goo blog サービス終了のお知らせ 

Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●株価暴落…政府・首相はどう責任? 《「取るわけがない。裏金問題でさえ、自民党はうやむやにするのだから」「政府が勧めているのはばくちと同じ」》

2024年08月12日 00時00分41秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年08月08日[木])
誰が儲け、誰が損したのか?
 《金融教育》? 《金融経済教育の充実》?? 壺神様のドアホノミクスの失敗を認めることが先決。キシダメ首相の腹案が《金融関係者の助言を受けやすくする割引クーポンの配布だ》そうですよ!

   『●「大切なものは決してお金に換えてはいけない」:
       「宇沢弘文氏が蛇蝎の如く嫌った新自由主義」
   『●《下々のカネを、富める者と巨大資本にシフトさせたい本音があからさま》
        …《新しい資本主義》ならぬ、〝新しいトリクルダウン理論〟か?
   『●東京新聞【<社説>新しい資本主義 「分配」は掛け声倒れか】
     《岸田へ投資を》…「インベスト・イン・キシダ・DEATH」ではねぇ…
   『●《「新しい資本主義」に始まり「丁寧な説明」――。岸田文雄の宙に
     浮いた言葉の欺瞞性は見透かされている》…国葬強行、〝番号〟強制…
    「《約束したことに着手せず新しいことに飛びつくが1年》。
     《何もしない男だよね》《煮え切らない男》(狙撃兵)。国会で
     審議することも無く、国葬強行、〝背番号〟を強制…。壺神様の
     ドアホノミクスを後生大事にし、経済政策はゼロ。堕ちる一方の
     ニッポン。まずは、自公お維コミ議員のオデコに〝番号〟を
     シール貼りして見せてくれ。」

 (狙撃兵、2022年10月18日)《ところで、大風呂敷を広げた「新しい資本主義」とやらは、蓋を開けてみると「貯蓄から投資へ」という従来の路線を踏襲しただけであり、政府をして富の分配であったり大胆な資本主義体制の手直しをするわけでもなく、自己責任で国民一人一人の虎の子である金融資産を投資に振り向けろというだけであった。それは「新しい資本主義」でもなんでもなく、金融資本主義とか強欲資本主義といわれるマネーゲームの只中に素人を投げ込み、金融資本がごっそり国民の資産を剥ぎ取っていくスキームである。そのさいよく耳にする「資産運用しないとジリ貧で老後に困るぞ!」の圧たるや、統一教会が「サタンに取り憑かれて地獄に落ちるぞ」と恫喝して信者から資産を巻き上げていくのと変わらないような気もして、まったく「丁寧」か「乱暴」かなんて、この世の中いい加減なものだとつくづく思う。「新しい資本主義」に始まり「丁寧な説明」――。岸田文雄の宙に浮いた言葉の欺瞞性は見透かされている。 吉田充春》。
 「NISA(つみたてNISAまたは一般NISA)」だの、「個人型確定拠出年金iDeCo」だの…ブログ主は、以下の斎藤貴男さん言葉をよ~く噛みしめておくべきだと思っている。

   『●(狙撃兵)《その死を呼び寄せた原因が反日カルト組織である統一教会と
     ズブズブだった関係にあり…なぜ「ファザームーン」みたく神格化…?》
   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増
     =《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
    【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/岸田政権が打ち出した
     「1億総株主」構想 愚かすぎる国に経済成長などあり得ない】

 斎藤貴男さん《呆れたのは、これが岸田政権の看板「新しい資本主義」の、そのまた目玉とされた「所得倍増」を掲げている点だ。総裁選で連発された「分配」の理念など影も形もなく下々のカネを、富める者と巨大資本にシフトさせたい本音があからさま。新しくも何ともない、ただ単に資本主義の最も卑劣な部分の拡大再生産でしかありはしない。あえて言う。株に手を出して無事で済むのは大金持ちだけだ。億以下の資金しかない客を「ゴミ」と呼び、手数料稼ぎの金ヅル扱いする証券マンや、それで破滅した人々を私は嫌というほど見た》。

 《下々のカネを、富める者と巨大資本にシフトさせたい本音があからさま》(斎藤貴男さん)。《新しい資本主義》ならぬ、〝新しいトリクルダウン理論〟ということか? 新しい「馬とスズメ理論」。こんな「金融経済教育」なんて必要ない。浜矩子さん《だが、実はもっと怒りを向けるべきことがあった。それは、国家戦略のために人々のなけなしの資産を活用しようという考え方である。リスク投資にシフトさせることで、資産所得を増やさせておく。そして、その果実を成長戦略のためにお役に立てる。そのための金融経済教育なのである。これは金融経済教育ではない。金融経済洗脳だ》。
 再度、(2022/12/13 17:00)AERAのコラム【浜矩子「資産所得倍増プラン案は金融経済教育ではなく、金融経済洗脳だ」】(https://dot.asahi.com/aera/2022121200044.html)によると、《だが、今回の文書をみると、どうも、筆者の理解は間違っていたようである。この構想は、日本家計の懐を少しでも温かくしたいという思いに基づいたものではない日本家計が現金と預貯金ばかりにしがみついていないで、株式や債券などのリスク資産の保有にもっと踏み込むのことによって、成長資金が企業部門に回るようにする金融ビジネスの活性化を実現する。ここに狙いがあるようだ。その実現に向けて、人々のリスク投資アレルギー解消を図る。そのための金融経済教育らしい。戦略的に人々をリスク投資に誘導する。それが、政府のいう金融経済教育なのである》、《だが、実はもっと怒りを向けるべきことがあった。それは、「国家戦略」のために人々のなけなしの資産を活用しようという考え方である》。

 石井紀代美白山泉両記者による、東京新聞の記事【岸田首相の「貯蓄から投資へ」でNISAを始めたら…大暴落 投資初心者のリスク管理はどうすれば?専門家が指南】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/345504)。《5日の東京株式市場で日経平均株価(225種)は大幅続落した。前週末比の終値の下げ幅は4451円28銭と、1987年の米国株式市場の大暴落「ブラックマンデー」翌日の3836円を上回り、史上最大となった。政府が「貯蓄から投資へ」を推し進める中、新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まってから初めての「大暴落」となった。NISA口座の開設数が増える中、不安を感じる投資初心者も多い。専門家は、投資の心構えとして長期的な視点の必要性に言及する。(石井紀代美白山泉)》。

 山田雄之西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/火に油注ぐつもり? 株乱高下のさなか投資「助言クーポン」を提案する岸田政権 「金融教育」か「詐欺的政策」か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/345729?rct=tokuhou)。《今回の株価暴落であらわになった投資のリスク。仮に元本割れなどが生じた場合、政府や首相はどう責任を取るのか佐高さんは「取るわけがない裏金問題でさえ、自民党はうやむやにするのだから」と即答し、こう強調する。「政府が勧めているのは、ばくちと同じ。必ず利益を得られるわけではない。疑う必要がある」》、《◆「リスク大きすぎ 詐欺的政策 …淑徳大の金子勝客員教授…その上で「政府が年金政策などで失敗しても責任を取らず生活設計を国民の自己責任にすり替えてきたのが根本的な問題だ」と続け、こう唱える。「家計の投資に頼るより、もっとやるべきことがあるはずだ。重要なのは中小企業などの賃金を増やし、消費を喚起する分配政策だろう」》。


=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/345729?rct=tokuhou

こちら特報部
火に油注ぐつもり? 株乱高下のさなか投資「助言クーポン」を提案する岸田政権 「金融教育」か「詐欺的政策」か
2024年8月7日 12時00分

 東京株式市場が揺れている。5日の日経平均株価は終値の下げ幅が4000円超と過去最大を記録。と思えば6日は大きく反動する形に。投資家の間に困惑が広まるが、こんな難局に向かうタイミングで岸田文雄首相はある腹案を示していた。金融関係者の助言を受けやすくする割引クーポンの配布だ。今後が不透明な状況で本当に役立つのか。(山田雄之西田直晃

     (金融経済教育推進機構を視察し、
      関係者らと意見交換する岸田首相)


◆「2000万円は損したかな」

 乱高下する東京株式市場。投資家らはどう受け止めるのか。6日昼ごろ、東京駅周辺で聞いてみた。

 全資産の8割を投資に充てるという東京都中野区の男性会社員(46)は開口一番、5日の暴落に触れ、「『落ちる』とは言われていたけど、ここまでとは」と驚きを口にした。「ダメージは大きいけど、国内外に投資を分けていたのでまだ助かった」とも。

 「2000万円は損したかな」。淡々と話すのは千葉県船橋市の男性(69)。20銘柄の株を保有し、先週からの下落で含み損を抱えた。暴落を見てすぐ、手元の現金を確認したという。「一喜一憂しちゃいけない。安くなった今が買い時」

     (終値で過去最大の下げ幅を更新した日経平均株価を示す
      モニター=5日、東京都中央区で(布藤哲矢撮影))


◆「知識がないし対処できない」

 高校生と大学生の子どもを育てる福島県いわき市の石井久美子さん(52)は2年前から少額投資非課税制度(NISA)を利用する。「私は数万円だからいいが、上限額まで投資している同級生は悲鳴を上げていた」と明かす。「物価高もあり、子育て世代は給与だけでは無理。国は投資を手放しで勧めるけど、結局は自己責任だから勉強しないと」とつぶやく。

 千葉県成田市の会社員女性(35)は、投資に関しては元本保証型の商品を持つ程度という。6日は株価が急上昇したものの「知識がないし、こんな株価の乱高下は対処できない」。

     (官邸に入る岸田首相=6日、東京・永田町で(佐藤哲紀撮影))


◆投資の旗振り役・自公政権

 ここ最近の東京株式市場は荒れている。5日の日経平均株価は、前週末の終値より4451円28銭安い3万1458円42銭となり、下げ幅は過去最大に。1987年の米ニューヨーク株式市場の株価暴落「ブラックマンデー」が起きた際を上回った。ところが6日は一転、3217円04銭高い3万4675円46銭で取引を終え、上げ幅で過去最大を記録するに至った。

 株価が乱高下する中、投資を巡って困惑が広がるが、その投資の旗振り役となってきたのが自公政権だ

 かねて「貯蓄から投資へ」とのスローガンを国が唱える中、自民党は2022年、日本の家計の資産は欧米より預貯金の割合が高いとし、投資を促して消費拡大や経済成長を目指そうと「1億総株主」との概念を打ち出した。自公政権は今年1月、投資できる金額や期間を拡充した新NISAを始め、国民の投資熱をあおった

     (賃上げなどを訴えるデモ行進)


◆「老後2000万円問題」

 評論家の佐高信さんが思い返すのは、2019年に金融庁の審議会がまとめた報告書。「夫婦で老後を送るには年金以外に2000万円が必要」と記し、猛反発を受けて撤回に追い込まれた文書だ。「投資を促す流れは変わっていない。国が経済政策で失敗して物価高などを招いたにもかかわらずだ。国民に自己責任論を押しつけている」と指摘する。

 今回の株価暴落であらわになった投資のリスク。仮に元本割れなどが生じた場合、政府や首相はどう責任を取るのか。

 佐高さんは「取るわけがない裏金問題でさえ、自民党はうやむやにするのだから」と即答し、こう強調する。「政府が勧めているのは、ばくちと同じ。必ず利益を得られるわけではない。疑う必要がある」

     (金融経済教育推進機構を視察し、職員の前で訓示する
      岸田首相=東京都中央区で)


◆投資促進に前のめりな岸田首相

 株価は今月2日の段階で荒れ模様をうかがわせる展開を見せていた。同日の東京株式市場の日経平均株価は、前日比2216円63銭安の3万5909円70銭。この時点ではブラックマンデーのころに次ぎ、歴代2番目の下げ幅だった。

 そんな折でも投資促進に前のめりなのが岸田首相。2日にあった金融経済教育推進機構J-FLECの立ち上げ式では「家計の資金が成長投資に向かい、企業価値の向上が家計に還元される。このためには金融経済教育の充実が不可欠」と強調。教育の一例に挙げたのが、投資初心者を対象とした機構の認定アドバイザー制度だった。

 企業や学校での金融教育も担う機構。政府や日銀、全国銀行協会などの出資で4月に発足した。認定アドバイザーには、証券アナリストやファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級以上といった資格取得者が選定され、個別の有料相談に応じる。


◆投資相談料割引のクーポン券?

 相談額は「市場の原理が働く」(担当者)として、個々のアドバイザーに委ねられているが、日本FP協会の業界調査によると、1時間当たりの相場は7000〜8000円と見込まれる。

 岸田首相は2日、認定アドバイザーの利用を促すべく「秋には相談料を最大8割引きとするクーポン券の配布をぜひ実施していただきたい」とも提案した。

 機構によると、希望者に配る予定で、有料相談の費用が1時間当たり8000円までは8割引きに。1人1回計3時間分使える。相談時には、投資にまつわる制度を説明し、資産運用の手法も助言する。担当者は「既に各地で相談に応じている専門家がおり、投資を考え始めた人の使い勝手を格段に向上させる」と強調する。割引の原資は「設立主体それぞれの分担金」で、一部は税金でまかなわれる

     (金融経済教育推進機構を視察し、
      関係者らと意見交換する岸田首相(中央右))


◆国のねらいは「有料相談というビジネスの活性化」?

 では、株価の見通しが不透明な中、「認定アドバイザーの助言」「利用促進のためのクーポン」は役に立つのだろうか

 経済ジャーナリストの荻原博子さんは「今回の乱高下では、投資しないと老後が大変と追い立てられた人が、びっくり仰天した。有料相談の8割引きは歓迎されるかもしれない」と前置きしつつ、「投資に必勝法はない。『分散投資や長期投資は安心』と言いはやされても、想像できない出来事は常に起こり得る」と過信にくぎを刺す。

 「投資を推奨する旗を国が振るさなか、認定アドバイザーは中立的に助言できるのか。認定アドバイザーは画一的な判断を押し付けず、投資しない選択肢も提示できるか

 さらに「金融経済教育とは投資の利点と欠点を知り、自分で判断できる能力を養うもののはずだ」と語り「国がやろうとしているのは、有料相談というビジネスの活性化。金融業界のメリットばかりを考えていないか」といぶかしむ。


◆「リスク大きすぎ 詐欺的政策」

 淑徳大の金子勝客員教授(財政学)は「今の投資市場には外資マネーがはびこり、コンピューターを活用した先物取引を軸にもうけるファンドが主導する」と難局に置かれた現状について解説し「一般投資家にもっとカネをつぎ込めと促す割引クーポンの発行は、荒波を切り抜けた人だけが得をすればいいという詐欺的政策だ。リスクが大きすぎ、翻弄(ほんろう)されるのが目に見えている」と危ぶむ。

 その上で「政府が年金政策などで失敗しても責任を取らず、生活設計を国民の自己責任にすり替えてきたのが根本的な問題だ」と続け、こう唱える。「家計の投資に頼るより、もっとやるべきことがあるはずだ。重要なのは中小企業などの賃金を増やし、消費を喚起する分配政策だろう」


◆デスクメモ

 投資したい人はやればいいと思うが、投資をためらう人がいるのもまた事実。最近の株価の乱高下を目の当たりにし、改めてそう感じた人も多いのでは。なのにクーポンまで使い「投資、投資」と勧められても…。「この道しかないと言わんばかりに傾倒する真意を探りたくなる。(榊)


【関連記事】株乱高下「投資やってないし関係ない」わけじゃない…プロの見方は 6日は回復したけど 年金にも影響が?
【関連記事】「不安しかない」高校生が頑張る「お金の増やし方」の授業 導入2年、記者が見た手探りの教育現場
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《消費税が抱える根源的な問題》はなにか? 《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な消費税制…

2019年10月23日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房(http://www.chikumashobo.co.jp/photo/book/large/9784480436023.jpg)↑]



斎藤貴男さんによる、webronzaの記事【政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘/“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実 斎藤貴男】(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html)。

 《10月から消費税が8%から10%に上がります。メディアでは軽減税率やポイント還元策などが話題になっていますが、ことの本質はそこなのでしょうか。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税が抱える根源的な問題についてシリーズで考えます。(論座編集部)》

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●年金自助努力問題…《単なる金ヅルとして、
      社会保障の“充実”だの“安定化”だのをエサ》に消費税を増税
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 《消費税で社会保障が充実するなんて妄言を、実は誰も信じてなどいない。お上に何を言ってみても無駄であり、自分たちは政治権力や巨大資本の金ヅル兼労働力、ないし兵力以上でも以下でもないと、大方の日本国民は初めから諦め切っている》…それで本当にいいのですか?
 〝消費税のカラクリ〟…消費税制の廃止を! 

 《いったい何のための消費税だったのか》? 《それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えない》。
 斎藤貴男さんは、最後に、《打開策があるとすれば、ただひとつ多くの人々が消費税というものの本質を学び、理解して、怒らなければならない時は本気で怒ることである》と。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
                   …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
     (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》
               …自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
   『●《巻き上げられた消費税は…土建屋政治や大企業の減税や、
      近年では軍事費などなど、権力の金儲けや戦争ごっこに乱費》
   『●《常に弱い立場の側がより重い負担を強いられる》最悪な
     消費税制…《これほど不公平かつ不公正なイカサマ税制もない》
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
   『●斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』…消費税制は
     《いかに不公正で…「魔法の杖」》かを指弾した《警世の書》

=====================================================
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019091900001.html

政府やメディアが刷り込んだ“消費税の目的”の嘘
“社会保障の充実と安定化”のための増税という謳い文句とは正反対の現実

斎藤貴男 ジャーナリスト
2019年09月20日
年金|消費税増税|社会保障|自己責任論|財政健全化

10月から消費税が8%から10%に上がります。メディアでは軽減税率やポイント還元策などが話題になっていますが、ことの本質はそこなのでしょうか。長年、消費税のあり方を追及してきたジャーナリストの斎藤貴男さんが、消費税が抱える根源的な問題についてシリーズで考えます。(論座編集部)


■全世代型社会保障改革を掲げた新内閣

 「新しい社会保障制度のあり方を大胆に構想してまいります」と安倍晋三首相は胸を張った。

     (内閣改造について記者会見する安倍晋三首相=
      2019年9月11日、首相官邸)

 9月12日、第4次再改造内閣発足に臨む記者会見。「全世代型社会保障改革」を新内閣の“旗”に掲げ、その担当を兼務する西村康稔経済再生相(56)を中心に、「70歳までの就労機会の確保や年金受給年齢の選択肢の拡大」などの“改革”を進めるという。

 いわゆる年金カット法年金制度改革法)に基づくマクロ経済スライド方式の強化をはじめ、医療費や介護費用の自己負担比率増大、介護保険制度の利用者制限、生活保護の生活扶助費や住宅扶助費の減額等々、過去数年にわたって重ねられてきた社会保障の縮小あるいは削減に、よりいっそうの大ナタが振るわれていく。側近の衛藤晟一氏が担当相に起用された「1億総活躍」の国策と合わせれば、権力に近くない人間は死ぬまで働くしかない時代が見えてくる。

 ちなみに西村氏は内閣官房副長官だった2018年7月5日夜、安倍首相とその取り巻きたちによるどんちゃん騒ぎの大宴会「赤坂自民亭」の模様を、「いいなあ自民党」のコメントとともにツイートし、問題になった人物だ。翌日にオウム真理教事件の死刑囚7人の死刑執行が予定され、また中国・四国・九州地方で200人以上の死者を出すことになる西日本大豪雨がすでにその予兆を示していたそのタイミングが、今も記憶に生々しい。


■社会保障の充実と安定化のための増税だったが……

 “大胆”な社会保障“改革”の実相も、それを担う人々の資質も、しかし、マスメディアは特に報じも、論じもしなかった。新閣僚の首相との距離感や、派閥の内幕については過剰なほど詳しい新聞は、国民生活を左右する政策の意図や意味には関心がないらしく、政権側の言い分をおおむねそのまま垂れ流す。「全天候型社会保障改革」に批判的な報道が皆無だったとまでは言わないが、その場合でも、なぜか、この“改革”と、ある要素との関係だけは、とことん避けて通られているようだ。

 「ある要素」とは何か。消費税増税の問題だ

 来たる10月1日に、消費税率は8%から10%に引き上げられることになっている。そして、政府とマスメディアはこの間ずっと、“社会保障の充実と安定化”のための増税なのだと謳(うた)い続けてきた。

 それが、どうだ。現実は、まるで正反対の姿にしかなっていないではないか。


■尻すぼみに終わった「老後2000万円問題」

 例の「2000万円問題」を、改めて考えてみよう。さる6月、政府の審議会が公表した報告書に、“今後の日本社会で高齢夫婦が老後を暮らすには、支給される公的年金の他に約2000万円が必要になる”旨が書かれていて、日本中が大騒ぎになった、あの問題だ。

 だからどうするべきなのか、という問題提起ではない。金融庁長官の諮問を受ける「金融審議会」の「市場ワーキンググループ」が、あくまでも金融サービス事業者向けに、だからこういう金融商品を作って売ったら儲かりまっせ、と“啓蒙”するのが狙いの文書であり、2000万円うんぬんは、その前提となるデータとして提示されていたのにすぎない。

 目的はどうあれ、それでも多くの国民は反発しかけた。官邸前の抗議集会や、デモがあった。野党も結束して追及した……かに見えた。だが、やがて尻すぼみになり、7月の参院選でも、さしたる争点にはならなかった。

 原因は明確でない。野党のだらしなさ、権力になびく一方のマスメディアといろいろあるが、それだけでは説明できない。しかし、そうなった決定的な背景が、私にはわかるような気がする。


■消費税率は上がれど悪化する社会保障

 1988年のことである。ある不動産会社が、自社商品の宣伝本を出版した。題して『パートナーシップ』。一言に要約すると、こんな内容だった。

--- --- --- --- --- ---
 日本銀行の試算によれば、現役を退いた高齢夫妻の老後は公的年金だけでは賄えず、平均でざっと1500万円の貯蓄が必要です。だから皆さん、当社のワンルームマンションに投資して、安心な老後に備えましょう。
--- --- --- --- --- ---

 時はまさに金ピカ・バブル経済の真っ盛り。週刊誌の記者だった私は、その本を地上げ絡みのネタ元にさせてもらっていた同社幹部にプレゼントされ、思うところあって、大切に保管してきた。

 消費税が導入されたのは翌89年。“高齢化社会への対応”が前面に打ち出され、紆余曲折を経てのスタートだったが、その後も同じ理由が繰り返し掲げられ、税率が3から5、8%へと引き上げられて、ついには2桁の大台に乗ろうとしている。

 考えてももらいたい。いくらなんでも、おかしすぎはしないか

 消費税の導入前は1500万円の不足。税率10%を目前にした現在は2000万円の不足。何も変わっていない、どころか、事態はかえって悪化している。いったい何のための消費税だったのか。


■消費税は大企業や富裕層の減税の財

 ……などと吠えてみせるのもカマトトではある。財務省の資料「法人税率の推移」によれば、88年度に42%だった法人税の基本税率は、翌年に消費税が導入されてからは減税に次ぐ減税で、現在は半減に近い23・2%だ

 また、これも財務省のデータ「一般会計税収の推移」は、税収全体に占める税目別の割合が、消費税と法人税がほぼ反比例している様子を示している。この間には所得税の累進性もかなり緩んだ。99年からの8年間は累進の上限が年間所得1800万円超の37%。少し大きな会社の部長さんも、大財閥のオーナーも、同じ税率だった。

 財政健全化の財源にすると強調された局面もしばしばだった。けれども、この点にしたところで、消費税が導入されて以降も、財政赤字は膨らむ一方であり続けてきた。税収が増えると、増えた分だけ土建屋政治”や“軍拡に勤(いそ)しんできたからに他ならない。

 要するに、消費税は社会保障の充実や安定化、財政健全化のために導入されたわけでも、増税されてきたわけでもない。敢えて単純化してしまえば、それはただ、大企業や富裕層の減税の財源になった。すなわち、この間に政府やマスメディアが国民に刷り込んできた“消費税の目的”なるものは、何もかも嘘(うそ)だったと断じて差し支えないのである。


■自己責任論が強調される社会保障

     (消費増税関連法案の成立で合意(3党合意)した
      野田佳彦首相、自民党の谷垣禎一総裁、公明党の
      山口那津男代表(右から)=2012年8月8日、国会)

 もっとも、ことの善悪の一切をさて置く限り、とりわけ近年における状況は、いわば必然的な結果でもあった。民主党政権と自民、公明両党との「3党合意」で、国策「社会保障と税の一体改革」の目玉としての消費税増税が決められた2012年の冬、「社会保障制度改革推進法」が可決・成立している。その第2条の1が、社会保障を、こう定義していた。

 ――自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

 一般の認識とは、天と地ほどもかけ離れてはいないだろうか

 社会保障と言えば、普通は社会保険や公的扶助、公衆衛生、医療、社会福祉などの概念をまとめたものと理解されている。1950年に当時の「社会保障審議会」が打ち出した「狭義の社会保障」の定義が、多くの人々には、なお生き続けているのだ。いずれにせよ、今風の表現では「公助」のイメージだ。「社会保障制度改革推進法」の定義と対比されたい。

 そして、消費税率が8%に引き上げられる4カ月前の2013年12月、今度は「推進法」を具体化していくための「社会保障制度改革プログラム法」が可決・成立。同法では社会保障における政府の役割が規定されているのだが、こちらはもっと凄まじい。

 ――政府は、住民相互の助け合いの重要性を認識し、自助・自立のための環境整備等の推進を図るものとする。

 徹底的な自己責任論であり、政府は努力義務しか持たないと定めている。書籍や雑誌の記事、講演会などの場で、私が幾度も幾度も書き、語り、批判してきたことである。

 こう書くと確実に返ってくるのは、“消費税がなければ、社会保障そのものが解体していた”などといった反論だろう。制度の“持続可能性”を錦の御旗とする政府やマスメディアが近年多用したがるロジックだが、これほどの本末転倒もない。制度だけが持続しても、国民生活を支えることができない制度なら無意味だ。

 「社会保障は国民生活に必優なものであるから、財源が足りなければ、どこからか財源を工面して、社会保障の充実に充てるのが、政治家の仕事ではないか」と、鹿児島大学の伊藤周平教授(社会保障法)は喝破してのけている(『社会保障入門』ちくま新書、2018年)。生存権を規定した憲法25条を持ち出すまでもなく、消費税は上げるが社会保障の水準は下落の一途、などという“政策”は、本来、許されてよいはずがないのである。


■本気で怒らない国民にも責任

 2000万円問題がいつの間にか騒がれなくなった最大の理由は、おそらく、ここのところだ。

 消費税で社会保障が充実するなんて妄言を、実は誰も信じてなどいない。お上に何を言ってみても無駄であり、自分たちは政治権力や巨大資本の金ヅル兼労働力、ないし兵力以上でも以下でもないと、大方の日本国民は初めから諦め切っている。だから、どうせ野垂れ死にしかあり得ないとわかりきっている老後に、今さら2000万円がどうのこうのといわれても、本気で腹を立てることができない。あまり深く考えても。生きていたくなくなるだけではないか。

 そのような思考回路が、絶望が、現代のこの国には充満しているのだと、私は思う。

 安倍晋三第4次再改造内閣のもとで、私たちの社会保障はさらに“大胆”に、切り捨てられていくのだろう。国民の生活や生命を屁とも思っていない政権の非道もさることながら、いいように騙(だま)されて、にもかかわらず誰も本気で怒り狂おうとしない、物事を自分の頭で考えるくらいなら死んだほうがマシだと思っているフシさえ感じられてしまう国民の側にも、大きな責任があると言わざるを得ない

 近い将来にはまたぞろ、さらなる消費税増税不可避論がマスメディアに溢(あふ)れるに違いない。一時は政権批判の材料になった「2000万円問題」も、その時には消費税率の15%、20%への引き上げを正当化する“論拠”に使われることになるはずだ。

 放火魔が火事場泥棒を働く構図と言うべきか。

 そして、当然のことながら、目下の日本国民のままであれば、消費税率がたとえ30%、40%に引き上げられようと、「社会保障とは自己責任」のことなりとする政府の姿勢は、いささかも改まるまい。

 打開策があるとすれば、ただひとつ多くの人々が消費税というものの本質を学び、理解して、怒らなければならない時は本気で怒ることである。次回は、そのための一助となる記事を書く。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする