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チラシの裏

帽子収集狂事件

2013年01月01日 | JDカー
江戸川乱歩の「密室以上の不可能興味」という評価でカーの代表作とされていますが、
はるか昔に読んだときも、新訳を読んだ今も、
登場人物の台詞とロンドン塔の見取り図だけで「不可能興味(犯罪)」になるのか、さっぱり理解できません。
おそらく、実際にロンドン塔まで行かないと分からないんじゃないでしょうかね。
なぜ乱歩がそこまで気に入っていたのか。

以下ネタバレ

別のところで殺された被害者を車の後部座席に乗せて運ぼうとすると、
助手席に雇い主が乗ってきて、死体と雇い主(もちろん死体が後部座席にあることは知らない)を
一緒にロンドン塔まで運ぶというスリルが乱歩好みだったのではないか。
死体を椅子に腰掛けさせカバーをかぶせ、その上に座って死体を隠す、
というトリックに通じるところがあります。
横溝正史は「獄門島」や「蜃気楼島の情熱」でそっくりトリックをいただいてますし、
玄人好みのトリックかもしれません。


■帽子収集狂事件 J・D・カー著 創元推理文庫
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