Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●「死刑のスイッチ」を強制する裁判員制度: 「やった人でないと、この苦しみは分からない」

2013年10月09日 00時27分27秒 | Weblog


東京新聞の記事【元裁判員「苦しみ私で最後に」 ストレス障害訴訟で陳述】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092502000113.html)。

 「心身に大きな傷を負った。このような苦しみを味わうのは、私で最後にしてほしい」「写真のフラッシュバックで苦しみ、通院治療で休業が長引いたため会社を解雇されるなど、生活を狂わされた」「やった人でないと、この苦しみは分からない」・・・職業裁判官の怠慢ではないのか? こんな思いを無理やり強制される制度、「死刑のスイッチ」を強制する制度、私はぜったに御免だ。「憲法上、許されないと思う」、全く同感。

   『●死刑存置を目指して、市民の意識のハードルを下げさせる制度
   
    「裁判員制度に乗せられて、「死刑のスイッチ」を押させられるなんて、
     真っ平御免だ。ましてや、それが冤罪であったりすれば、二重三重の
     意味でトラウマ必至だ。死刑存置をもくろむ国や官僚、政治家が、
     死刑に対する市民の意識のハードルを下げさせるための制度
     裁判員制度であると思う。その片棒を担がされるなんて耐えられない。
     敢えて重大犯罪の裁判にシロウト裁判員を参加させるところがその証左」

   『●『つぶせ! 裁判員制度』読了
   『●『官僚とメディア』読了(3/3)
   『●『裁判員制度の正体』読了

   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●死刑という制度: 「吊るせ、吊るせ」の合唱で何か状況は変わるのか?
   『●「裁判員制度」の下での「死刑制度」存置支持
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●裁判員制度下で少年死刑判決
   『●裁判員の心を慮る・・・
   『●そのスイッチを押せない
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●裁判員制度: 被告にとっても憲法違反
   『●裁判員制度を即刻中止に
   『●「死刑のスイッチ」を押すこと: 裁判員のストレス障害
   『●裁判員制度という不始末に最高裁はどのような落し前を?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092502000113.html

元裁判員「苦しみ私で最後に」 ストレス障害訴訟で陳述
2013年9月25日 朝刊

 強盗殺人事件の裁判員裁判で裁判員を務め、殺害現場の写真を見るなどして急性ストレス障害になったとして、福島県郡山市の青木日富美(ひふみ)さん(63)が、国に二百万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十四日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれ、青木さんは「心身に大きな傷を負った。このような苦しみを味わうのは、私で最後にしてほしい」と意見陳述した。

 裁判員制度をめぐり、裁判員経験者が提訴したのは全国初とみられる。国側は「国民の司法参加を求めるための合理的な制度で、辞退もできる」と争う姿勢を示した。

 青木さんは意見陳述で、裁判員を務めることを強制されたとした上で「憲法上、許されないと思う」と述べた。

 青木さんは陳述書で、写真のフラッシュバックで苦しみ、通院治療で休業が長引いたため会社を解雇されるなど、生活を狂わされたとも主張。正当な理由なしに応じない場合は過料が科せられるとの、呼び出し状の文面は「出頭しなければ犯罪者にされてしまうという恐怖感を抱かせるのに十分だった」と指摘した。

 提訴を契機に東京地裁は、裁判員の心理的負担軽減のため、遺体の証拠写真などがある場合は、選任段階で予告することを決定。最高裁も参考にするよう全国に通知している。

 訴状によると、青木さんは福島地裁郡山支部で三月にあった強盗殺人事件の裁判員裁判で、殺害現場のカラー写真や被害者が消防署に助けを求める録音テープを見聞きしたことで、吐き気や不眠に苦しむようになったとしている。

 青木さんは閉廷後に記者会見し、実名の公表に応じた上で「やった人でないと、この苦しみは分からない」と話した。
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●『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3)についてのつぶやき

2013年02月22日 00時00分23秒 | Weblog


DAYS JAPAN』(http://www.daysjapan.net/)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge

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■『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3) / 「本誌購読料の一部は原発被災地の子供たちの健康支援に使われます」、「一枚の写真が国家を動かすこともある」、「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」。表紙は広河さん撮影、郡山市の開成山公園前、2013年1月14日

■『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3) / 広河隆一さん「福島・子供たちの今」「ここのお花、摘んでもいい?と聞かれて・・・。広河さん、特集「IAEA国際原子力機関 福島で何が進んでいるのか」、「福島への本格進出の理由」。「桑原史成も韓国 二人の朴 激動の50年」

■『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3) / 米川正子氏「チェルノブイリとフクシマ/第14回 原子力の裏側 ――ウラン産地で何が起きているのか」。斎藤美奈子さん「OUTLOOK/原子力規制委員会に正しく仕事をさせるには」。山田養蜂場宣伝「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず。」(田中正造
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●IAEAと脱原発を決めた福島県・県民: 「福島の安全」「原子力安全」

2013年01月22日 00時00分03秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/fukushima/0001_5/002621.php)。

 危機を煽るつもりはないが、原発人災が収束したような言説はいかがなものか??
 9・11陰謀論や「水伝」(「水からの伝言」)など、ニセ科学を批判してきたものとして、安全側に考えておくべきことは当然としても、3.11東京電力原発人災のニセ情報に踊らされないような対応を心がけたいのだが・・・・・・、なかなか難しい。「温度計」の問題や「放射線量急増」の問題など、過剰な反応も心情的に理解できるし、「予防措置原則」で対処すべきであるけれども、でも、揚げ足を取られて、反原発派・脱原発派が推進派に「付け入」られないようにしたいものだ。
 その上でもやはり、危機を脱し、東京電力原発人災が解決したかのように、「「福島の安全が確認できれば、できるだけ早く自国に原発施設を建設したい」と考える出席者」が出るような現状認識、あるいは、IAEAや日本政府のその認識への誘導は間違っている。

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http://www.videonews.com/fukushima/0001_5/002621.php

福島報告 (2012年12月21日)
IAEA国際会議に福島の住民が反発
報告:藍原寛子氏(医療ジャーナリスト)

 総選挙まっただ中の12月15日、日本政府とIAEA(国際原子力機関)による国際会議「原子力安全に関する福島閣僚会議」が原発事故の被災地である福島県郡山市で開催された。IAEA加盟120か国が参加した。福島県や福島県立医大、外務省が除染、放射線モニタリング、健康の3分野でIAEAの協力を受けることで合意。今後IAEAは福島県内に拠点を置いて、支援活動を展開する。
 この国際会議は2011年5月、当時の菅直人首相が提唱。今年8月に佐藤雄平福島県知事がウィーンのIAEA本部を訪れ、天野之弥事務局長に福島への支援を要請して開催が決まった。表向きは原発震災に遭った福島県民への支援だが、実際には別の側面もあった。
 会議に先立って、来日した各国の出席者は福島第一原発を視察したが、天野事務局長が「防護服は着ずに、マスクと手袋だけで回れるようになった」と話したことが報じられたり、日本産食品の試食会が開かれるなど、海外の出席者に安全性をアピールする内容も盛り込まれた。
 福島県・福島県立医大・外務省とIAEAがそれぞれ取り交わした覚書の内容は、県民健康管理調査に関して、県民の個人情報保護やインフォームド・コンセント(説明と同意)の確認など不明確な点が多い。本来は県民の健康のために分析されるデータについて、どこまで第三者がチェックできるのか具体的な説明は行われていない。
 もう一つの課題は、脱原発を決めた福島県が、「原子力の平和利用」を掲げるIAEAの協力を仰ぐことが、本当に県民の意思に沿っているのか議論の余地がある。原発に関する立場が異なる組織による協力関係は、「利益相反」の可能性もあるからだ。
 会議には、今後、原発事業を導入したいアジアの新興国の代表、各国の電力会社の代表なども参加、新興国で電力不足が顕著になるなかで、「福島の安全が確認できれば、できるだけ早く自国に原発施設を建設したい」と考える出席者もいて、関係者による情報交換やロビー活動が盛んに行われた。
 会場の外では、住民を中心として反原発を訴える人々による抗議活動が展開された。IAEAの活動をウォッチするグループ「フクシマ・アクション・プロジェクト」や、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの代表者らは、「福島原発事故はまだ終わっていない。事故を過小評価しないでほしい」「福島県内の原発を全て廃炉にするよう日本政府に働き掛けてほしい」「子どもや若者の被害の最小化に努めてほしい」などとする要請書をIAEA報道官に手渡した。
 会議の映像を交えながら、神保哲生とジャーナリストの藍原寛子氏がレポートする。


プロフィール
藍原 寛子 あいはら ひろこ
(医療ジャーナリスト)

1967年福島県生まれ。1990年千葉大学文学部行動科学科卒業。同年福島民友新聞社入社。マイアミ大学医学部移植外科、フィリピン大学哲学科などの客員研究員、国会議員公設秘書を経て、2011年よりフリー。
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●「原発事故は終わっていない」

2012年12月29日 00時00分07秒 | Weblog


日テレのホームページに出ていた宣伝(http://www.ntv.co.jp/program/detail/21816413.html)とOurPlanet-TVに出ていた小出裕章さんのインタビュー(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1498)。

 NNNドキュメント、録画していたものを、ようやく見た。

 福島に人たちはこんな選挙結果を望んでいたのだろうか? だって原発を推進してきて、最も責任のある自民党政権に戻ることを。再稼働どころか、新規建設さへ考えている。
 結局、大飯原発の再稼働って一体何だったのだろう? 多くの人たちが民主党に失望し、民主党自身がオウンゴール、その批判票が他に流れ、結果として自民党を利した訳か。
 でも、3割程度の投票で自民党が7割程度を制するという、民意が無視された無茶苦茶な形で結果が現れる今の選挙制度を何とかしないと。

 原発推進に何の責任も取らなかった自民党や、「東京に原発を」と叫ぶ元東京〝ト〟知事や大飯原発再稼働問題で(嘉田さんも含めて)ヒヨッてしまった元大阪〝ト〟知事のトンデモ党に投票してしまった「その人」たちに、小出裕章さんのインタビュー映像を、是非、見てほしい。考えてほしい。

   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?
   『●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党
   『●何がメルトダウンしたのか?

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http://www.ntv.co.jp/program/detail/21816413.html

NNNドキュメント「遠きフクシマの故郷さまよえる家族たち~」

番組内容

福島第一原発事故から1年9か月。福島県ではいまだ16万人が避難生活を送っている。放射能への不安、離ればなれの家族が一緒に暮らせる日はいつか…未来への展望を探る。

詳細
原子力 明るい未来のエネルギー」福島第一原発がある双葉町に掲げられている標語だ。小学生の頃にその標語を作った男性は、いま愛知県で家族と避難生活を送る。幼い息子にいつか見せるため、故郷の記録を録り続ける。一方、ある男性は仕事のために郡山市に残ったが、妻と娘3人は山形に避難させている。原発事故が奪った家族の日常、放射能への不安…。福島の今を伝え、未来への展望を探る。

【ナレーター】
中山由佳

制作
福島中央テレビ・中京テレビ
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http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1498

原発事故は終わっていない小出裕章さんインタビュー
投稿者: ourplanet 投稿日時: , 12/12/2012 - 13:16

野田総理大臣が、東京電力福島第一原発事故の「収束」を宣言してから間もなく1年となる。しかし現場では、毎日のように汚染水漏れが起きるなど、厳しい状況が続いている。

今、この事故について、どう考えるべきかー。方向転換できない政界、経済界。米国と日本の関係。大飯原発再稼働問題。種まきジャーナル。子どもたちの避難。京都大学の小出裕章さんが思いのたけを語った。

協力:城南信用金庫
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●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党

2012年12月22日 00時00分14秒 | Weblog


山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、12月16日)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012121802000130.html)。

 憲法改正なんて議論している場合か! 原発推進なんてしている場合か!! 「難民」「収容所」なんて、言わせるような社会や政治っておかしいでしょう!!!

 その前に、以下は 綿井健陽さんの『逆視逆考PRESSより。

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/

(『選挙を前に あれだけの……にもかかわらず……』、http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-12-16
来年7月には参議院選挙があるという。そこでももし、「橋下的・石原的・安倍的な、価値観・歴史認識・言葉・感情を抱く人たち」が、彼ら3人がいる政党に投票して多数派となれば、その先に待ち構えているものは何か、その先の日本の社会は何と表現されるのか。

(『Twitterまとめ投稿 2012/12/17』、http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-12-17
wataitakeharu熱烈な支持者からすれば余計なお世話かもしれないが、この時代状況にもかかわらず、なぜに社民と共産はこんな程度の得票・議席しか、いつも得られないのでしょうか?今回も含めて、これまで20年間だいたいどちらかに投票してきた者として、毎回ガックリする事実なのです。自民大勝よりもまたガックリ12/17 01:22

(『Twitterまとめ投稿 2012/12/18』、http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18
wataitakeharu昨年11月、浪江町から避難して仮設住宅に住んでいた女性は、そこを「収容所」と呼んでいた。今回いくつかの仮設住宅で聞いた言葉は「難民」。「原発に賛成か反対か?ってよく聞かれるけど、それよりもワシら難民の生活基盤をどうするのかまず考えてほしい。いつまでここで暮らさなきゃいけないんだ」12/18 06:33
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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、12月16日】

2012/12/16
「私たちを抜きに福島のことを決めるな!」ーーIAEAの福島訪問に疑念と抗議の声
執筆者
: Yamaoka (2:28 pm)

 衆院総選挙で報道がほとんどかき消されているが、福島第一原発事故に伴う住民被曝問題にとって、岐路になるかもしれない事態が進んでいる。
 政府とIAEA(国際原子力機関)共催の原子力安全国際会議が、15日から福島県郡山市で始まった。玄葉光一郎外相は本会合で、IAEA調査団に福島第一原発の現場を見てもらい、廃炉に向けた調査と助言を得ていく、とその主旨を発言した。
 だが、IAEAとはそもそも「核の平和利用」、すなわち原発政策を推進する国際機関だ。天野之弥事務局長は14日、福島第一原発を視察した後、「多くの国が原発を必要と考えている」と述べ、暗に「脱原発」政策を批判した。そのIAEAが今回の国際会議を皮切りに、放射線の健康被害について過小評価し、日本の政策決定に重大な影響を与えるのではないか――こうした疑念の声が県内外で少しずつ高まっている。
 14日正午、反原発団体「原発いらない福島の女たち」が県知事に宛てて、「福島へのIAEA進出をやめさせること」「除染の限界を見極め、住民の避難に保障を」等を求める要請書を提出。その後、福島県庁に隣接する紅葉山公園で集会を開いた。
 公園と阿武隈川を挟んだ対岸には高い放射線量で知られる渡利地区があるが、公園の放射線量も、簡易測定器で計測したところでは毎時0.79マイクロシーベルトを記録した。東京と比較しても一桁違う。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012121802000130.html

小選挙区24% 比例代表15% 自民 民意薄い圧勝
20121218日 朝刊

 戦後最低の投票率となった十六日の衆院選は、自民党が定数(四八〇)の六割を超える二百九十四議席を確保する圧勝で終わった。しかし小選挙区で自民党候補の名を書いたのは全有権者の約四分の一、比例代表に至っては15・99%だった。自民党の勝利は、必ずしも民意を反映したものではない。多党乱立と低投票率が自民党を利した結果であるということが、はっきり分かる。

 衆院選の投票率は小選挙区で59・32%。戦後最低を記録した。


 一方、自民党の得票率は小選挙区が43・01%。比例代表は27・62%。ただし、これは投票した人の中での比率だ。

 全有権者に占める比率は24・67%、比例代表は15・99%となる。選挙区でも比例代表でも自民党候補や党名を書いた有権者は「少数派」だ。

 ところが、自民党が獲得した議席は小選挙区で定数の79%にあたる二百三十七議席、比例代表は、同31・67%の五十七議席だった。

 現在の衆院選挙制度は、小選挙区制と比例代表の並立制を採用している。民意を集約して二大政党制に導く小選挙区制で自民党は、有権者全体に占める得票率の三倍以上の議席を獲得。信じられないような世論との乖離(かいり)が生じた。

 民主党は、小選挙区で自民党の約半分にあたる22・81%の得票だったが小選挙区での獲得議席は自民党の一割強の二十七にとどまった。ここで両党が明暗を分けた。

 このようなずれは、十二党が乱立した今回の衆院選で、多くの候補が票を食い合ったことが最大の要因。特に、最大の争点の一つだった原発政策で「原発ゼロ」を公約する政党が小選挙区で競合し、結果として原発を容認する自民党を利した形だ。
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●『週刊金曜日』(2012年10月12日、915号)についてのつぶやき

2012年10月16日 00時00分12秒 | Weblog


週刊金曜日』(2012年10月12日、915号)/「終わらない放射能汚染との闘い/誰のための除染なのか」: 「除染より移住費を求め始めた被災地」・「飯館村の文科省モニタリングの不可解」・「郡山市・除染で解決できない学校のホットスポット」・「除染を個人で東電に損害賠償請求」・・・

『週刊金曜日』(2012年10月12日、915号)/除染は移染。石丸次郎氏「大阪展拒否のニコンに抗議」、佐高信氏『風速計』「本島等という存在」、北原みのり氏「『朝日』記者に“応戦”橋下オコチャマ市長のミソジニー甚だしいオコチャマな怒り」、山口正紀さん「領土ナショナリズムを煽るな」

『週刊金曜日』(2012年10月12日、915号)/渡部真氏「主義主張理由に『赤旗』を排除しようとした規制庁」、高嶋伸欣氏「自称「ジャーナリスト」櫻井よしこを出演させたNHKの不見識」。臨時増刊「さようなら原発 路上からの革命」鎌田慧さんら鼎談、畠山理仁さん「福島の人たちのいま」

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●戦争と原発: 伊丹万作さん「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」

2012年08月16日 00時00分02秒 | Weblog


戦争責任に関するasahi.comの記事(http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000901112220002)。戦争と原発についての東京新聞の二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012081502000144.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012081590135501.html)。関電に騙されたという話の東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012081502000108.html)。最後に、原発輸出についてasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/intro/TKY201208140565.html)。

 数日前の朝日新聞生活欄に伊丹万作さんの記事が出ていたので、検索したが出てこず。その代り、同様な内容の古い記事『声を上げない国民性 またも』が出てきた。
 伊丹監督の言葉。「多くの人が戦争でだまされていたというが、だまされるということ自体がすでに一つの悪である/だますものだけでは戦争は起こらない/だまされていた、といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」。

   『●『戦争の世紀を超えて』読了
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(2/3)
   『●『だまされることの責任』読了(1/3)
   『●『だまされることの責任』読了(2/3)

いままさに、原発再稼働で「騙されることの責任」が生じようとしてはいないだろうか? あの「戦争」とこの「原発」、同じじゃないのか? 東京電力原発人災以降に、原発再稼働原発輸出、「平気でいられる国民」であってはならない。
 「関西電力管内の最大電力需要が二千六百八十一万キロワットで、猛暑だった二〇一〇年夏よりも四百十四万キロワット、率にして13%下回っていたことが分かった」そうだ。またしても、「だまされるということ自体がすでに一つの悪」をなしてしまったのかもしれない。

 もちろん、騙す者が最大の悪ではある。そして、原発輸出でベトナムトルコ・リトアニア・ヨルダンの人たちを騙す側に。東京電力原発人災で、損害賠償などしようもないことが分かった我々が。

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http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000901112220002

回顧2011みえ
声を上げない国民性 またも
2011年12月22日

 「原発」と「戦争」を同列に論じるのは、乱暴かもしれない。だが、「芦浜原発」阻止を訴える詩を残した錦米次郎(よねじろう)には、重なり合って見えたに違いない。
 8月に連載した「戦争と詩人」の取材で、その生涯をたどった。農家の日々の生活から社会を見つめた詩作の原点は、3度の戦場体験にあった。
 最初は、満州事変後の中国東北部(旧満州)に出征。大虐殺と国際的な非難を浴びた南京事件の現場にも立たされた。そして、再召集された南部仏印(ベトナム)で終戦を迎え、数多くの農民の餓死や対仏解放運動を目の当たりにした。
 戦場では、弱い立場の人々が犠牲を強いられる生活、人生、命、すべてが踏みにじられる。そして、貧しい農家の錦がそうだったように、同じ立場の人々が最前線で「加害者」にもさせられる。戦場の本質は、いつの時代も変わらない。
 錦は「芦浜原発」の立地計画があった南伊勢町と大紀町境の予定地に自ら足を踏み入れ、漁民たちから話を聞いた。誰もが受ける電気の恩恵のために、なぜ地方だけがリスクを負わされなければならないのか。漁民の生活はどうなるのか。建設の先に錦が見たのは、戦場と同じ犠牲だったのだろう。
 80年前、この国は満州事変を起こし、破滅の道を突き進むように15年近く戦争を続けた。「大東亜共栄圏」「五族共和」「自存自衛のための聖戦」。大多数の国民が信じた。錦自身も「国家の絶対を疑わなかった」と戦後に書き残した。
 錦の言葉に考えをめぐらせながら、映画監督の故・伊丹万作が終戦翌年に書いた「戦争責任者の問題」という一文を思い出した。

   《多くの人が戦争でだまされていたというが、
    だまされるということ自体がすでに一つの悪である/
    だますものだけでは戦争は起こらない/
    だまされていた、といって平気でいられる国民なら、
    おそらく今後も何度でもだまされるだろう》

 「戦争」を「原発」に置き換えると、錦の視点がとらえた戦後社会の本質が理解できるように思える。それは、終戦の後も変わらなかった社会構造であり、自分で考え、声を上げることが少ない国民性ではないか。連載を終え、そう感じている。(中村尚徳)

◎錦米次郎
 1914~2000。戦後、三重詩話会を立ち上げ、今年60周年を迎えた「三重詩人」を創刊。四日市公害、長良川河口堰(かこうぜき)、成田空港建設といった社会問題に関心を持ち続けた。1937年の南京事件を題材にした「南京戦記~わが軍隊手帳」(85年)などの作品のほか、代表的な詩集に「百姓の死」がある。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012081502000144.html

【社説】
戦争と原発に向き合う 未来世代へ責任がある
2012年8月15日

 広島、長崎の原爆忌を経て、六十七回目の終戦記念日です。東日本大震災と福島第一原発事故後の八月は、戦争と原発に向き合う月になりました。
 毎週金曜夜に恒例となった首相官邸前の反原発デモは、ロンドン五輪の晩も、消費税増税法成立の夜も数万の人を集めて、収束どころか拡大の気配です。政府の全国十一市でのエネルギー政策意見聴取会でも原発ゼロが七割で「即廃炉」意見も多数でした。
 二〇三〇年の原発比率をどうするのか。原発ゼロの選択は、われわれの価値観と生活スタイルを根元から変えることをも意味します。その勇気と気概、覚悟があるか、試されようとしています。

内なる成長信仰なお
 それまで散発的だった各地の反原発抗議行動の火に油を注いだのは、関西電力大飯原発の再稼働を表明した野田佳彦首相の六月八日の記者会見でした。安全確認がおざなりなうえに、「原発を止めたままでは日本の社会は立ちゆかない」と、再稼働の理由が経済成長と原発推進という従来の国策のまま。「夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」とまで踏み込んでいました。
 反原発や脱原発の市民が怒る一方で財界、産業界が安堵(あんど)、歓迎したのはもちろんです。最大手全国新聞の主筆は野田首相の「反ポピュリズム」的決断と評価、「電力・エネルギー不安を引き金とする経済破局は避けられるに違いない」と論評しています。
 原発に関する世論調査では奇妙な傾向に気づきます。新聞やテレビの調査では、原発ゼロを求める声は、街頭に繰り出しているような勢いがなく、日本経済のために原発推進が少なくないことです。四十年前、水俣病の原因がチッソ水俣工場の廃液だったことが判明したあともチッソ擁護市民が少なくなかったように、フクシマ後も。われわれの内なる成長信仰は容易には変わらないようです。

倫理と規範と人の道
 しかし、経済以上に忘れてはならない大切なものがあります。倫理や規範、あるいは人の道です。
 作家村上春樹さんは、昨年の六月、スペイン・バルセロナのカタルーニャ国際賞授賞式のスピーチで、福島原発事故をめぐって「原発を許した我々は被害者であると同時に加害者。そのことを厳しく見つめなおさないと同じ失敗を繰り返す」と語りました。
 村上さんの悔恨は、急速な経済発展の途上で、「効率」という安易な基準に流され、大事な道筋を見失ってしまったことでした。核爆弾を投下された国民として技術と叡智(えいち)を結集、原発に代わるエネルギーを国家レベルで追求、開発する。それを日本の戦後の歩みの中心命題に据えるべきだった。そんな骨太の倫理と規範、社会的メッセージが必要だった。世界に貢献できる機会になったはずだったというのです。我々は原発に警告を発した人々に貼られたレッテルの「非現実的な夢想家」でなくてはならないのだ、とも。
 日本の原発は老朽化の末期症状から大事故の危険性があり、廃炉の研究も十分には進んでいません毎日大量に生み出される低レベル放射性廃棄物で三百年、高レベルだと十万年の厳重な隔離管理が必要です。人知が及ばない時空、利便や快適な生活のために危険な放射性廃棄物を垂れ流しているとすれば、脱原発こそが、われわれの未来世代に対する倫理であり、人の道だと思えるのです。
 千年に一度の大震災と原発事故は、人々を打ちのめしましたが、日本が受け入れてきた西洋文明や思想、科学技術について考える機会ともなりました。文明の転換期のようです。成長から脱成長の時代へ。どんな時代、国、社会へと変わっていくのかは不確かですが、この国には信じ、愛するに足る人たちがいます。
 文学者のドナルド・キーンさんは、日本への帰化に際して、作家高見順が戦争中に日記に書いたのと同じ結論に至ったと打ち明けました。高見順は東京上野駅での空襲の罹災(りさい)民たちが、おとなしく健気(けなげ)、我慢強く、謙虚で沈着なのに感銘して、日記に「こうした人々と共に生き、死にたいと思った」と記したのでした。それは大震災での東北の人々と同じでした。

幸せな生き方さまざま
 在野の思想家の渡辺京二氏が「逝きし世の面影」で紹介したのは、幕末に訪れた外国人の目に映った日本と日本人のすばらしさでした。
 「貧乏人は存在するが、貧困なるものは存在しない」。貧しいけれど人間の尊厳が守られた幸せな人たち。当たり前のことながら、幸せは物質の豊かさではない。かつても、これからも、幸せな生き方はさまざまであることを教えています。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012081590135501.html

惨禍二度とないよう 父は戦死 故郷は汚染
2012年8月15日 13時58分

 「戦争と原発事故がなければ」。大震災による東京電力の福島第一原発事故の影響で、東京都内に避難中の福島県大熊町の多門幸一さん(68)は、追悼式に参列し、失ったものの大きさをかみしめた。戦争で父を、原発事故で代々の土地と生活を奪われた。「二度と惨禍が起きないように祈ります」

 父、七郎さんは終戦前の一九四四年春、会津若松にあった陸軍の連隊に召集された。幸一さんは生後六カ月。七郎さんはすぐに中国・湖南省に出征し、同八月に戦病死した。二十八歳だった。
 戦後、家に届いたのは戦死公報と石ころ一つだけだった。「父の面影さえない。時代とはいえ、意味のない死だった」と話す。
 家は代々のコメ農家で、母親は農作業に追われながら、幸一さんら子ども三人を育てた。母親は苦労の中でも夫のことを口にしなかった。幸一さんは、「父がいてくれたら」と幾度となく思った。
 やがて幸一さんは農業を継ぎ、家庭を築いた。その生活は昨年三月十一日の大震災で一変した。家は福島第一原発から約七キロメートル。家は壁が壊れた程度だが、町の呼びかけで「訳が分からないまま妻や町の人と郡山市に避難した」という。原発事故を知ったのは二日後のニュースだった。
 今は東京都練馬区内の娘夫婦の家に身を寄せる。大熊町の家にも何度か一時帰還した。田は荒れ、両親が眠る墓も倒れたまま。放射線量の高い町の除染はまだで、大部分が帰還困難区域となる可能性が高い。「原発は安全」としてきた国や東電に対し、「町は原発の恩恵も受けたけれど、裏切られた思いです」と言葉少なに話す。
 昨年、大熊町から追悼式に参列したのは一人もいなかった。幸一さんも「行ける状態ではなかった」。ただ、欠かさなかったお盆の墓参りも、今までのようにはいかない。「生きているうちに家に戻れるかどうかも分からない。式で父に震災を報告し、農作物を作れないことを謝ります」と話した。 (星野恵一)

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012081502000108.html

猛暑の10年より13%低く 関電管内 節電要請6週間 最大需要
2012年8月15日 朝刊

 政府が七月二日に始めた節電要請から六週間の八月十二日までの間、関西電力管内の最大電力需要が二千六百八十一万キロワットで、猛暑だった二〇一〇年夏よりも四百十四万キロワット、率にして13%下回っていたことが分かった。
 最大需要を記録した日の最高気温は今夏も一〇年夏もほぼ同じだが、今夏は東京電力福島第一原発事故を背景に企業や家庭の節電が需要を押し下げた。
 政府や関電は「一〇年並みの暑さになれば電力が大幅に不足する」として大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町、いずれも出力百十八万キロワット)を再稼働する根拠にしていた。関電広報室の担当者は「節電協力のおかげ。今後は気温上昇による需要増加や発電所のトラブルも想定され、需給が厳しくなる可能性もある」と説明した。
 これまでの最大需要は、大阪市の最高気温が三六・七度に達した八月三日午後二時台。一〇年夏は八月十九日に最大需要を記録したが、その時の気温は三六・六度だった。
 関電管内は大飯3、4号機が七月二十五日までにフル稼働した。直前の需要予測に基づいた電力供給量に対し実際どれだけの電力が使われたのかを示す電力使用率は最大需要を記録した八月三日でさえ、89%で10%以上の余裕があった。
 今夏は企業や家庭の節電が定着し、気温が三五度を超える平日の猛暑日でも最大需要は二千五百万~二千六百万キロワット台で推移した。
 本紙が今夏の発電実績を参考に原発を除く関電の発電設備能力を調べたところ、火力、水力、揚水、地熱・太陽で計二千八万キロワット。これに中部電力など他社からの融通電力など七百四十二万キロワットを加えると、計二千七百五十万キロワットで、これまでのところ大飯3、4号機のフル稼働がなくてもカバーできた計算になる。
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http://www.asahi.com/national/intro/TKY201208140565.html

2012年8月15日03時00分
原発事故賠償の整備協力 輸出拡大狙い、ベトナムと覚書

 日本政府は、原発を売り込もうとしているベトナムと14日、事故が起きた場合の損害賠償制度の整備で協力することで合意した。国際的な受注競争を有利に進める狙いがのぞく。しかし日本国内では原発輸出には反対が根強いうえ、賠償もしっかりできておらず、批判が高まりそうだ。
 ベトナムにも原発事故が起きた・・・・・・。
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●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官

2011年09月12日 00時00分54秒 | Weblog


中継を見逃してしまいましたがCMLに出ていた記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-August/011299.html)。

 数少ない(唯一?)画期的な判決だった模様。すごい圧力だったと思われます。後半で、インタビューも引用させてもらいました。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-August/011299.html

[CML 011433] ユーストリーム中継8/21原発差し止め判決を書いた井戸元裁判官講演(名古屋)とインタビュー記事
2011 8 21 () 06:07:14 JST

転送・転載歓迎

・・・・・・です。

講談社の週刊誌FRYDAYの9/2号の78~79ページに

2006年3月、金沢地裁―志賀原発訴訟で国策に逆らう判決を下すまでの重圧と苦悩
唯一の原発差し止め判事(井戸謙一元裁判長)「私がNOを突きつけた理由」

と題した井戸さんのインタビュー記事が載っています。機会がありましたらぜひお読みください。

井戸さんは今年2011年3月に判事を退官。現在は、滋賀県彦根市にある法律事務所に弁護士として勤め、原発訴訟の弁護団にも参加している。とのこと。

福島第一原発の事故を受け、各地の原発をめぐり市民訴訟の動きが出てきた。全国の原発事故関連訴訟にかかわってきた弁護士ら数百人が、国や電力会社を相手取り、今秋にも各地で運転差し止めを求める訴訟を起こそうとしているのだ。という動きが今起きているとの事。

市民社会フォーラム
(HP http://sites.google.com/site/civilesocoietyforum/
 ブログ http://civilesociety.jugem.jp/


を通して、今日8/21名古屋で行われる井戸さんの講演会がユーストリーム中継されることを教えていただきました。

転載します。

[civilsocietyforum21] 原発差し止め判決を書いた井戸元裁判官講演
---
名古屋の・・・・・・です。明日21日、名古屋で下記の企画があります。ユーストリームでも閲覧可能です。
以下転送します。

21日13時30分より
名古屋女性会館にて
「司法と原発を問う」というタイトルで、
志賀原発運転差止の判決を出された
井戸謙一元裁判官の講演会があります

遠隔地の方々にもぜひ見ていただきたいとユーストリームでの配信が出来ないかと
お願いしたところ
岩上チャンネルのご協力で中継できることになりましたのでお知らせします

・・・・・・。

当日は井戸謙一さんがパワーポイントを使いながら志賀原発運転差止の判決の経緯を
お話になり
また現在担当している
郡山市集団疎開訴訟のお話なども聞けます
内容の中には判りにくいところもありますので後半には
イラク訴訟の川口弁護士が対談という形で質問も含めて判り易く解説してくれること
になっています
ぜひご視聴ください
中継をご覧できなかった方もアーカイブで見られます。
・・・・・・。
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 『薔薇、または陽だまりの猫』様のブログ(http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/f6b28809d1c23f6c5ccbd77688b0c916から、朝日新聞のインタビュー記事を孫引きさせて頂きます。

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http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/f6b28809d1c23f6c5ccbd77688b0c916

井戸謙一さんに聞く司法と原発
2011-06-03 07:30:07


いど・けんいち 54年生まれ。神戸や甲府などでの勤務を経て、02年から06年まで金沢地・家裁部総括判事。この春に依願退官、滋賀県彦根市で弁護士登録。

    ◇

〈原発訴訟〉 原発は危険だとして、各地で国や電力会社を相手取った訴訟が行われてきた。しかし、これまで確定した原発訴訟では、すべて住民ら原告が負けている

 志賀原発2号機(石川県)については住民らが北陸電力を相手に金沢地裁に提訴。06年の判決は原発の運転差し止めを認めた。稼働中の原発では唯一の事例だが、高裁で原告が逆転敗訴し、昨年、最高裁で確定している。

 福井県にある高速増殖原型炉「もんじゅ」の設置許可をめぐる訴訟では名古屋高裁金沢支部が03年、国の安全審査に「見過ごせない誤りや欠落」があるとして地裁判決を取り消し、原告勝訴を言い渡した。最高裁で逆転敗訴。

裁判官は「素人」、世論や専門家に迎合する誘惑

 国の政策を否定する訴えは認めにくい。司法にはそんな印象がつきまとう。原発はその代表格だが、志賀(しか)原発2号機をめぐる訴訟で裁判長を務めた井戸謙一さんは「原子炉を運転してはならない」と言い渡した。なぜ異例の判決に踏み切ったのか、なぜ裁判官は国策に寄り添いがちなのかを聞いた。

 ――「炉心溶融事故の可能性もある」「多重防護が有効に機能するとは考えられない」。2006年の判決で指摘したことが、福島第一原発で現実になってしまいましたね。

 「まさにそうです。愕然(がくぜん)としました。三陸沿岸では貞観(じょうがん)地震(869年)の大津波があったことが指摘されています。長い地球の歴史から見れば、わずか千年前に起こったことは、また起こりうる『具体的危険』だと思います。原発という危険なものを扱う以上、当然、備えるべきです。東京電力がまともに対応しなかったのは信じられません」

 ――志賀原発の訴訟でも、被告の北陸電力が危険性を小さく見積もろうとしていた印象は?

 「感じましたね。国の言う通りやってるんだからどこが問題なのか、という姿勢でした」

 「原発近くを走る断層帯について、政府の地震調査委員会は全体が44キロ一度に動く可能性があり、想定される地震はマグニチュード(M)7.6と公表しています。被告は独自の調査で、断層は別々にしか動かないから想定はM6.6だと主張しました」

 「どちらが正しいかはわかりません。ただ、多くの地震学者が『M7.6』と言うのであれば、念のためにそれを前提とするという謙虚な姿勢になって当然だと思うんです。甘い想定で『安全だ、安全だ』と声高に言っても、その主張に乗るわけにはいきません」

 ――原子力政策に限らず、「国策」に反する判決は多くありません。裁判官が法務省に出向し、行政訴訟で国側の代理人をする人事制度もあります。司法の構造的な問題ではないでしょうか。

 「人事交流は、マイナスだけではありません。裁判官は行政内部の事情をよく知りません。原告を勝たせたときに、行政にどれほどの影響があるか見えないので、慎重になりすぎてしまう。法務省に出向してみると、原告勝訴でも行政は対応できるものだとわかります」

 「多くの裁判官は、まじめに仕事をしていると思います。しかし、慎重な人が多いのも事実です。裁判官が世論の後追いをしていては裁判官の存在意義がありませんが、世論からまったく自由であるとは言えません。一部の人たちが強く反対していても、国民の大多数が原発を受け入れている段階で『危険だから止めろ』という判決は、かなり勇気が必要かもしれません」

 ――志賀原発の訴訟では、国の耐震設計審査指針の評価が大きな争点になりましたね。

 「裁判官は原発の素人です。その私たちにもわかるようにと、膨大な証拠が出されます。それを熟読し、原子力発電の仕組みの基礎から理解していくわけです」

 「指針は『立派な肩書』の方々の見解をもとに作られています。それに基づいて設計・建設されているから『原発は安全』というわけです。一般論で言えば自分で決断ができないときに、肩書のある人たちの見解に沿ったほうが無難かな、という心理が働く可能性があります。専門家の言っていることを間違いだと判断するのは勇気のいることです。立派な肩書の方々に賛同しておいたほうが、あとで『あれは間違いだった』となっても、あまり非難を受けないんじゃないか。そういう心理状態になることもありうると思います」

 ――判決では耐震の指針に疑問を投げかけて、差し止めを命じました。「立派な肩書」で判断してしまいたくなったことは?

 「その誘惑はあったかもしれない。陪席の2人と合議して決めるうえで、事前に裁判長として自分の意見をまとめなければなりません。多くの学者が集まって作った指針そのものが不十分である、と私のような素人が判断するのですが、ロジックの参考となる判例はありません」

 「住民ら原告の主張を整理しつつ自分でも論理の構成を考え、よしっ、という確信が持てるまで、ずっと悩みました。その過程で、無難な結論への誘惑もあったのではないかと思います」

 ――判決では、危険がないことを立証する責任は北陸電力側にある、とされましたね。

 「過去の判例でも一応、安全性についての立証責任は被告にあるとしているのです。ただ、原発が国の指針に適合していることさえ立証すれば、被告の立証責任は尽くしたとされる例が多かった。原告側がそれでも危険があると主張するのなら自分で立証しなさいというのです。羊頭狗肉(くにく)だと思いました」

 「被告側は重要な資料を全部持っています。そもそも、原発という大変危険な施設を抱えている。『安全に運転できます』というのですから、最後まで被告側に立証させるのが公平だと思いました」

    ■    ■

 ――2号機は、判決の9日前に営業運転を始めたばかりでした。

 「原発訴訟は社会的注目度が違います。電力会社は大変な損害をこうむるし、電力供給計画にも影響を与えることになります。原発は全国的な問題ですから、他の原発訴訟や今後の建設への影響も大きい」

 「一番、プレッシャーを感じていたのは言い渡しの2カ月ぐらい前でしょうか。陪席裁判官から判決文の原案を受け取り、詰めの作業にとりかかってからです。布団の中で、言い渡し後の反響を考えていると真冬なのに体中から汗が噴き出して、眠れなくなったことがあります」

――相当な重圧ですね。

 「最後は、結論はこれしかないとの確信があったので気持ちは落ち着いてました。いくら世論と乖離(かいり)していても、少数者の言い分にすぎなくても、主張に合理性があると思ったら認めなければいけません。原告が主張するような事故が起き、被曝(ひばく)という具体的な危険があるかどうか。その主張を判断するだけです」

 「被告である電力会社の背後に原発を推進する国がいる、という構造は意識しますけど、判決には何ら影響を与えません。結論として原告の主張が認められるとすれば、国策に反していても原告勝訴とする。それが裁判官の仕事です」

 ――周辺住民の利益と公共の利益。バランスをどう考えましたか?

 「通常運転による放射能の放出程度なら公共の利益の方が重いという判断もあり得ると思います。しかし、電力会社は個別の故障しか想定していません。想定を超える地震が起きた時には緊急停止が働かないおそれもある。住民の受忍限度に収まるとは思えません」

    ■    ■

 ――判決後に同僚から「ほされるぞ」と言われたそうですが……。

 「冗談めかして言われた話です。あの前年には住基ネットの違憲判決を出しています。国策を否定する判決が2件続き、重要な事件を抱えた部署には配置されなくなるのでは、と。実際には人事で冷遇されたということはありません」

 「初めて違憲判決にかかわったのは93年、大阪高裁の参院定数訴訟です。陪席の主任裁判官として判決文の原案を書きました。言い渡し当日の朝は気負って、早めに登庁したんです。ところがですね、裁判官室の中はふだんと同じように時間が流れるんです。裁判長らはいつものように雑談をしていて、私一人が緊張している。『時間ですね、じゃあ行きましょうか』。そう言って、法廷へ向かう。それだけのことなのに、ものすごく感動したんですよ。『ああ、これが司法の独立なんだ』と」

 ――後輩たちにメッセージを。

 「どこからも、何の圧力もなく、主張と立証だけをもとに裁判官3人だけで相談し、淡々と判決を言い渡す。自分がいずれ裁判長になったときは、そういうふうに仕事をしたいと思っていました。原発訴訟もそうですが、訴えをどこにも聞き届けてもらえず、司法に一縷(いちる)の望みをかける例が多い。それを正面から受け止めて、救済すべきものはきちんと救済する。そこに本来、裁判官のやりがいはあります。司法は、市民の最後の砦(とりで)であるべきです」(聞き手・磯村健太郎、山口栄二)

*朝日新聞6月2日

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 最後に、asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201108020082.html)。

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http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201108020082.html

再稼働差し止め求め仮処分=関電原発の7基対象に住民-大津地裁
201182166

 定期検査で運転停止中の関西電力の原発について、福島第1原発事故で国の安全審査指針の欠陥が明らかになり再稼働は認められないとして、滋賀県や大阪府、京都府の住民約150人が2日、再稼働の差し止めを求める仮処分を大津地裁に申し立てた。

 差し止め対象の原発は、美浜1、3号機(福井県美浜町)▽大飯1、3、4号機(同県おおい町)▽高浜1、4号機(同県高浜町)―の7基。

 代理人の一人の井戸謙一弁護士は記者会見で「第二のフクシマを起こしてはならないという強い決意を政府、電力会社、国民が持つべきだ」と述べた。井戸氏は元裁判官。北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)をめぐる訴訟で2006年、金沢地裁の裁判長として、原発の運転差し止めを命じる唯一の判決を出した。 
[時事通信社]
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