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チラシの裏

王に対して休戦なし

2015年04月01日 | SF
そのポール・アンダースンのヒューゴー賞短編賞をとった「王に対して休戦なし」。
(講談社文庫ヒューゴーウィナーズ世界SF大賞傑作選1巻)
清朝末期の中国あるいは幕末のように
軍閥が支配する小さな領土がひしめきうホロコースト後のアメリカ。
文明は南北戦争あたりに衰退し、かたやエスパー(超能力者?)がサンクチュアリをつくり、
一般人はその超能力を恐れています。
主人公は軍人将校で、なにごとも戦いで奪い取るタイプの人間。
結局、エスパーを異星人が操っていたことを暴き、人間の支配を取り戻す、というお話。
タカ派の面目躍如というか、軍人の描写が楽しかったんだろうな。
後書き(伊藤典夫)にありましたが、
ベトナム戦争賛成派広告にアンダースン、ハインライン、ニーヴン、ヴァンス(えー!)らが署名し、
反対派の広告にはアシモフ、ディレーニイ、ル=グウィン、シルヴァーヴァーグらが署名していたと
書かれていました。




それと、「王に対して休戦なし」は「王に休戦なし」のタイトルで
別冊奇想天外「ヒューゴー賞SF大全集」に翻訳掲載されていたそうですが、
じつは誤訳が1ページに1つほどあったそう。
タイトルからしてまったく反対の意味ですし。
翻訳者の名前はイニシャルで伏せてありますが、中上守です。


※昔の東横線渋谷駅の構内に、なぜかゾッキ本を扱う店が出ていて、
奇想天外別冊が何冊か並んでいました。
駅へ行くたびに1冊ずつ買っていたことを思い出しました。




この方ベイリー「時間帝国の崩壊」(久保書店)をやっていてビックリ。
「時間帝国の崩壊」の話がイマイチ意味不明だったのも誤訳のせいなのか、
こっちの頭が悪いからだったのか。
あとハミルトン「太陽破壊者」、ニーヴン「プロテクター」もね。


銀背に入っていた「審判の日」「敵の星」「たそがれの地球」はハヤカワ文庫SFには入らなかったですね。
「審判の日」は探検隊が地球に戻ってきたら人類が滅んでいた、というスタート。
人類を滅ぼしたエイリアンはだれだ、という宇宙規模の犯人探しSF。
古い作品なので謎解きはトホホ。
「敵の星」はざっと斜め読みすると骨の髄までアメリカ人というか、
宇宙と未来にはアメリカしかないような気がしてきます。
が、「敵の星」にはナカムラ・セイイチという日系人が登場。
柔道と禅の極意を持って特攻しちゃいます。

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3 コメント

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Unknown (ヒゲの異教徒)
2015-06-12 22:35:39
畳とおむすびの、日本人しかいない未来のアニメを見ています。異形の本命ヒロインが海外ファンに「萌えペニス」と呼ばれているアレです。
SF側からどうなんでしょう。
返信する
ガンバの冒険は大丈夫か! (非・哲学的先輩)
2015-06-12 23:05:48
「萌えペニス」
書いてしまいましたね~。
こんなにハッキリとね~。

今季は見る作品を抑えたので、
その作品は観ていませんが、
1期を見た感じで言うと、
バリントン・J・ベイリー「カエアンの聖衣」に出てくる、
宇宙空間の生存に適応した日本人の末裔、
を思い出させます。
ヤクーザポンスと呼ばれるヤクザ坊主に率いられて、
宇宙をイカダで漂っているんだそうですよ。
返信する
[] (ハレンチ和尚)
2015-06-13 01:37:58
もちろんダメでしょう。
と、原作三巻既読のテレビシリーズファンとしては思いますが、同様の経緯で生まれた見るのも怖いCGドラえもんが中国で円で90億稼いだそうですから、そういう成功はあるかもしれません。

>ヤクザ坊主に率いられて、宇宙をイカダで漂っているんだそうですよ。
全く同じ話じゃないですか!^^
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