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ロングテール

2006年10月19日 | ノンフィクション
ロングテール。
インターネット上の商取引のデータに現れる曲線のことだそうです。音楽でたとえれば(ネットからのダウンロード回数ですが)、売上のなかでメガヒット曲の占める割合は数パーセントで、あとはいわゆる「売れない曲」の売上、ということらしいです。わずかなメガヒット曲の売上=その他の曲の売上、という式になるわけです。
ネットが供給路のボトルネックを取り除き、誰でもがマスな商品だけでなく、ニッチな商品を手に入れられるようになった結果、データ(商品)が増えるにつれて半年に1回でも売れる商品が「発見」されるようになった。
半年に1回でも売れる商品が集まれば、メガヒット商品にも匹敵する売上にもなる、ってことです。
とってもいいことのような気がします。

ですが、著者は探す目的を自覚している人間やネットにつないでいる人間だけを対象に話をしているみたいです。

選択肢の豊穣さをうたう著者であるけれども、そのロングテールを使うことができる集積者が限られていることはどう説明するのか。検索エンジンが新たな資本家として搾取することを隠蔽するための、ロングテール賛歌でないことをのぞみたいですね。

(ロングテール クリス・アンダーソン著 早川書房)
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