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チラシの裏

出版アナザーサイド

2017年06月29日 | ノンフィクション
藤脇邦夫氏の「出版アナザーサイド」を読む。
大都会にいるころ勤めていた店で、著者にお会いしたことがあります。
中で触れられている「都内にある漫画専門店」のうちの一つで、です。
ちょっと変わったヒト、という感じでしたが、
当時の漫画専門店に仕事で来る人たちはみな変わっていましたから、
いまから思えば逆にまっとうな営業マンに見えました。

で、次に触れられている阿佐ヶ谷に本店があった書店「書原」の上村社長のエピソードに
とても懐かしい思いをさせられましたが、
2009年に上村社長が亡くなられていたことを知り愕然としました。
そうかあ、年まわりとしてはあり得ることですね。
新橋に店があったとき、短い間ですが下っ端として働かせてもらったこともあり、
文中にあるように「スリップに情報が詰まっている」と話している姿をよく見ました。


経験則をベースにカンで売れそうな本を見つける技は職人芸だったことを思い出します。
スリップの見方は教えてもらえませんでしたが、売れそうな本の見分け方については少しだけ。
「誰も知らないが、知りたいと思っているコトを書いた本は売れる」
「塀の中の懲りない面々」が文春から出て「ナンダコレ」と誰もが思っていたとき、
「これを積め」と言ったのは上村社長でした。たしかに台の角に平積みしたらすごく売れました。
すげーなー、と思ったのですが、「忍びの者」が復刻したときに「売れるぞ!」という予言は
見事に外れたのを見て、一種の経験則で言っていると思ったのも確かです。
「類書がたくさんあるときは、奥付の再版数を見ろ」と言っていたのも思い出します。

「漫画ブリッコ」の段で伏字になっているO氏は大塚某氏のことですが、
当時は「編集長」だとばかり思っていました。
「ブリッコ」のことだけが書かれていますが、
エロが青少年に広がった功罪は「ブリッコ」だけではなく、
久保書店の「レモンピープル」にもあるかと、というかこの2誌が両雄だった気がします。


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