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キャロライン・ウェルズ 降霊術の部屋 4

2021年12月12日 | Cウェルズ
降霊術の部屋 (The Room With the Tassels)

ルドルフ・ブレイ 幽霊懐疑派
イヴ・カーンフォース 信奉派
ウィン・ランドン 裕福な弁護士、幽霊懐疑派
ミリー・ランドン ウィンの妻、楽しければ何でも良し
ブルース・ギフォード ルドルフ・ブレイの叔父
ヴァーニー・リード 16歳で学校を卒業したばかり、幽霊は遊び派 ブルースの姪
ハードウィック教授 幽霊懐疑派
ノーマ・キャメロン ランドン夫人の若い友人 慈善事業家、幽霊否定派?
ジョン・トレイシー ブレイの友人、牧師
イライジャ・ステッビンズ 幽霊屋敷の持主

第四章 呪いの屋敷

前章の終わりで、ヴァーニーが見たものは「殺人者の燭台」だった。
翌日、屋敷の持ち主のステッビンズが、一行に屋敷の曰くを説明した。

狷介な人物、老モンゴメリは屋敷を受け継いで無計画に建て増していった。
不器量な嫁をもらったのだが、彼に輪をかけてねじれた女だった。
結局、彼は嫁に青酸カリで毒殺されてしまう。
しかし嫁に呼ばれた医者が、老モンゴメリ殺害が嫁の仕業だと知り、
遺体と嫁を件の部屋に閉じ込めて、村へ救援を頼みに行く。
だが戻ってみると老モンゴメリの遺体は消え失せ、
嫁は気が変になっていた。

ステッビンズは言う。
「方法はわからんかったし、今もわからん。この世から消えてしまったんだ。
医者も村の者も妖しい何者かが持ち去ったと信じた。
だって嫁は死体を荷車で運ぶことはできんかったはずだが、何も残っておらんかった。
その辺に埋まっていないとしたら、嫁はどうやって死体を処分できたのか。
そもそもどうやって閉じ込められた部屋から抜け出したのか。遺体は湖にでも投げ込んだのか?
しかも、どうやって嫁は閉じられた部屋に戻ってこられたのか」

そして一行は実際にその事件のあった部屋「房飾りのある部屋」に入る。
なにも起きないのだが、部屋から出たあと、持ち主のステッビンズがランドン氏に聞く。

「部屋にいるときの匂いを」
「そうよ、やっぱり!」イヴが叫んだ。「青酸カリの匂いね!」
「ああ、お嬢さん」ステッビンズはうなずいた。「それさ」

これで第四章は終わり。

怪談話もやっと聞けて物語のベクトルが増した感じです。
「殺人者の燭台だ!」というセリフを読んだとき、一瞬カーの作品かと思ったくらい。
カーで似たような作品を探せば「黒死荘の殺人」でしょうか。
ちょうどケン・ブレイクが古文書を読んでいるあたりに相当するかも。

いまも青酸カリの匂いがただよう、遺体が消える呪いの部屋、
お膳立てはいいのですが、たぶん謎解きは脱力以下だろうなあ。
持ち主ステッビンズが曰くを説明する段の相手は、ほとんど否定派のブルース・ギフォード。
たたき売りとサクラの会話みたいで、ほぼバレバレ状態ではないか、と思います。
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