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チラシの裏

キャロライン・ウェルズ 降霊術の部屋 休憩所1

2021年12月13日 | Cウェルズ
訳す作業もちょっと休憩。

山登りに例えるならば、いまは2合目か3合目あたり。
ここまで読んできて、なんだかディクスン・カーを感じるというか、
そのつもりで読んでいるので、先入観かもしれません。
でも、
「密室から遺体が消えた!」≒「火刑法廷」
「残された女の気が変になっていた!」≒「五つの箱の死」
と、気になる設定。
同じ作者の「The Luminous Face」(1921)の第一章題が「Doctor Fell(フェル博士)」ですからね、
カーはこの作者からネタを拾っている、そう考えても
あたらずと雖も遠からず、ではないでしょうか。

話は飛びますが、横溝正史が、
「カーを読んで本格探偵作家としての自信が出来た」(「片隅の楽園」(探偵小説五十年P214)
と言った理由は?

以下ただの妄想。
正史が外国の探偵パルプ雑誌を集めていたことは有名です。

「横溝正史旧蔵資料」 学校法人二松学舎所蔵
https://www.nishogakusha-u.ac.jp/gakubugakka/special/kokubun01/02.html

その画像は「横溝正史研究5」のジャケットで少し見られます。
この表紙画像にあるのは、「Detective story magazine」で発行年が確認できるものは、1930と1923です。
薬学時代と新青年時代のものですね。
古くは中学校時代から集めていたとあるので、それはおそらく裏表紙に載っている
「The Premier」のほうでしょう、これはイギリスの雑誌です。

なにが言いたいかというと、カーもこういった探偵パルプ雑誌を読んでいたのではないか。
カーはその影響(パクリ、オマージュ、リスペクト等々)で作品を書き、
井上英三からカーの作品を借りて読んだ正史は
「なんだ、おれと同じものを読んでいるやつが、
こんなちゃんとした(?)本格探偵小説を書いているじゃないか」
と共鳴したのではないか、と。
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