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降霊術の部屋 2

2021年12月02日 | Cウェルズ
キャロライン・ウェルズ「The Room With the Tassels」(1918)

登場人物
ルドルフ・ブレイ たぶん主人公、幽霊については馬鹿ばかしい派
イヴ・カーンフォース たぶんヒロイン、幽霊ついては強硬な信奉派
ウィン・ランドン 上記二人の年上の友人、裕福な弁護士 幽霊いるなら見せてみろ派
ミリー・ランドン ウィンの妻、小太りで楽しければ何でも良し、降霊術は金儲けとの発言
ブルース・ギフォード ブレイの年上のいとこ、実はオカルトに詳しい、完全否定派
ヴァーニー・リード ブルースの姪、16歳で学校を卒業したばかり。幽霊はお遊び派 
ハードウィック教授 学者枠、幽霊懐疑派
ノーマ・キャメロン たぶんライバルヒロイン、ランドン夫人の若い友人、絶世の美女で慈善事業家
ジョン・トレイシー ブレイの友人、牧師

第二章 老モンゴメリの地所
二章でランドン氏の職業が裕福な弁護士と判明。
そのランドン氏はなんと不動産屋をたきつけて、幽霊屋敷を借りる手はずまでたどりつく。
その持ち主であるステッビンズと名乗る男からの手紙によるとー

1700年ごろに老モンゴメリが建てた屋敷で、たしかになにかが出る。
周りにポプラの森があり、夜になるとそれが黒く見えて「黒アスペン」と呼ばれている云々……

ランドン氏は一発OKを出して、参加者と会合を持つ。
ここで、ライバルヒロイン、ノーマ・キャメロン登場。
絶世の美女で正義感にあふれ、正直者で慈善事業家という完璧な女性。
しかし、イヴとは反りがあわず、話し合いでは互いに反発ばかりしている。
ヴァーニーはヴァーニーで、参加者(おもに男性陣)を手玉にとるようなお馬鹿発言を繰り返し、
おじのブルースとブレイくんにたしなめられる。
で、話がまとまりかけた最後に、そのブルース・ギフォードが
「幽霊なんて存在しないから、おれがトリックを仕掛けてやる」」と爆弾発言。
ランドン氏と教授があわててなだめるが、イヴとノーマは受けてたつわ!と言い出す。
ノーマ自身は自分に霊感があると信じているが、イヴに言わせると注目を集めたいだけの演技だと。
そのイヴも、一度言ったことをあとからひっくり返す悪い癖がある。
部外者枠のトレイシーが、トリックはブルースだけにとどめておけば、
参加者の緊張を高める効果が得られるのでは、どアドバイスしたところで二章は終了。
「8人の監視があれば、ブルースはトリックなど仕掛けられん」
ランドン氏の最後の言葉は、はたして額面通りに受けとてっていいものか? 続く。


アメリカが最高景気でにぎわっていたころの有閑人種たちの雰囲気、
バブルを体験した日本人には、どこか懐かしささえ思わせます。

二章の章題が「老モンゴメリの地所」とはなっているものの、
ほとんどがキャラクター同士の会話で、いささか冗長。
キャラクターの色をはっきりさせる、という意味では、
たしかに鮮明にはなっているものの、もうちょっと刈り込んでほしかった。
その上にキャラクターの発言が揺れているのも「?」でした。
ランドン氏が「幽霊なんてどうでもいい」と「本物の幽霊」をどっちつかずに繰り返し、
ギフォードが突然に仕掛け人になってしまうし。
著者が女性だけに、女性キャラは念入りに書き込む反面、
男性キャラは若干なおざりな感じです。









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