(まお)ちゃんが救急搬送され、4カ月後の今年1月に低酸素脳症で亡くなった。

 岡山県警は、母親と交際相手を、椅子の上に置いた鍋の中に真愛ちゃんを長時間立たせたとして強要容疑で逮捕。さらに先週、真愛ちゃんを窒息状態に至るまで布団にぐるぐる巻きにして死亡させたとして、逮捕監禁致死容疑で再逮捕した。

 2人による虐待が真愛ちゃんの死に結び付いたことは明らかだ。なぜ防げなかったのか。捜査とは別に、児童相談所など行政側も事実関係を洗いざらい明らかにして、再発防止に向けた道筋を示さねばならない。

 母親は2018年12月ごろ、広島市から岡山市に転居した。直後から、真愛ちゃんの虐待通報が近隣住民から児相に何件も寄せられていたという。

 19年4月には顔にあざがあるのを児相が確認している。20年9月には交際相手が、夜の墓場で全裸のまま目隠しされた真愛ちゃんを叱っているところを110番通報されている。

 明らかに常軌を逸した仕打ちである。その時に刑事事件として処罰されていれば、今回の悲劇にまでは、つながらなかったかもしれない。胸が痛む。

 児相は110番の際、真愛ちゃんを一時保護したのに2週間で解除した。虐待リスクの判断は4段階で最も下位の「軽度」のまま。最も深刻な「最重度」への変更は、死につながった救急搬送後だった。なぜ「軽度」を見直さなかったのか。児相は経緯を検証することが必要だ。

 児相が交際相手に接触したのは110番から救急搬送までの約1年間、電話による1回だけだった。対応が甘すぎないか。

 交際相手による虐待事例が多いとして厚生労働省は特段の注意を呼び掛けている。交際相手には別に家庭があり、同居者でなかった事情があるにしても、今回のケースでの対応には首をかしげざるを得ない。

 厚労省によると、18歳未満の虐待で児相が対応した件数は20年度に全国で20万件を超えた。1990年度の200倍近い過去最多の数字で、虐待死も57人に上っている。

 虐待対応に当たる児童福祉司などは全国的に不足しており、若いスタッフの経験不足も指摘されている。悲劇が繰り返される背景には子どもを守る体制が追い付いていない面もあろう。

 幼い子どもも一人の人間として尊重される社会環境が求められる。実現する責任は、私たちにもあるのではないか。

 親権者が「しつけ」を口実に子どもを虐待しないよう、政府の法制審議会が民法の懲戒権の規定を削除する答申をしたのも当然だ。しつけに対する意識改革も進めていく必要がある。

 23年度には「こども家庭庁」が創設される。国会に出された法案には虐待に連帯して対応することもうたわれている。ただ掛け声だけでは不十分だ。虐待防止の責任の所在を明確にし、児相や警察、医師などが連携できる「横串」が欠かせない。

 子どもが健やかに成長する社会を築くために何が必要か。報告、連絡、相談の徹底という従来の取り組みを繰り返すだけでなく、抜本的な対策を模索、実行していかなくてはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月07日  06:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:戦争犯罪を問う

2022-03-07 06:49:10 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:戦争犯罪を問う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:戦争犯罪を問う

  愛想のいい態度を身につけ、典型的な悪役には見えなかった―。ユーゴスラビア連邦の大統領だったミロシェビッチ氏について、米国のオルブライト元国務長官が著書「ファシズム」にそうつづっている。印象は悪くなかったが、その後、虐殺などの罪に問われる

 ▲1990年代の旧ユーゴ内戦やコソボ紛争でセルビア人以外の住民虐殺を指示した、と疑われたためだ。元国家元首を人道に対する罪で国際法廷が裁くのは初めて。注目の裁判だったが、判決が出される前に死亡した

 ▲同じ法廷では虐殺を実行した部下に禁錮40年が言い渡された。「勝者による裁きだ」と公平性を疑う人もいよう。ただ、戦争犯罪を厳しく問う意識は確実に高まってきた。時代の流れだろう

 ▲こちらは、訴追すべき罪状には事欠かなくなったようだ。ロシアのプーチン大統領である。他国の主権を侵害するウクライナ侵攻に始まって、住宅や民間施設、果ては原発にも砲口を向けたのだから、度を越している

 ▲ロシアの暴挙を予想していたのか。くだんの著書でオルブライト氏は、プーチン氏をミロシェビッチ氏と同列視し、自由の破壊者台頭に警告を発していた。重く受け止めなければ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月07日  06:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【社説】:中国全人代開幕 ロシア非難なぜ避ける

2022-03-07 06:48:55 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、残留孤児、国家による抑圧統治】

【社説】:中国全人代開幕 ロシア非難なぜ避ける

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:中国全人代開幕 ロシア非難なぜ避ける 

 中国の全国人民代表大会(全人代)が、きのう北京で開幕した。今年は5年に1度の共産党大会を控え、重要度が増している。習近平国家主席が北京冬季五輪・パラリンピックで権威を高め、異例の党総書記3期目を目指す途上にあるからだ。

 ここに来て、そのシナリオは揺らいでいよう。同じ強権国家で蜜月関係にあるロシアがウクライナに侵攻し、国際社会の非難を浴びている。民間人に多数の犠牲をもたらし、あろうことか、稼働中の原発への砲撃にまで及ぶなど国際法違反の暴挙が繰り返されている。

 中国は、国際社会に向けた発信を怠ってはならない。

 全人代の政府活動報告で、李克強首相は「内外の情勢をみると、わが国が直面するリスクと試練は明らかに増えている」と述べた。ウクライナ侵攻の影響から、中国も免れないとの受け止めだろう。

 経済を停滞させた新型コロナウイルス禍と同様、先が見通せず、また国際協調なしに出口にたどり着けない難題である。ところが、中国は自国優先の姿勢ばかりがにじむ。

 2月上旬、北京冬季五輪開幕に合わせて訪中したロシアのプーチン大統領と会談した習氏は、北大西洋条約機構(NATO)拡大に反対すると共同声明に明記し、結束を強調した。侵攻後もロシア軍の即時撤退を求める国連総会の決議を棄権し、圧倒的賛成での採択を横目にロシア寄りの立場を崩さなかった。侵攻を非難せず、対ロシア経済制裁にも反対している。

 国際法違反の暴挙をなぜ非難しないのか。その姿勢は、軍事的な緊張を高めて譲歩を引き出そうとするロシアの無法を容認しているに等しい。

 背景に、米国への対抗意識があるのは明白である。バイデン米大統領は暫定版の安全保障戦略指針で、中国を「唯一の競争相手」と位置付けた。ロシアとの連携を強める中国の動きは、対抗心の表れだろう。

 習氏は、権力を一手にする「1強政治」を志向してきた。昨年11月、40年ぶりに採択した党の「歴史決議」は、その典型である。毛沢東、〓小平と並び称して独裁に走る姿は、プーチン氏と重なる。香港での民主派抑圧や新疆ウイグル自治区での人権侵害で国際社会の批判を浴びても、はねつけて恥じない姿勢も似通っている。

 それゆえに、ロシアとプーチン氏に対し、日増しに強まる風当たりは気が気でないはずである。習指導部は今月に入り、ウクライナ侵攻に対しては当面、態度を明確にせず、見守る方針を確認したとされる。ロシアのあまりの暴走に、国際社会の厳しい視線が自らに注がれるのを避けたい節がうかがえる。

 李首相は、習氏のスローガン「共同富裕」を掲げ、格差の解消を推し進めると強調した。裏返せば、内政面で不安定要素を抱える表れでもあろう。2025年には全人口の14%が65歳以上という高齢化社会を迎える。国力を押し上げ、強権体制を支えてきた経済成長も、曲がり角にきているのだ。

 国際社会で孤立するロシアの二の舞いを避けたいのであれば、一線を越えた主権侵害には非難してしかるべきである。侵略行為を食い止める協調と行動に今こそ、動くときだ。

 【お断り】〓は「登」に「おおざと」を書きますが、機種依存文字(環境依存文字)のため表示できません。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月06日  06:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:原田泰治さんの「二つの目」

2022-03-07 06:48:50 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【天風録】:原田泰治さんの「二つの目」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:原田泰治さんの「二つの目」

 〈ふるさとは遠きにありて思ふもの〉と始まる室生犀星(むろう・さいせい)の詩は、意外にも古里金沢で書いたものだという。居場所を見いだしかね、また東京へと旅立つ。その心模様を思えば、切なくなる

 ▲日本の原風景を追い、47都道府県を回った画家の原田泰治さんは、生まれ故郷の信州に長く住み続けた。旅先で郷土色豊かな風物をこまやかに描きながら、ふと浮かぶ古里の情景もあっただろう。訃報が届いた。81歳

原田泰治公式ウェブサイト

 ▲コロナ禍で外出もままならず、せめて旅行気分でもどうぞ―と原田さんはおととしから公式ブログに自作を載せていた。広島編の一つは、干しだこの揺れる漁師町。山口編の棚田にはレンゲが咲き、そよ風の気配さえ感じる

 ▲どの作品も画家自らの解説付きというのが面白い。線香作りに水車を使い続ける岡山の農家を描いた絵には、「こんな古い仕事…」と尻込みする主(あるじ)とのやりとりまで書き込んでいる。大人の絵日記を思わせ、味がある

 ▲旅に出る。人に会う。絵を描く。そんな繰り返しの中から、遠近感をもたらす「二つの目」を会得したらしい。離れて見渡す「鳥の目」と、そこに息づく命を忘れない「虫の目」と。絵日記が時を止めてしまったことが悔しい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月06日  06:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:広島県まん延防止解除 油断せず再拡大防ごう

2022-03-07 06:48:45 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:広島県まん延防止解除 油断せず再拡大防ごう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:広島県まん延防止解除 油断せず再拡大防ごう 

 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の期限をあす迎える31都道府県のうち、広島、岡山など13県について解除されることが、きのう決まった。

 広島県では1月9日以降、全国最長の約2カ月に及んだ。感染状況が改善し、感染者の治療と通常医療を両立できる見通しが立ったことを解除の理由としている。地域経済が傷む中、歓迎する向きもあろう。だが、油断できる状況ではない。

 というのも、オミクロン株による「第6波」で全国の1日当たりの新規感染者数はピーク時に10万人を超えた。基礎疾患や持病を悪化させて重症化する高齢者が目立ち、死者数は過去最多を更新した。要因にワクチンの3回目接種の遅れが指摘される。

 首都圏を含む18都道府県は21日まで延長される。感染者数が高止まりし、大都市を中心に入院ベッド(病床)の使用率も高い水準にあるためだ。さらにオミクロン株の主流型より感染力の強い派生型「BA・2」への置き換わりが進む可能性もある。重点措置が解除されても、警戒を怠れない局面である。

 「感染状況は改善してきたがレベルとしては高い。まだ気をつけて生活をしていただく必要がある」。湯崎英彦知事は政府の解除決定を受けて語った。

 一時は1600人に迫った広島県内の新規感染者数はきのう700人に。病床使用率は50%を下回る状況が続く。ただ感染者数はこのところ、1週間前に比べて増える日が続く。決して安心できない。

 高齢者施設や学校などでクラスター(集団感染)が相次ぐ。県の調査では感染経路の約6割が「家庭」と推定される。家族を介し、感染の主流が若者世代から子どもや高齢者に移っていった傾向も浮かび上がる。

 第6波の収束は依然としてワクチン接種が鍵を握る。広島県の3回目接種率はきのう時点で25・4%にとどまる。「オミクロン株は重症化しない」と考えて避ける人が多いという。

 しかし厚生労働省の専門家組織のメンバーらは、オミクロン株の致死率が季節性インフルエンザより高いとする見解をまとめている。県は市町と連携して早期接種を促す必要がある。

 高齢者への接種率は6割を超えた。重症化しやすい高齢者を取り残さないよう、さらなる接種の機会確保に努めてほしい。

 県内できのう始まった5~11歳の子どもへの接種には注意が必要だ。痛い思いをさせ副反応も出る一方、小児は感染した場合に軽症が多い。市町はメリットとデメリットを保護者らに丁寧に説明できる環境を整え、安心して接種できるよう努めなければならない。

 解除に伴い、県が飲食店に要請してきた営業時間の短縮や酒の提供制限、住民への外出制限などの厳しい対策が終わる。次の波に向けて効果を検証し、続けるべきものを見極めることが求められる。

 派生株の拡大も気掛かりだ。感染の主流になった場合を想定し、検査や医療体制の備えを万全にしておかねばなるまい。

 これから進学や就職、転勤など移動の増える時季を迎える。解除によって社会的な制限から解放される私たち一人一人が、予防に万全の注意を払い、節度を持った行動を心掛けたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月05日  06:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:原発への進軍、信じ難い光景

2022-03-07 06:48:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:原発への進軍、信じ難い光景

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:原発への進軍、信じ難い光景

 信じられない光景に出くわした時、人はいかに文章を書くべきか。作家高橋源一郎さんは「掘っ建て小屋みたいな文章」を書くという。いい文章でなくていい、磁石を手に「とりあえず、北だ」とつぶやけばいい―

 ▲誰しも信じられない光景に映ったはずだ。ウクライナのザポロジエ原発にロシアが軍を進めた。地元住民たちは阻止線を張り「ウクライナに戦争は要らない」と叫んだ。見たところ、いでたちはまちまち。発した言葉も飾らないが、正鵠(せいこく)を得ている

 ▲この原発をロシア軍は砲撃して一部を炎上させ、占拠したと報じられた。原子炉近くで交戦中だったと聞けば、背筋も凍る

 ▲廃炉中のチェルノブイリ原発は先に制圧された。留め置かれた作業員は疲労が募り、維持に支障が出てくるかもしれぬ。原子炉を冷やす電源を失えば制御不能に陥ることを、11年前の福島の事故は知らしめた。ザポロジエの放射線のレベルに変化はないとはいうが、先は読めない

 ▲亡き批評家加藤典洋(のりひろ)さんの随筆に「3・11―死に神に突き飛ばされる」がある。おまえは関係ないと、次の世代を襲う死に神はいた。不毛の大地が何世代も残るような破滅を避けよ、と小欄も書くしかない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月05日  06:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:北京パラ開幕 平和の理念に立ち返れ

2022-03-07 06:48:35 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、残留孤児、国家による抑圧統治】

【社説】:北京パラ開幕 平和の理念に立ち返れ

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:北京パラ開幕 平和の理念に立ち返れ 

 北京冬季パラリンピックの開会式が、きょう行われる。障害者アスリートたちが雪上と氷上の6競技78種目で競い合う姿を世界に発信し、本来なら祝祭ムードにあふれる平和の祭典である。しかし今回はかつてない混乱の下で、開幕を迎える。言うまでもなくロシアのウクライナ侵攻のためだ。

 五輪・パラリンピックの会期中と前後の休戦を求めた国連決議に、明白に反する暴挙だ。国際パラリンピック委員会(IPC)はきのう、ロシアと支援国ベラルーシの選手団の参加を認めないことを発表した。

 国名や国旗を使わない中立の個人資格なら両国選手の出場を容認した前日の決定を、一転して覆した。ロシア軍の侵攻で苦境に立つウクライナはもちろん、米欧のパラスポーツ関係者がIPCの方針に一斉に猛反発したのを踏まえたのだろう。

 2月の北京五輪でも疑惑が指摘されたドーピング行為で、ただでさえロシアは五輪・パラリンピックに国としては参加できない。「国ではなく中立なら」では処分として軽すぎる、という受け止めは当然かもしれない。ロシアの軍事行動によって五輪休戦決議がほごにされたのは、これで3度目である。

 仮に両国の選手が出場した場合、ボイコットや対戦拒否などで大会運営が根底から揺らぐことは容易に想像できた。そうした事態は回避できそうだ。

 開幕直前のどたばた劇は、ロシアが引き起こしたスポーツ界の混乱を象徴していよう。五輪を統括する国際オリンピック委員会(IOC)はロシアを非難し、ロシアとベラルーシの国際大会からの除外を全国際競技連盟に勧告したものの、競技によって対応の差が生じている。IPCの方針転換で締め出しの流れが強まるかもしれない。

 むろんロシアの個々の選手とプーチン大統領による侵略行為は直接の関係はない。今回、北京入りしながら参加できないパラリンピック選手たちの無念は分かる。とはいえ国際社会が特定の国の行為と向き合うのに、スポーツも決して無縁ではなかった。過去にはアパルトヘイト(人種隔離政策)に固執した南アフリカが五輪から長く排除された歴史もある。

 今こそ原点に立ち返りたい。困難への挑戦を通じ、障害のある人たちへの見方を変える。平和な共生社会の実現を促す…。パラリンピックの理念を、あらためて思い起こしたい。

 日本からは4競技に29選手が出場する。アルペンスキー女子座位でメダルラッシュが期待される主将の村岡桃佳選手をはじめ、選手たちの健闘にエールを送りたい。厳しい状況でも参加し、祖国を勇気づけるはずのウクライナを含めた世界のアスリートたちにも。スポーツと平和の意味を、私たちも一緒に考えなければならない。

 そのためにはウクライナ侵攻への選手や役員の意思表示も意味を持つ。開催国中国がロシアに友好的だけに、あるいは大会の組織委員会の側は抑止に回るかもしれない。発言やパフォーマンスの自由は、できる限り尊重してもらいたい。

 最後に言う。パラリンピックの理念をこれ以上、形骸化させないためにも、プーチン大統領は国連の決議を守り、今すぐ停戦に踏み切るべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月04日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:ウクライナの「てぶくろ」

2022-03-07 06:48:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:ウクライナの「てぶくろ」

 『漂流する日本野羅針盤を目指し手』:【天風録】:ウクライナの「手袋」

 ある雪の日、おじいさんが森の小道に手袋の片方を落とした。するとネズミやウサギ、キツネが次々に、暖かそうだと潜り込む。さらにはオオカミやイノシシで膨れ上がり、これ以上は無理だというところに今度は…

 ▲ウクライナ民話の絵本「てぶくろ」が翻訳出版されて57年。実に327万部もの超ミリオンセラーという。ぎゅうぎゅう詰めでも、天敵であっても、何とか隙間をつくって迎え入れていく。そんな動物たちの姿を描いたのはロシアの作家ラチョフ氏

 ▲プーチン大統領は、この絵本を読んだことがあるだろうか。この人はクリミア半島では物足りず、ウクライナ全土を手袋に入れたがっているように見えてならない。しかもあろうことか、入ると信じているらしい

 ▲そうして悲しいことに戦火が収まらない。現地からの映像は、砲撃に傷つき、おびえ、国境越えの逃避行に疲れ切った子どもたちの姿を伝える。その手袋が再び夢と希望で大きく膨らむ日が一刻も早く訪れますように

 ▲さて最後に現れるのはクマ。「どうしても」と強引に巨体を手袋に割り込ませる。物語は丸く収まって終わるのだが、ウクライナの今が重なり、あれこれと考えさせてくれる。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月04日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:対ロシア経済制裁 日本も積極的に役割を

2022-03-07 06:48:25 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説】:対ロシア経済制裁 日本も積極的に役割を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:対ロシア経済制裁 日本も積極的に役割を 

 ロシアのウクライナ侵攻を巡り、日本や米国、欧州連合(EU)などは国際銀行間通信協会(SWIFT)と呼ばれる国際決済網からロシアの7銀行を排除することを決めた。ロシア中央銀行との取引も制限し、ロシアが通貨ルーブルに為替介入することも封じる構えだ。

 国際社会が足並みをそろえて金融決済からロシアを締め出す効果は大きい。外貨獲得を原油や天然ガス、小麦の輸出に頼っているロシアが窮地に陥るのは間違いないだろう。

 ロシア批判は日増しに強まっている。岸田文雄首相がきのうの参院予算委員会で、侵攻を厳しく批判し「断固として行動する」と強調したのも当然だ。

 ウクライナ侵攻は誤りであり、即時撤退しか道はない―。そうロシアに思い知らせるために、国際社会は一致して厳しい経済制裁で臨む必要がある。

 SWIFTは200以上の国・地域の銀行1万1千社が利用する巨大ネットワークだ。海外との金融決済に欠かせないデータを1日4千万件以上やりとりしており、今後すべての銀行が排除対象になれば他国との取引は完全に不可能になる。

 ロシアのプーチン大統領は平静を装ってはいる。しかし急落したルーブル防衛のため政策金利を9・5%から20%に一気に引き上げざるを得なくなった。ロシア経済に波紋が広がっているのは明らかだ。

 ただ、おとといの先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、制裁対象からロシア最大手やエネルギー関係の銀行は外された。当初は慎重な姿勢を見せていたドイツやイタリアに配慮したのかもしれないが、物足りなさは否めない。

 ロシアの対応次第では対象の銀行をさらに広げる必要があろう。資産凍結の対象もプーチン氏ら政権幹部以外にも拡大すべきだ。中国・人民元や金による決済が「抜け道」にならないような対策も欠かせない。

 一方で影響はロシアに制裁を科した国にも及ぶ。ロシアからの原油や天然ガス、小麦の供給が止まれば、世界中で資源や食料の価格高騰が起きかねない。すでに原油の先物価格は8年半ぶりの高値水準まで急騰し、小麦の価格もはね上がっている。

 私たちの周囲にもしわ寄せは迫る。広島ガスは天然ガス確保について「今のところ滞っていない」とするが先行きは不透明だ。広島県内のカキ養殖業者はロシアへの生食用の出荷を止めた。エネルギー資源の多くをロシアに依存する欧州ほどではないにしても、国内経済への悪影響は避けられまい。

 それでも政府には毅然とした対応が求められる。

 2014年にロシアがクリミア半島を強制編入した際、当時の安倍晋三政権は欧米に比べて緩い制裁にとどめた。北方領土交渉の進展を期待したかもしれないが、ロシア寄りの物欲しげな姿勢が今回の侵攻を許す遠因になったとも指摘されている。

 そもそも自国の利益のみを重視し、国際協調から一歩引いた態度では、平和国家としての姿勢も問われかねない。

 ロシアの今回の暴挙は決して許されるものではない。岸田首相は人権や法の支配を尊重する日本の立場を鮮明にし、ロシアへの経済制裁でも積極的な役割を果たすべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月03日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:ウクライナの自由

2022-03-07 06:48:20 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:ウクライナの自由

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:ウクライナの自由

 国際法違反の一線を越えると、何でもありになってしまうのか。核兵器をちらつかせるだけでなく、ロシアは軍事施設以外にまで砲口を向けた。ウクライナ第2の都市ハリコフで、州庁舎や住宅地を狙い撃ちに

 ▲首都キエフでは、通信網の拠点であるテレビ塔にミサイルが命中、炎と黒煙が上がった。侵攻の現状発信を止めるのが、ロシアの狙いとみられている。ウクライナの抵抗が予想以上に激しく、思惑通りに攻め込めない。そんな焦りの証しなのだろう

 ▲ウクライナにとって、国際社会へのアピールが生命線のようだ。例えば欧州議会でビデオ演説したゼレンスキー大統領。ハリコフの州庁舎は「自由」広場に立つと述べ、自由が攻撃されていると強調した

 ▲国連総会では大使が、ロシア兵のスマートフォンに残されていたメッセージを読んだ。「本当の戦争」「怖いよ」。死の直前、母親と交わしたそうだ。ロシアは「虚偽だ」と否定している。真偽はいずれ分かるだろう

 ▲自由広場はソ連からの独立後、名付けられたという。自由のために闘っている、われわれを見放さないで―。欧州議会でゼレンスキー氏は訴えた。支援の呼び掛けに私たちも応えなければ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月03日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:気候変動報告書 「脱炭素」もう後がない

2022-03-07 06:48:15 | 【地球温暖化・温室効果ガス・排出量取引・国連条約COP・IPCC・海水温上昇

【社説】:気候変動報告書 「脱炭素」もう後がない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:気候変動報告書 「脱炭素」もう後がない 

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、市民生活に与える影響や対策について最新の報告書を公表した。

 世界の約33億~36億人が対応しきれず、高温や水害に見舞われやすい状況下にあるという。人類の半数近くがリスクにさらされているとする、科学界の警告は極めて重い。

 IPCCにはテーマ別に三つの作業部会がある。気候変動の現状や将来見通しを分析した昨年8月の報告書に続き、第2弾の今回は自然や社会にもたらす影響をまとめた。地球温暖化で近い将来、産業革命以来の気温上昇が1・5度に達し、「気候関連の災害増加を引き起こす」と指摘する。

 恐ろしいのは、干ばつや高温によって熱帯雨林や泥炭地など炭素を大量に蓄えている場所が乾燥し、火災が多発すると、温室効果ガスの排出増を招く可能性があるということだ。

 また、たとえ排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを2050年に達成しても、30年までに少なくとも排出量を半減させておかなければ、1・5度に抑え込めなくなるという。つまり、30年までが「後戻り」できるかどうかの瀬戸際だとする警鐘である。

 日本では昨今、カーボンニュートラルを50年時点で実現すれば大丈夫―といった風潮が広がる。それが無責任な楽観論にすぎないと退けたのが今回の報告書といえる。

 今後10年足らずのうちに、人類の存亡が懸かっているといっても大げさではあるまい。日本をはじめ、温室効果ガスの主要排出国に課せられた責務は重い。排出削減に一層のペースアップが求められる。

 化石燃料に対する姿勢は、とりわけ問われよう。

 国連のグテレス事務総長は、今回の報告書を「気候に関するリーダーシップの失敗を訴える痛烈な告発状」だとし、経済協力開発機構(OECD)加盟国には30年までの石炭火力発電の全廃を改めて求めた。

 日本政府は、昨年秋の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)でも、既存の石炭火力発電所をいつ全廃するかを示さなかった。のみならず、インドネシアやバングラデシュなど海外では石炭火力発電所の建設を支援している。いま取るべき行動は、そうした施策の抜本的な見直しではないか。

 IPCCは、熱波や暴風雨はもとより、生態系の崩壊や種の絶滅、虫害なども悪影響の例に挙げる。気温の上昇幅を1・2度に抑えても、森林やサンゴ礁、氷山などにすむ生物にとっては大きな脅威だという。

 その意味から、森林保全や自然保護区の拡大、沿岸のサンゴ礁やマングローブ林の保護などで、しわ寄せを減らす解決策の大切さを強調している。

 豊かな生態系なくして、健全な人間社会はありえない。気候変動対策につながる社会や経済づくりに向け、政策の方向転換が求められる。

 コロナ禍に見舞われ、あらためて持続可能な社会の在り方が世界中で問われている。

 その点、課題の先送りを繰り返してきた日本は取り組みが急がれる。気候変動対策や生態系の保護につなぐ視点が不可欠なことは言うまでもない。とはいえ残り時間は限られている。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月02日  06:37:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:スポーツと戦争

2022-03-07 06:48:10 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:スポーツと戦争

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:スポーツと戦争 

 走り回ったりダンスをしたり、時にはユニホームを脱いだり。ゴールを決めるやサッカー選手は喜びを爆発させる。派手なパフォーマンスも試合の華。だが先日、イタリア・セリエAでゴールを決めたミランチュク選手には笑顔もなかった

 ▲W杯出場の夢を絶たれた失望が理由だろうか。自身も一員である母国ロシアの代表チームは出場停止となった。ウクライナ侵攻を受け、国際サッカー連盟が決定した。ロシアとは試合をしないという国も相次いでいる

 ▲もう一つ。イタリアの同じチームにいるウクライナ代表の心情を思うと喜べないのだろう。先週、ゴール後に「ウクライナに戦争は要らない」と書いたシャツを示した選手だ。国が砲火を交えても2人の間には通じるものがある

 ▲スポーツ界で侵攻への非難の声が高まる。バドミントン、水泳、空手…。ロシアで開催予定だった国際大会が次々に中止されている。あさって開幕の北京冬季パラリンピックでもロシア勢の参加には異議が唱えられる

 ▲ウクライナは冬のパラスポーツ強豪国。だが移動が困難で、北京入りできていない。選手は純粋に競い合いたいだろうに。スポーツの喜びまで奪ったロシア大統領が憎い。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月02日  06:37:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説】:安倍氏の「核共有」発言 危機に便乗、許されない

2022-03-07 06:48:05 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説】:安倍氏の「核共有」発言 危機に便乗、許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:安倍氏の「核共有」発言 危機に便乗、許されない 

 ウクライナ侵攻という武力による現状変更に踏み切ったロシアのプーチン大統領が、核兵器の使用までほのめかした。核戦争が現実のものとなりかねない状況の中、あろうことか、被爆国の元首相から、許しがたい発言まで飛び出した。

 自民党の安倍晋三元首相が民放番組で、米国の核兵器を自国の領土内に配備する「核共有」政策について、日本でも議論すべきだとの考えを示した。ウクライナが砲火にさらされ、多くの人が犠牲になっているさなかに、なぜこのような発言をするのだろう。危機に便乗した問題発言であり、日本が堅持する非核三原則にも反している。

 被爆の惨禍を体験した私たちは、核兵器では人類を守れないことを知っている。77年たつ今なお苦しむ被爆者がいる。被爆地から安倍氏の発言に非難の声が上がるのは当然のことだ。

 安倍氏は番組で「被爆国として、核を廃絶する目標は掲げなければならない」とも語っていた。しかし元首相の発言だけに国際社会への影響力は大きい。非核三原則の破棄もあり得るという誤ったメッセージとして受けとめられる恐れもある。

 岸田文雄首相はきのうの参院予算委員会で、安倍氏の発言について「非核三原則を堅持するわが国の立場から考えて、認められない」と述べた。それにとどまらず、安倍氏に発言撤回を求めるべきである。被爆国として、核に頼らない安全保障の議論をリードすることが必要だ。

 核共有政策は、核保有国が自前の核を持たない同盟国と核兵器を共有して核抑止力を高めようとする軍事戦略だ。北大西洋条約機構(NATO)では、ドイツやイタリア、ベルギーなど5カ国が、米国の核兵器を自国の領土内に配備し、共同運用しているとみられている。

 安倍氏は、旧ソ連の崩壊後にウクライナが核兵器を放棄する代わりに米国とロシア、英国が主権と安全保障を約束した「ブダペスト覚書」に言及。「あの時、戦術核を一部残していたらどうだったかとの議論もある」とも指摘した。ウクライナが核を持っていたら侵攻されなかったとでも言いたいのだろうか。

 安倍氏はさらに「日本もさまざまな選択肢を視野に入れて議論するべきだ」と強調した。核武装を勧めるように取れる。

 折しもウクライナの隣国ベラルーシではおととい、核兵器を持たず中立を保つという現行憲法の条項を削除する憲法改正が国民投票で承認された。ロシアの核が配備される恐れがある。

 これでは冷戦時代への逆戻りだ。しかし当時のレーガン米大統領と旧ソ連のゴルバチョフ書記長は「核戦争に勝者はいない」と核兵器削減の道を選んだ。冷戦終結にもつながった決断を忘れたのだろうか。

 核兵器が存在する限り、使用される恐れがある。偶発的な事故やテロリストの手に渡るリスクだけではない。今回のように保有国の指導者が愚かな判断を絶対しないとは断言できない。

 ひとたび核が使用されれば敵も味方もない。抑止力が機能しないことは明らかだ。それに国際社会が気付いたからこそ、核兵器禁止条約はできたはずだ。

 平和と安全のためには廃絶しかない。究極の非人道兵器による悲惨を知る被爆国政府こそ、それを世界に発信すべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月01日  06:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:「裸の王様」をいさめるのは…

2022-03-07 06:48:00 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:「裸の王様」をいさめるのは…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:「裸の王様」をいさめるのは…

  大国の指導者に対して失礼は承知の上で「裸の王様」の称号を贈りたくなる。隣国に戦争を仕掛けたロシアのプーチン大統領は「ウクライナが住民を虐殺している」「だから非ナチス化する」と言いたい放題だ。いさめる部下がいないのだろう

 ▲なのに米国のトランプ前大統領ときたら「彼は賢い」と褒めそやすものだから始末に困る。バイデン政権批判が目的の冗談らしいが、この人がもし現職だったら…。便乗してメキシコに侵攻しようとは案外、本気かも

 ▲ウクライナの徹底抗戦が想定外だったのか、米欧日の経済制裁が気に入らないのか、プーチン氏の発言はエスカレートする一方。おとといは核兵器部隊に特別警戒態勢を命じた。ロシア本土が攻撃されれば核で反撃するぞとの脅しらしい

 ▲裸の王様であっても核兵器を身にまとえば周囲は服従してくれる。そんな悪魔の兵器が幅を利かす世の中でいいはずがない。核共有を日本でも議論しようとの元首相の提案に、きのう岸田文雄首相はきっぱりと拒んだ

 ▲王様にその真実の姿を告げるのは、戦火に悲鳴を上げるウクライナの子どもたちか、反戦デモを続けるロシアの市民たちか。今こそ被爆者の声も伝えたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年03月01日  06:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【疑惑】:河井元法相から現金受領「みじんの罪悪感もなかった」 「起訴相当」の広島市議5人

2022-03-07 06:47:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【疑惑】:河井元法相から現金受領「みじんの罪悪感もなかった」 「起訴相当」の広島市議5人

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:河井元法相から現金受領「みじんの罪悪感もなかった」 「起訴相当」の広島市議5人 

 2019年7月の参院選広島選挙区での大規模買収事件で現金を受け取ったとして、東京第6検察審査会(検審)に「起訴相当」と議決された広島市議5人が2日、広島市中区で記者会見を開いた。河井克行元法相(58)=実刑確定=からの現金提供について「儀礼的な贈呈」として違法性を否定。「みじんの罪悪感もなかった」とし、5人連名の共通コメントを発表した。

検察官の取り調べ状況などを話す三宅氏(手前)たち

検察官の取り調べ状況などを話す三宅氏(手前)たち

▶現金受領の理由「それは普通のことだから」【広島市議コメント全文】

 5人は、いずれも自民党市議の藤田博之氏(84)=佐伯区▽木山徳和氏(70)=中区▽谷口修氏(75)=安佐南区▽三宅正明氏(49)=安芸区▽伊藤昭善氏(71)=安佐北区。河井氏の確定判決によると19年3~6月に各70万~30万円を受け取った。

 同席した代理人弁護士によると、現金は同年4月に投開票された市議選に絡む「陣中見舞い」「当選祝い」といった政治家同士の寄付行為だったと説明。検察官から任意の取り調べで「河井氏の処罰が目的だから協力してほしい。先生には議員を続けてもらいたい」と言われたため、自分が罪に問われるとは思わず、現金の違法性を認める供述をしたという。

 検審議決を受け、5人は東京地検の再捜査の対象になっている。会見を開いた理由について三宅氏は「この事件でどういったことがあったかを伝えるのが仕事と思った」と説明。藤田氏は「選挙違反の意識は持っていない」とし、谷口氏は再捜査で起訴された場合は法廷闘争をすると話した。

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【話題・2019年7月の参院選広島選挙区での大規模買収事件】  2022年03月02日  22:21:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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